Mobile Suit Gundam MUV-LUV G-ALTERNATIVE   作:武者ジバニャン

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この作品は台本形式で進行します。台本形式が嫌いな人はブラウザバックを推奨します。

それとですが、この作品にはマブラヴのストーリー内の原作時系列、設定などを無視したり改変したり、ご都合主義な部分があります。
並びにガンダムシリーズのキャラクターが今作にパラレルワールドの人間として登場したりしますし、並びにオリジナルキャラクターなども登場します。



イメージOP1「閉ざされた世界/劇場版機動戦士ガンダム00」

イメージED1「signs ~朔月一夜~/マブラヴ オルタネイティヴ トータル・イクリプス」


第三十八章 篁家での晩餐

唯依「…………」

 

今現在、篁唯依は困惑している。彼女の目の前にずっと逢いたいと願ってきた男が、こうして自分の目の前に立っているのだから。

父から彼が来ることを聞かされてはいるが、いざ前にして向かいあうと言葉が見つからない。

一方の託未は彼女の心情など露とも知らず、淡々と口を開いて…

 

託未「久しぶりだな、唯依」

 

っと何とも久しぶりの会話とは思えない、あっさりなモノである。

声をかけられ、「あ!え、えっと!は、はい!」っとしどろもどろになり慌ててしまう。

 

唯依「(久しぶりに逢えたのに、何をしているんだ!私は!)」

 

男一人に平静さを乱れる体たらく、斯衛の者として恥ずべきことであろう。

だが唯依とて一人の女である、焦がれる相手に逢えればこうもなる。

そんな一人慌てる娘に母•栴納が助け船を差し出した。

 

栴納「唯依、お客様の前で何もなしとは失礼ですよ。まずはご挨拶なさい」

 

唯依「は、はい!母様。………ほ、本日は!我が家にお出でくださり、ありがとうございます!新月様」

 

託未「新月さま?」

 

客である彼に失礼のないようにと、彼女は敢えて名字で呼ぶ。

客人に対しての礼儀としては間違ってはいないだろう。

だが託未としては「いきなり何故名字で?」と訝る。

真面目だなと自身の娘に呆れながらも苦笑してしまう両親と巌谷。

 

裕唯「唯依、そんな畏まらずに」

 

巌谷「そうさ。前に彼の話をしていた時みたく名前で言えばいい」

 

唯依「あ、それは…」

 

父や巌谷にそう言われ困る唯依。彼女とて名前で呼びたい、だがそんな失礼ことは出来ないと躊躇する。

だがそんな生真面目な彼女に託未が…

 

託未「前みたく名前で呼べばいい」

 

唯依「え?あ、で、でも……」

 

託未「無理に畏まるほうが変に見える。ディーヴァに居た時のお前の方が、自然体で良かった」

 

唯依「…………え?」

 

彼から思わぬ言葉を聞き、顔が赤くなってしまう。だが同時に嬉しくもあった、彼とのディーヴァで過ごしたあの短い時間は彼にとっても悪くはなかったんだと確認できたようなモノだからだ。

それが嬉しくて顔が綻んでしまう、二人のそのやり取りに裕唯と栴納、巌谷は微笑んで見てしまう。

 

栴納「玄関で長居してはいけませんから、どうぞ御上がりくたさい」

 

裕唯「そうだな。新月くん、さぁ」

 

託未「はい。お邪魔いたします」

 

裕唯、巌谷、託未が靴を脱ぎ、家の中へと進む。

その際、栴納が唯依に手招きする。

 

栴納「唯依、貴方着替えてなさい」

 

唯依「え?」

 

 

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客間まで来た託未はそこで、裕唯と巌谷の二人ともに寛ぎ話していた。

 

裕唯「新月くん。改めて来てくれてありがとう」

 

託未「いえ。自分の方こそ、中々お時間が取れず申し訳ありません」

 

