口下手なオタクがヒソカの兄に   作:黒田らい

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念について独自の解釈があります。

よろしくお願いします。


それとも神棚作りますか?

俺の念の技術がどれくらいなのか試してみたい。

そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。

 

しかし、いざそんな状況に陥ると喜びよりも、驚愕と喪失感が先にやってきたんだ。

 

 

事の発端は、遡ること三時間前ーー。

 

 

 

 

 

※※※※※※※※※※※

 

 

ジールは、自室で地図を広げながら悩んでいた。

 

「……わかんねぇ。」

 

テーブルの上に置かれたのは、ミンボ共和国の主要な都市が描かれた地図で、幾つかの街が赤丸で囲まれている。

夜も遅く、手元のライトが走り書きのメモ用紙を照らしていた。

 

ジールは、彼のいとこの誕生から1ヶ月間、弟が居そうな施設の精査を行っていたが、その数の多さに手をこまねいていたのだ。

 

(あのおっさんが教えてくれればよかったのに。ケチめ。)

 

ラケルススの当主は、彼の子が産まれてからというもの、なにやら裏で忙しそうに動いていた。

前までは様子を見に来ていた家庭教師の授業なども見にこなくなってしまい、ジールはひとり卒業認可用のテストを受け、通信教育とはおさらばしている。

 

役目を終えた家庭教師も最近は来なくなり、断然1人でいる時間が増えたジールはヘソクリを数えたり、旅程に必要な物資をそろえたりとこちらも裏での作業を進めていたのだ。

 

 

 

そんな折に、ジールは屋敷内に不審な気配を感じとった。

 

 

距離はかなり近く、相手の目的が彼であるなら既に捕捉されていることを察した瞬間、絶で気配を消すのは辞めて、纏で留めていたオーラの流れを一般人のものに切り替えた。

 

(あれですか、暗殺とかそういう感じ?)

 

様子を探ろうと、椅子を引き立ち上がった瞬間。

背後に一瞬で現れたオーラを察知し、跳ねるようにその場から距離をとった。

 

 

 

そこからは怒涛の展開だった。

 

サシュッと、テーブルに何かが刺さった音につられジールが意識を逸らしたところを狙い、更に得物が投げられる。

それを慌てて避けながらも、視界に写った見覚えがある武器にジールは震えていた。

 

連続して投げられるそれを避けながら、ジールは相手を無力化する方法を考えてーーーは、いなかった。

 

(ヤバい、小さい。レアでは?ちょっと待ってチェキ撮ろ。物騒なもんは置いて写真撮ろ。)

 

 

襲われて混乱に陥った思考と、不治の病により内心はかなり荒ぶっていた。

そんな阿呆なことを考えていたからか、それともなかなか当たらない攻撃に苛立ったからなのか、10本目の攻撃はジールの眼球を狙い投げられた。

 

 

慌ててキャッチした所を狙われ、足元にもそれぞれ得物が投げられる。

 

(いや、ほんと攻撃がいやらしすぎる。)

 

隻眼キャラにジョブチェンジするのを免れたかとひと息着く間も無い。

 

 

急いで右足を下げたが、左足をズラすのが僅かに遅れ、足首の内側を掠って針が絨毯に刺さった。

その針は、ジールにとって覚えがありすぎるものである。後方に球体を付けたフォルムは全体を黄色に塗られており、僅かにオーラの気配も感じられた。

 

 

「ねぇ、ちょこまか逃げないで欲しいんだけど。」

 

「…………。」

 

 

眉間を狙って投げられた針を、最小限の動きで避ける。すると、針はそのまま軽い音を立てて背後の壁に突き刺さった。

 

(やめてぇ、ここの家具全般けっこういい値段すんだよ。)

 

心の中で泣きながら、ジールは相手を見やる。最初に姿を見せた場所から1歩も動かず、針を投げるのは

どこからどう見てもイルミ=ゾルディックだった。

 

 

「なに、お前も念能力者なわけ?」

 

「……。」

 

「答えてよ。」

 

「…。」

 

やっと訪れた休息にひと息つけるかと思いきや、会話を求める問いかけにジールのテンパリは最高潮に達していた。

 

(なんて言えばいいの?ねぇ、初対面で殺しにきた相手になんて声かければいいの?)

