Mobile Suit Gundam MUV-LUV G-ALTERNATIVE   作:武者ジバニャン

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この作品は台本形式で進行します。台本形式が嫌いな人はブラウザバックを推奨します。

それとですが、この作品にはマブラヴのストーリー内の原作時系列、設定などを無視したり改変したり、ご都合主義な部分があります。

それも含めてよろしくお願いいたします。


イメージOP1「閉ざされた世界/劇場版機動戦士ガンダム00」

イメージED1「signs ~朔月一夜~/マブラヴ オルタネイティヴ トータル・イクリプス



第二十二章 帝国に見せる彼らの力

《あらすじ》

 

帝国との会談後、託未は紅蓮に礼の言葉を贈る。彼は悠陽に託未たちに斯衛において五摂家の次に有力な武家にしか纏えない赤服を与えるべきと口添えしてくれたからだ。

だがその紅蓮は託未たちに幾度人を殺めたかと問いかける。

武人としての直感で言い当てた彼に対して託未は何も躊躇ず数えてないと答える、少しでも見極めたいと紅蓮は託未に衛士として一騎討ちを申し込んだ。

 

一対一の模擬戦を申し込まれた託未はこれを引き受け、翌日に二人の戦いが始まった。だがモビルスーツと戦術機では性能の差が開き過ぎるし、何よりもガンダムという特別な機体との一騎討ちとなればハッキリ言って分が悪い。

結果、託未の勝利で終わるが去り際に何の為に戦うかと問われ、己が為と答えるが「護りたいものができた後でも己の為と言えるか」っと言われた時は託未はそれに対して何も言わずディーヴァに帰還した。

この一戦で少なくとも紅蓮は新月託未という男に対して収穫あったのか、既に彼らに敵意や警戒はもう無いと悠陽に伝える。

これからの彼らを見るのが楽しみと思っているらしい....。

 

 

__________________________________________________

 

1998年・8月10日

 

帝都城・斯衛軍基地付近・強襲揚陸艦ディーヴァ

 

 

ディーヴァのブリーフィングルームで託未たちは紅蓮の計らいで与えられた斯衛の赤い軍服を纏った姿で話し合いを行っていた。

 

託未「さて、今後帝国に属する為に俺たちがすべきことは国内に存在するハイブ№H22――甲22目標横浜ハイブを俺たちの手で落とさないといけない」

 

彼の背後には大型モニターが在り、その映像にはBETAの牙城にして人類の敗北の烙印でもある「モニュメント」と呼ばれる塔のような地表構造物が聳え立っている。

現在この横浜ハイブはフェイズ2――ハイブはフェイズごとに成長し、フェイズ5以上のハイヴになると宇宙へ"物"を打ち上げる機能が付加され、そのため地表構造物が東に傾斜しているようである。

 

蒼真「そう言えばさぁ、宇宙に打ち上げられている物って新たな着陸ユニット?まさかまた月に?」

 

蒼真の疑問はそうであろう。BETAが一体何を打ち上げているのかは不明だが、それが奴らの着陸ユニットであれば折角手に入れた月をまた奪いに来るのかと嫌そうに口にする。

そんな蒼真の問に睦城がそれを否定する。

 

睦城「いえ違います。本当にBETAが着陸ユニットを月に向けて放っているのであれば、月を管理して貰っているアプロディアが即時対処するよう託未から指示を受けてます。それにもう既に月のサクロボスコハイブ跡は拠点化が順調ですし、月の地球側には“ガーダー”が設置が完了しています。万が一ユニットが月に向かってくるなら直ぐに撃ち落としてますよ」

 

睦城が言った“ガーダー”*1――それは自動で攻撃する無人ユニットで役割は本拠地の防衛と敵の迎撃を主とした拠点防衛システムである。現在月に配備されているのはビッグ・ガーダーは最高の火力を誇る自動砲台、武装は機関砲のスタークマシンガン、拡散ビーム砲のスプラッシュビームシャワー、巨大ビーム砲であるファイナルギガンティック、ビット兵器を3基内蔵したコンテナを搭載したクルージングビット、これらを有しておりまずもって抜けられることはない。