無表情で頭を下げて見せる彼に、巌谷は苦笑し彼も彼で真面目だなと内心ぼやく。

それは裕唯も同じであった。

 

裕唯「気にしないでくれ。寧ろ誘ったのは私だ、君だって忙しいのは分かるのに無理に言った此方に非があるさ。

だから君は今回遠慮せず、此方の持て成しを甘んじて受けてくれ」

 

託未「わかりました。ならお言葉に甘えて」

 

その時、襖の向こうから…

 

 

唯依「し、失礼します!」

 

裕唯「ん?唯依か?どうぞ、入りなさい」

 

唯依「は、はい!」

 

襖が開けられ、姿を見せた唯依。その彼女の姿に巌谷と裕唯は「おー」っと声を揃えた。

 

唯依「お、お茶を、お持ちしました」

 

斯衛の軍服ではなく、着物姿でお茶を運んできた唯依。

山吹の明るい色合いの綺麗な着物を身に纏う彼女の姿は、正に大和撫子。

彼女はお茶を入れたお茶腕、重ねた茶托、清潔な布巾を乗せたお盆を運んでゆっくりと三人に茶を出した。

託未に茶を差し出した際、彼に向かい三つ指を立てて頭を下げた。

 

唯依「どうぞ、ごゆっくりお寛ぎください」

 

託未「ああ。ありがとう」

 

唯依「そ、それでは。私はお夕飯のお手伝いに…」

 

巌谷「お!ということは、肉じゃがが食べられるのかな?楽しみだ!

新月くん、唯依ちゃんの得意料理は肉じゃがなんだよ」

 

託未「そうなのですか」

 

裕唯「ああ。肉じゃがは我が篁家の伝統料理と言っても過言じゃないくらいさ」

 

託未「楽しみです」

 

唯依「っ///で、では!わたしはこれで///」

 

頬を赤くして唯依は部屋を出ていく。彼女はそのまま台所まで急いで早足で向かう。

そこではもう客に料理を振る舞うべく、母と使用人たちが既に取り掛かっている。

 

栴納「唯依、ちょうどいいわ。貴女は肉じゃがの用意を!」

 

唯依「は、はい!」

 

母に言われて彼女は自分の得意料理を作ることに。ディーヴァでは作ることがなかったが、今回は彼に振る舞い食べて貰えると嬉しく思う。

そんな娘の姿に栴納は見守りながら微笑んでいた。

 

 

________________________________________________________

 

 

そして夕餉の時間となり、託未の前に豪勢な料理が置かれる。

どれもこれも色合いよく美味しそうに作られている。

 

栴納「どうぞ、お召し上がりください」

 

託未「えぇ。いただきます」

 

真っ先に彼の箸が向かったのは、肉じゃが…唯依が作ったモノだ。

口に入れてゆっくりと噛み締めて味わう。一方唯依は、託未が自分が作った料理を味わう姿に凝視している。

音もなく静かに彼女が作った料理を噛み、味わった後感想を口にした。

 

託未「旨い」

 

唯依「あ、ありがとうございます!(良かったぁ…)」

 

栴納「良かったわね、唯依」

 

託未からの言葉に嬉々として喜ぶ唯依。そして晩餐が続く中、巌谷が託未に話をふってきた。

 

巌谷「新月くんは、料理が上手いそうだね?」

 

託未「えぇ。自炊はまぁ自然とやっていたので」

 

裕唯「そうか。是非食べてみたいな」

 

栴納「そうですね。私も是非とも味わってみたいですわ」

 

唯依「託未さんの料理は凄く美味しいんですよ!」

 

彼のことを絶賛する唯依、そんな娘の言葉に自分たちもいずれ肖りたいと願う彼女の両親。

他愛のない会話がこの後も続く中、巌谷が突然…

 

巌谷「そう言えば、新月くん。恋人とか居るのかね?」

 

唯依「おじ様!何をいっているのですか!?」

 

