もしBanG Dream!のヒロインと付き合っていたら… 作:エノキノコ
冷えた風が鮮やかな
いつもならこの現象を目にすれば
普段なら女子の視線を集めているなんて妄想は、
なんせ他の人たちからしてみれば、自身の通う高校の前に、どこから
そんな危険を背負いながらも、校門近くで
深夜帯にかかってきた着信にたたき起こされた頭が思考能力を取り戻す前に、放課後にデートがしたいという熱量に押し切られて
「あー…き、
そんな多数の視線に晒されて得た教訓を心に
彼女こそが自分を呼び出した人物、
ここで普段のとは違う
そのことを指摘すると、彼女はわかりやすく目を泳がせる。
「ご、ごめん!今日部活あるのすっかり忘れててた!」
深々と頭を下げる彼女に
「だって、夜中に電話かけて頼んだくせにやっぱ無理なんて言ったら、嫌われると思って…」
彼女の言い分に今度こそ長い
彼女が
そんな思考を呆れをふんだんに混ぜ込んだ声伝えると、手刀を落とされた
ちょうど1週間後の日は今度こそなんの予定も無いらしいので、その日にもう一度約束を取り付け、帰ろうとしたこちらの手が、背を向けたひまりによって
「あ、あのね…もし予定がないなら、部活終わるまで待っててくれる?」
「じゃあ2時間待っててね!帰ったりしたら許さないから!」
あまりの待ち時間に思わず大きな声が出てしまったこちらを気にせず、彼女はまっすぐ走っていってしまう。
振り返る
だとしても信頼を裏切るのも論外なので、どうすればいいかしばらく考え込み浮かんだ案は、今はどこかで時間を潰し、約束の時間前に戻ってくるというものだった。充分現実的な案を特に迷うことなく採用することにして、もうかなり遠ざかっている桃色を
それから、体感では倍以上に感じた時間をなんとか
そんな不安そうな表情を見た
「もー!なんでどこかいっちゃうの!心配したじゃん!」
丸めた手をこちらの胸にぶつけてくる彼女の瞳は、
「まあ、ちゃんと反省してるならいいけど…。・・・でも今度からはちゃんと私に伝えること!」
こちらの鼻先に人差し指を突きつけて注意してくる彼女に、思わず人のこと言えないからと指摘する。
「うぐっ…!と、とにかく!ちゃんと反省しなさい!」
言葉を詰まらせ、無理やり話を着地させようとするので、呆れの混じった苦笑を飛ばすと、彼女は完全にヘソを曲げてしまった。
そっぽを向き、頬を
色々と検討した結果、一番確実な手段を取ることにして、コンビニでスイーツ
「・・・私の機嫌がスイーツだけで取れると思わないでね」
じゃあいらないのかと言った瞬間にもらうと即答する彼女が単純すぎて、そのうち詐欺に引っかかりそうだなというこちらの思慮を読み取ったように、ひまりは表情に懐疑を色濃く反映し、
「なんか失礼なこと考えてるでしょ」
いきなり言い当てられるものだから少し片言になってしまったこちらの返答に、彼女はさらに感情を深くするので、さらなる
そんなこちらの反応を知らずして、彼女はほとんど引っ張る形でさっき逃げようとした方向へと歩き始め、それから目的地のコンビニに着くあいだ、普段の2割増しで血流が良かった。
「えーっと、まずは
入店から5分も経たずして彼女は迷うことなく手に取ったスイーツを、こちらが持ったカゴに放り込んでいく。その数、実に4つ。しかも恐ろしいことに、そのペースは
コンビニに入った瞬間に腕が解放されたことで回数を減らしていた
「え〜、どうしよっかな〜。私的にはまだまだいけるんだけどな〜」
普段とは完全に逆転してしまった立場に、金額の上限を設けておくべきだったと
「まあ今回はこれくらいで
そう言ってチョコケーキをカゴに入れた彼女はカフェエリアへと向かっていくので、今月はかなりの節約を
店員の人が最終的に提示した金額は、5千円札を余さず
プラスチックのフォークで分けた半分を一口で頬張る彼女は実に幸せそうで、それだけで出費のことはどこ吹く風…にするには少し額がでかすぎるが、ある程度損失との相殺はできた。
あんな
「そんなもの欲しそうな顔しても上げないから!」
別にたかるつもりはないのだが、金銭への未練が顔にでも出ていたのだろうか。
しかし、こんな理由を言ったらどう転んでも悪い未来しか見えないので、そんなに食い意地張ってたら太るぞと
「今日は部活で体動かしたから、だ、大丈夫だもん…!」
彼女の述べた逃げ道は、流石に苦しいと思う。2時間の運動で9個のスイーツ分のカロリーを消費しようとすれば、プロのスポーツ選手のプランでもやらなければとても追いつかない。少なくとも、学生の部活で完全にカバーできるとは思えなかった。