更に月にはモビルドールのビルゴⅡが守備隊として配備されている。

このビルゴⅡは占拠し機械化されているサクロボスコハイブ内に設けられたMD生産プラントで大量に生産されている。

武装にはビームライフル、ビームサーベル×2、メガビーム砲、プラネイトディフェンサー×8など装備している。

そしてこのビルゴⅡには光線級対策として対レーザー用塗装が施されている。これによってレーザーの威力を20%減らすことができる。

もうこれは過剰戦力ではと思うが、これほどの戦力ならばBETAの再侵略に対して十分に対処出来る。

 

宗陰「しかしアプロディアからはそのような報告は一切来ていない」

 

託未「嗚呼、それにな」

 

森羅「ん?」

 

託未「その打ち上げられている物が太陽系を脱出する軌道に投入されているとそうだ」

 

蒼真「それがBETAのユニット?」

 

託未「さぁな」

 

肩を竦めて答える託未だが、だが彼はハイブ攻略に話題を戻す。今回の横浜ハイブを落とすにはガンダムの火力だけでは心許ないと口にする。ではどうするかと――そこで彼はモニターにある物を映した。

 

託未「今回のハイブ攻略には――“こいつ”を使う」

 

森羅「こいつは...」

 

蒼真「これってディーヴァの武装の――」

 

 

映像に映しだされているのは、彼らの母艦であるディーヴァの最大火力である特装砲「フォトンブラスターキャノン」。

これはカタパルトを左右に分割した双胴型の強襲揚陸形態時、艦体中央に搭載されている大きな主砲である。

その威力はAGE世界の連邦軍の主力ビーム兵器「ハイパーメガ粒子砲」を上回る威力を持つとされ、ヴェイガンの巨大母艦を一撃撃破可能な威力を持つ。

そのフォトンブラスターキャノンの映像を見て蒼真が託未に尋ねる。

 

蒼真「託未、まさかフォトンブラスターキャノンで――」

 

託未「嗚呼、だがそれだけじゃない」

 

彼は目線を睦城に向けると、受けた本人は無言で頷き端末機で操作して次の映像を開く。宇宙空間で円環状に配置されたデバイスの空間中心に向かってフォトンブラスターキャノンを撃ち込むディーヴァの姿が。

この円環状に配置されているデバイスは戦略兵器「フォトンリング・レイ」――これはレンズの役割を果たしており、そこにフォトンブラスターキャノンを撃つことによって威力や射程を増幅させ強力な砲撃が可能となった代物である。

託未はこれを用いてハイブ攻略に乗り出すのだろうと、森羅と蒼真は理解する。しかし――

 

森羅「けどよぉ託未。フォトンリングレイは宇宙空間でしか使えねぇぞ?重力下じゃ何の意味もねぇガラクタだぜ?」

 

確かにこのフォトンリングレイは宇宙空間で使用することを前提としている為、地球の重力下じゃあ全くといって使えない。

なのに託未はそれを態々地球で使用するというのだ。だがそんなこと託未とて何の対策をしていないはずもなく対応策を託未が説明する。

 

託未「安心しろ、その問題を解決する方法がある。フォトンリングレイを地上でも使用できる様に改良する。既にアプロディアにその指示を出して作業に当たらせている」

 

蒼真「へぇ~、流石ぁ~」

 

もう解決策を用意し既に行動していた託未に感心する。

 

宗陰「だが改良が済み次第、俺たちは一度月に戻らないといけない」

 

森羅「受け取りの為にか?」

 

宗陰「そうだ」

 

託未「その為に一度、殿下にその許しを頂きに行かねばならない」

 

森羅「そこまですんのか?」

 

睦城「我々は今では仮の扱いですが、ハイブ攻略を落とせば正式に政威大将軍殿下の直属となれるのですよ。それ故に殿下に対して余り勝手な真似はしてはいけないんですよ」

 

っと睦城からの説明を聞いて肩を竦めながらに溜息を洩らして面倒くさそうにする森羅。

 