 

「……念能力者だ。」

 

捻り出されたのは最低限の言葉のみ。

己の不甲斐なさにのたうち回っているジールとは対照的に、イルミに気にしている様子はなかった。

 

「へぇ、やっぱりそうなんだ。資料には書かれてなかったけど、最近覚えたの?」

 

「……いや。」

 

「気になるなぁ、ちょっと見せてよ。」

 

「……。」

(何その軽いノリ。俺の手の内見ようとするのをJKが雑誌見る感覚で言うの辞めて。イルイルって呼ぶぞ。)

 

「別に全部見せてって言ってるわけじゃないよ?オーラを偽装するのをやめてくれればいいし。」

 

そう言って投げられた針は先程の問答も合わせて20は超えた。

これ以上イルミに針を投げられるのは勘弁して欲しいと、ジールは一般人っぽく偽装していたオーラの流れを通常に戻す。

 

 

薄暗い室内で、ずっと保たれていた能面が僅かに崩れた様子を見せ、イルミは一言放った。

 

 

「………気持ち悪いね。」

 

効果はバツグンだ、ジール(の心)は瀕死になった!

 

「あっ、別に悪い意味じゃないよ。」

 

ジールがショックを受けたことに気づいたのか、ただマイペースに付け足したのかは分からないが、フォローになるか微妙な言葉が添えられた。

 

「……満足したか。」

 

「うん、そうだね。」

 

「ならばひとつ提案がある。」

 

早く話題を変えようと言わんばかりに、ジールは珍しく自ら声を掛けた。それと同時に一瞬でオーラを伸ばしイルミを拘束する。特に腕や手を厳重に固め、そのまま床に引き倒した。

 

(イルイルにこんな事をして心が痛むけど、俺の平和的解決の為だから。)

 

コンマ数秒の出来事に、反応するも間に合わなかったイルミは下からジールを見上げた。

 

「……もう1人、この家に侵入している者がいるな。」

 

「……。」

 

「まだ動いてないようだが……、今までの会話も時間稼ぎか?」

 

「純粋な興味もあったよ。」

 

「…そうか。……では、先程の提案なのだが。」

 

一度言葉を切り、ジールがチラりと様子を伺うようにイルミを見やるが能面のまま変化は無かった。

 

「この場で君に依頼をするか、もう一人の方に依頼を出せないだろうか。」

 

「は?」

 

「いや、俺の暗殺依頼が取り消せればそれでもいいんだが……。」

 

「……そういうこと。なら、もう一人の付いてきてる方なら依頼出来るよ。君の依頼は取り消せ無いけど。」

 

(なるほどなるほど。なら、どうにかなるか?)

 

言質をとったジールは、待ってましたと言わんばかりにイルミを担ぎあげ部屋を飛び出る。

 

目的地は、先程ジールが探り当てていた。

イルミにオーラを飛ばし拘束すると同時に、エコーを敷地内にとばし不審な人物を発見していたのだ。

漫画ではジンのやっていた技で、それを思い出したジールとも相性がよかった為、数日前に習得していたものだった。

 

 

「ねぇ、もうちょっと丁寧に運んでよ。」

 

オーラで簀巻きにされたイルミは抵抗する気配も無く、運搬方法に不満を漏らしているのみだ。しかし、急いでいるのと、イルミを担いでいる事実に混乱するのとで忙しいジールは返事をすることも無く、離れの屋上を目指していた。

 

(俺は、ちょーっと隠が苦手なので、さっきのエコーも丸裸のまま飛ばしてしまった。移動した気配は無いが気が変わらないうちに行かないとな。)

 

気分は不審者を探して三千里だった。

まあ、その旅程は高速で過ぎていったが。

 

燭台も消され、暗くなっている廊下を走り抜け、普段は使用人用である裏口から出る。ジールはそのまま一直線に離れに向かい、壁面の凹凸に足を掛け、上まで登った。

 

屋上に着いた時、肩に担がれていたイルミは少し酔っていた。

ジールは前世から乗り物の運転がめっぽう下手だ。されどまさか拷問にも慣れたゾルディックを酔わすとは……ジールは少し申し訳無くなった。

 

「何か用かね。」

 

「……依頼をしに来た。」

 

「ははっ、随分な手土産じゃのう。」

 

月も出ない夜、殆どを夜目に頼ることになるが、相手の銀髪は少ない光を反射してよく目立っていた。

ゆっくりとこちらに振り返ったゼノ=ゾルディックは、イルミを一瞥するとジールに視線を合わせた。

 

(俺が到着するかなり前から接近には気づいていただろうに、会ってくれたということは希望を持ってもいいのか?)

