もしBanG Dream!のヒロインと付き合っていたら…   作:エノキノコ

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※このお話は[もしリサ姉と付き合っていたら…]の続きになるよう意識したものなので、未読の方はそちらを先に一読することをオススメします。


もしリサ姉が付き合っていたら…

最初に浴びた時には早く終わるよう願った灼熱(しゃくねつ)の日差しも、気づけば暑さの上限を緩やかに下げていき、それに伴うように耳が痛くなるセミの合唱も少し落ち着きを見せてきた月末間近。それでも両者共々(りょうしゃともども)、行き交う人々の顔をしかめさせるほどには残っている力を存分発揮していたが、陽が落ち月が昇れば、その喧騒は嘘のようにすっと静まり返っていた。

「はぁ…」

数多(あまた)の星が(またた)く夏の夜空を窓の外に、物静かなエアコンが吐き出す冷たい風が充満した自室のベットに仰向(あおむ)きで寝転がっていると、日が沈む寸前まで打ち込んだバンド練習で集中力の欠如(けつじょ)を何度も指摘されたことを思い出し、心に重い(なまり)が沈み、生まれた波紋(はもん)がため息となって口から(こぼ)れる。

今日だけではなく、1週間前から何度も()れ出している吐息(といき)既視感(きしかん)を覚えつつ、このままではいけないと1人改善を(こころ)みてはいるのだが、それが振るわない結果に終わっているのは、今の状況を(かえり)みれば明らかだった。

このまま1人で悩んでも状況は好転しない、それは分かっているし、なら誰かに助けを求めればいいということも理解してはいるのだが、この悩みを誰かと共有するのは少し、いやかなり恥ずかしい。

「彼氏に会えなくて(さび)しい、なんてなぁ…」

他者のいる空間では絶対声に出来ない悩みをぼそりと(つぶや)き、カーテンを隙間(すきま)()く閉めた窓の向きへ静かに寝返(ねがえ)りを打つと、ずっと頭の中で居座り続ける悩みの根源(こんげん)になっている、2週間前、大切な少年と共に赴いた海での出来事を、ぼんやりと追走し始めた。

—最初は、ただ彼と一緒に出かけたいだけだった。アタシにはRoseliaの練習やコンビニのバイトがあり、夏休みと言えど無くなることのない予定は彼と過ごす時間を確実に圧迫(あっぱく)してしまう。そのため、完全にこちらの都合で会えない日が続き、申し訳なさで押しつぶされそうだった時期に、偶然、丸1日彼と過ごせる日が確保出来た。

急激(きゅうげき)に跳ね上がったテンションのまま、彼と一緒に海へ行く計画を立てて、手作りのお弁当や飲み物まで持ち込み、思いっきり楽しもうと砂浜を踏んだ矢先、顔見知りの海の家店長が、唯一の繁忙期(はんぼうき)に2人も病欠で人員に穴が空いた問題を抱えて、以前にも同じような状況で手伝った経緯(けいい)を持つアタシに泣きついてきた。

目の(はし)湿(しめ)らせる筋肉隆々(きんにくりゅうりゅう)の男性が頭を低くし懇願(こんがん)する(さま)はいかに事が深刻だと物語っており、反射的に助け(ぶね)をだしたくなったのだが、一緒に来た少年とちょうど着替えで行動を別にしており、自分単独で決めれる状況ではない。そんな現状を店長に伝えようとした寸前、このやり取りをナンパだと勘違いした彼が駆け付け、創作物(そうさくぶつ)顔負けのセリフを店長に吐き捨てた。

幸いすぐに誤解は解けたものの、羞恥(しゅうち)のあまり2人して顔を合わせられないうちに、デートの横槍(よこやり)は入れたくないと足早に持ち場に戻りかけた店長を無理やり引き留めて、人員の穴を埋めることを承認させるという、今考えればなかなかに奇妙(きみょう)な過程で手伝いに入ったわけだが、あそこでもし店長の好意に甘えていれば、彼と思いっきり遊ぶことが出来ていたのだろうか。

「・・・でもまあ、無理だっただろうなぁ…」

あんな空気感では間違いなく場が持たず、ただ時間を浪費(ろうひ)して気まずい空気のまま帰る光景しか想像出来ないし、万が一空気を入れ替えられたとしても、困っていた店長を手伝わなかったことが心のどこかに引っかかって真に楽しめなかったであろう。だから結局、あの選択が最善だったはず。

しかし、理屈(りくつ)として分かっていながらも、最後までその理屈を押し通すことができないのは、仕事終わりの食事の場で、1ヶ月の間の仕事を手伝ってほしいという唐突(とつとつ)な勧誘を、スケジュールがカツカツで断った自分と反して少年が引き受けたからだろうか。

