Mobile Suit Gundam MUV-LUV G-ALTERNATIVE 作:武者ジバニャン
それとですが、この作品にはマブラヴのストーリー内の原作時系列、設定などを無視したり改変したり、ご都合主義な部分があります。
並びにガンダムシリーズのキャラクターが今作にパラレルワールドの人間として登場したりしますし、並びにオリジナルキャラクターなども登場します。
それも含めてよろしくお願いいたします。
イメージOP1「閉ざされた世界/劇場版機動戦士ガンダム00」
イメージED1「signs ~朔月一夜~/マブラヴ オルタネイティヴ トータル・イクリプス
」
睦城「G弾がユーラシア大陸の全てのハイブに着弾した際に、問題が発生します」
託未「問題?」
睦城「えぇ。 BETAから由来した外界の物質的なグレイ11元素――重力の制御にかんする元素なのですが、その原理を応用して作られた武器に,重力の反応を暴走させて巨大な重力変化を発生させます。
その威力はあまりにも凄まじく、核兵器と次元が異なる威力を持っています。
分子レベルまであらゆる物体を破壊・消滅させます...しかし」
宗陰「どうした?」
睦城「これは自分が立てたシミュレーションの結果なのですが、一発だけでも強力な兵器が大量に集中運用されれば――大規模な重力異常を引き起こしてユーラシア大陸は水没、逆に海だった所が隆起して塩の荒野となり人類居住可能地域が著しく激減するなどの深刻な環境問題が発生しますよ」
託未「....なに?」
睦城の話にその場にいる彼らは言葉を無くす、夕呼に至っては鋭い眼つきで聞いていた。これが彼女がオルタネイティブⅤを嫌悪する理由なのだろう。
託未は夕呼に視線を向けてこれを知っているのかを問う。
託未「今の話、お前も知っているのか?」
託未の問いに夕呼は首を縦に振り、重苦しくも静かに口を開いた。
夕呼「えぇ。私でもG弾の影響を調べていたわ、けどそこの彼――中々に頭がいいようね」
託未「こいつは俺たちの頭脳ポジションみたいな奴だからな。しかし...」
託未の表情が嫌悪感を滲ませ始めた。先ほどの第五計画によるG弾を運用した場合の話を聞きアメリカがこれを知らないのかと疑う。
託未「アメリカはこれを知らないのか?」
夕呼「恐らく知っているはずよ。ただ連中からすれば犠牲になるのはユーラシア大陸だけだから、自国さえ無事であれば奴らにとっては――」
託未「他がどうなろうと知ったことではない、か」
二人のやり取りに宗陰たちやイリーナはアメリカのやり口に不快感を抱く。
いくら自国が大切だとは言え、ユーラシア大陸全土を犠牲に強いる作戦を行えば各国は激しく怒るのは明白だ。
それに仮に作戦が行われそれでユーラシア大陸のハイブ全て消滅出来たとしよう、だが睦城が言っていた重力異常による大洪水そしてユーラシア大陸の水没、その上人類の居住可能区域の激減。
30年も奴らに人類の生存区域を奪われ続けてその更に無くなればもう人間に明日処か今を生きることすらままならない。
宗陰「そのG弾、アメリカは威力実験の検証したのか?」
宗陰はG弾の性能を知りたいが上に知っているであろう睦城に問いかけると、彼は首を横に振る。
睦城「いえ、彼らは自国内でのG弾の威力検証、並びにその着弾後の影響検証もやっていません。ただそれを他国の領土で使ってやりたいのでしょう、無能です彼らは」
森羅「データ取りもそこでやんのか?バカだろ」
蒼真「なんともまぁアホだね」
宗陰「確かに間抜けな奴らだ」
四人はそれぞれアメリカという国に呆れる中、そこへ託未がある疑念を抱いた。
託未「その大量のG弾を発射したとしよ。それで本当にBETAを確実に仕留めることが出来るのか?」
夕呼「どういうこと?」
託未「G元素は元々、BETAの下にあった資源の筈だな?睦城」
睦城「はい、そうです」
託未「ならそれの対策だって
託未の言う“向こう”というワードに夕呼はBETAを指していると考える。
