Mobile Suit Gundam MUV-LUV G-ALTERNATIVE   作:武者ジバニャン

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この作品は台本形式で進行します。台本形式が嫌いな人はブラウザバックを推奨します。

それとですが、この作品にはマブラヴのストーリー内の原作時系列、設定などを無視したり改変したり、ご都合主義な部分があります。
並びにガンダムシリーズのキャラクターが今作にパラレルワールドの人間として登場したりしますし、並びにオリジナルキャラクターなども登場します。

大変遅くなり申し訳ございません。ごめんなさい。


イメージOP1「閉ざされた世界/劇場版機動戦士ガンダム00」

イメージED1「signs ~朔月一夜~/マブラヴ オルタネイティヴ トータル・イクリプス



第三十一章 彼女の瞳に映る彼

前回、白陵基地に着いた五人は香月夕呼の研究に使われる部屋まで招かれた。

そこで彼らはオルタネイティブ第三計画の下に産み出された少女ーー社霞と出会う。彼女はリーディングを行い、彼ら五人を知ろうとしたのだか強化人間である託未たちはそれをブロック、拒絶する。

彼女がリーディングを失敗したことに驚き、彼ら五人に霞と同じESP能力者なのか問い詰めるが難なくかわされてしまう。

リーディングしたことで怒られると思った霞、しかし託未はこれを許したのだった。

そして今は今後の流れについて話し合おうという所であった。

 

託未「さぁて博士、これからについてだが....」

 

夕呼「え...?え、えぇ...そうね」

 

託未「っで?まずOS開発の件だったか?」

 

夕呼「え、えぇ...それで今からでも出来るの?」

 

託未「今からやって直ぐ出来るわけないだろ。完成にはまぁ、一週間以内で方がつく」

 

託未の返答に呆気に取られてしまうが、しかし彼らならばやりかねないと思ってしまう。ならば彼女としてはそこは深く言わず今度は彼らが要望するであろう事を自分が受け止める番である。

 

託未「じゃあそちらの要望のOSは俺たちが作ってやる。では次ーー博士、あんたにはこちらの要望を聞いて貰う」

 

夕呼「分かったわ。っで?私は何を用意すればいいのかしら?...何なら、私の身体?」

 

っと夕呼は自分の両腕でその豊満な胸を見せびらかすように持ち上げる。妖艶な笑みでからかう夕呼に託未は淡々に返す。

 

託未「魅力的ではあるが、こちらが要望するのは戦術機を一機寄越してほしい」

 

託未の返答に面白くないと言った顔を浮かべるが、戦術機と言われていぶかしむ。

 

夕呼「戦術機を?どうして?」

 

託未「OSを作るとしても、戦術機が今どんなOSで動いているのか知った方がいいと思ってな」

 

夕呼「そう。分かったわ、なら撃震を一機そちらに手配しておくわね」

 

託未「そうしてくれ」

 

すると夕呼は託未に唐突にこんな申し出を口にし始めた。

 

夕呼「そうだわ。社をアンタたちの助手として手伝わせるってのはどう?」

 

託未「なに?」

 

夕呼「こう見えても社は優秀よ」

 

託未「ふむ」

 

彼女の申し出に別に断る理由はないし、ならば彼女にも手伝わても問題はないだろうと託未はそう思う。

 

託未「分かった。お前らもいいか?」

 

宗陰「問題ない」

 

森羅「俺も別に」

 

蒼真「いいんじゃない?頭賢そうだし」

 

睦城「異論はありません。ESP能力者であればそれなりのスキルを期待できそうですし」

 

託未「と言うことだ、よろしく頼む――社」

 

霞「はい...よろしくお願いします」

 

夕呼「じゃあ話が決まったようだし、よろしくね」

 

っと話は概ね決まった時であった。部屋中に突如「ぐぅ~」っと言う音が鳴り響く、託未たちや夕呼、そして霞は何だと辺りを見回すと蒼真だけ頭を掻いて苦笑いを浮かべていたのだ。

そう彼の空腹を知らせる腹の虫の音であった。これには四人は呆れた言う顔を浮かべ、夕呼は「プッ」っと笑いを溢してしまう。

霞はただずっと無表情のままである。そんな中、夕呼は五人に昼食を薦める。

 

夕呼「どうやらお昼はまだのようね。先に済ましてきたら?」

 

託未「そうだな」

 

