Mobile Suit Gundam MUV-LUV G-ALTERNATIVE   作:武者ジバニャン

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駄文が含まれております。それで良ければ軽いお気持ちでお読みください。


それとですが、この作品にはマブラヴのストーリー内の原作時系列、設定などを無視したり改変したりする部分があります。

それも含めてよろしくお願いいたします。




イメージOP1「閉ざされた世界/劇場版機動戦士ガンダム00」

イメージED「signs ~朔月一夜~/マブラヴ オルタネイティヴ トータル・イクリプス



第九章 帝都燃ゆ 後編part1

《あらすじ》

 

唯依たち初めての実戦は熾烈なものとなった。初めは何とか行けると思い奮闘するが、その最中で唯依の親友の一人である甲斐志摩子が光線級の照射を喰らい、虚しくその命を散らしてしまう。

親友の死を目の当たりにしながらも、その悲しみを暮れる暇などBETAは与えてくれるはずもなく、激しい死闘は続いていく。

だがまたも唯依はかけがえのない仲間を失った。石見安芸が要撃級によってその命を奪われてしまうのだった。

一方彼女らが絶望に打ちひしがれて頃、地獄と化した京都の戦場にとうとうその姿を再び見せた託未たちが操る五体のガンダム【Hi-νガンダム】【ペーネロペー】【ΞG】【フルクロス】【FAZZ】。

かの五体はその圧倒的な戦闘力で次々にBETAを駆逐していく。そして物語は登場した彼らガンダムチームがBETAを悉く葬っている所から始まる。

 

 

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森羅「オラァンッ!!!抹殺ゥッ!!!!」

 

ムラマサブラスターをライフルモードに切り替えて剣状の本体先端部から高出力のビームの奔流を放出し、迫りくる要撃級と戦車級の混成した群れを一気に一網打尽にする。

そのままムラマサブラスターを接近戦モードに切り替えて先端部から大出力のビームサーベルを展開し、三匹の要塞級を横薙ぎで真っ二つにしてみせる。

 

森羅「だらぁ!!!斬殺っ!!!」

 

要塞級が三匹も一気に真っ二つにされる様は、帝国軍からしたら異様である。

 

蒼真「いいねぇ、じゃあ俺もやっちゃおう!!」

 

ΞGも腕部ミサイルランチャー、脚部ミサイルランチャー、膝部大型ミサイルランチャーを一斉に斉射して光線級を次々に粉砕していく。

更に専用のビーム・ライフルで自身に突進してくる突撃級を射殺す。

 

蒼真「味気無い」

 

睦城「ZZ、敵勢力を掃討開始」

 

大きなバックパックにセットされているハイパー・ビーム・サーベルとしても機能するダブル・キャノンや、ダブル・ビーム・ライフル、21連装ミサイルポッドで小型種大型種関係なく悉く滅ぼす。しかしやられてもやられても戦車級や要撃級がFAZZに押し寄せる。

 

睦城「虫が、散れ」

 

機体に内蔵されているバイオセンサーに自身の強化人間としての増幅されたサイコウェーブの力を受けてハイパー・ビーム・サーベルが巨大化させてその群れを薙ぎ払い、からのハイパー・メガ・カノンで追撃で消滅させるのだった。

 

宗陰「....クソどもが」

 

そう毒づきながらペーネロペー専用の高出力ビーム・ライフルで突撃級と要撃級を容赦なく射殺し、続けざまにオデュッセウスガンダムの両腕部に装備されている複合兵装シールドからメガ粒子砲とミサイルを発射して重光線級

を殲滅せしめる。

 

宗陰「止めだ、失せろ」

 

最後にはファンネルミサイルで締めで止めを刺して蹴散らす。

 

託未「邪魔だ」

 

Hi-νガンダムが左手に装備してるシールドに内蔵されたビーム・キャノンと右手に持っているビームライフルで迫りくる要撃級・戦車級・突撃級を殲滅し、次に要塞級五体をフィンファンネルのオールレンジ攻撃で蜂の巣にして撃破。

しかし続くように師団規模でのBETAがHi-νガンダムに迫る。

 

託未「これで終いだ」

 

ならばと高威力のメガ粒子砲を放てるハイパー・メガ・バズーカ・ランチャーでそれらを全て消し炭にし全滅させる。だが地中から要塞級が一匹現れる。

 

託未「性懲りもなく...失せろ」

 

Hi-νガンダムはビームサーベルを取り出して跳躍。要塞級よりも高い位置から急降下してビームサーベルを振りかざして真上から一直線で要塞級を真っ二つにしてみせる。Hi-νによって真っ二つにされた要塞級は左右に崩れるように斃れる。

残りの残敵もどうやら宗陰たちによって既に全滅しているようだ。

 

託未「敵はもう居ない、か」

 

宗陰『ああ。ここの戦線も一段落だ』

 

託未「そうだな、次行くぞ」

 

『『『『了解』』』』

 

命令する中、託未は全天周囲モニターに映るある物に視線が偶然いく。

 

託未「....」

 

そこには無惨な姿で地面に打ち捨てられた幾つもの撃震やF-15Jの陽炎が、ただの鉄屑となっている。

それが何機も同じようにある。それと戦場中には戦車級の“食べ残し”らしきものがそこら中に散乱している。それを托未は冷めた目で淡々と見つめる、このような状況別段彼からしても何も珍しい光景ではない。

