Mobile Suit Gundam MUV-LUV G-ALTERNATIVE   作:武者ジバニャン

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この作品は台本形式で進行します。台本形式が嫌いな人はブラウザバックを推奨します。

それとですが、この作品にはマブラヴのストーリー内の原作時系列、設定などを無視したり改変したり、ご都合主義な部分があります。
並びにガンダムシリーズのキャラクターが今作にパラレルワールドの人間として登場したりしますし、並びにオリジナルキャラクターなども登場します。

それも含めてよろしくお願いいたします。


イメージOP1「閉ざされた世界/劇場版機動戦士ガンダム00」

イメージED1「signs ~朔月一夜~/マブラヴ オルタネイティヴ トータル・イクリプス



第二十四章 話の中で

各国で何やら良からぬことを画策している中、ディーヴァでは託未たちが悠陽ら昼食を用意し共にした。

彼らは託未たちが用意した食事を口にして彼らは驚愕する、何せBETAにより動植物が激減しているため基本的に合成食品であり、美味しいものではない。

天然物は全て無くなったというわけではないが、しかしそれでも数はかなり限られる。

 

だが託未たちが用意したのは完全な天然素材で作られた日本人が喜ぶ日本料理ばかり、彼らの好感は上がり口にパクパクと箸を進める。

昼食の中、託未は軍事だけでなく医療や食料についても援助しようかと提案してきた。それに対して悠陽たちは思わぬ提案に耳を疑い、巌谷と崇継が本当かと問い詰めてしまう始末。

託未は冷静に淡々とそちらが応じてくださるならば、二つの問題にこちらも手助けしましょうと口にする。

この話に悠陽たちは一度戻って前向きに検討させて欲しいとの返答を聞いて、託未は内心笑う。

これがもし通れば帝国側が得をして我が世の春を謳歌できる――それも託未たちに依存する形で。

そして託未たちにとっても自分たちの保身が守れると同時に、帝国が自分たちに頼れば頼る程に自分たちを牙を剥ける真似は出来ない処か寧ろ媚びを売ってくると考える。

 

食事の会話は恙なく終わり、現在は兵器メーカー連中や巌谷と裕唯、それに紅蓮と崇継がもう一度格納庫に赴き、宗陰たち四人が同行する形でガンダムを見ている。

その間、食堂には託未と悠陽、真耶と恭子が残された。

 

悠陽「託未さま、本当に此度は感謝いたします。こんな持て成しまで頂いて....」

 

託未「いえ、用意した料理がお気に召したので幸いです」

 

悠陽「.....」

 

食堂の中は微妙な空気が漂う。彼女はずっと気になっていることがある、それを聞きたいのか悠陽は先ほどから言おう言うまいか悩んでいる。

そんな彼女に真耶が声を掛ける。

 

真耶「殿下、彼にお聞きしたいことがあるのでは...?」

 

託未「ん?」

 

悠陽「...はい。あの...託未さま」

 

託未「はい、なんでしょう」

 

彼女は意を決し口にしたい事を話し始める。

 

悠陽「託未さまは先ほど、ニュータイプのお話で自分たちは“別物”と仰ってましたが....あれは?」

 

託未「....」

 

真耶「.....」

 

恭子「.....」

 

彼女の問いに託未は無表情で沈黙してしまう。食堂の内部は更に微妙に――いやそれどころか気まずい空気に変わる。

それでも悠陽は――いや、彼女だけでなく真耶もそして恭子もそれが気になって悠陽と一緒に彼を見つめる。

この状況をどうすべきかと考えるが、しかし原因は自分が余計な一言を言ったのが始まり。しかしだからと言っておいそれと“自分たちの全て”を教える訳にはいかないし、それを話せばどんな軋轢が生まれる分からない。

だとしても話さなければ解放はしてくれないだろうし、それに余計な悪い印象を与えていけない。ならば少しは教えるしかないかと彼はそれを言葉にし始める。

 

託未「格納庫で、ニュータイプになれるのは簡単ではないと言いましたね」

 

悠陽「はい」

 

託未「ニュータイプではない者たち...普通の人間――オールドタイプたちは自分たちがニュータイプになることが出来ないならばと、あることに考えが至りました」

 

恭子「あること?」

 

真耶「それは...一体」

 

彼女たちは理解が及ばず?になってしまう。だが託未は冷淡にすらすらとその疑問の答えを口にするのだった。

 

託未「ある考え――それはニュータイプになれないのであれば、“作ればいい”。それが彼らの考えです」

 

その言葉は悠陽たちの背筋にゾクッとし、彼が言った“作ればいい”と言うワードは寒気すら感じさせる。

聞くことに恐れを抱いてしまうが、だがそれ以上に知りたいと言う思いが強く恐る恐る彼に問いかける。

 

悠陽「その....作る、とは...?」

 

託未「言葉通りです。人為的ですがニュータイプと同じくサイコミュを使用できる人間を生み出すのです。そうして生み出された者たちを――強化人間と呼びます」

 

恭子「強化....」

 

真耶「....人間」

 