宗陰「だが外部の俺たちがこの基地内を好き勝手に歩いていいのか?」

 

彼らは現在帝国に正式に属してるわけではなく、その庇護下に居るというだけ。その彼らが国連軍の基地内部で好き勝手して歩く訳にはいかない、だがそんな五人に対して夕呼は笑みを浮かべてデスクから何かを取り出してそれを彼ら一人ずつ手渡した。

手渡されたのはカードのような物である。

 

託未「こいつは?」

 

夕呼「セキュリティをパスするカードよ。それさえ持って私の協力者だと伝えればMPや職員には通じるから」

 

森羅「ずいぶんと手回しが早いことで...」

 

森羅の言う通り中々に対応が早い。しかし彼女にしてみればこうすることで彼らに印象良くしようと必死なのであろう、彼ら五人がオルタネイティブVI成功に導くキーマンと捉えている。

ならばこれからも出来るだけ余り敵対的な行動は行わず積極的に協力姿勢を見せれば、彼らも応じてくれるはずと夕呼はそう考える。

セキュリティパス用のカードキーを渡された託未たちは取り敢えず昼食をありつこうとする。

 

託未「ディーヴァに戻るのも面倒だから、ここの基地で飯にしよう。作業はそのあとからだ」

 

宗陰「了解だ。じゃあ戦術機の受け取りは俺がやっとこうか?」

 

託未「いや、お前は睦城たち三人とでディーヴァに戻って作業を開始してくれ。受け取りは俺がやっておく」

 

宗陰「了解、ボス」

 

託未は自分が戦術機を受け取りに行くことを夕呼に伝える。

 

託未「博士、戦術機は俺が直接受け取りにいく」

 

夕呼「分かったわ。司令には私が話を通しておくわね」

 

託未「ああ」

 

話が終わった所で彼らは夕呼の研究室から出て、霞を先頭に彼女の案内のもと基地内の通路を歩く。その道中、蒼真は無表情の霞に声をかける。

蒼真「ねぇ、霞ちゃんっていつも香月博士の手伝いしてるの?」

 

霞「はい」

 

蒼真「普段どんな手伝い?」

 

霞「書類の整理、データの処理、あとは掃除、です」

 

ぎこちなくも霞は答えて見せた。霞の話に耳を傾けているのは彼女に質問した蒼真、話の内容よりもESP能力を持つ霞に興味を持つ睦城、睦城程ではないが宗陰も彼女に視線を向ける。

森羅は興味無さげに欠伸をしながら歩き、託未に至っては無表情で一言も口にはしない。

 

宗陰「君の能力ではオルタネイティブⅣの役に立たないのか?」

 

霞「....はい」

 

宗陰の問いに彼女は申し訳なさそうに顔を俯いてしまった。彼女にとってキツイ問いだったのか、そんな問いを口にした宗陰に蒼真が揶揄う。

 

蒼真「あー、宗陰が霞ちゃんをいじめたーw」

 

宗陰「アホか」

 

そんな会話している6人は一般職員や衞士などが通る一般通路まで来た。そうなるとティターンズの軍服を着ている五人をすれ違いさまにチラチラと見る人間が増えていくのは仕方ないことである。

 

 

睦城「そろそろ着くのでは?.....あ、蒼真、前」

 

蒼真「え?」

 

 

ドンッ!!

 

「いたっ!!」

 

 

だが睦城の声に気を取られて自身の前方に気づくのが遅くなった、そのせいで蒼真は何かとぶつかるのだった。

ぶつかってしまったのは人ーーそれも女性だった。蒼真とぶつかった為に尻餅を着いている相手は青い髪色をしたポニーテールをしていた。

彼女は尻を擦りながら立ち上がり、蒼真に向かってキッと睨むようにしてきた。

 

蒼真「あー...」

 

託未「アホ。なにやってんだ」

 

宗陰・睦城・森羅「「「はぁ~」」」

 

託未からすれば余所見してた蒼真が悪いと断言しながら呆れてしまう、他の三人もまた同様に呆れてため息を吐くのだった。

その間にも相手の彼女は蒼真を睨み口を開いた。

 

「ちょっと!!ぷつかっておいて謝りもないわけ!!?」

 

蒼真「あ、ごめんねぇ悪かったよ」

 

森羅「軽」

 