託未「じゃあ頼むぞお前ら。今回のハイブ攻略は重要だ、いいな?」

 

四人「「「「ああ|了解です|へいへい|分かったよ」」」」

 

話は打って変わり睦城が別の話題をする。

 

睦城「今日帝国側からガンダムをじっくりと見聞したいと来るようです」

 

蒼真「へぇ~、物好きだねぇ」

 

今日、ガンダムを見る為に帝国側から各兵器メーカーの代表らが来ることになっており、更に帝国技術廠の巌谷中佐や斯衛技術局の篁裕唯中佐、更には悠陽までもが今回ガンダムをじっくりと見聞したいとこディーヴァまで足を運んで来るようだ。

っとそんな時、大型モニターに黒ハロが映りこんだ。

 

黒ハロ『託未 託未 オキャクキタ キタ』

 

託未「了解だ。噂すればだ、出迎えに向かうぞ」

 

四人「「「「了解」」」」

 

託未たち五人はブリーフィングルームから出ていき、客人である帝国側の者たちの出迎えに向かうのだった。一方、ディーヴァの目の前で到着していた帝国側の面々は紫色の斯衛服を纏う悠陽を始め、護衛として真耶や紅蓮、更に斑鳩崇継、そしてこの来訪に託未に助けられた崇宰恭子も参加している。

次いでガンダムや戦艦ディーヴァという未知の技術の塊に触れて知りたいと巌谷と裕唯も居る。

更に今回の来訪に日本帝国の兵器メーカーの各企業の代表たちもここに参列している。

撃震、陽炎のライセンス生産、瑞鶴の改修、不知火、吹雪、武御雷の開発等、日本製戦術機のほぼ全てに携わる――富嶽重工。

帝国陸軍の機械化歩兵装甲部隊において圧倒的なシェアを誇り、97式機械化歩兵装甲の開発にも携わっている――大空寺重工

撃震や陽炎、米国が海兵隊用に開発し帝国軍仕様に生産している局地戦用強襲歩行攻撃機・海神のライセンス生産を行い、瑞鶴の改修、不知火、吹雪の開発等に携わる――光菱重工。

戦術機主機やES(強化外骨格)の雄にして富嶽重工と共に武御雷の開発を行った――遠田技研。

その各企業から代表者が来ている。その彼らは現在、戦艦ディーヴァの前で待機してその姿を眺めていた。

 

悠陽「こうして近くで見ると中々壮大ですね」

 

真耶「はい、殿下。これほどに巨なる存在感――我々が知る戦艦の常識から外れております」

 

紅蓮「ふむ、如何にして空を飛んでおるのだろうなぁ」

 

裕唯「これが彼らの空中戦艦か」

 

巌谷「嗚呼、技術差が大きい....」

 

悠陽たちが口にする中、恭子はディーヴァを見てどことなく嬉々とした表情を浮かべている。

またあの艦に来れるのが彼女としては弾む気持ちを隠すことはできない、そのご機嫌な恭子を横目に崇継は笑いながらに尋ねる。

 

崇継「そう言えば、君はあの艦に居たのだったね?恭子」

 

恭子「...えぇ、そうです」

 

崇継に尋ねられた彼女の嬉しそうな表情が一変して軍人として五摂家当主としての毅然なものに変わる。彼女にとって斑鳩崇継はいつも飄々とする態度が好きになれない、そればかりか野心的な所があったり相手を見透かそうとするその態度にも彼女は好かない。

その素っ気なく肯定する恭子に崇継は気にも留めず、不敵に笑い顔を崩すさず話を続ける。

 

崇継「彼らが正式に政威大将軍殿下の直属となれば、同時に斯衛の者として認められれば彼らの力は帝国にとってそして我らにとっても嬉しいことだ」

 

恭子「...どういう意味です?斑鳩少佐」

 

鋭い眼つきで彼を横目で睨みながらに物問う。しかし彼女に睨みながら問われる崇継は全く微動だにせず飄々としている。

 

崇継「フフ...それより来たようだよ」

 

恭子「え?あ....」

 

