Mobile Suit Gundam MUV-LUV G-ALTERNATIVE   作:武者ジバニャン

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この作品は台本形式で進行します。台本形式が嫌いな人はブラウザバックを推奨します。

それとですが、この作品にはマブラヴのストーリー内の原作時系列、設定などを無視したり改変したり、ご都合主義な部分があります。

それも含めてよろしくお願いいたします。


イメージOP1「閉ざされた世界/劇場版機動戦士ガンダム00」

イメージED1「signs ~朔月一夜~/マブラヴ オルタネイティヴ トータル・イクリプス



第二十章 帝国との架け橋

《あらすじ》

 

とうとう唯依たちを帝国に送り返す日がやって来た。彼らを乗せた戦艦ディーヴァが帝都上空を通る姿は帝国国民に驚愕させるに充分であった。

ディーヴァの到来に帝都城に居る悠陽は彼らを歓迎せんと斯衛の者たちに攻撃をしないよう厳命する。

託未たち五人は唯依たちをガンダムに乗せて地上に降り立つ。そして自身のHi-νガンダムに同乗している唯依と恭子に降りる用意をしろと指示した時だった、唯依が突然思わぬ言葉を漏らす。

 

 

_______________________________________

 

 

託未「二人とも降りる準備をしておけ」

 

唯依「託未さん...」

 

恭子「.....」

 

彼に言われて唯依は悲しげに見つめ、恭子は顰めてしまう。恭子としてはこのまま彼らとの繋がりが今回で終わってしまえば帝国としても辛くなると懸念しているし、次いで彼女自身の気持ちとしてもみすみす気になっている男と離れるのは抵抗を感じる。

そして唯依はとうとう自分の今の気持ちを吐露してしまう。

 

唯依「託未さん!」

 

託未「なんだ?」

 

唯依は意を決し溢れつつある言葉を思うがままに口から出しながら、身を乗り出して彼が被っているヘルメットに当たるぐらいの距離まで狭めて近き.....

 

唯依「私を託未さんの下に置いてください!お願いします!!!」

 

恭子「ゆ、唯依...」

 

託未「.....」

 

その切実な願いを口にする唯依を託未はずっと見つめる、だが少ししてから彼は口を開いた。

 

託未「....何故だ?唯依。お前、家に帰りたくないのか?」

 

彼の言葉に唯依は顔を俯くが頭を横に振って否定して見せて自身が今抱いている気持ちを吐き始める。

 

唯依「いえ、父と母を嫌いだからとかではありません。2人は私をいつも大切にしてくださっています、ですが今私は貴方方と...託未さんと離れるのはとても嫌なんです!!」

 

彼女は何故このようなワガママを口にするのか、何故自分がこのような気持ちを抱くのか、それがどういう感情なのかも気付きもしていないが彼女はそれでも目の前の男との別れに強く拒否感を抱いた。

一方彼女からの懇願を受けている託未の方はというと何のリアクションもなく、淡々と唯依に問いかける。

 

託未「俺はお前に携帯用の通信端末機を渡した際に言ったはずだと思ったが?」

 

唯依「....はい」

 

託未「ここで別れたからと言って俺との繋がりは消えるわけじゃない。それにだ、仮に俺の所に居残ったとして――お前、御家を捨てることになりかねないぞ?」

 

唯依「え....?」

 

彼から思いも寄らぬ話に唯依は呆気に取られる。もし彼女が託未の下に残ったしてそれで彼女自身のその際の願望が叶ったとしてもだ、それが篁家にとってどんな影響に繋がるなど彼女は分かっていないのだろう。

唯依の両親である裕唯と栴納の間に生まれた子供は唯依ただ一人であり、それ以外に子供は居ないのだ。つまり篁家の次期当主であり斯衛の彼女が帝国に戻らずにいるのは今後の彼女にとって良きことではない。

 

託未「お前はそれでもいいのか?」

 

唯依「そ、それは.....」

 

託未「俺たちの下に居たいということは、そういうことだ。やめておけ」

 

唯依「.....っ」

 

唯依は顔を俯かせその顔は苦悶の表情を浮かべる。自分が申し出はただのワガママなのは分かってはいたと理解している。だが彼女にしてみれば託未との時間がこんなにも早く終わるのはどうしても嫌だったのだ、然れども託未が先ほど話したことは正論だと言える。そして更に託未は彼女に対して言及する。

 