わざわざ毎日電車を乗り継ぐわけにもいかないため、店長の家で寝泊まりすることになる長丁場(ながちょうば)の仕事を彼の両親が電話越しであっさり許可したとなれば、自分がどうこう言えることはないのだが、彼の予定がバイトで埋まってしまったことにより、今年の夏はもう一緒に遊べないのはもちろん、直接顔を合わせるのすら少し難しくなってしまった。

それでもメッセージも届くし電話も通じるので、最初のうちは今までとあまり変わらないと自分を誤魔化(ごまか)し、彼を応援していたものの、調子は段々と下り気味になって現在、会う友人全員に心配されるくらい調子は目に見えて(ひど)くなっている。

だが、いつまでも(へこ)んでいるわけにもいけない。夏休みが終盤(しゅうばん)だろうとお構いなしに予定帳はバンド活動やバイトのシフトで()()くされているし、それらにいつまでも集中できないのはかなり問題なので、明日こそ気持ちの流れを元に戻せるよう、今日は早めに眠ってしまうことに決め、部屋の照明を消して視界を閉ざす。

しかし、何度(かか)げたかわからない目標は、その勢いを空回らせて意識を手放すのを阻害(そがい)してしまう。結果、(じれ)ったいほど遅鈍(ちどん)な足取りで歩み寄ってくる睡魔(すいま)が、永久とも思える長い道のりを辿(たど)ったのちにこちらを眠りの大海へと導くのを、暗がりの中1人待ち続けた。

 

結局あんまり寝た気になれないまま夜が明け、(さわ)がしい太陽が顔を出す。どんな位置を陣取(じんど)ろうと関係なく重苦しい熱波(ねっぱ)を与えてくるそれに、ひとつふたつの愚痴(ぐち)を内心で零しながら出勤したバイト先は、少し肌寒いほどの冷気を充満(じゅうまん)させていた。

家なら衝動(しょうどう)()られて脱力してしまうところを、職場だからと胸に詰まった息を小さく吐き出すに(とど)める。従業員以外立ち入り禁止の扉の向こうへ足を踏み入れ、支度を済ませて昨晩(さくばん)の決心を今一度確認すると、気持ち新たに肺の中を入れ替え、早速休憩室を後にして仕事に取り掛かった。

切り替えがしっかりできたおかげか、今日は集中力が短いスパンで途切れることはなかったが、それでもふとした時に彼のことが頭によぎる。そのたびに仕事に没頭(ぼっとう)して誤魔化すのを繰り返すうち、最も(いそが)しい昼下がりまで時間は進み、思考を}掘《ほ》り()げる余裕などなくなっていった。

「ご来店ありがとうございました!またのご来店をお待ちしております!」

所有権の(うつ)った商品を手渡したお客さんが、軽快な音楽と共に開く自動ドアの先へと消えていくのを笑顔で見届ける。(あふ)(かえ)っていた客足が久方(ひさかた)ぶりに途切れたのを、眼前(がんぜん)に商品が置かれないことで実感すると、肩の力を抜くと同時に喉に詰まっていた息を吐きだした。

仕事のかき入れ時の関係上、お昼ご飯が入っていないお腹は、少し力を入れていないと大きな音を響いてしまいそうで、遅めの昼休憩を検討するも、仕事に集中していた時には片隅(かたすみ)に押しやっていた悩みの種が思考容量をたちまち(むし)ばみ、たちまち芽を伸ばしていく。

「・・・いけないけない!今は仕事中だし、集中しないと!」

どんどん下降(かこう)していく気持ちをリセットすべく、ぶんぶん頭を左右に振ってみるものの、そんな容易に制御できるものならこんな長い期間悩まされていない。

重ねるたくて重ねたわけじゃない経験は、止まる予兆もなく育ち続ける不安をこの場でどうにかできないものか四苦八苦しながら考えるより、無難に仕事に打ち込んだほうが意識を逸らせるという結論にたどり着かせるのみだった。

「もうひと働き、しちゃいますか~…」

「・・・つーっと」

「ひゃわっ!?」

気を紛らわせるべく商品の品出しをしようとした直前に、背後からいきなり首筋をなぞられる。身構えていなかった自分は思わず変な声を出してしまい、その様子を同じ学校の1学年下の後輩で、同僚の中でも特段気を許せるバイト仲間の青葉 モカが、後ろに向けた視線の先でしてやったりとほくそ笑んでいた。

「だめですよリサさーん。モカちゃんの前でそんなぼーっとするのは、いたずらしてくれって言ってるようなものですから~」

「えっ、そんな気が抜けてた?アタシ」

言われるほど集中力を欠いていた自覚のないアタシが、つつかれるや否や間髪入れずに問いを投げかけると、モカはゆったりとした口調とは裏腹に、すぐさま答えを投げ返す。

「はいー。何度か声かけても反応が返ってこないくらいぼーっとしてましたよー」

「ほ、ほんと?無視してごめん…」

どうやら仕事に集中するあまり、他のものに気を()くことができなかったらしい。重症な自分の|容態に若干のショックを受けつつ、口から零れた謝罪の言葉を受けたモカは、わざとらしい泣きまねをしながら言葉を紡いだ。