ディーヴァから内蔵式の可動階段が地面に向かって展開されていく。するとハッチから託未たち五人が出てきた、彼らそのまま降りて真っ直ぐ悠陽の下へと向かい跪いた。

 

託未「殿下、この度我々の戦艦・ディーヴァにお出でくださり誠にありがとうございます」

 

悠陽「いいえ。こちらこそ此度の来訪、お受けくださり心からの感謝を――」

 

託未「では皆様を艦内にご案内いたします。こちらへ――」

 

託未たち五人に誘われ、悠陽たち帝国側の面々はディーヴァ艦内に入っていく。一度ディーヴァに居た恭子は驚きはしていないが、悠陽らは入るや否や自分たちが知る戦艦の内部構造とは全くもって違うことに啞然としていた。

兵器メーカーの者たちは開いた口が塞がらず、巌谷と裕唯は声を漏らす。

 

巌谷「この構造、我々の知る戦艦の構造が違うな」

 

裕唯「嗚呼、細かく技術が取り入れてるのだろうな」

 

託未「まずは居住ブロックをご案内します」

 

悠陽「は、はい。お願い致します」

 

託未に声をかけられて悠陽は急いで彼の後を追おうと少し早歩きなってしまう。っがその所為か彼女の足がもつれて前へと倒れる。

 

真耶「殿下!?」

 

倒れ床にぶつかると悟った悠陽は思わず眼を閉じるが、その衝撃と痛みは一切起きなかった。ふと眼を開けたそこには――

 

 

悠陽「っ!!///」

 

託未「大丈夫ですか?殿下」

 

そこには彼女を無表情で抱きとめる託未の顔があった。彼女が転倒しそうになる所を託未は誰よりも動き見事抱きとめたのだった。

彼に助けられた悠陽は思わず彼の顔を見て惚けてしまったが、しかし直ぐにハッと正気を取り戻して申し訳なさ気に謝罪とお礼の言葉を託未に送った。

 

悠陽「あ、ありがとうございます///託未様」

 

託未「お怪我がなければ何よりです」

 

悠陽「は、はい///」

 

今まで異性に触れるなどと言ったことはなかった彼女にとってこの感触は不快な物ではなかった。寧ろ暖かく心地よいと思ってしまい頬が赤くなってしまっている。

自分が知る男とは違い、託未は不思議な魅力を持つ為なのかそれが余計に彼女の心をときめかせてしまう。

紅蓮や崇継は誰よりも素早く行動を起こして彼女を支えた託未に賞賛すると共に、悠陽の反応を見て「ほう」っとニヤニヤしており、巌谷と裕唯は見事な身のこなしだと感歎の言葉を口にする。

 

巌谷「素早く動きに躊躇いがないな」

 

裕唯「嗚呼、反応が速かったな。兵士として卓越している動きだった」

 

っと男性陣はそう託未に賞賛するような反応をしていたが――

 

恭子「.....」

 

真耶「.....」

 

恭子と真耶は不機嫌な眼つきで託未を見ていた。政威大将軍たる悠陽が怪我をしなくて良かった、良かったのだがその後の託未の対応に彼女たちは快く思わず、気に入らないのかムスッとしてしまっている。

恭子は嘗て託未に命を助けてもらい、少なからず彼と言葉を交わしていて興味を抱いていたから分かる。

真耶に至っては恭子と同じく託未に命を助けられたのはそうだが、そんな親し気に言葉を交わしたことはない。

しかし彼女は初めて託未の素顔を見た所為か、それ以来仕事中やプライベート中でも何処か惚けてしまう節があってたまに仕事でミスが起こしている模様。

そんな2人の視線を余所に託未は悠陽たちを案内する。その間ずっと恭子と真耶はジト目で託未を見つめていたという....。

託未の案内で居住ブロックや機関ブロック、艦橋などを紹介される。その後紹介されたディーヴァの兵装に関しての紹介には技術屋の巌谷や裕唯、兵器メーカーの代表者たちは大いに興味を抱いて耳を傾けていた。