託未「...それに、お前は俺たちを――俺という人間を誤解しているようだ」

 

唯依「え....?」

 

託未が口にした言葉に唯依はまた呆気に取られるが、託未はそんなことよりも早く機体から降りる用意をするよう促す、このまま帝国側に悪く思われるのはよろしくないのだ。

 

託未「早く降りろ。向こうも待っているんだ」

 

唯依「託未さん....」

 

そんな時、唯依の肩に手が乗せられた。振り向けば恭子が優しい笑みを浮かべている、彼女はそのまま諭し始めた。

 

恭子「唯依、これ以上の無理を言ってはいけないわ」

 

唯依「恭子さま...」

 

恭子「これで本当にさよならというわけではないわ」

 

恭子とて託未とここで別れるのは正直複雑な心境である。だが彼らとてこのまま自分たちを帝国に返してそれだけ終わるわけではないと内心思う、それに帝国側とてこのまま彼らをただで帰すわけではないだろう。

彼女がそう思考していると託未のHi-νガンダムが片膝を折り、右腕をコクピットハッチに持っていく。

ΞGもペーネロペーも同じ動作をして見せ、ΞGのコクピットから武と純夏が出ていく。

 

武「じゃあ、霧夜さん」

 

蒼真「うん、気を付けてね」

 

純夏「はい!」

 

2人はΞGの掌の上に乗り、そのマニュピレーターはゆっくりと滑らかな動作で綺麗に地面と接着。2人は足元に気をつけながら急がず慌てずに地に足をつける。

そしてペーネロペーでは――

 

宗陰「よし、君も降りる用意をしろ。既に蒼真の所の二人は降りている」

 

上総「は、はい...」

 

宗陰に促される上総の顔に俯かせる。彼女もまた別れに強く抵抗を抱いているようだ。

 

宗陰「おい、どうした」

 

上総「...」

 

彼女の顔に陰りを見せるが、宗陰はそれがどうしてなのかは知らない。しかし彼女は俯かせる顔を上げて宗陰に言葉をかける。

 

上総「あの!宗陰さん!」

 

宗陰「なんだ?」

 

上総は何を伝えようとしているのか、彼女は眼を伏せて少し考えこむが何かを意を決したみたかのように口を再び開く。

 

上総「また!!会えますよわね!?」

 

宗陰「....嗚呼、それまで強く生きろ」

 

上総「っ!!は、はい!!必ず!!」

 

 

宗陰の返答にまた会えると思ったのか上総の表情が先ほどまでとは打って変わって明るくなった。彼女は宗陰に促されてペーネロペーの掌の上に乗って地面に運ばれていき、ゆっくりと地面に着地して見せる。

彼女の様子を確認して宗陰は託未の方へ通信で報告する。

 

宗陰「託未、こちらはもう降ろしたぞ」

 

託未『了解だ、こちらも直ぐに降ろす』

 

っと宗陰の呼びかけに頷き、託未もそろそろいい加減に二人を降ろさないとと思い、目の前で顔に憂愁の影が差している唯依を見つめて彼はどうすべきかと考える。

正直女の扱いに関してそんな上手いという訳ではない、元の世界ではいつも無愛想な表情でエターナと居た記憶しかない。

 

託未「....」

 

エターナとの記憶ではいつも彼女が自分を引っ張っていたものばかりであった。っと彼の脳裏に微かに別の記憶の断片が薄っすらと――

 

 

 

ダメよ、託未...もっと感情を優しく、ね?

 

 

 

託未「っ!!」

 

微かにだが彼の深い“過去の断片”が脳裏に去来する。彼にとってこの断片は思い出したくもない位の煩わしいもののようだ、その証拠に彼の顔は疎ましいと物語っている。

ノーマルスーツの下は鳥肌が立っているし、それが余計に彼の気分が悪く忌々しいと感じている。そんな様相を露にする託未の姿に恭子が気付き、心配になり声をかける。

 

恭子「託未...?大丈夫?」

 

唯依「え?」

 

それを聞いて悄然とした彼女も気になり顔を上げて心配し始める。

 

唯依「託未さん、どうかされたのですか?」

 

託未「....いや、何でもない。それよりも、だ。唯依」

 

唯依「は、はい....」

 

彼女は託未を案じながら見つめている。託未は自身の内に腹立たしさが湧きあがるが、しかしそれを彼女に八つ当たりにするわけにいかない。

このまま彼女ら2人を丁重に降ろしてやらねばならないと意識をそこに向ける。

 

