Mobile Suit Gundam MUV-LUV G-ALTERNATIVE   作:武者ジバニャン

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この作品は台本形式で進行します。台本形式が嫌いな人はブラウザバックを推奨します。

それとですが、この作品にはマブラヴのストーリー内の原作時系列、設定などを無視したり改変したり、ご都合主義な部分があります。
並びにガンダムシリーズのキャラクターが今作にパラレルワールドの人間として登場したりしますし、並びにオリジナルキャラクターなども登場します。

それも含めてよろしくお願いいたします。


イメージOP1「閉ざされた世界/劇場版機動戦士ガンダム00」

イメージED1「signs ~朔月一夜~/マブラヴ オルタネイティヴ トータル・イクリプス



第二十三章 裏で野心を抱く者たち

日本では託未たちが悠陽たちとのやり取りを交わす中、その一方で他国では....。

 

 

此処ホワイトハウスの会議室にて、大統領と国防情報局長官がデスクを挟み深刻な表情を浮かべていた。

 

「これは、凄まじいという他にないな」

 

呟くアメリカ大統領が壁に設置されているプロジェクタースクリーンに写されたガンダムとBETAの戦闘の映像に感歎な言葉を口にする。

映像の内容はガンダムが一方的に、物量を武器として今まで人類を追い詰めていたBETAを容赦なく狩り尽くしている光景である。

光線属種のレーザーを戦術機では有り得ない機動で回避し、要撃級のモース硬度15の前腕諸共本体を真っ二つに切り裂き、計測不能なまでの数に膨れ上がる戦車級の群れを物ともしないで逆に返り討ちにし、要撃級と同じ硬度を持つ装甲殻を粘土のように容易く撃ち貫き、他のBETAよりも巨体の要塞級をただの木偶の坊にしてしまい屍にする戦闘能力を見せる。

 

「これほどの性能を持つ機体、一体どうやって作られているんだ」

 

彼の疑問に情報局長官はそれに答えることは出来なかったが、別のことを報告する。

 

「しかしですが、この五機のコードネームが分かりました。コードネームは――ガンダム、と」

 

「ガンダム....か。しかしそれにしてもだ、恐ろしいものだな。突撃級の装甲殻を意図も容易く撃ち貫く光学兵器の突撃砲、要塞級すら切り裂く光る剣、光線級のレーザーを難無く回避する機動性、戦車級の群れすら殺し尽くす戦闘能力――これは異常だ。だが...欲しい」

 

映像に写る五体のガンダムを見て大統領は眼をギラつかせる、それはもう獲物を捉えた狩人のよう。

情報局長官はその後のガンダムの行方をも報告し始める。

 

「現在、そのガンダムですが――今は日本帝国の庇護下に在る模様です」

 

「何?日本にだと?」

 

こめかみをピクッとさせて訝しむ。その表情は不快感を抱いている、彼は日本に対して下に見ている節がある。

 

「ガンダムの衛士の詳細は掴めたのか?」

 

「は。帝国内に居るスリーパーからの報告ですが、ガンダムの衛士たちは全員が日本人のようです」

 

報告をしながら持っているファイルから写真を取り出して大統領に渡す、そこには悠陽たちと顔を合わせる託未たち五人の顔が写っていた。

それを見た大統領は忌々しそうに見てから愚痴る。

 

「未知の存在にして宝とも言えよう機体に乗る者たちが、まさかの日本人、か。ふん!くだらん!」

 

「ですが、その者たちは誰よりも未知の存在であるガンダムの機体知識に精通しているはずです。彼らを我が国に引き込めば、“反対勢力”を黙らせられます」

 

意見する彼に大統領は険しい眼つきで見据えて不愉快そうに口にする。

 

「....内に居る“第五計画反対派”の連中か?」

 

「はい」

 

「.....」

 

実は世界の大国と言われるアメリカではあるが、一枚岩ではなかった。現在国連が採用している日本のオルタネイティブ第4計画の予備案として存在している第5計画に対してホワイトハウス内部で反対する者たちが多い。

アメリカが保有する新型戦略兵器「G弾」を用いてハイブ攻略を一斉に行い、その間に数十万の人間のみが生かされ他の星に逃げて、十数億の人間が地球に取り残されるという計画――別名バビロン作戦に容認出来ない者たちが水面下で推進派たちと睨み合っているのが現状。

だが大統領を中心とした推進派がガンダムを――それを持つ彼らをアメリカに招けば、国内反対派を黙らせることも出来ると情報局長官は考える。

大統領としてもそれは願ってもないが、しかし彼としてはガンダム自体を手に入れれば日本人の衛士など要らない。

 

「....連中の中には大物がいると聞くぞ」

 

「はい」

 

「....“奴”ではないだろうな?」

 

「そこまでは....しかしですが、我らを脅かしかねないのは事実です」

 

「.....やはりことは急ぐな。それよりもF-22Aの先行量産型はどうだ?」

 

「はい、既にロールアウトは済んでおります。それに合わせて実働部隊をこちらで選抜し編成、現在は訓練を行っております」

 