形が何であれ、結局は死体...自分にとって見慣れたものである。その死体たちの中に偶然なのかは知らないが何かに救いを求めるように手を伸ばしているように見える死体がある、それを見ると託未は一人呟く。

 

託未「...どの世界でも、死は当然の如く理不尽なものだな。まぁそんなの物は当たり前か」

 

っと呟いた後、Hi-νガンダムは飛翔していった。

 

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唯衣side

 

 

唯依「っ!!――光線警報!!」

 

如月中尉「何!?」

 

上総「中尉!!」

 

 

一筋の光線がそのまま、如月中尉の瑞鶴の右肩装甲部に命中した。

 

 

如月中尉「ぐあ!!」

 

唯依「中尉!?」

 

上総「大丈夫ですか!!」

 

 

私たちは中尉の機体に駆け寄り安否を確かめる。何とか管制ユニットの直撃は間逃れたは良かったけど、でも右の跳躍ユニットまでも焼けている。

これじゃあもうまともに飛行は....。

 

 

如月中尉「く!...これまで、か。....篁少尉」

 

唯依「は、はい!」

 

如月中尉「貴様に....指揮権を任せる...」

 

 

え!?私に...!?

 

 

唯依「しかし!!中尉は...!!」

 

如月中尉「私はもう駄目だ...機体の右跳躍ユニットが破損している、これでは足手まといになる」

 

唯依「しかし...!」

 

 

山城さんも私と同じ思いを抱いて中尉の話に異を唱える。だけど中尉は...。

 

 

如月中尉「私は....捨て置け。これは...命令だ」

 

唯依「如月中尉....」

 

 

如月中尉は網膜投影モニター越しで苦笑を浮かべている。

 

 

如月中尉「安心しろ。まだ私には"残された手"がある」

 

上総「残された手って....」

 

唯依「.....」

 

 

それが何なのかは分からない、だけど中尉は既に死を決めている。

 

 

唯依「(もう...中尉は覚悟を決めているんだ...)」

 

 

これ以上...中尉に困らせては駄目だ...。

 

 

唯依「中尉...指揮権受領、拝命いたします!」

 

 

私は敬礼の姿勢を、すると投影モニターで山城さんも同じく敬礼をとる。それを中尉は微笑んでくれた。

 

 

如月中尉「そうか....ならば、頼むぞ」

 

唯依「はい!!」

 

上総「了解しました!!」

 

如月中尉「うん....行け!生き残れよ...?」

 

2人「「ハッ!!」」

 

中隊衛士「BETA郡!距離800!!」

 

 

仲間の衛士の報告に皆表情を引き締める。そして如月中尉が顔を険しくして声を上げる。

 

 

如月中尉「行け!!帝都内に仮設基地がいくつかある!!データはそちらに送った、そこに向かえ!!」

 

唯依たち「「「「了解!!」」」」

 

 

私は生き残っている中隊の皆に振り向き指揮を執る。

 

 

唯依「これより帝都内の存在している帝国軍基地に向かう!!」

 

上総「分かりましたわ!!」

 

和泉「う、うん!!」

 

唯依「全機行くぞ!!匍匐飛行で向かう!!」

 

 

私達は機体の跳躍ユニットを吹かして飛び上がるその間、如月中尉に敬礼をとり続けた。そしてそこから一気に匍匐飛行で敵の光線距離から離れようと飛行するのだった....。

 

 

唯衣sideエンド

 

 

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唯衣たちが離れていく姿を見守る如月佳織は、一度息を吐いて呟く。

 

佳織「ハァ...行ったか。なら、私も最後の仕事をしよう」

 

そして彼女は振り向き、今もまだ進行しつつある敵の群れを見て、彼女は意を決する。

 

佳織「行くぞ!糞虫ども!!貴様らに死の恐怖を捨てた人間の力を見せてやる!!」

 

その言葉を吐いた彼女は敵が至近距離に近寄るのを待ち続ける。その彼女の望みどおりBETAの群れは如月中尉の機体に凄い勢いで接近してくる。

彼女は今か今かと待ちながら自身の操縦席にある物に目を向ける。

 

S-11...戦術核に匹敵する破壊力を有する高性能爆弾。反応炉を破壊を名目に戦術機に搭載される自決武器。

 

佳織「....」

 

そしてとうとう彼女の機体にBETAが襲い掛かる。そして...。

 

佳織「皇帝陛下...将軍殿下...日本に希望をッ!!!!」

 

彼女はS-11のスイッチに拳を叩き付け、瞬間機体全身が発光したと思ったら凄まじい規模での爆発が生じ多くのBETAを巻き添えにしたのだった....。

 

 

 

 

 

 

 

唯依「ッ!!」

 

 

背後の遠くで大きな爆発音が離れた所まで飛行していた彼女たちの下にまで響く。それが一体何が原因なのかなんて、唯衣は直ぐに理解できた。

 

 

唯依「(如月中尉....)」

 

 

 

しかし、その時である....。

 

 

中隊衛士「ッ!?レーザーけ――!!」

 

上総「ッ!?」

 

唯依「なに!?」

 

和泉「え!?」

 

 

生き残った中隊衛士の一人がレーザー警報を叫ぼうとしたが、それよりも早くに彼女の機体は閃光が貫通し爆散した。いきなりのことに皆驚愕する。

 

 

中隊衛士1「レーザー!?」

 