託未「....俺は別にお前を厄介払いしたいわけじゃない。お前にはお前の場所があるだろ、それにいつかまた俺と道が交わる時だってある。

その時まで再会出来ることを楽しみにしてろ、いいな?」

 

そう吐露する託未は言葉と同時に彼女の頬を優しく、まるで壊れてしまいそうな割れ物を大切そうに触れてやる。唯依は先ほどまでの悲し気な雰囲気がなくなり、彼女の顔を綻んでしまう。

自身の頬を触って優しく撫でる託未の手がそっと離れるが、唯依は彼が触れてくれた頬に残る温もりを大事そうに片手で包みこむ。

唯依がそんな余韻に浸っているが、恭子が彼女の肩に手を乗せる。

 

恭子「行きましょ、唯依」

 

唯依「はい.....託未さん」

 

託未「なんだ」

 

唯依「ありがとうございました。そしてどうかまた....」

 

託未「嗚呼、じゃあな」

 

2人はようやくコクピットから出てHi-νガンダムの掌の上にゆっくりと乗る。2人を乗せたマニュピレーターは一糸乱れぬ動きで地面に接着する。唯依と恭子も足元を気を付けて機体の掌の上から降りる。

 

恭子「さぁ唯依」

 

唯依「はい」

 

2人はゆっくりと前に進み、自分たちの前方にいる帝国陣営の者たちの下へと向かっていく。唯依と恭子だけでなく上総や武、純夏も続いていく。

悠陽たち側も彼らの姿を視認し保護された者たちが怪我なく無事であると分かると、胸をなで下ろした。

唯依と恭子、上総そして武と純夏は悠陽たちの下まで行くと政威大将軍である悠陽に声をかけられる。

 

悠陽「皆さん、ご無事で何よりです」

 

悠陽は優しい慈愛に満ちた微笑みを浮かべて見せた。それに恭子がすぐさま敬礼の姿勢をとって見せて自身の帰還を口にし始める。

 

恭子「は!斯衛軍第09戦術機大隊・指揮官の崇宰恭子大尉、並びに篁唯依少尉、山城上総少尉、民間人二名と共に生還しました!!」

 

悠陽「恭子さん、ご無事で本当に良かったです。そして――」

 

 

 

彼女がそう口にした際に唯依と上総は、目の前にいる政威大将軍である悠陽の姿――その魅力的な尊顔に対して眼を奪われて一言も出さなかった。しかしハッとなり慌てながらに敬礼をする。

一方武と純夏は完全に置いてきぼりにされており、ただただ呆然と見つめるしかなかった。そんなアウェイな感じの二人に悠陽は親しみを込めて話かける。

 

悠陽「そちらのお二方、はじめまして。政威大将軍を努めております、煌武院悠陽です。以後よしなに...」

 

武「は、はい!!」

 

純夏「こ、こちらこそ!!」

 

二人は目の前の状況にただただあたふたして狼狽える。その右往左往する2人に悠陽は笑みを浮かべて落ち着かせるよう言い聞かせる。

2人は悠陽のおかげで先ほどよりも落ち着きを持ち直す。悠陽は2人に跪づかずそのままでいいとも言った。

そして保護された彼らはそのまま城内省の職員に連れてかれる行ってしまう、その間唯依はずっと振り返りHi-νガンダムを切なそうに見続けていた。

 

唯依「託未さん...」

 

唯依たちが居なくなった後、悠陽は未だ片跪を地面に着かせているHi-νガンダムを見つめる。傍らに控える紅蓮が彼女に耳打ちをする。

 

紅蓮「先ほど榊殿から連絡があり、こちらに向かっており間もなく到着する、と」

 

悠陽「わかりました」

 

紅蓮から報告を受けた彼女は突如歩みだし始めた。このいきなりの行動に紅蓮や真耶、巌谷中佐や裕唯、更に斯衛の幹部、無事に帰ってきた恭子や唯依、上総も何事かとざわめく。

自身の主である悠陽を引き留めようと真耶は声を荒げるのだった。

 

真耶「で、殿下!!いきなりどちらへ!?」

 

真耶の問いに悠陽は振り返りこう返した。

 

悠陽「かの者たちの所に」

 

真耶「っ!?」

 