この世界の戦艦は実弾が通常だが、このディーヴァには主砲となる甲板上の連装ビーム砲、船体上部のミサイル発射基、多数の対空ビーム砲、巡行形態から強襲揚陸形態へと変形する機構システム、そしてディーヴァの最大武器であるフォトンブラスターキャノンの説明をも行った。

 

託未「このフォトンブラスターキャノンは一撃で要塞などの拠点を粉砕できる威力を持ちます。硬X線レーザーの照射に続いて空間に送り込まれたエネルギーソリトンのボルテックスによって攻撃対象の周囲の空間を破壊し一気に消滅せしめることが可能です」

 

「なんと....」

 

「凄い...」

 

「技術の差が違いすぎる...」

 

兵器メーカーの面々は説明を聞いて啞然として、悠陽たちもこの話に如何に託未たちが持つ技術がオーバーテクノロジーであるかを痛感して言葉もでない。

一つの戦艦に過剰なまでの武装があるなど耳を疑い動揺を禁じ得なかった。強大且つ過剰な兵器を人が持つことに悠陽は憂うような顔で呟く。

 

悠陽「余りに強い力ですね.....これは」

 

託未「しかし力があることに越したことはありません」

 

悠陽「そう、ですね...」

 

託未「では、次に格納庫へご案内いたします」

 

格納庫――それこそ兵器メーカーの者たちや巌谷や裕唯にとって待ち望んでいた場所と言っても過言ではない、何せそこには彼らが一刻も早くその目に映したい存在があるのだから。

一行は格納庫にたどり着き、その目でじっくりと見たかった本命――モビルスーツ・ガンダムを漸くお目にかかれることが出来た。

巌谷たちは直ぐにガンダムの傍まで駆け寄り、その目でじっくりと嘗め回すように見つめる。彼らの様子は正に好奇心旺盛な子供のそれと均しい。

 

巌谷「ガンダム」

 

裕唯「日本を二度も救ってくれた英雄」

 

「おー!これがガンダム!!」

 

「なんと雄雄しいんだ!」

 

「構造は!?どんな風になっているんだ?」

 

「電磁伸縮炭素帯を使っていないのか」

 

巌谷たち技術者たちは未知の存在たるガンダムを間近で見て興奮を隠し切れない。以前託未との一騎討ちにて敗北しガンダムの力を垣間見た紅蓮は鼻息を荒くし、大きく眼を見開いて腕を組み仁王立ちで自分を負かしたHi-νガンダムを見続けている。

崇継は「おー!」声を漏らし、巌谷たちと然程変わらない様子で立ち並ぶ五体のガンダムを順々に見つめる。

真耶と恭子も白い悪魔と謳われるガンダムを静かに見つめる。彼女らも以前にBETAを圧倒して狩りつくすガンダムの力を目撃したことがあるので、何とも言い知れない気持ちを抱いている。

そんな中、託未は隣に並ぶ悠陽にガンダムの紹介を始める。

 

託未「では、モビルスーツの説明に入ってもよろしいでしょうか?」

 

悠陽「はい、お願いします」

 

託未はモビルスーツの説明を行った。まず彼らはここにあるガンダムの動力源が戦術機のようにバッテリー駆動ではなく、ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉と呼ばれる核融合炉で動くと教える。ガンダムに核が積んでいるのを知っている恭子は除き、悠陽たちはそれを聞いて俄かには信じられない話に驚愕する。

核を動力源としてそれも人型の機動兵器の内部に納めるぐらいの小型化に出来るなど想像も及びもつかない。

メーカー連中から核融合炉はどうやって作るのかを聞いてきた、この世界の技術で作るのは絶対に不可能と踏んでいる託未からして教えても問題はないと思いこれを教えてやる。

 

託未「重水素――原子番号1番の水素の原子核に中性子が1つ付いた放射能をもたない安定同位体と、ヘリウム3と呼ばれる希ガスを核融合反応を生じさせます」

 

巌谷「ヘリウム3というのはこの世界で採集できるのか?」

 

宗陰「出来るとは思いますが、地球の大気中では100万分の1しか存在しません。それよりも何倍以上に採集出来るとしたら木星だけです」

 