それは彼女もわかっているのだろう、
「そもそも君が言わなきゃこんなふうに悩んでないから!」
確かにそうだ。見事に納得したこちらを置いてさらに悩んでいた彼女は、なにか思いついたのか右手を再び持ち上げる。
吹っ切れたのならよかったと思ったのだが、彼女は刺さったままだったケーキの
「ほら、あげる」
さっきまで意地でも渡さない様子だった彼女の変わり身に
「だって私が食べれないなら、君に食べてもらうしかないじゃん。ほらほら、わかったら口開けて」
押し付けられる形で食べさせられたチョコケーキは、数多のコンビニスイーツを食べてきたらしい彼女のお眼鏡に叶っているだけあって普通に美味しかった。スポンジもクリームも、ビターなチョコレートの味をしっかり舌に伝えてくる。
これならいくらか高めの値段設定も納得なのだが、問題は、まだ未開封のスイーツが4つほど残っているということだ。甘味類は嫌いではないものの、あそこまで食べると
「どう?美味しい?・・・やっぱりそうだよね!じゃあ次はこれなんだけど…」
しかし、味に対する素直な感想を
残っていたスイーツの中には、甘味料のくどい甘さで誤魔化されているものがなかったので、舌が飽きてしまうこともなく、彼女の手によって胃袋に収まったあとの
「ほんと!じゃあ今度の日曜日もスイーツ食べに行こうよ!」
そんな感想をすっかり暗くなった帰り道で何気なく呟くと、隣の少女はものすごい速度で食いついてくる。
今日一番の笑顔を見せながらされた提案に、今日自分がスイーツに関心を持った根本的な理由を忘れているように思えたが、こちらも行ってみたいので今回はなにも指摘せずにひまりの案に賛成の意を示した。
「じゃあ決まりね!予定空けておいてよ!」
それから、嬉しそうにはにかんだ彼女が矢継ぎ早に繰り出すスイーツ話を聞いているうちに、彼女の家の前に着いたので、軽く挨拶して立ち去ろうとしたのだが、なぜかひまりに呼び止められる。
どうかしたのか訊ねたこちらに、彼女は強張った声で指示した。
「す、少しのあいだだけでいいからしゃがんで、あと目も閉じて!」
明らかに急いだ様子で言われた要望だけで、彼女がなにをしたいかはなんとなくわかったが、
「今日色々わがまま言っちゃったからそのお
いっそう
しかし、彼女がやろうとしていることは、勢い任せではなく、もっとちゃんとした場面で行いたい。それになにより…
—するなら…こっちからしたい—
「!?…そ、それなら、やめとく…」
今拒む最大の理由を恥ずかしながら口にすると、彼女は顔を一瞬
「じゃあ、待ってるから…!」
それを最後に、ドアの開閉音が辺りに大きく響いた。しばらくその場に立ち尽くしたあと、深々と呼吸をおこなって、肺に冷たく
どんな理由であれ、勇気を振り絞った彼女の行動を
新たな決意を胸に歩く道の先の空は
こんにちは、エノキノコです。まずはこの小説を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
そして、かなり期間が空いた投稿になってしまってすみません!ひまりちゃんのキャラを掴むのにかなり苦戦してしまい、話の構成も四苦八苦していたらものすごい時間が過ぎてました…。
そんな今回の話ですが、作者的にはあまり納得してません。リクエストで頼まれたのを中途半端にするのはどうなのか、そう考えはしたのですが、そうなるといつ出せるかわかったものじゃないので、納得できるかできないかはひとまず置いておいて、今書ける精一杯を上げさせてもらいました。いつかリベンジ・・・できたらいいなぁ…。
そして、この小説の投稿日の前日はRoseliaの映画上映日ですね。作者はこれを上げたら映画館に行ってきます。できれば4月中にするであろう次の投稿の後書きか、活動報告の方でネタバレしない程度の短い感想を書きたいなーと思っていますが、おそらく次の投稿は5月になる気がします…。気長に待ってもらえると幸いです。
最後に、お気に入り登録をしてくださったみなさん(名前の表記は割愛させていただきます。ごめんなさい…!)、星9評価をつけてくださったくりとしさん、なかムーさん、たく丸さん(評価に見合った作品を書けるよう頑張ります!)、ひまりちゃんのリクエストをくださったエイダタイセルプスレクス(元エイタイ)さん(こんな微妙な感じになってしまってすみません…!)、そして、かなりボリューミーになってしまった後書きに付き合ってくださったみなさん、本当にありがとうございました!!