「モカちゃん傷ついちゃったなー。これはリサさんのお弁当のおかずをひとつ、いや、ふたつはもらわないと立ち直れないな~。・・・というわけで」

「ちょ、モカ!?」

こちらが返事をする前に、するりとこちらの背後に回ったモカに背を押され、問答無用で休憩室へと歩を進ませる。彼女の咄嗟の行動にあたふたしている合間に、誰もいない部屋に足を踏み入れたアタシへ、マイペースな少女は催促(さいそく)の言葉を投げかけた。

「さあさあ、早くお弁当出してくださいね~」

未だ整理をつけられていないアタシを差し置き、モカは自分のロッカーを開け、自身の昼食を両手に抱えてこちらを向くと、胸に抱く4つのパンを近くにある机に散りばめ、席に着く。いくらパンが好物とはいえ、女性にしてはだいぶ多い昼ご飯を映していた緑色の(ひとみ)が、じっとこちらに視線を飛ばしてくるので、ようやく落ち着きを取り戻しつつあったアタシはオレンジの巾着(きんちゃく)を手にモカの(となり)に腰掛けると、巾着の口を開いてお弁当を取り出した。

「おー、相変わらずおいしそうですねー」

「そ、そうかな」

あまり手の込んだものは入れられなかったお弁当の中を吟味(ぎんみ)したモカは、数少ない手作りである卵焼きをどこからか持ってきた割りばしで拾い上げ、ひと口で頬張る。

口端を仄かに持ち上げる彼女の表情からして、失敗せず作れていたのをくみ取れて内心ほっとしながら麦茶を(あお)っていると、メロンパンに大きな歯形(はがた)を作った少女が、口元に付いたクッキー生地を親指に移して舐め取ったのち、思いもよらない言葉を投げかけてきた。

「それで…彼氏さんとなにかあったんですか~」

「んんっ!?・・・な、なんのこと…?」

今胸の内にある悩みを的確に撃ち抜いた質問により、口に含んでいたお茶が気道へと舵を切りかける。それをなんとか阻止して本来の進路に戻したのち、もはや手遅れな素面に(つくろ)ったが、そんなものを気にかけることをせず、彼女は言葉を紡いだ。

「前にリサさんバンドのことで悩んでたじゃないですかー。ここ数日のリサさん、あの時のすごい思いつめた顔と似た表情してるなーと」

普段は飄々(ひょうひょう)とした雰囲気を(まと)わせる同僚が、(まれ)にしか見せないまじめな表情でこちらへ詰め寄ってくる。全てを見透かすような瞳で射抜(いぬ)かれてしまえば、言い逃れは無理かと思い、(くちびる)に重量を感じながら正直に全てを話し始め、彼との悩みについて嘘偽(うそいつわ)りなく告げると、モカは情報をかみ砕くように数回頷き、やがて(ひと)(ごと)のようにボソリと呟いた。

「リサさんは、もう少しわがままでもいいと思いますけどねー」

「えっ…」

すぐ空気に溶けて消えてしまった言葉は、アタシの意識の奥深くで大きな残響(ざんきょう)をもたらす。わがままでいい、それはアタシが彼にしている態度の改善(かいぜん)を指していると思われたが、見慣れぬ場所で奮闘(ふんとう)している少年に対し、そんな態度を取っていいのかわからず困惑したアタシの思考は、更なる助言を眼前(がんぜん)の少女に求めた。しかしモカはそれ以上話を続けることなく、代わりにひとつの問いを口にする。

「今日何日か、覚えてますか?」

「えっと…、8月の24…だっけ」

さっきの(つぶや)きについて(たず)ねようとしたアタシより一手早く質問を投げかけるモカに言葉を()まらせつつも、質問に答えるべく急遽(きゅうきょ)引っ張り出した今日の日付を恐る恐る言葉にすると、なにか心当たりはないか質疑を重ねてくる。口にした日にちに間違いがなさそうなことに安堵(あんど)したものの、どれだけ記憶を掘り起こしたところで8月24日に特別な意味を見出せない。

焦りが背を()い上がってくるのをひしひし感じながらも、該当(がいとう)する記憶を見つけるべく尽力していると、その様子を見ていた少女が形を(とら)えさせない(やわ)らかな表情でこちらの肩を叩いた。