だが託未の言う“向こう”とはただ一体――地球に居る全てのBETAの統括と指揮、管理をしているであろう重頭脳級である。
だがそれを託未は口には敢えてしなかった。夕呼は彼の心中など気づかないまま第五計画が失敗し、BETAは生き残ってしまうと危惧し始めた。
夕呼「じゃあ貴方は、BETAは大量のG弾から生き残ると考えているの?」
託未「あらゆる環境で生きている奴らだ。可能性を無くはないだろう」
夕呼「....」
託未「海のそこに沈んだユーラシア大陸にひっそりと生きて、海の底から攻めてくるとかいう面倒くさいことになるぞ」
夕呼「...そう」
託未「あんたからしたら、余計第五計画が嫌いになるか?博士」
夕呼「嫌い処か破綻させたいわよ」
そう語る彼女の眼は鋭く今にも第五計画とそれに与する連中をこの世から消したいとばかりに語っていた。そこへ....。
まりも「あら?ゆう...香月副司令、一体ここへ何をしているんですか?」
脇の通路から偶然にもまりもがやって来た。彼女は夕呼の姿を見て一瞬名前で呼ぼうしたが近くに託未たちが居たので直ぐに呼び方を改めた。
夕呼「あら、まりも」
託未「ん?」
まりも「副司令、ここで何を...それにこの方達は?」
まりもは託未たちに目線を向けて怪しむように見つめてくる。夕呼は不敵な笑みを浮かべて親友であるまりもに対して話し始めた。
夕呼「彼らは――特別なお客様よ」
まりも「特別な、お客...?どういうことです?」
まりもは更に怪しみながら目の前に立つ託未を見据える。託未はそれに何も動じることはせず、只々冷淡な態度でまりもを見ていた。
託未「....」
まりも「(何なの?この男たちは...。それに目の前の彼――この五人の中でも異質な感じがするわ、一体何者なの?)」
夕呼「彼らはねまりも...今世間を騒がしている白い悪魔【ガンダム】の衛士よ」
まりも「っ!!?あの白い悪魔たちの衛士っ!?」
夕呼からの発言にまりもは驚いてしまう。まさか自分の目の前に大陸でBETAを圧倒し、更には日本を蹂躙していた奴らを蹴散らして二度もBETAから日本を救ったあの白い悪魔たちが居るのだからそれは驚く。
まりも「ど、どうして、その白い悪魔たちが此処に...」
夕呼「第四計画に関することだから言えないわ。でも彼らは協力者よ、そこは覚えておいて」
まりも「....分かりました。すみません、自己紹介が遅れました。私は国連軍白陵基地所属・衛士訓練教官を勤めております神宮寺まりも軍曹です」
託未「俺の名は新月託未、現在は政威大将軍・煌武院悠陽殿下の庇護を受けている。後ろに居るのは...」
宗陰「桐生宗陰」
睦城「司奥睦城です」
蒼真「霧夜蒼真でーす」
森羅「憑神森羅」
まりも「よろしくお願いします....それにしても」
彼らの名を聞いてまりもは託未に対して微笑みを浮かべて言う。
託未「なんだ」
まりも「貴方方には感謝してもしきれません」
託未「何故」
まりも「貴方たちは二度も日本を救ってくれました。同じ日本人として感謝します、本当にありがとうございます」
彼女は深々と頭をさげて託未たちに感謝の気持ちを述べた。BETA日本侵攻の際、彼女は衛士ではあるが訓練生たちを守る義務があり戦場には居なかった。
しかしあの当時、ただ何も出来なかったことに歯痒さを抱いて自室の壁に何度も拳を叩いていた。そんな折に彼らガンダムチームが現れBETAを駆逐し、見事日本を救ってくれたと聞き感謝の気持ちと一体何者なのかと言う疑問をいつも持っていた。
自分たちに感謝を述べるまりもに託未は淡々と返した。
託未「俺は俺たちの為にやっただけだ。感謝するほどのものではない」
まりも「そう、ですか....」
夕呼「まりもは凄いのよ。以前は帝国軍に居たんでけどね、大陸派兵の経験もあってあっちでかなり暴れてたのよ」
まりも「ちょ!副司令!!」
夕呼「“狂犬”なんて言う異名で呼ばれてたのよ」
まりも「夕呼!」
揶揄うようにする夕呼にまりもは公私を忘れて名前で呼んで諌めようと声を張る。そんな彼女の反応を見て楽しむ夕呼に託未はラダビノット司令の元へと案内するよう催促する。