中隊衛士2「うそ....まだ....」

 

唯依「皆!!もっと高度を下げて!!」

 

 

唯衣の命令に他の皆は低く飛ぼうとするが、どんどんと中隊の者たちが狙い撃ちにされていく。

 

 

和泉「このままじゃあ!!唯衣ぃーッ!!!」

 

上総「篁さん!!」

 

唯依「このまま進んで!!止まってはダメ!!」

 

 

しかしその間にも後方から光線級の遠距離レーザー照射は止む事は無く、次々に中隊の仲間たちを落していく。

 

 

中隊衛士1「ぎゃああああああああああああああっ!!」

 

中隊衛士2「ごふあぶふあああッ!!!」

 

 

どんどんと減っていき、遂に残ったのは唯衣、上総、和泉の三人となった。このままでは自分たちもやられてしまう...、唯衣は賭けに出る。

 

 

唯依「一か八か、全機兵装を全て解除!そしてこのままロケットモーターで最大加速!!一気に突っ切る!!」

 

和泉「え!?」

 

上総「やるしかないですわ!!行きましょ!!」

 

 

そして、機体を加速させた三人は見事危機を脱す。そして戦域から脱した三人は京都の街が見える付近にまでたどり着く事ができた。しかし彼女たちの眼に飛び込んできたのは、千年も続く美しい都の京都は紅蓮の炎に包まれた光景である。

 

 

和泉「帝都が....千年の都が....燃えている」

 

上総「.......」

 

唯依「.......」

 

 

見事に沈黙してしまう三人ではあったが、震えながら和泉が口を開く。

 

 

和泉「これからどうするの...?京都....あんなになっちゃってるし....」

 

唯依「まずは兵装の入手を最優先にしましょう。じゃないと...生き延びた意味が無い」

 

上総「分かりましたわ」

 

和泉「うん....」

 

命と引き換えにとはいえ、装備を全てパージした故に丸裸となってしまった。その為彼女たちが次に取るべき行動は、装備の調達である。

 

唯依「行こう!!」

 

 

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唯衣side

 

私たちは今京都の街中に居る。近くに味方部隊が居ないか通信で呼び掛けている。私たちの機体の推進剤も武器弾薬もない。こんな状況でもしBETAと遭遇したらかなり不味い...。

 

唯依「こちら嵐山第一小隊!誰か応答願います!こちらは第三ラインで孤立、指示を!!」

 

しかし私の呼び掛けに誰も反応してくれず、返ってくるのはノイズばかり...。

 

唯依「ダメ、返事がないッ」

 

和泉「みんな....喰われるのよ...」

 

上総「喰われる?」

 

和泉「座学で見たでしょ!!!BETAは人を喰うのよ!!!......私たちもどうせ!!!」

 

唯依「和泉!しっかりして!!」

 

冷静さを無くしてしまった和泉を落ち着かせるけど、もう彼女は戦線に居続けることは無理なのかもしれない。基地が見つかったら彼女を保護して貰おう、それが和泉の為にもなる。

何とかしてこの状況を切り抜けないと、まずは補給をしないダメだ...。

 

唯依「補給コンテナを拾いながら、二条城の本陣を目指しましょ!そうすれば司令部直下の指揮管制に―――っ!!!」

 

その時だった。私の真横のビルから突撃級が突き破って飛び出してきた。私は思わぬ伏兵に思うように機体を動かすことが出来なかった。

 

唯依「うあああああっ!!!」

 

私の瑞鶴はそのまま突撃級に押し倒されてしまった。どうしてここに突撃級が!一体何処から?!

 

上総「篁さんっ!?」

 

和泉「唯依っ!?」

 

私は跳躍ユニットを吹かして突撃級を押し上げようとしたが、山城さんが私に待ったを掛けてきた。

 

上総「ダメよ!!篁さんっ!!」

 

唯依「えっ!?」

 

上総「推進剤が漏れているッ!それでは誘爆しますわっ!!」

 

その時だった。突撃級が現れたビルから幾つもの戦車級が現れて私たちに近づいてくる。これでは私どころか山城さんや和泉までも――っ!!

私は2人にこのまま逃げるよう促した。

 

唯依「二人とも私はいいから逃げて!!」

 

和泉「唯依ぃ!!!」

 

っが迫りくる戦車級が蜂の巣にされ、突撃級がめった斬りされ横に斃れる。上に覆い被さっていた突撃級が居なくなった為、何とか機体を起き上がらせることが出来た。そこへ....。

 

???『推進剤は残しておいてあるか?こっちは大食いなもんでな』

 

唯依「この声は!?」

 

そこには一機の戦術機がそこにいた。そして聞きなれた声が聞こえる。

 

真田教官『死の8分を超えて、少しは衛士らしい面構えになったか、ああ?』

 

唯依「真田.....教官ッ!?』

 

上総「真田教官ッ!?」

 

和泉「教官...ッ!?」

 

教官は不敵に笑って見せていた。この地獄のような戦場で何とも無いような素振りで一切恐怖なんて抱いてようにも見える。

 

真田教官『式がチャチ過ぎて自分が任官したことも忘れたのか?俺はもう貴様らの教官ではないぞ!俺はもう復帰して帝国軍の出戻り大尉だ!』

 

真田教官が乗っている機体...世界初の実戦配備型第3世代戦術機・不知火が近寄る要撃級を蹴散らす。凄い...。

 