真耶にとって耳を疑う程のものである、主たる彼女は今から白い悪魔たちの下へと赴こうとしている。真耶はそれを何とか諌めようと真耶は引き留める。

 

真耶「殿下!どうかお考えください!!」

 

悠陽「彼らは救国の英雄です。ならば礼を示すべきですよ、月詠」

 

尚も食い下がる真耶、そんな彼女に困ったように苦笑交じりで茶を濁す悠陽。2人の間に紅蓮が割って入り真耶を諭す。

 

紅蓮「落ち着け月詠」

 

真耶「しかし閣下」

 

紅蓮「心配ならば我らも同行すればよかろう、その為に我ら斯衛が居るのだ」

 

真耶「は、はい...」

 

紅蓮の言葉に渋々ではあるが真耶は何とか聞き分ける。気を取り直してとばかりに悠陽はガンダムらに振り返り再び歩み出し、とうとうHi-νガンダムの懐までにたどり着いた。

彼女はガンダムを見上げる。一方機体のコクピット内から託未はそれを静かに見つめる。

託未だけでなく宗陰たちも同じく見つめていた、すると悠陽が――

 

 

悠陽「私たちとどうか話し合いの機会をくださいませんか?」

 

 

っと彼女の誘いに託未は眼を細めて「ほう...」興味あり気に見つめる。そんな中宗陰から呼びかけの通信が届く。

 

宗陰『どうする託未。向こうは俺たちをお招きしたいようだが...』

 

託未「....お前ら、降りる用意をしとけ」

 

宗陰『託未...?』

 

睦城・森羅・蒼真『『『ん?|は?|えぇ?』』』

 

四人はリーダーたる彼の突然の言葉に訝しげに通信越しで間の抜けた声を漏らす。託未は彼らとは違ってこの状況は好都合だと踏んでいた、自分たちに対して帝国側は恩を感じ取ってこれを機に繋がりを持とうと考えているに違いないと推測している。

現に政威大将軍である悠陽から対話を持ちかけられている。これは託未にとってみすみす捨て置くなど勿体無い、ならばこの状況を利用させて貰おうと頭で考えながらその口はにやりと笑う。

一方、悠陽は日本を二度も救ってくれてしかも五摂家の崇宰恭子や譜代武家の唯依、同じく武家の者である上総、更には一般人である武と純夏を保護してくれて感謝が尽きない。

次いで救いの恩人である彼らは自分たちと同じく日本人――同郷の者であると聞くと出来れば直接話がしたいと言うその想いは強くなった。

この世界において唯一BETAを圧倒し、奴らにとって脅威とも言える彼ら白い悪魔たちがどんな人間なのか知りたい。

そして彼女の個人的な気持ちとしても興味があった。それは――

 

 

 

悠陽「(白い悪魔たちのリーダー....新月託未――一体どういう御方なのか、興味があります)」

 

 

彼女は期待を抱きながら目の前に居るHi-νガンダムを見上げる。彼女の望みを聞き入れたかの如くHi-νガンダムのコクピットハッチが開き、そこから託未が姿を見せて無言のまま昇降用リフトロープで降りてきた。

とうとうガンダムの衛士とも言える者がその姿を見せて、地面に着地してゆっくりと悠陽の下へと歩みだす。

悠陽の目の前まで来た彼がヘルメットを外した。

 

真耶「っ!」

 

悠陽「っ!」

 

託未がヘルメットに手にかけて悠陽たちの目の前で外して見せた。珍しいのだろう、白髪で瞳が普通の人間からしてとても気味が悪いくらい血の赤い色をしていることに...。

それを見た悠陽は言葉を無くして口を手で覆い、裕唯と巌谷は驚愕し、斑鳩殿は何か昂揚したような様子を見せ、紅蓮に関しては武人としての性か素顔を晒した目の前の男に対して目つきを鋭くし表情が強張る。

 

 

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悠陽side

 

私たちの目の前までやって来た御方...白髪で背が高い、そしてないよりも瞳が血のように赤く彩られておりました...。

とても普通の人とは違う感じが見受けられましたが、しかし不思議と私はこの方に嫌悪感や不快感など感じず、気味が悪いとも思いませんでした。寧ろ――

 

悠陽「(綺麗な...目)」

 

 

そう感じてしまいました。恐らくもうこの時点で私はこの方に魅せられたのやも知れませんね....。正に悪魔――そうなのかも知れませんが、私はどうしてもこの御方が必要なのです!

