お客様!困ります!あーっ!トリガーはいけません! 作:クロアブースト
これはとあるIFの物語。ボーダーに所属する『平行世界』のサイドエフェクトを持つ少年が作り出した、パラレルワールドの技術を駆使して作られた美に関する経典……
【乙女新書】
豊胸、美肌、スタイル維持といったあらゆる女性の悩みを解決する書物はボーダー女子隊員達の魅力を引き上げた。しかしその経典にはリスクが存在した。
新しい技を試すかの如く、磨き上げられた美を振るいたくなる好奇心を強めるリスクが存在したのである。
そしてここにかつてないボーダー女子隊員達は肉食系女子に変貌した。
これは【乙女新書】を開発した初恋の人を想い続けた少年とそんなの関係ねぇ!と無視して襲い掛かる肉食系ボーダー女子隊員との物語である。
夢を見る。そうこれはかつての在りし夢……
俺こと白亜 詩音が初恋の人に二度目の告白をしに行った時の記憶。
あの頃の俺は幼少期に一目惚れした初恋の人に告白しては振られ、諦めたく無かったから代わりに宣言したのだ。
一度目の約束はこうだった……
『いつか必ず貴方が振り向いてもらえる位に素敵な男に成長してみせる!だからその時にもう一度告白するからもう一度返事を聞かせて欲しい……』
『うん、分かった』
本来なら少年の未練染みた懇願など断れば良いのに初恋の女の子は受け入れてくれた。まあその少年である俺はますます惚れ直してしまったのだから男というものは安い存在なのだろう。
その言葉を胸に自分は旧ボーダーに入って初恋の人を振り向かせるべく努力をし続けた。
自分は旧ボーダーの中では新参者だったが、数々の出会いをした。
初日に俺の動機を聞いたらふざけてるのと怒り、模擬戦を仕掛けて来た割には初心者の自分にボコボコにされてガチ泣きするというベテランの風格というものを教えてくれた女の子、小南桐絵。
未来予知のサイドエフェクトを持ち、初日の顔合わせでサイドエフェクトを悪用して女性メンバーにセクハラかまして説教された直後に実力派エリートを自称する迅 悠一。
自分を旧ボーダーにスカウトし、新参者の自分に施設内を案内すると言って、方向音痴を発揮して施設内の紹介でトイレと用務室ばかりを行き来してオロオロする師匠。
他にも旧ボーダーで交友関係を持った人達はいたが、インパクトにおいて上記の三人を超えるものはいなかった……ゲフンゲフン……最も親しかったのがこの三人だった。
そして旧ボーダーの3つある同盟国の一つアリステラの戦争に参加して、王子や王女の亡命する為の殿してたら大将首を取って生き残るなどの実績を上げながら、成長して故郷に戻ってきた自分は初恋の人を呼び出して告白しに行ったのだ。
『来てくれてありがとう』
『うん。詩音くんは格好良くなったね』
その言葉にまだ告白すらしていないのに格好良くなったと言われただけで自分は喜びの感情が溢れていた。そして初恋の人はかつて見惚れた美しさに磨きかかって更に綺麗な女性になっていた。
例え振られたとしても構わない。けれど自分の気持ちにケジメを付ける為にも気持ちだけは伝えたかったのだ。
『俺の気持ちは変わらない。今も○○さんの事が……』
その言葉の結末を見ることなく俺は深い眠りから目が覚めた。
「続きを見る前に目が覚めてしまった……」
目が覚めての第一声がそれだった。まあ結末の記憶を失ってるとか悲劇的な話はないし、ちゃんと覚えてる。
その結末を糧にして生きているのが今の自分なのだから……
彼はボーダーにある仮眠室から目覚めて訓練室へ向かう。その途中で顔見知りと出会う。
「あ、木虎。久しぶり」
「白亜先輩!?お久しぶりです!」