謝罪はしているのだが、その口調はとても軽く反省など感じられなかった。蒼真としては本人なりにちゃんと謝罪をしたつもりなのだがーー

 

「はぁ?!!ぶつかっておいて何よ!!その言い方!!」

 

蒼真「えー...」

 

困る蒼真に森羅が何か言おうとした時だった。

 

「水月、どうしたの?」

 

蒼真「あれ?お連れ?」

 

水月「あ!遥!」

 

森羅「あ?...っ!?」

 

青色のポニーテールの女性ーー水月と呼ばれた彼女は、自分を呼ぶ人物の名を呼びながら振り向いた。

蒼真や託未たちも釣られるように視線を向ける。その人物は茶髪でロングヘアーの女性であった。

 

遥「どうしたの?水月。何かあったみたいだけど...?」 

 

水月「そうなのよ!聞いて遥!この男、ぶつかっておいて酷いのよ!」

 

蒼真「えー...謝ったのにぃ?」

 

水月「態度が軽いのよ!」

 

二人がそんな呆れるようなやり取りをする中で、森羅はずっと遥をジッと見ていた。

その表情はいつも気だるげで感じ悪い彼らしい物ではなく、まるであり得ないモノを見て驚くような顔そのものであった。

 

森羅「っ」

 

遥「?...あのう、なにか...?」

 

宗陰「...森羅、聞かれてるぞ」

 

森羅「っ!?い、いや!何でもねぇ...少し"知り合いに似ていた"から驚いてただけだ!」

 

そう口にしながら彼は遥から反らすように背を向けるのだった。遥はただ困惑しながらも「ハァ」っと無理やり納得することにして水月を宥め始める。

 

遥「水月、もうこの人も謝ってるんだから。ね?もうやめよ」

 

水月「わ、分かったわよ...でも次あったら許さないからね!」

 

っと水月は蒼真にそう告げて走って去っていくのだった。

 

遥「あ!水月!それでは、その、すみませんでした!」

 

遥もまた彼女を追いかけるべく走っていくのだった。まるで嵐が去ったホッとしたかの如く蒼真はため息を吐いて託未たちに話しかける。

 

蒼真「ハァ~、いやぁとんでもなかったねぇーハハハ」

 

託未「アホが。ハハハじゃない」

 

睦城「確かに」

 

宗陰「全くお前は...ん?」

 

森羅「....」

 

先ほどの事から様子がおかしい森羅、そんな彼に宗陰が声をかけるのだった。

 

宗陰「どうした」

 

森羅「...どうもしねぇ。言ったろ、知り合いに似てたから驚いただけだ」

 

宗陰「...そうか」

 

託未「...それよりも行くぞ」

 

森羅「あ、ああ(...似てたな)」

 

託未に言われ再び歩きだす中で森羅だけは遥たちが去っていった方角へ見つめた後、歩きだした。

その道中彼の心境はどういう物なのか、まだ誰にも分からない。

余談だが彼らはPXに向かいそこでの食事を作る食堂おばちゃんこと、京塚志津恵曹長から歓迎の印とばかりに大盛の定食で持てなされることなった。

その後宗陰たち四人はディーヴァに戻りOS開発の作業準備に入ることに。一方託未は霞の案内で格納庫まで来ていた。

そこで彼が目にするのは幾つもの戦術機が並んでいる光景であった。

 

託未「ほう、こうして見ると壮観だな」

 

霞「はい」

 

っと二人して無表情なので何とも言えず、それが周りの整備士たちにとってやりにくいことこの上ない。

そんな中、託未たちに近寄ってくる人物がいた。

 

「ここで何をしてるのですか?」

 

託未「ん?」

 

振り向いた先にはこの基地に来た際に会った神宮寺まりもである。彼女は微笑みながら近づき託未に話しかけてきた。

 

託未「教官職に着いてる者がこんなところにいていいのか?」

 

まりも「午後の教練に無いので。私はオフです」

 

託未「そうか」

 

まりも「所で、新月さんはここでなにを?それに...」

 

まりもは霞に眼をむけ、霞もそれに会釈する。

 

霞「こんにちは」

 

まりも「こんにちは社さん。でもどうして貴方もここに?」

 

霞「新月さんを格納庫まで案内してました」

 

霞はそう言いながら託未がティターンズの軍服の上に着込んでいるコートの裾を掴みながら傍に近寄る。彼女の様子にまりもは珍しいものを見ているかのみたく驚愕の表情を浮かべる。