例え悪魔との密約であろうと私にはこの方が必要です!

 

その時私の胸の奥で仄かに熱く高鳴る感覚があったことに薄々ではありますが、感じておりました....。

 

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紅蓮side

 

 

ようやく白い悪魔たちの一人と相まみえた。儂は以前、殿下に白い悪魔たちをどう見た?と問われてそのまま素直に肩を並べて戦ってみたいと豪語した、したが――今ハッキリと感じたことは最早それとは遥かに違ってしまった。

目の前のこの男に対して抱いた物は――敵意であった。この男は危険だと関われば間違いなく危ういと思った程に。

この男の眼――赤黒く彩られた妖しき瞳、これは間違いなくやっている。そう長年武人としての自身の心が告げていた。

 

この男は間違いなく人を殺している、いや殺し過ぎている。10や100、1000とかそんな数では収まらんぐらいに此奴は確実に殺している。そしてそれは純粋に敵が誰であれ全てを殺せると体現出来るくらいに確固たる物がある。狂っていると一目でわかるぐらいこの男は危うい。

巌谷や篁はこの男の眼を見て警戒しているのだろうか、崇継はこの男に先ほどから不敵に笑っているのみだ。しかし殿下は様子はどうか?この男に対して何の恐怖を抱いていない、

殿下はこの男から何かを感じ取っているのだろうか....。

 

だが一番に気になるのは、あの男がヘルメットを外した直後から全く動かない真耶じゃ。如何したのだろうか、恐怖で動けないのか、それとも.....。

 

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真耶side

 

私は今、警戒していた。目の前の男はあの白い悪魔たちを率いるとされる人物は、以前のBETAの京都侵攻の際に斑鳩少佐の率いる部隊で殿を務めて死すら覚悟したあの時、我々の前で圧倒的な力を振るったガンダムと呼ばれる未知の兵器を駆った者たちを。

確かに我々を救ってくれたことは確かだが、しかし私は純粋に喜べなかった。一体どういう思惑で日本に手を差し伸べて来たのか分からなかったからだ。

斑鳩少佐は白い悪魔たちに好意的に抱いているようだが、私はそう言うわけにはいかない。

 

殿下は奴らに交渉持ちかけようと目の前の白と紫を基調とした機体(Hi-νガンダム)に近寄る。あの機体には覚えがある、あれは私を助けた機体だ。

あの機体――そしてあの機体の衛士である者の名を私は知っている。何故なら私が聞いたからだ。

 

新月託未――その男の声は今でも覚えている。その男が今殿下の目の前でヘルメットを外し、その素顔を晒した。

 

彼の素顔を見た時、私は.......心を奪われた。

 

周りの者たちはきっと白髪を見て気味が悪いと思うだろう、あの赤き瞳を見て不快感を抱くだろう。

奴の眼が怖かった、帝国武人として屈辱だったと悔しさを抱く自分が居た。だが同時にあの瞳に惹かれ心を奪われてしまったにも関わらず心が高鳴る程に昂揚する自分も居たのも感じ取った。

 

あの眼には希望がない、未来など見ていない。そんな彼の眼――赤く虚ろにも見える、どこか悲しげな眼に....私は、その眼に惹かれた。

 

 

 

そう.......惹かれて.......しまった。

 

 

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悠陽「初めまして、わたくしは日本帝国国務全権代行征夷大将軍 煌武院 悠陽と申します」

 

託未「初めまして煌武院悠陽殿下、私は新月託未と申します。私は貴方方が白い悪魔たちと謳われるグループのリーダーを務めております」

 

悠陽の挨拶に託未は自ら名乗り深々と頭を下げた。先ほどの態度を見せた男のものとは違うことに紅蓮や巌谷、裕唯、それに崇継は託未が礼儀正しくする様に、このように礼を重んじることを失せないと関心して興味を抱く。

真耶は未だに託未をぼうっと見つめるのみだが、悠陽はそんな彼女を一先ず放置して話を続ける。

 

悠陽「我が国を幾度も御救いくださり、誠にお礼を申します」

 

託未「殿下からの御礼の御言葉、恐悦至極に存じます。我らの力でお役に立てたので在れば、感謝の極みにございます」

 

頭を上げてそう淡々と礼を失せない態度を見せ続ける託未。その彼の背後からノーマルスーツのヘルメットを外した宗陰たち四人が現れる。

託未が悠陽たちと接触したことに対して自分たちも行かねばと急いだのだ。彼らの登場に悠陽は託未に問う。

 