「大丈夫ですよリサさん、あたしの予想では遅くても明日には、彼氏さんの方からコンタクトがあるはずですから」

「え、えぇ〜…、ほんとに…?」

「はい〜、モカちゃんの推理は百発百中ですよ〜」

今の質問からなにか得たらしいモカが、やけに自信満々のドヤ顔と共に突拍子(とっぴょうし)のない推理を披露(ひろう)する。信憑性(しんぴょうせい)の薄さが目を引く少女の言葉に、なんらかの根拠を見いだすのは困難だったが、彼女の推測が高い命中率を(ほこ)ることは、今までの付き合いや今回のアタシが悩む原因を言い当てたことから一定の信頼を(きず)いているので、一応記憶に留めておこうと思った途端、言葉は抵抗感ひとつなく胸の内へと収まり、安心感を()しみなく振りまいた。裏の取れてなさそうな言葉がここまでの効力を発揮するあたり、自分はかなり追い詰められていたことを改めて認識させられる。

「・・・ありがと、モカ」

「いえいえ〜、また彼氏さんとの惚気話(のろけばなし)を聞かせてもらえればそれでいいですよー」

「うん、わかっ・・・え?」

自然と口にしたお礼の要求に対し、流れのまま(たて)に振りかけた首を中途半端な場所で急停止させる。さっきのモカのセリフが頭の中でリピートされ、でかでかと主張されたある一つの単語に対する真意を知るべく、いつの間にか最後のパンに手を伸ばした少女に向け、自覚できるくらい(ふる)えた声を出した。

「ねえ、モカ…、惚気話って…」

「ああ、リサさんってバンドやメンバーの話題以外だと、彼氏さんとの話しかしなかったんですよー。でも最近、めっきり話題に上げることがなくなったので喧嘩(けんか)でもしたのか心配してましたけど、()()苦労(ぐろう)で安心しました〜」

チョココロネの尻尾(しっぽ)を口の中に放り投げ、パンの山を完食したモカは、割りばしを使ってアタシお手製のきんぴらごぼうをお弁当から掻っ攫う。卵焼きの時と同じ感想をアタシにくれたベージュの髪色の少女は、先に戻りますねーとだけ告げて休憩室を後にした。なぜアタシが落ち込んでいた理由を瞬時に見極められたかの解を手渡して。

・・・そこから先の事象を、熱暴走した脳はほとんど記憶しなかった。ただ、過去最高に集中が欠如(けつじょ)した時間だったことだけは、鮮明に頭の中に焼き付いていた。

 

「お母さん~…、ただいまー…」

バイト終わりの帰り道。いつにも増して押し寄せてきた気疲れを見ないふりして駆け抜け、ドアに背中を預けたまま浅い呼吸が落ち着いたのちに絞り出した声に、空腹をくすぐる香りを漂わせながらリビングのドアから出てくるなり、()(あし)でお風呂場からタオルを持ってきてくれる。

夕陽が溶けた空を瞬く()(おお)った灰色の(くも)がもたらした豪雨に巻き込まれたアタシが、お礼を言いつつ受け取ったタオルで髪を拭いていると、エプロンを身に付けたお母さんは、早くお風呂に入りなさいとだけ言い残して夕食の支度に戻っていった。

施錠音(せじょうおん)を鳴らしたドアの向こうに返事をしてから、存分に水を吸った(くつ)靴下(くつした)を脱ぎ、浴場(よくじょう)へと続く廊下に乗り上げる。それを歩き切った先にある、脱衣所の(とびら)(かぎ)をかけたのち、ずぶ()れの服を脱いで浴室に足を踏み入れた。

外とほぼ変わらない高温高湿度の場所なのに、不快感など入り込む余地のない空間でひと(きわ)強い誘因力(ゆういんりょく)(ほこ)浴槽(よくそう)に身を沈めたい欲求をぐっとこらえ、まずはシャワーを頭から浴びる。

冷たい雨水がみるみる温水に上書きされていくのを感じながら、今日1日で(つちか)った汚れをシャンプーやボディソープを使ってしっかり落としてから、満を持してたっぷりのお湯に肩まで浸かった。

「ふ〜…」

無意識に脱力しきった声が出てしまうほどの幸福感が身体を包み、溜まった疲れも一気に溶けていくのだが、まっさらになった胸の内から、近年稀に見るレベルで恥ずかしかった指摘が浮き上がってきた。声にならない叫びがお風呂場に短くこだまし、お湯に顔の半分ほどを沈めながら物思いにふける。

・・・確かにモカの言う通り、話の内容が(かたよ)っていたのは自覚できてる。でも、自分で思い出す限り、服やドラマなどの話も一定数していたはずで、バンドと彼との二極化とまではいっていないのではないだろうか。まあそこからバンドメンバーや彼の話へと移っている例しか記憶にない以上、モカの言い分も間違ってはいないのかもしれないが。