裕唯「木星!?君たちの世界ではまさか、木星に有人探査出来るのか!?」

 

睦城「運搬と言うのが正しいです。こちらの世界では地球圏と木星圏を片道2年、計4年の歳月をかけて往復し、核融合炉に用いられるヘリウム3を地球圏へ輸送しています」

 

蒼真「因みに木星からヘリウム3を運搬しているのは中立の公社がやってるんですよ」

 

紅蓮「なんと....」

 

聞いていた紅蓮すら宇宙世紀の技術に驚異の気持ちを抱くのだった。崇継は益々彼らのテクノロジーはこの世界に、そして日本に福音を齎すと考える。

恭子はガンダムが核融合炉で動くことは託未から聞いていたから分かっていたが、しかし木星など行ってその必要な物質を運搬するなどは聞いてはいなかったのでその話には驚いていた。

悠陽と真耶は発する言葉がなく、ただただ託未の話を聞くのがやっとである。

 

託未「では自分たちの機体を紹介します。では――森羅」

 

森羅「え?俺?」

 

託未「....あ"?」

 

これまでずっと何も喋らずただ上の空でいた森羅に「お前何一人喋らず、吞気に上の空で居やがる」っと鋭い眼つきで語り、それを本人はタジタジになりながらも自分の愛機たるクロスボーンX1フルクロスの説明を行う。

 

森羅「えー、自分のこの機体――型式XM-X1・クロスボーン・ガンダムX1と言いまして。この機体には接近戦を重視した設計・調整が行われ、武装も接近戦に比重を置いたものとなっています。そしてこの機体には対ビーム防御用ユニット――つまり対光学兵器防御オプション付けたこの状態ではフルクロスとも呼んでいます」

 

「「「「おー!」」」」

 

兵器メーカー連中は大いに喜びの声を挙げて更にガンダムへの興味を増していく。続くように蒼真もΞGの説明を行う。

 

蒼真「こちらがRX-105・ΞGです。ミノフスキー・フライト・ユニットという機体を空中浮揚させる装置のお陰で自由に重力圏を飛行することが出来ます。

音速を超える飛行も行えます、その際には機体の各部にバリアー機能があるので機体の進行方向へ波形を変えたビームを放射して大気の干渉を拡散させることで機体に負荷をなくします」

 

巌谷「凄い...」

 

睦城「では自分の機体もご説明いたします。型式FA-010S・フルアーマーΖΖガンダム。この機体はMSΖ-010

・ZZガンダムに装甲強化の増加パーツを各接合部を中心に12か所にわたって追加されたうえ、機動性を損なわないようにスラスターも増設されてます。武装も充実しており火力も申し分ありません」

 

裕唯「一つの機体にここまでの火力を有しているのか....」

 

宗陰「ではこちら、RX-104FF・ペーネロペーをご紹介します。この機体はΞGと同じくミノフスキー・クラフトを装備しており大気圏内での高度な単独飛行能力を持ち、超音速飛行能力も備えているが、使用するためにはフライト・フォーム形態に変形します」

 

崇継「素晴らしい!」

 

彼ら四人の機体説明を聞いて皆様々な様相を見せる。そして最後はリーダーである託未が愛機の説明を行う。

 

託未「では最後に自分の愛機、RX-93-ν2・Hi-νガンダムです。背部中央にスタビライザー、その下にスラスターとプロペラント兼補助スラスターユニットという構成になっている。スタビライザーはAMBACシステムとスラスターとしての機能を併せ持ちます。

武装も説明しますが右腕部にビーム・ガトリングガン、ビーム・サーベル、ビーム・ライフル、頭部に60mmバルカン砲2門、ニュー・ハイパー・バズーカなど....」

 

恭子「そう言えば、Hi-νの背中の翼みたいな物――あれ戦闘の時に、分離して個別に動いてBETAを攻撃してたけどあれは何?」

 

恭子がHi-νの装備で気になった部分に触れたので託未はそれすらも答える。

 