託未「暗示や投薬施術による人為的な精神操作、記憶操作、あらゆる内科的、外科的手術により強制的にニュータイプ能力を引き出された人間の事を指します」

 

彼の話に三人は思うように言葉が出ない。まるでSF映画にありがちな内容に悠陽たちは俄かに信じられないといった顔色を浮かばせる。

気づけば胸の動悸が激しさを感じながらもしかし彼女は居ても立っても居られない気持ちで言葉を出す。

 

悠陽「それは!非人道的行為ではないのですか!?」

 

託未「はい、というか完全に非人道的ですよ。そんなのが公で出来る訳がない」

 

言葉を荒くしている悠陽とは対照的に託未は冷徹なまでに落ち着いている。彼はそれがそんなのが当たり前みたいな態度で尚も続ける。

 

託未「更に場合によっては、人工心肺などの移植によって身体能力を機械的に強化した一種のサイボーグに近い存在になった者もいます」

 

恭子「サイボーグって...?」

 

託未「特殊な環境に順応できるように、人工臓器などで体の一部を改造された生物。 まぁ言ってしまえば――人形、だな」

 

恭子「そんな...!」

 

真耶「っ!」

 

冷たく淡々と話す託未に恭子は口を手で覆い何も言えなかった、悠陽も彼女と同様に何かを口にすることが出来ない。

しかし真耶は我慢できずテーブルを叩き立ち上がって声を荒げる。

 

真耶「ふざけるな!!人が人をそのようにして許される訳がないっ!!!」

 

託未「だがしかし結果、強化人間は生まれた」

 

真耶「一体何のために!?」

 

託未「彼女から、聞いてないのか?」

 

っと託未は視線を恭子に向ける。真耶と悠陽はそれが何を言っているのか分かり、真耶が答える。

 

真耶「嗚呼、崇宰様から貴様たちが人類同士での争いをしていたと...」

 

託未「なら分かるだろ?」

 

真耶「.....なに?」

 

一切態度が変わらず、常に冷めた姿勢を崩さない託未に真耶は憤る。悠陽は悲しげに彼を見つめ、恭子は顔を顰める。

そのような様子を露にする彼女らに託未は話し続ける。

 

託未「こっちの世界では自分たちが勝つ為にやってるだけだ。戦争に勝利、ただその為にな」

 

真耶「バカな...」

 

恭子「じゃあ....託未も、その、強化人間...なの?」

 

愕然として彼女は椅子に沈むように座る。その彼女に代わって恭子が問いかけてきた。彼女のぎこちない疑問に託未は何処吹く風とばかりに何食わぬ顔で答える。

 

託未「そうだ。俺だけじゃない、宗陰たち四人もだ」

 

恭子「そんな....」

 

悠陽「託未さま...」

 

託未「別に同情して欲しいが為に、話した訳ではありません殿下。私は知りたいと言う貴方の要望に答えたまでです」

 

悠陽「お辛くは...ないのですか?」

 

尚も冷淡さを崩さない彼に悠陽は悲しげに問いかける。しかし託未は――

 

託未「辛くありません。自分は戦う為――そして敵を殺す為に存在しているのですから」

 

悠陽「託未さま....」

 

 

戦う為に存在する――それではまるで自身は戦う人形ではないか。無表情でそう口にする託未の姿に彼女らは何とも言えず重く感じる。

彼らは人類同士の戦争を経験している為なのか、そこに何の躊躇いなど持たない故に戦う彼らに悠陽はどうしてなのかと疑問に悩む。

だが結局それ以上に聞くのがどうしても出来なくなった彼女ら、その後、紅蓮たちが食堂に戻ってきてこの話は終わった。彼女たちとしては何とも言えないものだったが、これ以上何も言えなかった。

悠陽たちを艦の外まで送り、今回の訪問は終わる。そんな中で裕唯が託未に話しかけてきた。

 

裕唯「新月君、礼の言葉を今まで言えなかったので此処で言わせて欲しい」

 

託未「礼?自分が何を?」

 

裕唯「娘を助けてくれた礼だよ」

 

託未「娘...(嗚呼、唯依のことか)――彼女を助けることが出来たのはひとえに彼女が奮闘したからです。礼に及びません」

 

裕唯「いや、娘が助かったのは間違いなく君たちのお陰だ。そこでなのだが、是非近いうちに我が家に来て欲しい。御礼としてご馳走をしたい」

 

彼の誘いに託未としてはこれはいい機会かと考える。篁裕唯は斯衛軍技術局において重要な人物であり、82式戦術歩行戦闘機・瑞鶴や00式戦術歩行戦闘機・武御雷の開発に携わっていた。

彼との繋がりは良くしておくのはいい事であり今後において何か役に立つ、そうであればこの誘いを無碍にするの勿体無い。

 

託未「分かりました。他の四人にも聞いておきます」

 

裕唯「ありがとう。待っているよ」

 

託未「嗚呼そうだ。少しお待ちを...」

 

っと彼は何かを思い出しのか、突如その場から離れる。何事かと思うが何やら物を持って戻ってきた。

 

託未「こちらを」

 