まりもが知る霞はいつも無表情で他人に馴染むような子ではないと思っていたが、目の前にいる男に対して少なからず心を開いてらしいと感じていた。

 

まりも「彼を格納庫に?どうして?」

 

託未「戦術機を一機貰い受けるためだ」

 

まりもの疑問に託未は淡々と教える。再び頭の中で疑問が膨れ上がるのだった。

 

まりも「どうして?」

 

託未「新しいOSを作るために今戦術機でどの程度の出来なのか知るためだ」

 

まりも「それって香月副司令は...」

 

託未「了承している」

 

すると整備員が託未のもとへやってきた。

 

「新月、さん?ですよね?撃震の搬出用意整いましたよ」

 

託未「ありがとう。トレーラーは俺が運転するのであとはいい」

 

「は、はい」

 

整備員とのやり取りの後、託未はそのまま撃震を載せたトレーラーに向かうのだった。霞はその後を追うように付いて行く。

 

まりも「あ!ちょ!ちょっと待って!!」

 

何故かまりもも彼の後を追う。運転席に乗る託未、その彼の後を追う二人に振り返る。

 

託未「霞、お前来るか?」

 

霞「いいのですか?」

 

託未「助手として手伝いたいのだろ、なら来い」

 

霞「はい」

 

無表情だからか喜んでいるようには見えないが、彼女は躊躇うことなくトレーラーの助手席に乗る。

霞が乗るのを見届けた託未は今度はまりもに目を向ける。

 

託未「アンタも来るか?」

 

まりも「え?」

 

託未「興味あるのだろ?白い悪魔と呼ばれる機体を...」

 

まりも「....」

 

託未「嫌なら止めないがな」

 

まりも自身内心激しい程に興味があった。今世界で賑わせBETAを圧倒している五体の白い機体...白い悪魔と呼ばれし機体たちに、直接見て触れることが出来ると思うと居ても立っても居られないと衛士として自身の心が騒ぐ。

 

まりも「...ぜひ、お願いします」

 

託未「わかった。乗れ」

 

まりも「は、はい」

 

 

託未に言われるがままにまりもはトレーラーに乗車する、彼らを乗せたトレーラーはディーヴァに向かっていくのだった。

一方託未の命令でOS開発準備の為に宗陰たちは開発用の作業ルームを設け、託未が戦術機を持ってくるのを待っている。

 

宗陰「来たか」

 

ディーヴァのハッチが開き託未が運転する大型トレーラーが停車する。荷台には撃震が載せられているのを彼らは確認する。

運転席から託未が降りてきたのを見届けた宗陰が近寄ってきた。

 

宗陰「お疲れ」

 

託未「荷台の撃震を降ろす。誰か乗って格納庫に入れないといけない」

 

っと彼は衛士が強化装備を纏う際に身につける網膜投影用のインカムを懐から取り出しながら言葉にするが、四人は難しい顔を見せる。

 

宗陰「戦術機の操縦はやったことないぞ」

 

睦城「自分もです」

 

森羅「同じく」

 

蒼真「おれもー」

 

託未「.....」

 

言葉もない託未であるが自身も戦術機の搭乗経験はないのは当然である。如何したものかと考えると、トレーラーから霞とまりもが遅れて降りてきた。

 

宗陰「おい託未。社はまぁ手伝いとしては分かるが、彼女は...」

 

託未「ん?まぁ見学だ。ガンダムを見せてやろうと思ってな」

 

宗陰「はぁ...ん?そう言えば彼女、確か訓練教官だったな」

 

彼の言葉にハッとなり、託未は直ぐにまりもに声を掛ける。

 

託未「神宮寺軍曹」

 

まりも「は、はい!なんでしょう」

 

ベテラン衛士でもあり優れた軍人でもある彼女であったが、託未の呼びかけに思わずビクリと跳ねてしまう。

 

託未「アンタ確か教官だな?」

 

まりも「ええ、まぁ」

 

託未「なら戦術機の操縦もお手の物だな?」

 

まりも「はい」

 

託未「申し訳ないが、荷台から戦術機を動かして艦の中に入れられるな?」

 

まりも「え!?」

 

託未からの発言に彼女は驚愕するには十分だった。目の前の男がいきなり戦術機をディーヴァの格納庫内に入れるかと聞いてきたのだから。

 