託未「背中のバックパック左右にある二基のファンネル・ラックという部分には、フィン・ファンネルというHi-νガンダム専用のオールレンジ攻撃兵装だ。

普段は折りたたまれ、左右に3機ずつラックにぶら下がるように装備されている」

 

真耶「原理はどういう物なんだ?」

 

ファンネルの話に興味を抱いたのか、真耶がどういう原理動くのか知りたく訪ねる。託未はそれを横目で彼女に見てからそのままHi-νに視線を戻して説明を続ける。

 

託未「内部に小型の熱核反応炉を有しており、フィン・ファンネル内部にはスラスターを内蔵すると同時にこいつの変形機構自体がAMBACアンバックとしても機能している。

機体本体から分離されたファンネルは、コの字型に変形することによって2枚のジェネレーターアームの間からビームを発射する」

 

真耶「AMBAC?」

 

AMBACとは、宇宙空間において腕や脚の振りにより姿勢制御を行う方式を指す。従来方式の宇宙戦闘機はバーニア・ロケットで推進剤を噴射して、その反作用で姿勢を制御する必要があるが、この推進剤の消費量は極めて大きく、従来型の宇宙戦闘機の場合、180度の姿勢変化を2.5秒で行うと30回程度で推進剤切れとなった。一方のAMBACシステムでは可動肢(腕部や脚部)を高速で動かすことで発生する反作用によって、モビルスーツやモビルアーマーの機体全体の姿勢制御に利用するものである。バーニアやスラスターと異なり、AMBACシステムでは推進剤を全く消費しないため、宇宙空間ではデッドウェイトになると考えられていたモビルスーツの可動肢が有用な姿勢制御システムとして働き、空間機動や飛行を行なっている

説明を聞いた帝国側の者たちは歎じ、自分たちが会話している人物たちが改めて凄い者たちだと再認識する。

すると崇継がファンネルに関して別のことを聞いてきた。

 

崇継「ファンネルとやらは訓練すれば誰でも扱える武器なのか?」

 

彼の問いに託未は首を即座に横に振りそれを否定するように答える。

 

託未「いえ、ファンネルは“普通の人間”では扱えません。特別な資質を持った者でないと...」

 

悠陽「特別な...?」

 

託未の言葉に悠陽は気になり口にすると、託未はある存在を教える。

 

託未「ファンネルのようなオールレンジ武器を扱えるのは、ニュータイプと呼ばれる直感力や洞察力が他の人間に比べて高度に備わっている者達を指す言葉で、人類の革新とも言われています」

 

悠陽「ニュー、タイプ....人類の革新」

 

託未「さらには時空を超えた非言語的コミュニケーション能力を獲得し、他人の意思や存在と無意識のレベルで触れ合う言う超能力感も持ち合わせています」

 

恭子「凄い...」

 

更にニュータイプはその脳波を利用した兵器――サイコミュシステムを使用でき、敵の殺気などを感知すると額から閃光を発する。

そもそもニュータイプ能力とは宇宙という巨大な空間で生きてゆく必要性から、巨大空間を凌駕して人間同士が共感し得る能力を身につける事が出来る人々であり、手段としてテレパシーというようなものを使う。別の言い方をすれば人々を分け隔てる空間と時間の障害があったとしても、それを超えて共感し共有する事が出来る人々とも言える。テレパシーのような能力を得るために人は事態をより正確に見定めるようになる。ニュータイプは眼の前の事事から類推される事態がどう推移して、どのような事態を生むかを予測することが出来るが、そのような能力を現在の人間は予知能力と言ってしまうのである

だがザビ家が始めたジオン独立戦争、または一年戦争において目覚ましい戦果を上げたアムロ・レイ、シャリア・ブル、ララァ・スン、シャア・アズナブルらニュータイプが初めて観測され、普通の人間――オールドタイプたちからすればニュータイプは異常にして異端視とされる。

ニュータイプの話は正に帝国側からしたら御伽噺みたいだろうが、託未が語る姿に噓を言っているとは思えなかった。

 

崇継「我々もそのニュータイプとなれるかな?」

 

ニュータイプに興味を持った崇継は自分たちもその人の革新に近づけるのかと問いかける。だが託未はそれを鼻で笑って見せながらそれを否定する。

 