そこからあーでもないこーでもないと頭の中で論議(ろんぎ)を繰り返していたところ、羞恥(しゅうち)に埋もれたまま放置されていた呟きが掘り出された。こちらが深く踏み込む前に足を止めさせたのち、踏み入れる余裕を根こそぎ(うば)って真相が謎に包まれたままの言葉について今一度考えてみるものの、結局自分が彼に対してわがままを言えるような立場じゃないことぐらいしか思いつかない。モカにメッセージを飛ばして訊いてみようかとも考えたが、あの様子じゃおそらくのらりくらりと(かわ)されるだけだろう。

なら自分で考え出すほかないと思い直した矢先、頭に熱がこもっていることを自覚した。思ったより早く時間が流れていることに気づき、このままじゃのぼせてしまうと慌てて湯船から体を起こす。

続きは部屋で考えようと水玉を滴らせながら浴室を出ると、すぐ近くにある棚からつまみ出したタオルで拭き、湿った髪をドライヤーで乾かすこと数分、予め置いてある寝巻きに袖を通して脱衣室を出て真っ先に視界に映ったのは、ドアを開ける寸前のお母さんの背中だった。

「お母さん、どこいくの?」

「あ、リサ。今日はいつもより長かったわね」

「あー…、今日は普段より疲れてたからかも」

恥ずかしい思想の全容を伝えるわけにもいかず、茶色の長髪をたなびかせながら振り返ったお母さんの指摘に引きつった笑みを浮かべる。幸い母はアタシの反応を「あらそう」のひと言で片付けると、自身の質問で上書きしていた問いに答えた。

「それが交通機関が止まったらしくて、お父さんが職場から帰ってこれなくなっちゃったのよ。だからちょっと迎えに行ってくるわ」

「そっか、雨ひどそうだし、気をつけてね」

アタシの憶測(おくそく)にお母さんは左手に持った車のキーをちゃりんと鳴らして見せると、(かさ)を持った右手でドアを押し開ける。垣間(かいま)()えた外の様子はアタシの予想をはるかに上回っており、すべての音を消し去るほどの雨水が地面へと押し寄せていていた。これに比べれば、自分が被害を受けた頃の天候はかなりマシだっただろう。

「・・・そうだ。ご飯はラップしてあるけど、さっき出来上がったばっかだから温めなくても食べれるから」

かなり荒れた空の(もと)へ踏み出す直前に口にするにはあまりにも能天気なセリフに、(あき)れ半分尊敬(そんけい)半分な感情を抱くアタシの耳から雨の足音が薄れ、(かぎ)施錠音(せじょうおん)が廊下に(ひび)いた。

随分(ずいぶん)パワフルな母親だなぁ…、そんな物心ついた時から数え切れないほど浮かんだ感想を飲み込み、移動した先のリビングの机には、先ほど母の口から聞かされたことの経緯(けいい)(つづ)られた書き置き付きの夕食が、大雑把ながらもしっかりラップされている。

(はし)とコップも(あらかじ)め用意されていたので、冷蔵庫から作り置きされている麦茶を取り出すと、お母さんが残した言葉の通り、熱が帯びたままの器からラップを外す。一汁三菜(いちしるさんさい)の並びに両手を合わせてから、今日のメインディッシュである(ぶり)の照り焼きを口に運んだ。自分も料理の腕にはそれなりの自信があるものの、主婦歴が長い母親の味を超えることは中々に難しい。

甘塩っぱいタレを纏った絶妙な焼き加減の鰤をおかずに、白米に手を伸ばす。付け合わせの筑前煮(ちくぜんに)の絶品さに舌を巻きつつ、大根の味噌汁を喉に通すと、いつもは会話を交えて進める箸が、いつもの倍速で手から離れた。

手のひらを合わせて食後のあいさつを小さく呟き、さて食器を洗おうかと腰を持ち上げた瞬間、インターホンが鳴り響く。

お母さんが忘れ物でもしたのかと一瞬考えたが、それならわざわざインターホンを鳴らさずとも自前の鍵で開ければいい。僅かな懐疑(かいぎ)が胸に立ち込めるも、流石に確認しないわけにもいかないため恐る恐るモニターを覗き見る。

「えっ!?」

画面越しに確認した玄関前には、本来そこにいるはずのない人物の姿があった。驚愕の声を溢しながら抱いていた懐疑心を放り投げ、慌ただしい足取りで玄関へと向かう。

鍵を開けるのもまどろっこしく感じながらドアの先には、右手に持つ傘が意味をなさなかったのか、服の所々が色濃くした思い人が、こちらの姿を見てぎこちない笑みを浮かべた。

 

「き、着替え、ここに置いておくね」

さっきまで自分が入っていた浴室でシャワーを浴びる少年に言葉をかけつつ、すぐ見つけられそうな場所にお父さんの服を置く。返ってきたお礼の言葉にぎこちなく口を動かし、足早に脱衣所を後にした。歩幅を縮めることなくリビングへと逃げ込み、放置していた食器を流しへ持っていくが、泡立たせたスポンジをいくら食器に擦り付けていても、気が紛らう予兆はない。