まりも「しかし!皆さんは!?」

 

まりもの問いは当然なことだろう。彼女は夕呼から託未たちが白い悪魔たちと聞いていた、ならばそれほどに優れた衛士なのだと認識しているのだ。

だが本当は託未たち五人はモビルスーツのプロフェッショナルではあるが、戦術機に関しては全くの知識や経験はない。

 

託未「俺たちは戦術機の操縦は経験がない。なのでアンタに頼んでる」

 

まりも「(戦術機の操縦経験がない...?どういうこと...?)」

 

託未「やってくれるか?」

 

まりも「でも強化装備がないと!」

 

戦術機の操縦において強化装備は戦術機周辺装備という位置付けだ。戦術機の兵器特性である3次元機動に耐えうる為、衝撃に対しては瞬時に硬化する性質を持っている。

強化装備の特殊保護被膜は全身に密着しており、耐G機能を有している。

なので強化装備もなく戦術機での操縦は危険なのだ。

 

託未「だがそれは跳躍ユニットを使ってのことだろ?歩く程度のレベルならばそんな負担はないはずだ」

 

まりも「それは...そうですが...わかりましたやりましょう」

 

託未「頼む」

 

託未はそう言って強化装備に使われるインカムを彼女に手渡す。受取った彼女は気の進まない気持ちではあるが、それでも撃震に乗り込み管制ユニットのシートに着座する。

乗り込んだ彼女の網膜投影用モニターが映し出され、まりもはスロットルレバーを踏むと撃震は見事に動き出して機体の右足が地についた。

 

蒼真「おー!動いた!」

 

ゆっくりとトレーラーの荷台から起き上がる姿はさながらアムロ・レイが初めてRX78-2ガンダムを動かした時を彷彿とさせる光景である。

動きだした撃震は立ち上がりゆっくりと歩き出してディーヴァの格納庫ブロックへと入っていく。

 

託未「蒼真ガイドしろ」

 

蒼真「りょーかーい」

 

蒼真は彼女が乗る撃震を格納庫までガイドする。そして彼女が動かす撃震はゆっくりとガントリーロックに辿り着き、機体本体はそのまま固定された。

役目を終えた彼女は初めて強化装備無しで動かしたものだから疲れが少々出た。

 

託未「助かった。お疲れ様だ」

 

まりも「ありがとうございます....あれが」

 

ふと彼女は格納庫内をゆっくりと見渡すと自身の視界に映る五体のガンダム...Hi-ν・ペーネロペー・ΞG・クロスボーン・ZZが映る。

目の前に今まで人類を30年も追い詰め、多くの人々の命を奪い続けてきたBETAを唯一圧倒し狩り取ってきた五体の白い悪魔たちが聳え立っている光景に彼女は言葉に言い表すことが出来ずにいた。

 

託未「壮観、か?軍曹」

 

まりも「はい...この機体たちが...」

 

託未「嗚呼、この五体の機体は【ガンダム】――人類反撃の担い手になる人型機動兵器モビルスーツの代表機と言っても過言ではない」

 

まりも「ガンダム...」

 

託未「そうだ」

 

まりも「あの、モビルスーツ、とは...一体?」

 

託未「今多くを教えることはできない。だが何れ――日本帝国の衛士たちが乗るであろう新しい力だ」

 

まりも「力...」

 

彼女は感慨深くガンダムを見つめている。そんな中宗陰がOS開発の為の下準備に取り掛かることを託未に伝える。

 

宗陰「託未、これから戦術機のOSを調べる」

 

託未「わかった」

 

宗陰たち四人は撃震の管制ユニットに向かい搭載されているOSを調べ始めた。調べるなかで四人はそのOSの内容を調べて概ね理解した。

戦術機に使われているOSは動作後に一定の硬直があったり、衛士のレバーやペダル操作を受付ける時間に若干のロスがあるなどの決定的に戦場に使われる人型機動兵器として欠点が見受けられた。

 

託未「どうだ?」

 

宗陰「これを見てくれ」

 

託未「......――なるほど、ならこれから作るOSはどういう物にするか...分かっているな?」

 

宗陰「嗚呼。要は今よりも即応性を良くし、且つ機動力を上げる――こんなものか」

 

託未「それでいい」

 

睦城「了解です。では早速作業に入ります」

 

託未「嗚呼...」

 