託未「おい、行かないと不味いんじゃあないか?さっさと案内してくれ」
夕呼「そうだったわね、ごめんなさい。じゃあねまりも」
まりも「まったく!....白い悪魔たち、か」
まりもは夕呼と共に去っていく託未たちを見て呟いた。あの五人は自分が会った衛士の中でも異質なタイプだと感じた、そして...。
まりも「新月託未....彼は一体、何者...」
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夕呼に連れられた彼ら五人はこの白陵基地の司令を務めるパウル・ラダビノット司令と対面する。
彼と対面した五人は直ぐにその顔を見て場数をくぐり抜けてきた指揮官だと見抜く。っと彼らがそう内心でそう評価しているとラダビノット司令が託未たちに声をかけてきた。
ラダビノット司令「私が此処白陵基地の司令を務める、パウル・ラダビノットである」
託未「新月託未です。よろしくお願いします」
ラダビノット司令「うむ」
突如ラダビノット司令は託未に近寄り手を差し出してきた。
託未「ん?」
いきなりのことに不思議に感じる託未であるが、ラダビノット司令は気にせずその行動の訳を話す。
ラダビノット司令「君たちがBETAを駆逐する光景に人類はようやく希望が持てる。これはその感謝の握手だよ」
託未「希望、ですか」
ラダビノット司令「嗚呼、君たちの出現で人類は反撃の糸口を手にしたと私はそう感じているのだよ新月くん」
彼からすればそう感じても可笑しくはないであろう。今まで人類を追い詰めてきたBETAを悉く蹴散らしている彼らを期待してしまうのは致し方ない。
そんな彼の心情を察して余り心象を悪くしては不味いと思ってか、託未は無言で差し出してきたラダビノット司令の手を握り握手する。
託未「...」
ラダビノット司令「君たちを歓迎する」
託未「は」
夕呼「じゃあ司令、彼らを私のオフィスまで案内しますね」
ラダビノット司令「ああ。博士、後はよろしく頼む」
夕呼「はい。じゃあついてきて」
託未「嗚呼」
託未たちはそのまま夕呼が仕事に使っている部屋まで連れてかれる。少し歩いて着いた部屋は広くこの基地の副司令という立場であるが故に当然の設備などがある。ここは夕呼がオルタネイティブⅣの為に使っているオフィス兼研究室なのであるが....
五人「「「「「(部屋、散らかってやがる...)」」」」」
床にもう読まなくなった書類やファイルなどが散乱していて、彼女が使っている大きなデスクの上にも書類などが山積みとなっている。
余りの散らかりぶりに呆れる託未。
託未「....おい、此処で本当に研究してんのか?」
夕呼「そうよ」
宗陰「床とか酷く書類が散乱してるぞ」
夕呼「いいのよ。何処に何があるのかって私が分かるんだから」
蒼真「うわぁ~それ散らかす人がよく言うセリフ~」
森羅「ゴミ屋敷みてぇだ...」
睦城「ホント酷い部屋だ」
床に散乱している書類を踏まないよう最低限の注意を払いながら部屋に入る五人。
その時、託未は視線を感じ目を向けるとうさ耳の形をしたヘアバンドをした少女がそこにいた。
彼女は託未たちが自分に視線を向けていることに気づくと頭を下げてお辞儀してみせる。
夕呼「あら社、戻ってたの」
???「はい」
夕呼「なら丁度いいわ。社、彼らに自己紹介しておきなさい。私の大事なお客様だから」
???「はいーーはじめまして、社霞、です」
託未「(こいつが第三計画の産物、か)」
無表情で自分の名を話す銀髪の少女ーー社霞、託未は彼女を静かに見つめる。一方彼女は自分を見つめる彼に対してリーディングを行おうとしていた。
別にこれは夕呼からやれと言われてやっているわけではない、単に彼女自身が目の前の彼らの存在に異常な感覚を感じ取った為にやっているのだ。
なのでまず目の前にいる託未からリーディングを始めた霞、しかし何か心の中を覗かれているような気がする託未はそれを阻止してみせブロックする。
霞「…!」