A級5位の嵐山隊に所属するエースである女子中学生の木虎 藍。普段はボーダーの広報活動を行うから多忙な為に本部に入り浸りしている自分と会う機会が少ない。
周囲の評価だとプライドの高く自他共に厳しい性格らしいのだが、自分の前では聞き分けの良い勤勉な後輩である。
かつてトリオン量の少なさで伸び悩んでいた彼女の相談に乗って色々なトリガーの使い方を指導したからかもしれない。
俺としては性格なんかより身の危険を感じるある一点を除けば可愛い後輩なのだ。
「白亜先輩はどうなされたんですか?」
「俺はいつものレイド戦の仮想敵役だ。他の隊員達と一緒に挑戦してみるか?」
「いえ、今回は止めておきます。私はまだ未熟なので……」
勤勉なのだが俺の前だと木虎は何故か謙虚であることが多い。因みにレイド戦とは俺が考案した、B級以上の隊員達が格上の敵に対して多人数で挑戦する訓練イベントの一種だ。
ランク戦により個人戦、チーム戦でボーダー隊員達は日頃から鎬を削りあうのだが、圧倒的格上相手と戦う経験は割と限られているからということで作ったのがこのレイド戦である。
このレイド戦には格上となる仮想敵が存在しており、例えばボーダーで数少ないS級隊員だったり、遠征選抜部隊が選ばれる事が多い。
自分はノーマルトリガーなのだが、オペレーターと戦闘員は自分一人のチームを組んでA級ランク戦一位を三連覇したら本部からS級に昇格させられて強制的にチームランク戦を出禁にさせられたという経緯があったりする。それで多人数との訓練をしたいからこそレイド戦を考案したのである。
「あの、レイド戦が終わったら……実はスパイダーの練習に付き合ってもらいたくて……」
恥ずかしそうに顔を赤らめて言う木虎。
嘘である。
既に木虎はA級チームランク戦でもスパイダーを活用している。というか実際に教えを請われたので教えた。
そして彼の持つサイドエフェクト『平行世界』の能力の一つでこれから起こる可能性を確率で見えてしまう。だから木虎の表情から未来の起こりうる確率が見えて絶句する。
スパイダーによる誤爆亀甲縛りプレイ:70%
仮想訓練室で押し倒される:30%
その確率が見えた時点でうわぁ…と内心でドン引きする。どう考えても練習目的じゃなくて下心が透けて見えている。
この後輩は指導という大義名分を活かして肉体関係を迫ってくる恐ろしい肉食女子なのである。因みに肉食系女子なのは木虎に限った話ではない。
とある経典のせいでボーダー女子隊員は魅力が爆上がりした代わりに大体肉食系女子に変貌しているのだ。
切欠は白亜が当時豊胸に悩んでいた小南の力になろうと昔、暇つぶしで作成した経典である【乙女新書】を渡したことだった。
仕方なかったのだ……
白亜は小南の力になりたかった。他の心ない男子から「胸もA級」だなんて言われて落ち込んだ小南を見て見捨てることは白亜には出来なかった。
そして安易に渡したせいで未来は変わる。何故か小南へ玉狛支部から持ち出し厳禁と言って慎重に扱えと言っていた【乙女新書】がボーダー内で流出して瞬く間に広がったのである。
後日、流出前日に本部へ自身の成長した胸を張って秘密を暴露したことがボーダー女子隊員に知れ渡った原因だと発覚した。小南にはくすぐりの刑が降されたのは余談である。
そして気付いたら写本までボーダー女子隊員達に広まったせいで原本回収した頃には既に手遅れだったのである。
迅からは平和と関係ないところで未来を変えるのは止めてくれとクレームが来たくらいには激変したのだ。そう今のボーダーは女子隊員達が肉食系女子に変貌した魔窟なのである。