唯依「....あれが、帝国軍の第三世代機...94式・不知火....!!』

 

真田教官『いや違う。こいつは機動強化型の壱型丙だ』

 

唯依「....94式・壱型丙....」

 

真田教官『バカ食いと過敏な操縦特性が嫌われ、100機で調達打ち切りの問題児。だが大陸帰りの俺にはこれぐらい丁度いい按配でな』

 

上総「ありがとうございました真田大尉、お陰で助かりました!」

 

真田教官『撤退の途中、貴様らのコールサインが聞こえたものでな』

 

だからこうして助けに....。そんな安心感に一時でも浸る私たちに休みなどを与えないと言わんばかりにBETAの反応がレーダーで捉える。

 

真田教官『...どうやら長話は出来んようだ。殿は俺が務める、お前たちは第八ライン上の京都駅に迎え。そこが集積場になっている』

 

唯依「っ!」

 

その時私は教官の機体胸部右下が抉られた穴があることに気付く。まさか中の教官は酷い状態なのではと思う。しかし教官は話を続けてる。

 

真田教官『上手くすれば補給も受けられる。さぁ行け!』

 

上総「しかし!!」

 

山城さんも気づいてるのか、教官の命令に納得出来ない。

 

真田教官『上官の命令に逆らうのか!?』

 

上総「っ?!」

 

教官の一喝にこれ以上山城さんや私は何も言えなかった。

 

唯依「教官...」

 

真田教官『行け!!』

 

 

私たちは言われるがまま、集積場に向かうことに....。

 

 

 

真田教官「行ったか...これで存分に暴れられる!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真田教官と別れて、私は戦域マップを見る。すると京都駅の情報が眼に入る。

 

 

唯依「集積基地...!」

 

上総「篁さん、何か見つけましたの!」

 

唯依「京都駅に、帝国軍の集積基地がある!そこに行きましょ!」

 

上総「分かりましたわ!能登さん!」

 

和泉「...わかった」

 

唯依「行こう!」

 

 

私たちは京都駅を目指すことにした。そのまま匍匐飛行のまま目的地に移動し続けてる。

 

 

上総「ご覧になって!京都駅ですわ!!」

 

唯依「―――あれは...」

 

 

私たちの視界に京都駅が見えてきた。これでもう...。

 

上総「駅の外観を見る限り、特に損害はないようですわね....」

 

和泉「うん、そうだね....でも」

 

 

でも、一切の通信が来ない。データには戦術機甲一個中隊と機械化装甲歩兵一個大隊が集積所を警護している筈なのに...。

ここは、入念に入るべきだ。

 

唯依「減速して12時方向400で接地しましょう。そこで音振探査を――ッ!?」

 

 

衝撃が私の瑞鶴を襲った。今のは――!!?

 

 

唯依「これは―――触角腕ッ?」

 

和泉「――まさかッ!!―――要塞級がっ!?」

 

上総「しかもこの数、9体ッ!?」

 

 

こんなに居るなんて!!しまったっ!!―――建物の陰になって!?

 

 

唯衣「うああああああああああああああぁぁーっ!!!」

 

 

 

私の機体は触角に吹き飛ばされた.....。

 

 

唯衣sideエンド

 

 

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一方、幾つもの戦線でBETAを駆逐していた託未たちガンダムチームは上空を飛翔している。普通高度が高い位置での飛行は普通の衛士ならば完全に自殺行為である。

光線級という航空兵力を無力化する地上から制空権を奪う空の天敵が居る所為で、まともに正攻法で戦場で爆撃など不可能である。

380㎞離れた高度1万mの飛翔体を的確に捕捉可能なので、直撃を受ければ航空兵器は大破、最悪撃墜せしめる高出力、そして光学兵器であるため一瞬で届く。戦術機なんて光線級のレーザー照射を無傷で回避するなど不可能だ。

それを躱すなどモビルスーツの運動性は戦術機よりも優れている証拠であり、特にモビルスーツの代表的な機体であるガンダムはその性能はずば抜けている。

故に光線級のレーザー照射を回避するのはガンダムタイプの高位の機体であれば造作もない。

そのガンダムタイプにエースパイロットクラスが乗れば尚更そうである、特に託未たちはガンダム世界のどのエースパイロットたちよりも圧倒的に常識外れの化け物揃いなので光線級のレーザーなど容易く避けれる。

そんな彼ら現在次の獲物を探し求めながら焼土と化した京都の街を眺めている。

 

宗陰「千年続いた古き良き都が、何とも無惨な姿だな」

 

睦城「ここまで行くともう、復興は無理でしょ」

 

破壊された建物、ボロボロに朽ち果てた戦術機、そして....。

 

蒼真「あちこちに見受けられるね...戦車級や兵士級の“食べ残し”」

 

そう。彼らの全天周囲モニターの最大望遠で燃える街を眺めている中でBETAによって無惨な姿と化した人間“だった”物がそこら中に散乱している。

 

森羅「何ともまぁ、エグイ食い方してんなぁBETAどもは」

 

託未「帝国軍もズタボロだな。戦力再編も暫く無理だな」

 

蒼真「てか戦力再編って可能なのかねぇ~」

 

などと会話しているとレーダーに戦術機の反応が検知される。

 

睦城「これは...」

 

蒼真「戦術機...?」

 

宗陰「一機のみか...行ってみるか?托未」

 

託未「ああ、行くぞ」

 