—あのあと、遠方にある海の家に泊まり込みで働いているはずの少年に対して色々な訊ねようとした直前、彼が大きなくしゃみがこちらの出鼻を挫いた。のちに少年が大きく身体を震わせるものだから、とりあえず疑問を棚上げして、すぐ帰ると言う彼を無理やり家に向かい入れて有無を言わさずお風呂に入れたのだが、もしかしたらこの行動は変な誤解を招くのではないだろうか。

着替えを借りる(むね)を父に伝えてもらうために一報を入れたお母さんに指摘されて気づいた現状に対し、そうでもしないと彼が風邪を引いてしまわないか不安だったしと、母にも投げた言い分を自身に言い聞かせていると、いつの間にか流しは泡に底を隠されていた。

慌てて全ての泡を排水口へ向かわせ、拭いた食器を棚に戻すと、ソファに横たわる。相変わらず忙しない働きを響かせる心臓をどうにかしようと思考を深めていると、全く間隔(かんかく)(ゆる)めずにいる心拍音とドアの開閉音が重なった。電気ショックでも受けたかのように大きく跳ねた身体を即刻起こして座り直し、視線をドアのほうへと向けると、その先には髪をささやかに湿らせた少年が自らのカバン片手に立っており、お風呂貸してくれてありがとうと、お礼の言葉を口にする。

「い、いやいや、入るよう言ったのはアタシだし、お礼なんて…あはは〜…」

ぎこちない口調で(まく)し立てるアタシの隣に、少年は一声かけたのちに腰掛けた。途端に電源が落ちたかの如く口が動かなくなり、時計の針が進む音が部屋を支配する様を傍観(ぼうかん)していると、不意に少年が気持ちの入った声で話を切り出す。

「は、はい!」

夜分(やぶん)に相応しくない声量を気にする余裕すら与えられずに、改まった表情を浮かべた少年がこちらの手を取った。久方の触れ合いで瞬く間に(ほお)を無制限に赤色一色にしたアタシが、ぱくぱく開閉を繰り返す口から声にならない叫びを上げている最中、渡したいものがあると真っ直ぐ目を見て言われ、壊れたおもちゃのように首を上下に振っていると、少年はリュックから容量をかなり占拠していたと思われる、オレンジのリボンで口を閉じた白いプラスチックの袋を取り出してアタシに差し出した。ゆっくりと触れたそれは、柔らかな感触を指に伝えてくる。

「・・・これは…?」

状況が飲み込めないアタシが零した疑問に対し、彼は緊張感を(はら)む声色で誕生日プレゼントだと呟く。その言葉をきっかけに、もう数時間もしないうちに自らが生まれた日、8月25日を迎えるのを、今更なタイミングで思い出した。

「でも、なんで今日に…?」

しかし、なぜ当日ではなく今日なのか。悪天候に見舞われてもなお、遠方から時間をかけてでも渡しに来たのには、相応の理由があるはず。今この瞬間まで誕生日を忘れていた不名誉(ふめいよ)を棚上げしたアタシの、文末に疑問符を付けた言葉に対する返答を、彼はあっさりと口にした。当日は家族やバンドの人達から祝われるからという、呆れるほどお人好しな理由を。

「・・・そういうの、イヤ」

疑問が解けた今、本来ならプレゼントくれた彼に伝えるべきお礼の代わりに零れた言葉は、少年の表情を驚愕、焦りの順で浮き彫りにさせてみせる。そんな彼のわずかに揺れる瞳をしっかり見つめながら、胸に(とどこお)る感情を言葉に換えて紡いだ。

「アタシは、キミとの時間を前座みたいにして終わりにしたくない。アタシにとってキミとの思い出は、家族やRoseliaのみんなと作るものと同じ、ぞんざいになんて扱いたくないから」

・・・彼の気遣いは、きっと的外れなものではない。豪雨(ごうう)(はば)むなか、足を運んでくれた彼にお礼の言葉はあれど、こんなふうにいちゃもんをつけるのはお門違いだと自分でも思う。しかし、久々に顔を合わせられた理由が、少し距離を感じるような接し方故だったことが、どうしようもなく寂しかった。

—・・・ごめん—

しばらく|漂[ただよ》った沈黙を破ったのは、数度の瞬きで揺らぎを消した視線を真っ直ぐこちらに向けた少年だった。先の自分勝手な御託(ごたく)を取り消そうとした自分が、声に乗せる寸前だった言葉を投げかけてくるものだから、逆にこちらが動揺してしまう。

「い、いやいや!アタシも久しぶりに会えたからってちょっと変なこと言っちゃったし!」

撤回する寸前にこんな反応が返ってくるとは(つゆ)ほども想像していなかったアタシが、髪を左右に激しくはためかせた。しかし、少年はゆっくりかぶりを振り、自分もリサとの時間は大切だからと、真っ直ぐすぎる言葉を投げかけてくるので、否応にも頬に微熱が走る。そんなアタシを見て彼も顔を赤くして視線をずらし、また雨水が(したた)る音が部屋を支配した。

