Mobile Suit Gundam MUV-LUV G-ALTERNATIVE   作:武者ジバニャン

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またの書き直しで少しばかり同じ話を読むことになってますが、それでも大丈夫という方はどうぞお気軽に。

それとですが、この作品にはマブラヴのストーリー内の原作時系列、設定などを無視したり改変したりする部分があります。

それも含めてよろしくお願いいたします。


第一部
序章


月軌道上にある一隻の戦艦がいた、その戦艦の名はネェル・アーガマ。そしてネェル・アーガマのブリッジで1人の男が呟いた。

 

ゼノン艦長「我々は彼ら五人の事を忘れない。」

 

その言葉を呟いたのは壮年の男性...ゼノン・ティーゲル、戦艦ネェル・アーガマの艦長である。

彼が放った言葉は、まるで生者が死者に対してその者達との記憶を永遠に覚えていようとするものだった。

そんなゼノン艦長に対して背後から声がした

 

 

マーク「艦長...それでは彼らが死んだみたいじゃないか」

 

ゼノンは声を発した人物の方に頭を向けた。声の持ち主はマーク・ギルダー、ネェル・アーガマのMS部隊のベテランパイロットだ。

そのマークの言葉に対してゼノン艦長は、苦笑しながら言った。

 

ゼノン艦長「これから彼らは永遠とも言える時の中ジェネレーションシステムの元で

 

眠りにつかなけばならない。それに少年兵時から彼らは戦い続けてきた。

 

ほんとうだったら、これから戦いのない世界で平和を謳歌してほしかった

 

ぐらいだ。だが…」

 

最初苦笑の顔だったゼノン艦長だったが、それが悲しみが入り混じった顔になっていった。

そんな艦長の様子を見て、マークもまたその気持ちは同じだった。そしてブリッジにいた全員がそうだ、皆仲間との別れはとても良いものではない。

 

そんな時、オペレーターのラ・ミラ・ルナがゼノン艦長に報告した。

 

ラ・ミラ・ルナ「艦長、ソレスタルビーイング号のアプロディアからすべての準備が

 

整ったとの事です。」

 

「了解した」と返答し、彼女にそれをスクリーンに出せるかと聞く。

 

ゼノン艦長「スクリーンに出せるか」

 

ラ・ミラ・ルナ「はい」

 

ブリッジの大型スクリーンに映つしだされたその女性は、神話に出てくる

 

女神のような存在だった。彼女の名はアプロディア

 

ジェネレーションシステムの管理者であり、ゼノン艦長やマーク達共に

 

戦った仲間である。

 

アプロディア「ゼノン艦長、此方の準備はすべての完了しました。

 

あとは別の外宇宙に旅立つだけです。」

 

 

 

そうアプロディアは、温かい微笑を浮かべながらゼノン達に言った。

 

 

 

ゼノン艦長「そうか…では君達の幸運を祈る。」

 

 

 

ゼノンはアプロディアに笑みを返しながら言った。

 

マークもアプロディアにあることを問いかける。

 

マーク「彼ら五人は?」

 

アプロディア「四人はもう、ビーイング号に移動しました」

 

四人と聞いてゼノン艦長やマーク、ブリッジにいる全員がん?となり艦長がどういう事かアプロディアに質問することに。

 

ゼノン艦長「どういうことだ?誰かこちらの艦に残っているのか?」

 

彼の問いにアプロディアは悲しげな表情を見せて躊躇いつつも、それでも彼の問いに答えようとアプロディアは口にする。

 

アプロディア「はい...彼は最後に、エターナと2人っきりに....」

 

アプロディアから伝えられた話にゼノン艦長とマークたちは納得して思い詰める。

一方、ネェルアーガマのとある一室で2人の男女が互い抱き合っていた。

銀髪の美しい女性エターナ・フレイルが、白髪で波巻きスパイラルパーマツーブロックスリークショートマッシュの髪型で、前髪がクロスした男の胸に顔を埋めてその温もりを感じていた。

その暖かさを肌で感じ取とりながら瞳を閉じている彼女の双瞼から涙が流れている。

それに対して男の方は静かに自身の胸の中で温もりを感じているエターナを受けいれながら、男もまた双瞼を閉じていた。

2人の時間はまるで止まっているかみたくとても静かであった、エターナはこのひと時が永遠に続いて欲しいと心の中で何度も、何度も、何度も願った。しかし男はそんな彼女の願いを叶えることはできない、只々彼女を抱きしめてやることしか今の男に出来ることはない。

しかしそれでもエターナにとって男との抱擁は、この互いの体温を確かめ合えて心地よいものだった。

ふと男は気づいた。エターナが自分の顔を見上げ、切ない表情を浮かべ瞳を潤ませていた。

この時彼女が男に何を求めているのか、直ぐに分かった。彼は無言のまま左手をエターナの頬に優しく添える。

彼の手から感じる温もりに彼女はその彼の手に自身の手を重ね、彼がまだ目の前に居ることを改めて感じ取る。

対して男の方は無表情で彼女を見つめるのみである。無表情でいる彼にエターナがとうとう口を開いた。

 

エターナ「私も....」

 

「ん」

 

エターナ「私も...一緒に」

 

「.....」

 

彼女は思い詰めていた気持ちを漏らす。彼女は一緒に行くことが出来ない、彼とは長い間戦場を共にしてここまで苦楽を感じ合ってきた中で気づけば互いに愛しあっていた。

 

エターナ「(でもきっとこれは...)」

 

彼女自身それがきっとただの深く出来た心の傷の舐め合い...戦争の中で経験した記憶を忘れたくてそれを互いの心と体を重ねて忘れていっていた。男は少年時代から経験したことが最悪な程に酷いものだったらしい。