情報局長官から報告を聞いて先ほどよりか機嫌が良くなったのか、背もたれに身を任せて寛ぐ。

 

「そうか、フフフ。いいぞ君、ラプターは正に我が国の力を体現した機体と言えよう」

 

「....しかし」

 

だが長官は顔を歪めて気まずそうにしている。

 

「どうした?何かあるのか?」

 

「はい...実は、ある技術者がラプターに対して否定的な意見を...」

 

この発言にまたも大統領のこめかみがピクっとさせ、機嫌が再び悪くなりそうになる。ラプターは他国の第3世代戦術機を凌駕する機体性能を持ち、戦域支配するというコンセプトで作られた機体。

用いられているパーツはアメリカの中でも各種専用機でもないと搭載しないレベルの超高性能品の塊である。

更にこの機体には対人戦を想定した機能も有し、BETA戦役に伴い、米国がBETAとの戦いの次を見越して開発した。

ラプターは正に他の追随を許さぬと自負する程の物と大統領のみならず、開発した技術者たちも誇らしく思う。

それなのにそのラプターに否定的な者がいると聞いて黙っていられない。

 

「誰だ。その否定的な意見を言う奴は」

 

「それが...ボーニング社のフランク・ハイネマンです」

 

「なに?何故に彼が――」

 

「分かりません。しかし彼が言うにはガンダムとラプターとのキルレシオは――」

 

言いにくそうにしながらも彼は固唾を飲んでからゆっくりと口を開き結果を口にする。

 

「キルレシオは――5対1000という結果らしいのです」

 

「なに?!ふざけるな!!」

 

大統領は椅子から勢い良く立ち上がり、その拍子で椅子が倒れた。つまり五体のガンダムとまともに真っ向から戦うには師団規模でないと無理というのだ。

この話に彼は憤り激昂した。報告した情報局長官はビビッてしまい、動揺してしまう。

そんな部下を余所に大統領は凄い剣幕で映像に写るガンダムを睨む。

 

「(我らアメリカの威光は揺らいではいけないのだ。世界をリードし我々が覇者であると知らしめる、必ず)」

 

 

 

だがそれはアメリカのみならず.....。

 

 

________________________________________________

 

 

 

実はガンダムをずっと探っていたのは何もアメリカだけではない。ここソビエト連邦でもガンダムがユーラシア大陸に初めて出現してからずっとスパイ衛星越しにソ連軍総参謀本部情報総局、通称GRUによって監視されていたのだ。

その映像を即座にソ連最高指導者、第一書記長にその映像を見て口を開いた。

 

「ガンダム...か。恐ろしいな」

 

「はい、書記長閣下」

 

GRU長官が書記長に同意し頷く。書記長はもう一度映像に映るガンダムを見て思う、これほどの性能を誇る機体が他国の物となればこのソビエト連邦にとって脅威なりかねない。

しかし逆にガンダムを自国の物とすればその恩恵は計り知れないだろうと思考し、手に入れたいと欲が出る。

 

「こんな宝を、他の国が手に入れても持ち腐れだろう。ならば我ら社会主義国がこれを手に入れ利用すべきだ」

 

彼の言葉に誰も反論も異論も口にしない、確かにガンダムはこの世界では正に宝と言える代物であろう。BETAの物量を物ともしない圧倒的性能を有しているこの五体の機体を欲しがらない者など居はしないのだから。

 

「ならば何としても、ガンダムとそれを操る衛士を我が国に招きいれる必要があるな。大使館にいるGRUやKGBの工作員に連絡してもっと調べさせろ」

 

「は!閣下」

 

GRU長官はそのまま部屋から出ていき書記長のみ残され、彼はずっと映像に映るガンダムを見つめる。

 

「アメリカなんぞに決して渡さん。決してな」

 

 

 

________________________________________________

 

 

一方、統一中華戦線の中華人民共和国でもガンダムの映像を入手しており、その映像は即座に中国共産党中央委員会総書記に齎される。

 

「ガンダム...これほどの性能を誇る機体を、日本だけに独占させるなど勿体無いな」

 

中央書記は顎に手を遣りがらそう述べた。

 

「日本め....まさか白い悪魔たちと接触するとはな」

 

更に中国共産党中央軍事委員会第一副主席は握ったペンを折らんばかりに力を込め、今にも折れんばかりだった。

 

「兎に角、日本がかの者たちと接触したことが解った。なら我々は我々独自に行動を起こす必要がある。我が国が遅れるわけにはいかない」

 

「はい。しかしですが、一体何者でしょうな。こんな機体を作る者たちは....」

 

そんな総書記に副主席は映像に写るガンダムの戦いぶりに驚嘆を隠せないのを伝える。

 

「さぁな、しかし少なくともガンダムを欲しいと野心に燃える者たちは居る。ならばその者たちよりも早く行動に移るべきだ」

 

「は!総書記」

 

世界はこんな時でも一つなることも出来ず、ただ己が国の利益の為と野心の為にガンダムを眼を離さない。果たしてこれでBETAとの戦争に人類は勝てるのであろうか、または滅ぶのであろうか....。

 

 

 

 

 

 

 

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