ひと月足らず会わないだけで会話がここまで難しくなることに歯痒(はがゆ)さを覚えながら、羞恥や緊張感で会話の糸口が掴めずにいると、()(たたま)れそうにしていた少年が、明日早いからもう戻らなきゃと、ゆっくり腰を持ち上げる。

「そっか…。玄関まで送るね」

まだ行かないで、もう少しだけ一緒に。喉の奥まで出掛けて飲み込んだ願望の代わりに、せめてもの願いを言葉にしたアタシは、口を閉めたリュックを背負い直す少年を見送るため、胸に袋を抱いたままソファから立って彼のすぐ背後をついて行く。どれだけ足取りを遅くしても数十秒で辿り着いてしまった玄関に座り込み、靴紐(くつひも)を結ぶ彼の手を止めさせたい欲求を心の内に留めさせていることに努めていると、名残惜しそうに表情の明度が下がっている少年は、こちらと視線を合わせながら短く謝罪を口にした。

「ううん、仕事だから仕方ないよ。頑張ってね」

少なくとも別れを(こば)みたいのが自分だけではないことを少し嬉しく思ったが、決して心の風向きは良い方向へは向いてくれない。それでも彼の後ろ髪を引かないためなんとか笑顔を作ってみたものの、眼前の少年にはお見通しだったらしく、ごめんの言葉を重ねたのちに、無理に作っているのが丸わかりの笑みを浮かべながら、明日は楽しんでという言葉を投げかけた。

「・・・・・」

彼の言葉が皮切りとなり、抑えつけていた感情が隙間から一滴ずつ溢れ出していく。最初は返事や頷きをさせないよう口と首を固定するに止まっていた感情は、やがてある行動を指し示すことで、アタシを大きな葛藤に(さいな)ませた。

・・・この行動は、今日の彼の努力を無に還してしまうものだ。さらには目の前の少年に更なる苦労を与えてしまうものであり、それを口にするのはどうしても(はばか)られたが、普段は押さえつけることができる感情が、今だけは大人しくしてくれない。

彼に対する気配りと、自身の本音。ぶつかり合う二つの感情どちらを優先すればいいか分からず、葛藤(かっとう)の波に()まれかけたその時、間伸びしているのに、どこかきっちりとした女性の声が聞こえてきた。

『リサさんは、もう少しわがままでもいいと思いますけどねー』

・・・いいのかな、少し、わがままになっても…。

友人の言葉に後押しされて大きく(ふく)らんだ感情は、もらってから一度も手放すことなく抱きしめていた袋を持つ両手を動かし始める。込めた力を確かな弾力で押し返してくるプレゼントを、元の持ち主である少年の胸に軽く触れさせると、彼はその表情に困惑と驚愕を同居させてみせた。

「これは、明日渡してほしい。どれだけ時間がかかってもいい、一瞬会うだけでもいいから…。だから、お願い…」

彼にこちらの行動を訊ねられるより先に、自分から口を動かし喉を(ふる)わせる。例え彼にどれだけの負担がかかってしまっても、前座のような扱いではなく当日にしっかりと誕生日を共に過ごしてほしいという、自分中心の勝手な考えを吐露(とろ)してしまったことに対する(せき)がのしかかった。重圧で落ちた視界から彼の顔が消えるのに続き、拒絶され、嫌われてしまうのではないか、そんな冷たい予測がよぎって彼の表情を見る勇気を持つことができない。

そうしてしばらく顔を持ち上げることができなかったアタシの手のひらを、音もなく温もりが触れた。続いて了承を伝える言葉が、強い意志を含んだ声に乗せられて耳に届く。

まるで予想していなかった結果に動揺を隠せなかったアタシが、持ち上げるだけにも時間がかかった視線の先にあった瞳は、アタシ1人が寄りかかったところでびくともしなそうなほど、力強い意志が灯っていた。

「あの、えっと…」

なにか言うべきだと思ったが、伝えるべき言葉は形にならずに口から零れて、大した意味を持たない字面を並び立てる。なかなか考えを固められない自分に歯痒さを覚えながらも、必死に想いをまとめようとしていたアタシに、眼前の少年は微笑みかけ、言った。必ず明日、リサに会いに行くと。

「・・・うん、待ってる」

こねくり回していた感情を置き去りにしてひとつ頷くと、自然と口元は緩やかな曲線を描いた。久しぶりに浮かべた作り物じゃない笑顔に対して、彼は強く頷き返し、アタシの手から袋を受け取る。類を見ない悪天候の中、わざわざここに足を運んでくれた意味を無に帰されたのにも関わらず、少年は不満など一挙一動にすら微塵(みじん)(にじ)ませることなくリュックに袋をしまい、背負い直すと、また明日とだけ言って踵を返した。