 

彼曰く軍の施設で強化人間として扱われ、特殊なナノマシンによってコーディネーターやスーパーコーディネーターをも凌駕する身体能力と頭脳を持ち、ニュータイプとも互角以上に渡り合える能力を獲得していると聞いた、彼女は本人から話を聞いただけで彼自身の出生は聞いたことが一度もない。

だがこれは男だけでなく、彼の仲間たちもこの尋常じゃない強化改造手術を受けているようだった。

その強化改造手術を受けた為か、髪が白髪化し瞳が血のように赤くなったと本人から聞いていたがそれすら本当かも分からない。

 

彼は戦いにおいて冷徹に冷酷に戦い続けてきた。アメリアスとのジェネレーション・システムをかけた戦いでようやく戦いは終わったと嬉しくなった。

しかし世界は彼ら五人を人類の天敵として牙を剥こうとしていた。

その時彼がある提案で彼ら五人が外宇宙航行艦・ソレスタルビーイングで別宇宙に移動し、安住の地に見つけようというものだった。

彼ら五人がこの世界から居なくなればネェルアーガマの仲間たちは被害に逢わずに済む。

だがこれを聞いたゼノン艦長とマーク、そしてエターナも猛反対した、仲間を犠牲にして平和を享受したいとは思わないと真っ向から否定した。

しかし男と彼の仲間たちはこれを拒絶、自分たちと居れば新たな争乱に巻き込まれかねない。

彼らは自身を疫病神と認識しているようだ。心許せるネェルアーガマの仲間たちを決して死なせたくないその想いで、たった五人だけで冷たい宇宙の旅に赴こうという考えを変えることは出来なかった。

だがやはりエターナは彼と離れるのが怖いのだ。だが彼は絶対に彼女を連れていくことはしないだろう。

そう思うとこれ以上何も言えなかった。すると.....

 

 

「....約束する」

 

エターナ「え...?」

 

男は突如彼女の頬に添えていた手を離して、彼女の顔の前で手を拳にしてから小指だけを突き出した。エターナはどういうことか分からず彼に不安そうに顔を覗かせる。

対する男は無表情で言う。

 

「指切りだ」

 

エターナ「託未...」

 

男...新月託未は言葉を紡ぐ。

 

託未「俺は決して死にはしない。俺たちはこれからも生きる為にどんな手を使ってでも生き残ってみせる」

 

エターナ「託未...」

 

託未「だから...約束だ」

 

エターナは彼にこれ以上引き留めることももう無理なのだと、彼はもうこの世界に見切りを付けているんだと理解する。

ならばもう彼を縛り付けてはいけないと心に決めたエターナは、託未の小指に自身の小指を絡ませた。

 

託未「指切った、だ。ありがとう...エターナ」

 

エターナ「うん...うんっ...」

 

彼女の瞳から涙が溢れてしまった。もう止めることができないほどの大粒の涙を...。

悲しみを癒そうと託未は彼女の顎に手を添えた。エターナはタクミが何をするのか瞬時に理解し目を閉じて彼の行為を待つ。

すると託未は彼女の唇に自身の唇を重ねる、2人の時間が止まる。しばらくして彼女の唇から離れた托未は優しく別れの言葉を口にする。

 

託未「....さようならエターナ。幸せに生きてくれ」

 

エターナ「託未...」

 

託未「....」

 

 

託未は無言でエターナから離れて部屋から出ていった。彼が居なくなっても涙は決して止まることはなかった。

そしてネェルアーガマから一機のモビルスーツがソレスタルビーイング号に飛翔する。

その機体はHi-νガンダム...タクミの愛機であり、これまでの戦いにおいて無類の力を振るい多くの敵を葬った白い悪魔...。

 

アプロディアが彼のHi-νがソレスタルビーイング号に内部入ったことを確認し、ゼノン艦長とマークにそれを伝える。

 

 

 

アプロディア「今先ほどタクミがこちらに来ました。これより彼もコールドスリープ処置に入ります」

 

彼女の報告を聞いて「いよいよか」とゼノン艦長とマーク、そしてブリッジに居るクルーたちも神妙な顔を浮かべる。そしてマークが徐にアプロディアに頼み事をする。

 

マーク「彼ら五人が目覚めたら伝えてくれ、今まで辛い事も悲しい事もあったがそれでも君達といた時間は楽しかった。俺たちは絶対に忘れないと…」

 

 

ネェル・アーガマいる全ての者たちが思っている事をマークがアプロディアに伝えた。

 

アプロディア「分かりました。必ず伝えます。そろそろ時間です。」

 

アプロディアがそう言い、ゼノンも了承する。

 

ゼノン艦長「分かった」

 

と言いながら艦長は座席にある艦内オープンチャンネルで、クルー全員に伝える。

 

ゼノン艦長「我々の仲間達の航海の無事と未来があること祈って…敬礼!!」

 

クルー全員は、外宇宙航行用のワープに入ろうとしているソレスタルビーイング号の姿を見ながら全員敬礼していた。

 

そしてマークは、ここまで共に戦った友たちの名前を1人1人呼んだ。

 

マーク「さらばだ。宗陰…蒼真…森羅…睦城」

 

そして最後1人名前を呼ぼうしたとき、近くいたブリッジに入ってきたエターナが彼の名前を口にした。

 

 

自分が初めて愛し、戦いの中自分を何度も助けてくれた。

 

そして戦いの中、殺し合いの中でしか生きられなかった男の名を...。

 

 

 

エターナ「さようなら…託未」

 

 




今回はここまで。不定期ではありますがよろしくお願いいたします。
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