蒼真「霞ちゃんはどうするの?」

 

託未「早速手伝わせる――社」

 

霞「はい」

 

呼びかけに霞が近づき、託未の傍まで近寄って彼の顔を見上げる。

 

託未「いまからOSの開発作業に入る。手伝いをしててくれ」

 

霞「分かりました」

 

睦城「では社さん、端末機の操作説明を詳しく教えますのでこちらへ」

 

霞「はい」

 

森羅「所でよぉ託未。あの女(まりも)はどうする?」

 

託未「俺が相手をしておく」

 

森羅が親指でガンダムを見続けているまりもに指して問いかける。

宗陰たちはこれからOS開発に取り掛かるので、彼女を連れてきた託未が応対するのが筋だろう。

 

託未「神宮寺軍曹」

 

まりも「はい!」

 

託未「ガンダムを見続けていたのか?」

 

まりも「はい....これほどの機体がもし量産されれば...」

 

託未「ガンダムはオーバースペックな機体だ。量産には向かない」

 

そうガンダムタイプの機体は火力や機動性、運動性など高く他の追随を許さないぐらいの高性能機体であるが超高コストの為に量産性が欠けている。

量産するにしてもダウングレードしてある程度コストパフォーマンスが良いもので無ければ難しい。

そんな事情など知らないまりもからしてみれば、こんな高性能な機体が量産してくれれば....っと思わずには居られない気持ちがある。

 

まりも「ガンダムと皆さんのおかげで、私たち人類は希望が見えてきたと思っています」

 

託未「希望?」

 

まりも「長い時の間、人間はBETAによって苦しみ続けてきました。貧困や飢え、故郷を失いあてもなく彷徨う難民...いつ終わるかも分からないBETAとの戦い。

その戦いの中で消えていく命...皆心の何処かではもしかしたら自分たち人類はって考えて悲嘆に暮れる人たちもいます」

 

託未「....」

 

彼女の言葉一つ一つ重みがある。それは彼女が衛士の道を志し直向きに歩んだが故に口にしているのだと思う。

そう語る彼女の顔は暗くそして悲しげになっている。それをただ無表情に託未は聞くのみである。

その悲しげな表情を浮かべていた彼女の顔がまるで希望を得たかのように明るくなる。

 

まりも「でも!その絶望の毎日だった私たちに希望が差し込んだんです!!それが...!」

 

託未「俺たち、だと?」

 

まりも「はい!」

 

託未「....」

 

彼は内心こう呟く。「この女は自分たちを誤解しているようだ、自分たちはただの戦争屋だ。兵士はただ戦場で敵となっている存在を殺すのが本分であり、決してヒーローなどではない」っと。

確かに彼の思う通り戦場に希望などない、あるのは残酷なまでのリアルと無情の惨劇のみだ。

託未はこの世界に来て唯依や恭子、悠陽と会話して常々感じていたのはこの世界の人間は正直無駄に希望というモノを求めすぎている節がある。

 

託未「神宮寺軍曹」

 

まりも「はい」

 

託未「俺たちを誤解しているようだ」

 

まりも「え...?」

 

託未「俺たちはヒーローでもなければ、救世主でもない。俺たちは元来...戦争屋だ」

 

まりも「戦争...屋?」

 

託未「戦場こそが生きていると感じられると思い、戦場の中での殺し合いにこそ生への喜びを得る」

 

まりも「そ、そんな...」

 

彼女の先ほど嬉しさが崩れ、眼の焦点がブレてしまっているが託未は尚も語る。

 

託未「この世界じゃあ、人間同士での戦争経験者はそんな居ないのだろうな。だが俺たちは...俺たちに牙剥く者がそれがBETAであれ人間であれ、俺たちにそれを向けてくるのなら....容赦なく“敵”を屠る」

 

まりも「....っ」

 

彼の容赦のない殺気が籠った鋭い眼光がまりもを射抜く。彼女とてかなりの戦場を経験しているが目の前に居る男は自分が会った中で余りに恐ろしく言葉にし難いものだった。

 

まりも「(戦場こそが生きていると感じるなんて、どうしてそんなことを...。それに殺し合いが喜びなんておかしいわ、何故彼はそんな....)」

 

彼女はただその疑問を心の中で呟きながら託未をただただ見つめるしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまで。かなりの期間空けてしまい大変申し訳ございません。
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