悠陽「そちらの方々も貴方様のお仲間ですね?」

 

託未「は!この者たちは自分の仲間であり部下です、殿下」

 

託未の言葉に四人は応えるようにそれぞれ自己紹介を始める。先ずは託未の右腕とも言える宗陰から自己紹介を始める。

 

宗陰「桐生 宗陰と申します。我らのリーダーである新月託未の補佐を務めております」

 

森羅「憑神 森羅と申します。殿下」

 

睦城「司奥 睦城です。宜しくお願いいたします、殿下」

 

蒼真「霧夜 蒼真と申します。お初にお目にかかり光栄でございます、殿下」

 

深々と頭を下げる彼らの自己紹介を見届けた悠陽は、城に招くべく彼らを誘う。

 

悠陽「では新月殿、お話は城にてしたいのですが宜しいでしょうか」

 

託未「しかし現在自分たちはこのような格好ですが、よろしいでしょうか?」

 

託未たちは五人はティターンズのノーマルスーツを身に纏っている。正装など今の状態で着ていないのなんて当然であるが、悠陽はそれに首を横に振り気にしないと姿勢を見せる。

 

悠陽「気にしません。そのままで構いませんのでどうぞ」

 

託未「分かりました」

 

悠陽「では、こちらへ――っとその前に」

 

悠陽はまだぼうっとしている真耶に振り返り声をかけた。

 

悠陽「真耶」

 

真耶「っ!は、はい!!殿下!申し訳ございません!!」

 

悠陽「では行きましょう」

 

その前に託未は悠陽にあることを忠告する。それは自分たちが乗ってきたガンダム五機と戦艦ディーヴァに関してのことだ。

 

託未「殿下、我々が乗ってきた機体や戦艦に関してですが、決して他の者たちに触れさせないで欲しいのです」

 

悠陽「それは機密保持の為、ですか?」

 

彼女の問いかけに託未は頷いて見せる。彼らが乗ってきたガンダムやディーヴァは帝国側からしたら宝の山と言ってもいい存在であり、それを赤の他人に触らせるのは抵抗があるし、それ以上に強奪を考えている者たちが居ないとも限らない。

それを聞いて悠陽は問題ないと考え、紅蓮に斯衛部隊全てに対してガンダム五機やディーヴァに触れないよう厳命する。

紅蓮はその命に素直に聞き入れて衛士用のインカムを使い、帝都城周辺の全隊にそのようにせよと告げた。

 

悠陽「これでよろしいですか?」

 

託未「ありがとうございます、殿下」

 

悠陽「ではこちらへ」

 

そのまま彼らは悠陽たちと共に帝都城の中へと入り、謁見の間に招かれた。その時ようやく榊首相が数人の閣僚を伴って帝都城に到着してその会談の駆けつけることができた。一方五人は正座で座ろうとしたが悠陽は楽にしていいと言ってくれたので五人は胡坐で座ることに。

そこでようやく対話が始めようとその前に悠陽が――

 

悠陽「では新月殿....いえ、託未様」

 

悠陽以外の者たち『っ!?』

 

上座に正座で座り、口を開いた悠陽が突如託未を様付けで呼ぶ。これに託未たちや紅蓮たちは驚愕し、真耶が狼狽えながら問いかける。

 

真耶「で!!殿下!!何故故に彼にそのような呼び方を...!!」

 

狼狽える真耶に悠陽は冷静に、そして微笑みながら答える。

 

悠陽「彼らはこれから袂を共にする方々。そしてそんな方々を率いる託未様は、我らに救いの手を差し出して下さった御方です。

ならばその御方に礼を尽くすのが、当然です」

 

真耶「し、しかし...!」

 

悠陽「真耶、いいですね?」

 

真耶「....ハッ!」

 

悠陽に諭された真耶は深々と頭を下げ、引き下がることに。悠陽は気を取り直して託未に問いかける。

 

悠陽「では...託未様。貴方方の目的をお教えください、お願いいたします」

 

託未「ハッ!しかしその前に、まず我々が何者なのかをお話しても宜しいでしょうか?」

 

悠陽「はい。お願いいたします」

 