託未たちが目的の場所に急行するとカラーリングが違う不知火...真田教官が操る不知火壱型丙が要撃級や戦車級に囲まれながら36mm突撃砲を連射している。しかし一体の要撃級が脇から装甲殻で胸部に打ち抜いた。

思わぬ死角からの一撃にそれまで何とか奮戦していた壱型丙ではあるが、そのまま背後のビルに叩き付けられる。

 

託未「援護する」

 

『『『了解』』』』

 

託未たちは素早く行動に移り、壱型丙に集っていたBETAの群れを悉く一匹残らず狩り殺した。残敵が居ない事を確認すると託未のHi-νガンダムは壱型丙の衛士に呼びかける。

 

託未「...おい、聞こえるか?」

 

「....」

 

しかし一向に返ってこない。もしや死んだのでは?と思うが、直ぐに向こうの衛士からの返事が聞こえてきた。

 

真田教官『き....聞こえ、る....』

 

託未「....」

 

直ぐにこの衛士はもうダメだと理解できる。息が絶え絶えで今にも息が止まってこのまま死ぬのではと思うぐらいだ。

そんなことを思う託未に、真田教官が必死に息が続く限りで問いかけてくる。

 

真田教官『き、貴様らは....もし..かして、白い悪魔たち....か?』

 

託未「ああ。そう呼ばれている者たちだ」

 

真田の問いに淡々としてその問いに答えた。それを聞いてか真田は何故か笑いが混ざったみたいな喋り方をし始める。

 

真田『フフフ....そうか、やはり....あんな化け物染みた動きは....並みの衛士では出来ない....流石は白い悪魔だ』

 

託未「くだらん」

 

っと一刀両断で真田の話を切り捨てる託未、そんな彼の返答にフッと苦笑を真田は浮かべるのだった。しかし彼の身体は重体であるのは変わりない、というか最早虫の息であり風前の灯火とも言える。

もう満足に身体を動かすことすら出来ない。そんな時である、睦城から託未に通信してくる。

 

睦城『託未』

 

託未「どうした?睦城」

 

睦城「この先にある京都駅でBETAの反応があります。反応からして戦車級や兵士級などが確認できます」

 

託未「そうか」

 

真田『ど...どうした?』

 

託未「この先の京都駅にBETAの反応がある。近いしこれから狩りに向かう」

 

託未からの話を聞いて真田は目を大きく開き激しく動揺する。

 

真田『な!何だと!!!そ、そんな!!ガハッ!!ぐふぉっ!!」

 

真田は口から吐血し、傷口が酷く開く。

 

託未「無理をするな。無駄に喋ると命を縮めるぞ」

 

しかし託未の忠告に真田はそんなの知ったことかと、

 

真田『た、頼みが...あるっ....京都駅に俺の教え子たちが向かっている....頼む、助けてくれ....』

 

託未「諦めろ。大方もう既に死んでいる」

 

懇願する真田に対して託未は冷酷に切り捨てる。確かにBETAの巣窟となっているのであれば最早助からない、最悪戦車級や兵士級の餌として貪り食われるだろう。

しかしそれでも真田は虫の息でありながらも、自分の教え子たちを助けてほしいと託未に食い下がる。軍人である彼は幾度も部下をBETAに殺されてそういうのは割り切っていたつもりだった。しかし年端もない少女たちがこの地獄によって理不尽に失われることと、まだ未来溢れる少女たちに戦いを教えるしかできない自分の愚かさに憤りを抱いてしまう。

 

真田『そ、それでも....た、頼むぅっ!....まだ、あの子たちは.....年端もない年頃なんだぁ....っ!!』

 

託未「...子供の兵士など珍しいものじゃない」

 

真田『...ッ!』

 

託未「......だが、いいだろう」

 

真田『ほ、ほんとうか!?ゴホッ!....はぁはぁ....』

 

託未「嗚呼、だから貴様もう...眠れ」

 

真田『....ああ、そうしよう』

 

っと真田安らぎに満ちた笑みを浮かべそのまま息を引取った。託未の仲間である宗陰は彼があんな頼みを簡単に受け入れることに珍しいと感じている。

普段託未は嗚呼も人の頼みは聞き入れるのは好きではない。しかし今回はそれを受け入れた、彼なりに何か感じ入ったのやもしれない。

そんなリーダーである彼に対し、宗陰は声を掛ける。

 

宗陰『っで?どうする?行くのか?』

 

託未「ああ、頼まれたからな」

 

宗陰『全く...』

 

呆れながらも宗陰は苦笑交じりになっている。そんな彼に託未は日本の危機に救いの手をさし伸ばせ、更には窮地に立っているであろう初陣の少女たちを救ったとなれば、帝国とて彼ら五人を強く敵対は出来ないだろうと考えている。

 

託未「ここまでやれば、帝国も俺たちに多少の恩を感じるだろうよ」

 

宗陰『まぁ確かに』

 

ここまでやって恩ではなく仇で来るなら、容赦なくBETA諸共磨り潰すだけだと托未は最後に付け足したのには宗陰を含め睦城や森羅、蒼真も笑っていた。

そして彼らの次の行動が決まった。

 

託未「よし、これより京都駅に向かい学徒兵の救出に向かう」

 

四人『『『了解』』』』

 

 

五機のガンダムは京都駅へと飛翔していった....。

 

 

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唯依side

 

 

唯依「......ん..........ッ.....くっ....!?」

 

 

非常...灯?