 

ジールは、僅かに冷たい空気を感じながらも口を開いた。

 

「相場は分からないが、金はそれなりにあるつもりだ。貴殿に、俺を殺すよう依頼を出てきた者の暗殺依頼を出したい。」

 

 

「……なんと、金を払うというのか。」

 

「……俺の財力に不安が?」

 

「いやなに、孫を人質にとって依頼を出そうとする餓鬼かと思ってしまっただけよ。」

 

「そこまで腑抜けてはいない。それで、依頼は受けてくれるのか。」

(そんな恐ろしいことはしないっすよ!思い付きもしませんでしたぁ!!)

 

「ふむ、ならこれくらいの値段でどうかの?」

 

 

既にジールの口の中は砂漠のようにカラカラだった。言葉遣いで失礼なことを言ってないか焦りながらも、表には出さないように踏ん張っている。

当然それを知らないゼノは、悠長な手つきで懐から用紙を取り出し、数字を書いていった。

 

 

見せられた金額は、ジールのヘソクリの4/5。ほぼ全額だ。

 

(まぁ、払えて良かったと思おう。)

 

命あっての物種だと、了承の意を返したジールはずっと担いでいたイルミを床に降ろした。

 

 

「……彼は、貴殿の任務達成まで拘束させてもらう。」

 

「まぁ仕方ないの、……では行ってこよう。」

 

 

その言葉と共に一瞬で姿を消したゼノを見て、ジールはガチで狙われなくてよかったと心底安堵した。

 

 

 

 

 

とりあえず、とジールは屋上に転がしたイルミを座らせ、自身も一人分空けてその隣に座った。

 

(……これって、何か話さないと気まずいのでは?)

 

 

2人きりの空間で会話が無いのは辛いと思いながらも、話題が思い浮かばないジールは、正面を向いたまま動かない。なんなら、僅かに呼吸が浅い気さえする。

 

10分……いや、5分も経ってはいないが、時計がなく正確な時間が分からないジールにとって、1時間は過ごした気分だった。

 

耐え症の無い彼は、瞬きするのに合わせてこっそり隣を見た。職人レベルの早業だが、相手は視線に敏感な暗殺者だ。直ぐに気付かれ逆に凝視されることとなる。

 

(待って、イルイルのハイライトが無い目で見られるのは色々な意味で辛い。)

 

完全な自業自得ではあるが、イルミの視線に耐えかねたジールは、典型的な話の振り方をした。

 

「……名前は「イルミ」…そうか。」

 

「…………何歳なん「9歳になった。」」

 

「…………趣味とか「暗殺技術を磨くこと。」」

 

 

「……。」

 

 

「……夕食は何を食べた「すき焼き。」いい趣味をしているな。」

 

「そう?ありがとう。」

 

 

惨敗だった。いや、別にイルミに勝負をしているつもりなど無かっただろうが、ジールの会話のレパートリーは既に尽きていた。

 

(やっぱり、無謀な挑戦をするべきじゃないんだ。…それにしても食い気味の返答は心臓に悪いぞ、イルイルどうしたん?)

 

「もういいの?」

 

「……ああ。」

 

「ふーん。なら、僕の質問にも答えてよ。」

 

 

どうやらイーブンなやり取りの為に答えていたようで、今度はイルミから質問が来ることになった。

ジールとしては、向こうから話題を振ってくれるのなら何でもいいと涙を流しながら感謝していたが、世の中そんなに甘くない。

 

「……ねぇ、これオーラで拘束してるけど君って変化系なの?」

 

「……いや。」

 

「じゃあ、放出系?……操作系?へぇ。」

 

(バレてる?バレてるね!それにしてもグイグイ来るなぁ、子供怖い。)

 

「これどうやってるの?どんな発?」

 

「……。」

 

(マナー違反では!?知らんけど。子供の好奇心怖い。)

 

 

「ねぇ、ジール。僕はちゃんと答えたよ。」

 

「……放出系の性質を使った。これ以上は秘密だ。」

 

名前を呼ばれて混乱したオタクは口を滑らせた。ギリギリ踏みとどまったが、未だ混乱からは抜け出せていない。

 

 

「放出系?初めて知った。」

 

「……独学だから違うかも知れないが。」

 

 

しかし相手に何かを言われた瞬間、発言に保険をかけようとする小心ぶりでは健在であった。

 

「応用が効くいい発だね。」

 

(…………実は発じゃないってこと、黙っておいた方がいいよな?)