託未は話し始めた。自分たちがこの世界の人間ではない異世界から来た来訪者であると、それに対して悠陽を始めとしたその場に立ち合っている帝国側は当然衝撃を受けた。

目の前に居るこの五人はこの世界の人間ではないと聞かされそれは驚くのは当たり前なのだろう。だが榊首相を除いた日本政府閣僚の者たちはこれを直ぐに信じることなど出来ず「嘘をつくな!!」と声を上げるが、しかし託未から「ならば自分たちが扱う五体の機体や空中の浮遊する戦艦を、貴国は、いやこの世界の人類は作れるのか?」と問われて彼らはぐうの音出ず、押し黙った。

この世界においてモビルスーツの生産は不可能と言える。宇宙世紀のモビルスーツが動力源にしているミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉は、ミノフスキー物理学を応用してIフィールドでプラズマを封じ込め、高温高圧縮状態の維持と放射線の封じ込めを行っている。

炉心内に展開されたIフィールドは核反応で発生したエネルギーを直接電力に変換する為、ボイラーやタービンといった機器が不要となる。

この性質は、数百m~km単位のサイズを有する炉をm単位サイズにまで小型化させる一助となる。

これによって電力や熱エネルギーなどが産出される他ミノフスキー粒子も副次的に生成され、これらのエネルギーの生成が行われる期間は長く実質的に無尽蔵と呼べるレベルの正に近未来な動力エネルギー源と言える。

これほどの夢のような物をこの時代のレベルで作れるか?と問われればまず無理だろう。ターン∀の世界で例えるなら『正暦の地球人(ムーンレイスを除く)が黒歴史時代の施設を使わずにボルジャーノンを量産配備するようなもの』

 

政府の人間たちは託未たちに問われて苦虫を嚙み潰したように悔し気に、次いで忌々しそうに託未たちを睨むが彼ら五人はそんなの知ったことかと淡々としている。

紅蓮は彼らが周囲から睨まれているにも関わらず、動じずしかも意に介していない様子に関心する。巌谷や裕唯も真剣に託未たちを見つめており、崇継に関しては託未の日本政府の連中に対して見せた姿勢に益々興味を抱く。

そんな中、託未は話をつづける。

 

託未「自分たちは理由在って外宇宙に旅立つ為、外宇宙航行艦のワープシステムで放浪の旅をしていたのですが.....しかし途中、我々外宇宙航行艦のワープシステムが原因不明の故障を起こし、我々はこの世界の月にたどり着きました」

 

巌谷「月!?つまり君たちの本当の拠点は宇宙船ということか!?」

 

託未から外宇宙航行艦というワードを聞いて驚愕し声を荒げる。そんな冷静さを無くした巌谷に宗陰が説明する。

 

宗陰「はい。小惑星を改造して建造された全長15kmにも及ぶ超大型艦です」

 

巌谷「なんと...」

宗陰の答えに巌谷は言葉を無くしてしまう。続いて裕唯が口を開く。

 

裕唯「帝国斯衛技術局の篁裕唯中佐と申します。貴方方が乗ってきたあのモビルスーツという兵器、戦術機と比較するとどちらが優れているのですか?」

 

裕唯の問いに睦城が眼鏡のブリッジ部分を人差し指で動かしながらその説明して見せる。

 

睦城「率直に申しますと、汎用性、生産性、運用性、あらゆる環境の適応性、万能性、戦闘能力、そしてOS、これら全てモビルスーツが遥かに凌いでおります」

 

裕唯「...そう、ですか」

 

冷徹に返され、裕唯は落ち込む。だが現実に戦術機では圧倒的にモビルスーツに劣る、これは否定出来ようもないのだ。そして託未は本題を始める。

 

託未「我々は外宇宙航行艦のワープシステムが復旧出来るまでの間、この世界に住むしかないのですが.....ここで新たな問題が...」

 

悠陽「問題...BETA、ですか」

 

託未「はい。ですので今現在最大級の障害であるBETAを根絶しなければ我々に生存は無くなります。ですが我々五人だけでは何れ限界が起きるのは自明で御座います。そこで帝国に属したいのです....そして完全独立した精鋭部隊、それも征夷大将軍直属として」

 

悠陽たち『ッ!?』

 

この発言に悠陽たち帝国側は驚愕を受け、榊首相が口を開く。

 

榊首相「日本帝国政府首相、榊是親と申します。どうして、殿下の直属に?」

 