 

 

唯依「....そうか.....私...」

 

あれから10分経ってる......。覚醒維持装置が......動作しなかった?だとしたら......強化装備に機能障害が出ている筈!

 

唯依「生命維持装置以外....殆ど死んでる」

 

そうか.......搭乗員保護機能だ.....。墜落の機体フィードバックバックから私を守る為に....。回路をショートさせなきゃ遮断出来ないくらいのダメージだったってことは――。

私は直ぐに機体ステータスを更新して状態を確かめるとそれは思っていた以上のものだった、機体の状況は....酷い。しかし要塞級の攻撃と墜落で瑞鶴はここまで大破しているのに、私は無傷。

 

 

唯依「父様....ありがとう」

 

私は目を閉じて瑞鶴を作り上げた父に感謝の言葉を漏らした。父様が作り上げた瑞鶴はこのように私と共に戦い、そしてこうして私を守ってくださいました...。本当にありがとうございます。

でも感傷にこれ以上浸ることはできない。この後どうすべき決めなきゃ!まずは状況把握――強化装備のセンサーじゃ心許ないけど....。

 

唯依「機体のコンピューターは死んでる....」

 

けど墜落前のログと照合すれば現在位置が確認できる!網膜モニターに京都駅の見取り図をアップロードし、現在位置を確認する。

 

唯依「京都駅ビル屋上....大空広場とヘリポートの間....」

 

更にマップの検索をしていると反応がでた。

 

唯依「あ!これは!」

 

山城さんの機体マーカー!座標は反対方向の東広場――この距離で強化装備のセンサーでもマーカー確認ができるってことは、主機が稼働状態にあるってことだ!

更に探ろうとしたがエラーが発生してしまった。

 

唯依「ッ....やっぱりだめか!」

 

この壊れた強化装備じゃ無理だ。バイタルや機体ステータスまでは確認できない....。

 

唯依「そうだっ――和泉...!」

 

ダメだ...探知圏内に他のマーカーはない...。

 

唯依「和泉...」

 

....この戦域から、無事に退避できたって思いたい。

 

唯依「....」

 

管制ユニット内のシステム操作を試みたが緊急脱出も緊急破壊脱出も反応なし...。墜落の衝撃がそれほど大きかったってことか...。

なのに、友軍にもBETAにも10分近く放置されている。この状況から言って、京都駅の集積場はとっくに壊滅してて、襲撃したBETA群も他の場所へと移動してる可能性が高い。だとすれば次に目指すべきなのは二条城の斯衛軍総司令官本陣、そこへ行く着くまでの最短でも4kmの敵中突破....。

それにしてもログの表示画面がずっと更新されない、ずっと平面図しかない...。

 

唯依「これだけじゃあ仕方ないか....」

 

ここから山城さんの機体まで直線距離で約300m、屋内構造を考慮して....。現実的なルートの最大稼働距離は――約800mか。

マーカーが確認できて主機が生きてるなら、捜索と生存確認は隊長の責任と義務。ここでそれをやらなかったとしても、誰も私を咎めないぐらい、生存の可能性が低い切迫状況だと思う。

でも私は...斯衛や小隊長である前に、篁なんだ。

 

唯依「黙して為すのみを以て其を示す――困難な時こそ篁の正道を進むんだ」

 

責務から逃げても許される程の窮地から、自分のやりたいようにやっても責める者は居ないはずだから。仮に山城さんが確実に死んでいたとしても、まずは彼女の機体を目指す。

移動距離は二条城の約五分の一、対象ルートは敵が撤収済みの可能性が高く、主機が動いている戦術機が確実に存在する。

 

唯依「どっちにしても、徒歩行軍しかないのか.....」

 

最良なのは生きている山城さんとの合流。次善にが死亡ケースでの遺棄機体の入手。もし機体が使えなくても機械化歩兵装甲が手に入る。どっちにしても二条城に生きて辿り着ける可能性を跳ね上げる。

駅前の物質集積場にも機械化歩兵装甲が残っている可能性はあると思う。

でもあるとしても、警備部隊の戦死者が装備したままの状態の可能性がある。でもここを襲ったのが戦車級なら、それをも食われているだろうな。

 

唯依「ルート候補は最短と最適に絞ろう」

 

ここまで絶望的状況なのに、不思議と心は落ち着いている。これも事前処置と戦術薬物のおかげなんだろう。ここに来るまで、自律圧力注射が何回作動したのか。この落ち着き方から言って、相当だと思う。

 

唯依「そうだとしても、私は最低だ――冷静に、客観的にそう思える」

 

和泉のマーカーが確認できないことで、捜索の可能性をバッサリ斬り捨てている。墜落の衝撃で山城さんが気絶している場合を、死んでいる場合を冷徹に分けて計算している。そういう考えを客観的に眺めて嫌悪感を抱く自分も居る。

事前処置がそうさせていたとしても、山城さんや和泉が生きていてくれたとしても私は自分が許せない。今自分を責めるのは容易い、だけど――

 

 

唯依「今は黙して為すのみ」

 

私は京都駅のマップに映る大階段を見る、全長70m、総段数171段、高低差35。ビルで言えば11階建てぐらいか...。

 

唯依「あの大階段って、こんなに凄かったんだ...」

 