相変わらずの空模様が広がるドアの向こうが、ひとつの音が鳴り響くと同時に視覚から完全に姿を消す。雨音をしばらく呆然(ぼうぜん)と聞いていると、長い間容量ギリギリだった精神にようやく空きが出来始めたのを感じられた。しかし同時に疲れを強く自覚させられたので、疲労を誤魔化すように細い吐息を零しつつ、休息を取るべく自室に戻ろうと踵を返したところ、てっきり心の奥に引っ込んだと思っていた後ろ向きの感情が、彼との会話の粗探(あらさが)しでもするかのように焼き付いたばかりの記憶を再生させていく。

滞ることなく流れる記憶の本流を止めようとして、思わず軽く頭を振ると、いつもは空振りで終わる行動が、暗い残滓(ざんし)霧散(むさん)させた。変に気持ちが沈まずに済んだで良かったと、胸を撫で下ろしたのも束の間、あるひとつのことに気付く。

「・・・お礼、言えてなかったな…」

荒れた天候にも怯まずに足を運んでくれ、アタシのわがままを嫌な顔ひとつせず受け入れてくれた少年に対し、謝罪の言葉を重ねていれど、感謝の一つも口にできていない。

自分の意志を押し出すかについてしか考えられず、簡単な、しかしなによりも重要なことを言葉にするのを忘れていたアタシ自身に対し、強烈な嫌悪感が湧いてくる。あったはずの言うタイミングを何度見逃した鈍感さにも、確かな怒りを抱く。

だが、いつもなら頭の中を支配するはずの黒い靄は、こちらの思考を惑わすことはなかった。

それはきっと、未だ耳に残った少年の言葉のおかげ。明日会えるという約束が挽回の機会があることを示唆して、凹んでいる暇などないと教えてくれる。

—明日は絶対、感謝の気持ちを伝えよう。今日の分はもちろん、今までの分も全部、届くように。

そう強く決意してから踏み出した足は決して軽くなかったが、前を覆う靄が無き歩みは、少しだって遅くなることはなかった。




こんにちは、エノキノコです。まずはこの小説を最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。
そして、またもや投稿期間が大幅に空いてしまい、誠に申し訳ございません…!現実の方で色々あり、精神的に少しきつい状況だったので、執筆する気力が湧かない期間がありまして、そこから回復しても、ただでさえ遅い筆がしばらく書いていなかったツケでさらに遅くなり、こうして作品を一つ書き上げるのにもかなりの時間を要する事態になってしまいました…。さらには連絡も(おこた)ってしまったことも、重ねてお詫び申し上げます。本当にすみません…!
そしてもう一つ、謝罪すべき事が…!前回のパレオちゃん回で、ヒロインの苗字である鳩原の振り仮名を、《にゅうばら》ではなく、《はとはら》と表記していました…!完全に知識不足です…。紗夜さんに続いて2回も同じミスをしてしまい、すみませんでした…!そしてそのことを教えてくださったラウ・ル・クルーゼさん、本当にありがとうございました!
そんな多大な迷惑をかけてしまった身として図々しいかもしれませんが、小説本編の方にも触れさせてください。
このタイトルの他のお話を読んでくださっている方々にはお分かりでしょうが、今回のお話はタイトル初のヒロイン視点となっております。さらには前書きに書いております[もしリサ姉と付き合っていたら…]の続きだったり、ヒロイン以外にもセリフに「」が付いていたりと、かなり風呂敷を広げて書いてみました。結果、地の文とセリフの接続やキャラの言動に違和感を感じた方もいるかと思います。そういう方は感想などでご指摘して頂くと、おそらく次があるであろうヒロイン視点の話へ反映できるので、もし良ければお願いします。
そして次の投稿ですが、ヒロインはモカちゃんになると思います。もう半年以上前に募集したリクエストをこれ以上待たせるわけにはいかないので、年中には全て書き終えたい願望があるのですが、なんせこの作者の筆の遅さは投稿の間隔でお察しの通り激遅なので、達成できるかはかなり怪しいところではあります…。しかしここで挑みすらしないのは、待ち続けてくださった読者の皆様に失礼だと思うので、できる限りの手は尽くします!期待はしないでお待ちください!
最後に、こんな長い間音沙汰がない小説をお気に入り登録してくださった皆さん(減るどころか増えていて感謝の思いでいっぱいです…!)、星9評価をつけてくださった武大563さん、藤木真沙さん、智如さん(評価に恥じない小説を書いていけるよう、頑張ります!)、星6評価をつけてくださった月の向日葵さん(これからも精進します!)、感想をくださったポッポテェ…さん(毎回書いていただき、嬉しい限りです!)、そして、過去最長の後書きを最後まで読んでくださった皆さん、本当にありがとうございました!!
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