彼女のウサ耳バンドがビクッと動き、その表情は不安なものになっていく。彼女の様子を見て夕呼はどうかしたのか伺う。
夕呼「どうしたの?社」
霞「あ、あの...」
夕呼「(リーディングをしたの...?)何か、見たの...?」
夕呼の問いに霞は静かに首を横に振りながら口を開く。
霞「い...いえ、見えません...でした」
霞は恐る恐る託未に問いかける。
霞「…あなたはなぜ見えないんですか?」
夕呼「っ!!?」
彼女の問いに衝撃を受けた夕呼は動揺しながらも彼女に近づき、両肩を掴みながら問いただす。
夕呼「社、それはどういう意味なのっ!?見えないって...」
夕呼からしてみればこれは思わぬことである。別に夕呼は霞にリーディングをしろとは命令していない、すればデメリットでしかない。
折角協力者となった託未たちに見限られたら第四計画はそこで詰みとなる。だが霞がやったことで彼らにリーディングは通用しないことが分かると驚かずにはいられない。
驚く夕呼と自身のリーディング能力が効かない相手が居ることへの不安と恐れを抱く霞に対して託未は溜息を口にしながらも話し始めた。
託未「はぁ...お前が俺たちをリーディングしようとしたからブロックしただけだ」
夕呼「リーディングを...ブロック...?どういうこと?アンタたちESP能力者なの!!答えなさいっ!!」
驚きから理解できないことへの憤りへと変わり託未に問いただすが、対する託未たち五人は淡々と素知らぬ態度でいる。
託未「教えるつもりはない。教えたとして俺に一体何の得があるんだ?」
宗陰「そもそも、その娘にリーディングをさせるようアンタが命令したのか?博士。場合によってはここでアンタとの関係は早くも終わりとなるぞ」
夕呼「っ!!?....違うわ。私は社にリーディングを命令をしていない....というか、社が“そういう存在”だって知っているのね....?」
託未「オルタネイティブ計画を調べているんだ、当然だ」
夕呼「そう」
結果的に彼女は偶然とは言え、彼ら五人に対して霞のリーディング能力が通用しないことが分かったのは驚愕であり、彼ら五人に対して今後余計なマウント取りは出来ないことの確認となった。
そんな中、霞は託未に申し訳なさそうに謝罪してくる。
霞「あ、あの....ごめんなさい...。あなたたちの中を勝手に覗こうとして...」
託未「....」
今にも泣きそうなくらいに顔を歪んでいる霞。そんな彼女に託未は静かに手を翳し、霞の近づく。
彼の行為に霞は思わず怒られると目を伏せてしまうが、しかし彼女の頭にポンっと暖かい温もりが乗せられる。
霞は思わずゆっくりと目を開けると託未が彼女の頭に手を乗せていた。そして数回頭を撫でるように手を回す。
託未は無表情で口を開いた。
託未「怒ってない。まぁ俺たち五人もお前と似たようなものだ、真面な存在じゃない」
霞「…こわくないんですか?」
怯えながらに問う彼女に託未は知らぬ存ぜぬとばかりにクールな返答で返す。
託未「俺たちはお前のように特殊な能力を持った奴らをたくさん見てきた。それにお前の特殊な能力って単にリーディングという見る程度の能力だろ?見るだけで何かが変わる訳じゃない、結局は自分の力で自分の道を切り開いてでもと言う覚悟がなきゃ何の役に立たない」
霞「自分の...道を....」
託未「そうだ」
霞「あ....」
託未が撫でるのを止めると霞は少し残念そうな顔をした。しかし彼女の心中など気にせず託未は夕呼に振り向き、これからのことを話す。
託未「さぁて博士、これからについてだが....」
夕呼「え...?え、えぇ...そうね」
託未「っで?まずOS開発の件だったか?」
夕呼「え、えぇ...(この男たちを出し抜くなんて無理があったのね...)」
夕呼は内心で目の前の悪魔たちに今後余計な真似はしないと固く誓うのだった....。
その一方で霞は自身の目の前の託未の大きな背中を見つめるのだった...。
霞「(優しい...人...)」
今回はここまで。次回から戦術機用の新OS開発に乗り出します。