 

「……ありがとう。君の祖父はいつ頃戻って来るんだ。」

 

「ここからちょっと遠いし、まだかかるよ。それより、もう少し教えて。」

 

 

2人して正面を向きながら交わされるシュールな会話は、オーラ操作に興味を示すイルミと、タジタジにされながらもなんとか体裁を保つジールの構図になる。

 

何度か、話題を変えようと試みるジールであったが、普段からまともに喋れない男が初対面の相手に主張を通せるはずも無かった。最終的には、他の誰にもばらさないことを約束させゲロっていた。

 

 

「……そもそもが、オーラに実体があるかを考える所から始まる。生命エネルギーと呼ばれているくらいだ、エネルギーに質量があるとは考え難い。実際オーラをまとったパンチは、オーラ自体は当たることはなく拳が接触していることが殆どだろう。例外は知らんがな。」

 

「うん、僕も性質を変化させるか、具現化しないと触れないと思ってた。」

 

「しかし、よく考えると念弾というものがあるだろう。あれはオーラの塊をぶつける攻撃だ。いくら加速させたところで、質量がなければダメージにはならない。つまり、一定の条件を満たすとオーラのままで質量を持たせることが可能だと言える。」

 

 

「へぇ、よくそんなこと考えるね。」

 

(どうも、オタクなもので。)

「その条件が、全系統で満たせるものなのか、放出系のみなのかは知らないがな。今回拘束するのに使ったのは、オーラを放出する感覚で実体を持たせ、それを操作するという至極シンプルなものだ。」

 

「…満足したか?」

(喉乾いた、何で俺こんなことになってんの?)

 

「したよ。」

 

かなり真剣な様子で話を聞いていたイルミに気づいたジールは、小宇宙を背負うのをやめてじっとイルミの方を見る。

しばらくして、真面目な表情をつくったジールは静かにイルミへ問いかけた。

 

「聞いても良いだろうか。」

 

「なに?」

 

「何故、そんなに話を聞きたがるのだ。イルイルにも師はいるだろう?」

 

「イルイル?」

 

ハッと気づいた時にはもう遅い。覆水盆に返らずである。

少し格好をつけようとしても、結局ポカをするのだ。やらかした本人は恥ずかしさと、気まずさで死にそうだ。図らずに、イルミの依頼が達成されかけた。

 

「まあ別にいいや。それで、何でそんなに知りたいのかだっけ。」

 

「……………………あぁ。」

 

「ちゃんと発を聞いてもそうそう教えてくれないことくらい知ってるからね。まっ君はチョロそうだったけど。」

 

 

(チョロそうに見えたのかぁ、どこら辺かお聞きしても?)

 

出会った当初から、投げられる質問に全て答えていたのはどこの誰だったか胸に手を当てて考えて欲しい。

 

 

「僕の家、優秀なのって変化系なんだよね。」

 

「そうか。」

 

「勿論、僕に念を教えた人も優秀だから、念能力の説明は上手かったけど系統の話は別だよ。」

 

「なるほど。」

 

(つまりイルイルは向上心のあるボーイだったということか。)

 

「だから、優れた操作系の人の話を聞いてみたくって。」

 

優れた人という単語が出た瞬間。ジールは心の中で花を咲かせていた。久しぶりに人に褒められて嬉しかったのだろう。

 

「君はチョロそうだったから聞いたんだけどね。」

 

心のお花はドライフラワーになった。

 

放心していたジールは気づかなかったが、その時顔を背けたイルミの耳は僅かに赤くなっていた。

 

「……イルイルが頑張りたいと言うなら、俺はいつでも手を貸そう。」

 

「その呼び方続けるんだ。」

 

「男に二言はない。」

 

「…そっか。」

 

それからは、何気ない話をしながら(殆どイルミが話していたが)2人で時間を潰していた。

途中サラッと、今度会った時にお兄ちゃんトークをしようとジールが約束を取り付けることもあったが概ね穏やかに時間は過ぎていった。

 

 

 

 

 

※※※※※※※※※※※※

 

 

「孫が世話になったようじゃの。」

 

1時間程で戻ってきたゼノは、2人を見つけたあと軽い足取りで近づいてきた。

 

出ていった時と何ら変わらない姿を見て、内心ガクブルしながらも、ジールはイルミの拘束を解きゼノの元へ返した。

 

「急な依頼を受けていただき感謝する。…今、金を持ってこよう。」

 

イルミに問題が無いことを確認し、そのまま自室に取りに行こうとした所、ふたつの気配が背後についてきた。

 