託未「残念ですがニュータイプとはなろうとしてなれるものではありません。ニュータイプ能力の発現方法は心身に強いストレスを受けることを必要とされ、他には危機的状況と重圧が長く続いたことや、親しい者との別れや死が契機となっているらしいのです」

 

恭子「なら、託未はそのニュータイプなの?」

 

託未「俺は、俺たちは...違う。その“別物”だ」

 

恭子「え...?」

 

悠陽「託未さま...?」

 

真耶「....」

 

託未が気になることを口にし彼女たちは知りたいと思ったが、彼が時間を見て移動を提案してくる。

 

託未「お昼になりましたし、今から皆様を艦内食堂へとご案内いたします。こちらへ...さぁ、殿下」

 

悠陽「は、はい...」

 

真耶「....」

 

恭子「(託未....貴方)」

 

彼に誘われるがまま付いて行くが、それでも悠陽は頻りに託未の背中を見て思う。先ほど彼が言った――“自分たちはニュータイプとは別物”というワードに悠陽、いや恭子と真耶もそれを知りたいと勘える。

 

 

 

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託未たちが悠陽たちのやり取りを交わす一方....。

 

帝国本土防衛軍帝都防衛第一師団・第一戦術機甲連隊詰所

 

ある執務室に2人の男女が何やら話をしていた。一人は椅子に座り鋭い眼つきで居るこの男――沙霧 尚哉、帝国本土防衛軍帝都防衛第1師団・第1戦術機甲連隊所属の衛士で階級は大尉。

一方女性の方は駒木 咲代子、帝国本土防衛軍帝都防衛第1師団・第1戦術機甲連隊所属の衛士。階級は中尉。

その沙霧は彼女の話に眉間に皺を作り訝しみながら口を開く。

 

沙霧「殿下が、例の者たちの元へ足を運んでいるだと?」

 

咲代子「はい。他には五摂家の斑鳩少佐と崇宰大尉、斯衛軍の紅蓮閣下と月詠大尉、帝国技術廠の巌谷中佐と斯衛技術局の篁中佐、あとは各兵器メーカーの代表も来ているようです」

 

沙霧「....」

 

彼女の話を聞いて沙霧は片手に持つ刀を握る力を増していき、そしてその目は険しくなっていく。彼女の報告にあった“例の者たち”という言葉がどうやら彼にとって気に入らないようだ。

彼は椅子から立ち上がって窓まで向かい、外の風景を見つめるがその眼つきは険しいまま。

 

咲代子「大尉」

 

沙霧「....確かに彼らの力のお陰で、日本はBETAの脅威から救われたと言って過言ではない。更に国内で彼らを救世主と呼ぶ者たちまで居る、軍内部でもそういう者たちが居るぐらいだ」

 

咲代子「はい」

 

沙霧「....だが、あの者たち――私は正直、救世主とは思えない。寧ろあれは....危険だ」

 

そう窓に向かって語る彼の表情はまるで忌々しそうに口にする。何故に彼は託未たちを危険視するのか....。

 

 

*1
SDガンダム G-GENERATIONに登場した自動砲台。主にシリーズ初期の作品に登場、初期シリーズにはプレイヤー部隊の本拠地がマップ上に存在し、敵ユニットの侵入されるとゲームオーバーになる。ガーダーはそれを守る為のNPCユニットであり、敵からの攻撃を受けると自動で反撃する。プレイヤーはガーダーが時間稼ぎしている間に本拠地を狙う敵を撃破もしくはステージクリアしなければならない。

初代Gジェネなどの初期の作品にはガーダーは登場していた。だが本拠地システムが撤廃されてからしばらく音沙汰なしだったのだが、「WARS」にボーナスステージの敵として再登場し、以降「WORLD」や「OVERWORLD」に同様の扱いで登場を果たしている。最初は耐久力が低く、武器はマシンガン1つで全くもって心もとない存在だが、テクニカルレベルを上げる事で能力の向上や武装の追加が行われ、防衛戦力として役に立つ存在になってくれる。




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