閑話休題、とにかく木虎の誘いに虎の尾を踏むことなく返事をしなくてはならなかった。因みに踏んだら押し倒されます。
「ああ、スパイダーの訓練には付き合おう」
「本当ですか!?ありがとうございます!白亜先輩!」
木虎は嬉しそうに答える。
因みに白亜は、この選択肢を断る選択肢は存在しない。何故なら以前断ったら、自分の通う学校の放課後に合わせて正門で彼女面して周囲に恋人と誤認させる事件をやらかして風評操作によるお持ち帰りを強制させられたのである。
あそこで木虎を自宅に招き入れるのを拒否したらヤリ捨て野郎の風評被害を受けていた。しかも自宅に招き入れたら虎の肉食っぷりを身を持って教えてくる恐ろしい女なのである。
(落ち着け、まだ慌てる時間じゃない。訓練ならば防ぐ手立ては幾らでも存在する)
「ではレイド戦後に嵐山隊室に起こしください。今日は他の隊員も来ないので2人っきりですよ……」
「いや木虎。あそこは途中で綾辻が来る可能性があるから別の場所にしようか」
「そんなに私と2人っきりになりたいなんて……私、嬉しいです!」
嵐山隊室に移動を全力で拒否する白亜。他の隊員が来ないとか襲われる未来が確定しそうで不穏なのも要因ではあるが、嵐山隊のオペレーターである綾辻 遥と遭遇したら白亜は確実に喰われる。
彼女はボーダー内外に多くのファンを持つマドンナ的存在で容姿端麗、成績優秀、の芸術方面以外は完璧超人である。
そして初対面の白亜に綾辻は自身の貞操帯の鍵を渡してくるとかいうインパクトでそんな前情報を吹き飛ばしたヤベー女なのだ。
禁欲で自制するのは良いが他所でやって自分を巻き込まないで欲しい。そして自分と会う度に抑圧された欲望を俺の身体を使って発散しようと襲って来るのは止めて欲しいと切実に思う白亜である。
木虎と分かれてレイド戦を終えて向かう交差の道で未来の確率が見える。そして思わず「うわぁ……」と声が出る
右折:那須隊に捕まり四等分にされる 80%
左折:加古と遭遇して炒飯を振る舞われる 70%
那須隊と加古隊は両方共女子チームだ。だが那須隊には白亜がとあるチームメンバー脱退阻止を手伝って阻止して以降、遭遇するとチームメンバーで四等分を決行してくる刺客に変貌した恐ろしい隊だ。脱退を阻止してあげたのに意中の相手がいる白亜の意思を無視して身体にお礼を教え込もうとする恩知らずである。
後者の加古隊の隊長である加古 望が振る舞う炒飯もヤバい。8割上手くて2割が激マズ炒飯なのだが、自分に対してはそうではない。何せ気絶した途端に卒業式決行をやらかすロシアンルーレットを炒飯で行い楽しんでいる危険な女なのだ。
Kで無いのにどうして……と涙で枕を濡らした過去もあったのだがそれは置いておく。
そして時間は彼の味方ではない。何故なら彼女達はその方向からこちらにやって来るからである。そして戦闘ならともかく飢えた女子隊員に囲まれるのは白亜としては避けたいのだ。
「そうだ。本部長室に逃げ込もう」
白亜は回れ右して撤退を行った。
「ふぅ……助かりました。庇ってくれてありがとうございます。沢村…いえ、忍田補佐官……」
「えぇ、貴方には恩があるからね」
そう彼女は原作で忍田本部長に秘めた想いを持っていた旧姓だと沢村恭子。そして今は忍田恭子である。まあ眠れる獅子を起こしてしまった忍田本部長はご愁傷様である。肉食系女子に変貌した彼女になんでもするとか言っちゃったんだから自業自得だよと当時は思ったものである。
因みに当時の彼女が忍田本部長とゴールインされる直前の確率はこうである。
忍田本部長が押し倒される:99.9%
沢村補佐官がチキって失敗:0.01%