彼から手渡された物は以前唯依が貰った携帯通信端末機であった。その同じタイプを裕唯、巌谷、そして悠陽にも手渡した。

渡された悠陽は不思議がるが、託未は彼らに端末機の使い方を丁寧に教えてやると共にその使用説明書も渡した。

 

裕唯「これは凄いな」

 

巌谷「嗚呼、君たちの世界は軍事だけでなくこのように他の分野でも進歩しているのか」

 

2人は物珍しそうに貰った端末機を眺めて賞賛する。悠陽も貰った機器を見ながら託未に話しかける。

 

悠陽「託未さま...よろしいのですか?頂いても」

 

託未「はい。殿下は何れ我々を統べて貰うので連絡手段は必要かと。巌谷中佐と篁中佐も今後の付き合いの為に渡しました」

 

悠陽「分かりました。託未さま、ありがとうございます」

 

託未「いえ」

 

託未からすれば悠陽は上司となる人間である、ならば彼女にも携帯端末機を渡すのは良い判断であろう。帝国側からして見れば漸く彼らとの直通のやり取りが出来る手段を手にした言える。

巌谷や裕唯にしても今後の彼らとの技術協力にはこの連絡手段の獲得は喜ばしい。

ディーヴァの外出た悠陽たち、今回の訪問に受け入れてくれた託未たちに彼女は礼をする。

 

悠陽「此度は本当にありがとうございました、託未さま」

 

託未「こちらこそ。それと医療と食料の問題に関してもどうかご検討を」

 

悠陽「はい...あの、託未さま」

 

託未「はい?なにか?」

 

彼女は突如頭を深々と下げた。いきなりの突拍子な状況に託未たち五人、紅蓮たちも驚き動揺する。だが悠陽としては彼らが見せてくれた技術にこれで日本はBETAの脅威を退けることが出来る。

彼女は感謝を伝えそして願いを彼らに請わずにはいられなかった。

 

悠陽「どうか...この国をお救いください。私は皆様を信じております」

 

託未「は!必ずや」

 

託未が代表して返答しそのまま跪いて、四人も彼に続くように跪いて見せて悠陽に対して忠誠を誓うかのように周囲にもこれ見よがしに晒す。

そして託未は最後に悠陽に言う。

 

託未「我らは殿下の為に存在する、忠実な駒となりますれば。どうかこちらこそよろしくお願い致します」

 

悠陽「っ!....はい」

 

忠実な駒――そんな自分たちを物か何かの如き同義に彼女は心痛な面持ちとなり、切なげに自身に跪いている託未を見つめた後、これ以上何も言わず立ち去る。

真耶たちも急ぎ彼女の後を付いていき離れるが、紅蓮だけ一人残って託未を真顔で見ていた。

 

託未「いかがなさいましたか?閣下」

 

紅蓮「新月よ」

 

託未「はい」

 

紅蓮「お主は――人として欠けすぎておるな」

 

託未「....」

 

紅蓮はそう言い残して悠陽たちの下へ去っていく。残された彼らはドッと疲れが来たのか、それぞれ愚痴を溢している。

 

森羅「いやぁよぉ、今回窮屈だったわマジで」

 

蒼真「まぁお偉いさんとのやり取りなんてあんなもんでしょ。でも確かに窮屈だったのわ否めないけどねぇ~(;^ω^)」

 

睦城「上の人間はそんなもんですよ。労いできているはずが、逆に下の人間を緊張させてるなんてよくある」

 

彼らからして見れば今回の訪問に対して自分たちの素を晒さないか内心危うかった。特に能天気でのほほんとする蒼真や常時気怠く何事もサボりたいと不真面目が良いとしている森羅なんかが、五人の中でも政威大将軍である悠陽に対して無礼を働かないか託未や宗陰、睦城は危惧していたが何とかなった。

そんな中、宗陰が託未横に並び話しかける。

 

宗陰「殿下は純粋な方なようだな」

 

託未「嗚呼、人を疑うことを一切しない。ピュアだった」

 

宗陰「俺たちが苦手とするタイプだな」

 

託未「言ってやるな。何れ俺たちの飼い主になる人物だ」

 

宗陰「俺たちはその飼い犬か――フッ、お似合いだが俺たちは犬は犬でも狂犬だろうよ」

 

託未「言えてるな」

 

等と戯言を言って笑う2人、そして今後の話を始める。

 

 

________________________________________________

 

 

 

一方で帝都城へと走る公用車のなかで悠陽はずっと複雑な表情を浮かべて外を見ている。彼女は今回託未から少しだけだが彼という人間を知れたと同時に、そのことに何とも言えない重い感情が心にあった。

 

真耶「殿下、いかがなさいましたか?」

 

悠陽「.....」

 

真耶に声をかけられているが本人はずっと静かにしたまま窓の向こうを見つめている。しかし彼女の頭の中ではずっと託未の言葉のみが残っていた。

 

 

辛くありません。自分は戦う為――そして敵を殺す為に存在しているのですから

 

 

悠陽「(託未さま――何故、そんな虚しいことをおっしゃるのですか...?どうして...?)」

 

その疑問は誰も答えてくれる者は居らず、ずっと彼女は切なく窓の外を見つめるのみであった...。

 

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