「ならついて行こうかの。」

 

「……どうぞ。」

 

先程は全速力で駆け抜けた廊下を、五体満足で歩けていることに心の中で涙を流し、背後に気をつけながら進んで行く。

 

自室の前まで来ると、開けた扉を抑えて2人を招き入れ、ジールはベッド横の床下収納を漁る。

 

言わずもがな、勝手に作った秘密の場所であった。

 

中から麻袋を出し(金庫に入れないのはジールのロマンだ)中から金額ピッタリに並べる。数十枚の1万ジェニーを束にしてテーブルに置くと、ゼノがそれを確認し懐に入れた。

 

「直接現金でやり取りしたのは久しぶりじゃのう。」

 

「……。」

 

「将来が良さげな上客も捕まえられたしの。今日は良い日じゃな。」

 

そういって向けられた笑みには、獰猛さが潜んでおりジールは内心勘弁してくれと苦笑いをしていた。

 

「特に、依頼を出す予定はないのだが……。」

 

「なに、その若さで色々知っているのだ、期待できるわい。」

 

言いたいことは全て言ったと、そのまま窓から出ていった姿を目で追う。

残されたのは、ジールとイルミの2人のみ。

 

「…………その、「これあげるよ。」あぁ。」

 

ジールは最後に気の利いた言葉でもかけようと、悩んだところで年下にかっこいい部分を全て持っていかれた。

スマートにカードを渡し、そのまま窓から飛び降りたイルミは既に闇の中だった。

 

 

 

 

※※※※※※※※※※※※

 

 

そして今に至る訳だが、俺はカードを持ったまま暫く立ち尽くしていた。

 

襲われた時は必死に色々考えてたが、過ぎ去った後は夢だったんじゃないかと思えるほどの喪失感があった。

 

まぁ、1番無くなったのは精神力とかでもなく、俺のヘソクリなんだがな。やっぱりちょっと懐が寂しいぞ。

 

そして落ち着いてくると色々ツッコミたいことが出てくる。

まず初めにあれね、なんで初めての暗殺者がゾルディックなのか聞きたいな。普通はさ、そこら辺の暗殺者を送り込んで無理だったからって流れじゃないの?

辞めよう。御三家のポケ〇ン選ぶ前に伝説のポケ〇ンで攻めてくる様なもんだからな。

 

そして次、こっちはどちらかというと謝罪案件なんだけど、最初に暗殺者に気づいた時、送り込んできたのおっさんだと思いました。マジサーセン。

 

ゼノさんが外に行った時、心の中でおっさんあそこの部屋で寝てるよって言っちゃったもん。

言い訳をさせてもらうなら、最近裏でコソコソやってる怪しいおっさんがいけないんだからね。本当だよ。

 

……ごめん。

 

 

さらに次!これはもはや唯の愚痴なのだが…、フラグの回収が優秀過ぎて俺は泣いた。

 

オーラの技術力を試したいだっけ?確かに思ったけどさ、やっぱり伝説のポケ〇ンは違うかなってお兄ちゃんは思うわけだ。

使ったの一瞬だったし、上手くいったんだから文句言うなだと?

違うんだよ。一瞬では済まなかったんだ。

思い出してみたまえ、俺は約1時間イルイルをオーラで拘束していた。さて、ここでイルイルが大人しくしていたか。答えは否!!

 

実は話している間も、拘束から抜けられないかオーラ量を増やしたり、関節を外そうとしたり(しっかり止めました。)足元なんかは踵落としの要領でガンガンされた。

 

流石、向上心のあるボーイだ()。

 

まあでも、オーラを実際に使う感覚が分かったし、速さや操作性には自信が持てた。

逆に、隠が苦手なことと、纏のオーラが気持ち悪いことも分かった。……言っててライフポイントが減ったな。

 

 

ようやく心の荒ぶりが一段落すると、俺はいそいそと寝る支度を始めた。

 

お忘れかもしれないが、今は深夜と言われる時間だ。高身長ボーイを目指す俺は早く寝なければいけない。

 

寝巻きに着替えて、テーブル上のライトも消す。

そのまま綺麗に整えられたベッドに滑り込めばおやすみ3秒だ。

 

 

ーーーー最後のカードには何が書かれていたのかって?……イルイルの連絡先さ☆

 

 

 

 

 

 

 

もちろん、念で厳重に保護した後に金庫に入れときました(グッズは傷つけたくない派代表)。

 

 

 

 




次回は、ヒソカのお話です。

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