あ、これ俺が退出したら忍田本部長が喰われるだろうなと理解したが邪魔をしたら碌な目に遭わないと思って気にせず退出したのである。
そして忍田本部長の電撃結婚報道(ボーダー内調べ)を経て彼女は無事にやり遂げたのである。
「ところで乙女新書に房中術が記載された裏新書があると聞いたんだけど本当かしら」
「あの…忍田本部長から忍田補佐官との惚れ気を聞かされる位なんですからこれ以上は勘弁してください」
「惚れ気だなんてぇ…そんなぁ……」
忍田補佐官は顔を真っ赤にしながら嬉しそうに言う。そして白亜は語らない。確かに忍田本部長は惚れ気を言うのだが、床では強過ぎて勝てないのだと泣き言もセットで言われる位に彼女に絞られていることを……
多分房中術教えたら忍田本部長は干からびると確信しているのだ。
「円満な夫婦生活の秘訣に節度を持ってという格言があります!なので忍田本部長に愛想を尽かされないように気を付けてください」
「ええ、そうね。念願の恋が成就したんだもの!気をつけるわ!」
張り切っている忍田補佐官にああ空回りしそうだなと思ったが忍田本部長は愛妻家だから別に良いかと割り切ることにした。
そして本部長室から出たら待ち構えていた木虎に連行される白亜。彼女に引きずられながら見かけた親友である迅 悠一にヘルプコールを送る。
「迅、助けて」
「その願いは俺のサイドエフェクトを超えているよ……」
迅の言葉に彼は絶望した……
ここからは簡単なキャラ設定。女子隊員は白亜からの印象で容赦ないので注意。
白亜 詩音
…S級隊員でサイドエフェクトは並行世界で迅に匹敵する程に強力なサイドエフェクト。
トリオン量も膨大で技量もチートという化け物。但し日夜肉食系ボーダー女子達に貞操を狙われる被害者である。
彼がサイドエフェクトによって並行世界から習得したあらゆる技術や知識はボーダーのトリガー開発や特許による資金調達で大いに貢献している。
ぶっちゃけ特許だけで一生暮らせるだけの余裕あるけど、駄目人間になるからと真面目に隊員として働いている。
そして本作では彼が安易に作った並行世界のあらゆる女性の美に関する技術を結集させた【乙女新書】という書物のせいでボーダー所属の女子達の女子力が爆上がり、磨いた美を実戦で振るいたくて男に飢える肉食系女子に変貌させた。
広報の根付さんは男性からの不純異性交遊からは守ってくれるけど、女性からの不純異性交遊は守ってくれません。
性格は口調こそ荒いが、誠実かつ真摯に対応するタイプ。見極めが上手いので相手のピークポイントには触れないからこそ心地良いタイプ。ぶっちゃけボーダーで一番モテているのだが、肉食系女子の跋扈するボーダーでモテるとは狙われるのと同義であり、日夜貞操を守る為の攻防が繰り広げられているので同情されている。
加古さんにハズレ炒飯を堂々と不味いと言ったり武勇伝も数多く存在する。
木虎 藍
…後輩で訓練と称しての指導プレイと風評操作による強制お持ち帰りプレイを扱う肉食系女子。烏丸ファンの彼女はこの作品にはいません。
綾辻 遥
…白亜が言ってた通り、初対面で貞操帯の鍵を渡してきたヤベー女。実は白亜に救われたことがあるとかいうバックストーリーがあったりするけど本編には出てこないので白亜的には自身で禁欲発散してくる女子としか思われてない。
那須隊
…本編で語った通り脱退阻止したら四等分してくるようになった恩知らず。
加古隊
…過去に炒飯でロシアンルーレットして気絶した白亜で卒業式を決行しようとした恐ろしい部隊。
忍田 恭子(旧姓 沢村 恭子)
…【乙女新書】のせいで原作開始前に本部長の虎を押し倒してゴールインした女傑。本部長は惚れ気と一緒に床ではいつも敵わないらしい。