こんな開けたところで小型種に襲われたら、今の私に打つ手はない。通学の頃、買い物によく来ていた京都駅の大階段が、こんな難所になるなんて思いもしなかった。

大階段で一階まで下りて、中央コースを横断しながら集積場を目視、機械化歩兵装甲の有無を確認する。

その結果次第で、東広場まで登って山城さんの機体へ先に向かうか、換装してから救出に向かうかを決める。

 

私は気密装甲兜という簡易ヘルメットを被った。これは光っているバイザーは通電する事で色が変わり、この部分は「装甲」という概念で設計されており、パネルラインごとに透過率の変更が可能。様々なグラフィックパターンに変更が可能で、部隊章や識別番号などを表示できる。

正面はスーパーポリカーボネイトと、クリアグラファイトの多重積層装甲で、強度はスーパーカーボンとほぼ同じ。透過させていない場合、両面ともディスプレイとして使用されている。

 

唯依「....」

 

ハッチを開けたら小型種に囲まれている可能性がある。

 

唯依「こんなの、気休めでしかない」

 

96式拳銃と91式騎兵銃....。7.62mm弾ならまだしも、5.56mm弾の騎兵銃じゃ小型種が精々だ。戦車級がいたら、逃げるしかない。

 

唯依「だけど、時間稼ぎにはなる」

 

私は胸の激しい動悸に一度を手を当てて落ち着かせる。そして一度深呼吸をした。

 

唯依「ふぅ...よし、行こう」

 

わたしは瑞鶴の管制ユニットから降り、周囲を確認する。どうやら小型種は居ないようだ。

 

唯依「ハァ...」

 

戦車級や兵士級が居ないことに一先ずの安心感を抱く。しかしこの先も居ないというわけでないかも知れない、この先は慎重に且つ警戒して行こう。ふと私の視界に瑞鶴が映る、ここまで共に戦ってくれた私の愛機....。愛機と言っても今日が初陣であるから言葉は可笑しいとは思うが、それでもここまでの死線をくぐり抜けてきたことに自身の力だけでない。

この瑞鶴が...父様が作り上げた瑞鶴が居たからこそだ、ならば愛機と呼んで差し支えない。

 

唯依「護ってくれて....ありがとう」

 

私は瑞鶴に敬礼をし、感謝の言葉を口にした。そして更に謝罪の言葉をも口にする。

 

唯依「ごめんなさい....わたしが...未熟なばかりに....」

 

任官が繰り上がり初陣であったとは言え、自分がまだ未熟であることに変わりはない。もう少し、私に衛士として力量があれば...っ!

 

唯依「悔いるのは...この先生き残ってからだ....行こう」

 

私は駅の入り口までたどり着き、これから下る大階段を見つめて少し感傷に浸ってしまう。

 

唯依「ここの大階段、こんなに大きかったんだ...」

 

そう言えば京都駅には安芸や志摩子、和泉とで遊びにきたことがあったっけ....。

 

唯依「....」

 

 

――ねぇ!もっと食べにいこうよ~!せっかくの北海道産物産展やってんるんだから~!

 

安芸....。

 

――え~まだ食べる気?ほんとアンタってもう~。

 

和泉....。

 

――あっ唯依、見てみて!コンサートやってるよ!

 

志摩子....。

 

 

唯依「....」

 

あの頃、買い物によく来ていた京都駅。この大階段が生き死にを左右する難所になるなんて...思いもしなかった。

こんなに開けたところで小型種に襲われたら、今の私に打つ手はない...。それにこの暗さ。騎兵銃のフラッシュライトぐらい点けたいところだけど、BETAは小型種であればあるほど対人探知能力が高い。だが如何にして人間を認識しているのかはまだ分かっていない。

そんな中でライトを点けるのは危険がありそうだ、なら何も点けないのが一番リスクが低いと思う。理詰めでできることはやっておこう。確かエスカレーターがあったはず。

 

唯依「あそこから降りよう。あの手摺の幅なら、少なくとも兵士級は入って来れない」

 

私は慎重に大階段のエスカレーターを下り始める。既に町がこんな状況じゃ、電力なんて通っていないことでエスカレーターも動いていない。

降りていくと暗さに慣れたのか、下の大広間の光景が見えてくる。“何か”床一面いっぱいに散乱しているようだ。それに所々に何か“濡れているのか”、“まき散らした”みたく何かヤバイと思いながらも“それらを”ハッキリ見ようと目を凝らして見つめると――

 

 

唯依「...っ!!!」

 

 

私は突如怖気と急激な吐き気を催してしまうが、強化装備の自律圧力注射が作動し、私は一先ずの落ち着きを取り戻しパニックを起こすことはなかった。目の前に広がっているのは多くの人の死骸...肉がバラバラに散乱し、血と共にそこら辺一帯にまき散らしいる。

 

唯依「あの死骸...」

 

私はふと真田教官の講義を思い出した。

 

真田教官【中・大型種のような蹄状の脚端を持たない小型種の移動静粛性は非常に高い。対人探知能力の高さも相まって、緊急破壊脱出後、或いは機械化歩兵装甲パージ後の戦域徒歩行軍に於いての脅威度は高い。だが待ち伏せや身を隠すなどの狩猟的戦術は一切取らず、中・大型種と同様に突撃して群がるのみである。またこれら小型種は要塞級によって戦域に輸送されるケースが多数報告されている。要塞級のその胎内に小型種を積載し――】

 

唯依「そうか....だからあの時要塞級が....!」

 