託未「理由は、帝国に所属するとしても正規軍や斯衛軍の指揮系統に組み込まれれば、我々は思うように動けない。今後帝国でモビルスーツを開発・そして帝国衛士たちにモビルスーツの教導を行う場合、独立し自由に動ける部隊として行動したいのです」

 

榊首相「....」

 

榊首相は「ふむ」と考える風を見せる。託未はこれならばと言葉を紡いで彼らにとって嬉しき話を持ちかけた。

 

託未「タダとは申しません。その際には我らの技術の“一部”を提供させていただきます」

 

これを聞き崇継は「おー!」と嬉々として声を漏らし、巌谷と裕唯は「なんと!?」と驚愕する。あの途方もない技術を彼らから提供してくれると聞いてこれは技術屋である2人にとって内心嬉しいと思ったくらいだ。

だがそれを良しとしない者たちが居た、一切反対の姿勢を見せない榊首相に煮えくり返った政府閣僚の者たちが託未たちにこれでもかと猛抗議し始める。

 

「ふざけるな!!そんな勝手が罷り通ると思っているのか!!!」

 

「そうだ!!それに一部だと!?舐めているのか!!!国を持たずの流浪の者たちが!!」

 

などと抜かす政府閣僚の者たちの俗物的な口調に榊首相は苛立ち、紅蓮や真耶は不快感を抱く。本来この場に榊首相は一人でくるはずだった。しかしこの閣僚たちは白い悪魔たちがくると聞くと何が何でもと無理矢理付いてきたのだ。

こんな無粋な真似をしでかす愚か者たちに託未たちは表情は先ほどから変わらず淡々としているが、血管がピクピクとしてその内は怒っている。

五人の中で短気な性格を持つ森羅が宗陰にだけ聞こえるように話しかける。

 

森羅「あいつら殺していいか?」

 

宗陰「ダメに決まってるだろ、今は抑えろ」

 

森羅「へいへい」

 

鬱陶しそうに次いで気だるい返事をして引き下がる森羅。まぁ彼の気持ちは無理かなることであろう、ここまで自分たちに対してこうも酷い態度を見せる閣僚共に苛立ちを通り越して呆れる。

更には奴らは未だに託未たちの実力に難癖を付ける始末、その結果殿下の御前で何という醜態を晒すかと榊首相が激昂してしまう。

だがそんな中で、託未はある提案を申し込む。

 

託未「ならば、こう言うのはどうでしょうか」

 

悠陽「託未様?」

 

託未の眼がギロリと鋭くなり彼は思いもよらない言葉を口にする。

 

託未「来る来年の8月...」

 

悠陽たち「っ!?」

 

この言葉に悠陽たちは驚愕する。来年の8月――その日取りは帝国にとって大事な物なのであろう、託未はそれが何のなのか知っているようで言葉を紡ぐ。

 

託未「国連からの要請で来年の八月にて極秘で立案されている在日国連軍と大東亜連合、そして日本帝国での反抗作戦――これに我々も参戦しましょう」

 

悠陽「っ!?」

 

真耶「っ!」

 

紅蓮「なんと」

 

榊首相「なんだと!?」

 

その情報をどうやって手に入れたのかと驚愕する。しかしそれ以上にそれに彼らも参戦してくれるということにも驚き、言葉が出なかった。

今まで黙って不敵な笑みで見続けていた崇継が問いかけてきた。

 

崇継「貴公らが居ればハイブを落とせる、そうなのか?」

 

託未「はい。可能です」

 

彼のこの発言に斯衛の主な幹部たち、更に政府閣僚らは何を世迷い言をと内心憤慨していたが、だが託未はそんな彼らの感情を嘲笑うかの如く喋る。

 

託未「自分たちの技術で必ずやハイブを破壊して見せましょう。その時に我らを殿下のお膝元に据えるか据えないかをお決めなさってください」

 

っと託未はそのまま深々と胡座をかいた姿勢で頭を下げる。宗陰たちも続くように頭を下げて見せる。これに対して悠陽はーー

 

 

悠陽「....分かりました」

 

彼女のこの返答に一部の者らは驚愕して反対しようと口を開こうしたが、紅蓮が睨み付けて黙らした。そのまま悠陽は言葉を紡ぐ。

 

悠陽「どうか...お願い申し上げます。託未さま」

 

託未「はは!!」

 

こうして対話の結果、託未たちは来るべき反抗作戦に参加する事と相成った。果たしてこの先どうなるか?

 

 

 

 

 

 

 

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