あの数の要塞級が胎内からそれを放出すたとすれば....京都駅の駐留部隊は――

 

唯依「小型種の襲撃で....全滅したんだ」

 

なら一階はもう小型種で制圧されている。これはもう間違いない、なら――

 

唯依「だとしたら、一階は避けなきゃ....」

 

BETAの死骸もある。それら全て兵士級のものばかり。だったら集積場には....沢山の兵員が集まっていた場所には絶対に近寄るべきじゃない。

死体が多ければ多いほど死肉を貪る残存個体が居る筈....迂回するしかない。

 

唯依「――よし、行こう」

 

 

=====================================================

 

 

私は別のルートを進んでいる、別ルートには和泉のマーカーが表示されているからだ。山城さんの救出には遅れるがこっちのルートには遺体や屍骸もない。あんな惨たらしい地獄を...しかも間近で見たのは初めてだ....。

本当なら今頃私は....錯乱して、狼狽えて、怯えて....あの場から動くことすらできなくなっていたと思う。多分ヘルメットの中に吐いたり、泣き叫んでいたんじゃないかな....。

なのにこんな他人事みたいな気持ちでいられるのは...事前処置のおかげだ。強化装備の戦術薬物が残っている限り、私の心はこの地獄から切り離されたままでいられる。

でもこの先....どこまで行っても京都中がこんな地獄になってしまっていたとしたら、直ぐに戦術薬物が切れて...私は....。

 

唯依「.....」

 

いや違う!要塞級がここに居るということは、今回東進してきたBETA群の最後尾が、京都駅まで到達した証拠。

それは、あと一息で今回の侵攻を避けられるということでもあるんだ!

私は外の光景を見て真田教官がまだ必死に戦って生きていると信じている。それに....。

 

唯依「この帝都戦域――私は、一人で戦っているんじゃないんだ!」

 

確かこの位置なら、中央コンコースとバスターミナルが見下ろせるはず。私はその場から下を見下ろすとそこに気色の悪い音が聞こえるそこには思ったとおり、残留個体がまだ沢山残っていた。あのまま一階まで降りていたら....今頃...。

小型種...兵士級が喰っているのは陸軍の機械化歩兵、あれだけの数が全滅させられるなんて....。相当数の小型種に襲撃されたんだろう。

多分、あそこにいた9体以外にも要塞級がいたん――

 

 

唯依「っ?!」

 

 

暗くてよく見えない...だけどあの機械化歩兵装甲、形が違う。帝国軍部隊のものより...遥かに軽装.....。

 

 

――まさか.....。

 

 

唯依「...くッ」

 

 

確認....しなきゃ....。小隊長の私には、それをする責務があるんだ....!私はフラッシュライトを少し間に点ける、一瞬だけなら...。

そしてライトを点けた私の視界に....。

 

唯依「......い....和泉」

 

私は瞳の焦点が定まらなかった....。

 

唯依「.....そこで....何をやっているの....?」

 

複数の兵士級に喰われてる和泉の姿があった。彼女の身体に複数の兵士級が貪り「グシュ!グチャ...グチ..ムシャ...と怖気走る咀嚼音を響かせて、彼女の腸から臓物をしゃぶり啜って喰っていた。

そして彼女の頭を兵士級が鷲掴んでと思いきや、胴体から引き千切って“それを”自分の口に運んで――

 

 

 

グシュ!グチャ...グチ..ムシャ...クチャクチャ...グシャッ...グシュ

 

 

唯依「っ?!」

 

その時、自律圧力注射が再び作動し戦術薬物が私の身体全体に回り、錯乱せずに済んだ。

 

唯依「――はぁ...はぁ...はぁ....能登少尉の.....KIAを確認....」

 

能登少尉は機体を撃墜され、機械化歩兵装甲にて緊急破壊脱出、あるいは緊急脱出後に機械化装甲に換装。バスターミナルにある物質の確保、もしくは山城少尉の救出に向かうも、残留していた兵士級の襲撃によって戦死。

私は内心報告書を書き記すみたく冷静に状況を読み取った。これも戦術薬物の所為だろう、しかし何故和泉はあんな所で倒れていたんだろう....?

和泉の周囲には激しい近接格闘をした痕跡はなかった。それに兵士級は機械化歩兵の移動には追いつけないはず。だとしたら和泉は、この真下――改札口の方に向かって立ち止まっていたところを前から襲われて、仰向けに倒れた...?

なんでそんなこと...?それじゃあまるで、改札から誰かが出てくるのを待って――

 

唯依「っ!」

 

そうか....和泉は亡くなった恋人を待っていた。彼が死んだという現実に耐え切れず、過去の幻影に縋ったんだ...それが――

 

唯依「それが....最後に、和泉が選んだものなんだね....」

 

私がそこから静かに離れた直後...ノイズに混じって声が聞こえる。

 

『たか...むら...さん』

 

この声は――山城さん!?――山城さんが...生きている!?早く行かなきゃ!!

 

唯依「山城さん、待ってて!直ぐに行くから!」

 

 

上総『わたくしは....もうダメ...来てはダメ...』

 

 

唯依「諦めたらダメ!!直ぐに行くから待ってて!!」

 

 

私は山城さんが居る所まで駆け足で向かう。

 

 

唯依「(待ってて!山城さん!)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その先に地獄があると知らずに......。

 

 

 

 

 

 

 




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