突然の言葉に唯依が声を荒げる。日本を救った英雄である託未になんて下世話な話を!と巌谷を諌めるが、しかしその彼女本人、内心それに凄く気になっていた。

彼程の男だ、きっと居るのでは?と思ってしまう、そんな心で知りたいという気持ちが渦巻く。

そこへ栴納が口を開いて、自分も知りたいと口にする。

 

栴納「あら、私も是非知りたいです。唯依だって知りたいでしょ?」

 

唯依「か、母様!………はい」

 

チラっと彼女は徐に託未に視線を向ける。そんな彼女の知りたいという気持ちに答えるのか、託未はため息を吐いてから答える。

 

託未「…恋人、ですか。居ました」

 

唯依「っ!!………(やっぱり…)」

 

彼の答えに唯依は誰の眼から見ても分かるぐらいに、一気に落ち込んでしまう。

 

裕唯「過去形のようだが……まさか」

 

託未「あー、恋人…この場合、元ですか。彼女は死んでません、ただ事情があって別れただけです」

 

唯依「…………………え?」

 

別れたという言葉を聞いて落ち込んでいた唯依の表情から暗さが消える。

 

巌谷「事情、とは?」

 

託未「自分たちは元の世界で、敵に対して過剰なまでに容赦ない所があり、それが災いして世界から狙われることになったのです」

 

事実、彼は元の世界にてジェネレーション•システムを巡って各ガンダム世界で多くの戦場で暴れに暴れた。

宇宙世紀では、ジオン公国が始めた一年戦争、そのジオン残党のデラーズ•フリートが引き起こしたデラーズ紛争、連邦内部で二分したエゥーゴとティターンズ、そしてアクシズの三つ巴となったグリプス戦役、そのグリプス戦役で崩壊したティターンズと戦力激減したエゥーゴを出し抜き戦力温存して地球圏に返り咲き、覇権を握ろうとしたハマーン•カーン率いるネオ•ジオンとの抗争、だがそのネオ•ジオンを吸収して地球寒冷化させようと新生ネオ•ジオンを率いて宣戦布告したシャア•アズナブルとの争い。

そのシャアの反乱から今度はネオ•ジオン残党組織「袖付き」とのラプラスの箱を巡っての戦い、それが終わって次にマフティー動乱が起きた。

それ以降も数々のガンダム世界の戦乱に身を投じた彼ら五人、敵が誰であれどんな存在でも五人は徹底して慈悲なく情け無しにその命を次々に葬ってきた。

 

そしてジェネレーション•システムの暴走と世界の危機、アメリアスとの最後の戦いでそれらを解決させたが、彼ら五人が世界からしたら危険であるのは変わらない。

しかし五人と行動を共にしてたマーク•ギルダーたちまでも巻き添えには出来ないと考え、元の世界から出ていくことにしたのだ。

その為、託未は自分と恋仲となったエターナ•フレイルと別れることにした。

 

その別れを切り出した際、彼女は最初涙ぐみながら何度も何度も首を横に振って、託未の胸に抱きついたり叩いたりして拒絶した。

だが結局、託未の意思を変えることは出来なかった。彼女は諦め最後にはそれを受け入れた。

 

託未「なので彼女と別れました」

 

裕唯「……そうか」

 

巌谷「ふむ」

 

裕唯と巌谷は何か思い、それ以上何も聞かなかった。

だが栴納は……

 

栴納「………ですが、その方はきっと新月さんと寄り添い生きて行きたかったと思いますよ」

 

託未「…………」

 

唯依「託未さん…」

 

女性からの意見はこうも男に鋭く説く。女としては託未のやった行いは、男の独善的なものなのだろう。

栴納としては許せないのかもしれない。

裕唯と巌谷は栴納の言葉に気まずいと言った顔をして、唯依はずっと不安げに託未を見つめる。

 

だが託未は…

 

託未「自分と彼女は………心から思い合ってからの恋愛ではありません。

傷の舐めあいから始まって、それを払拭するが為に築いたものです、言うなれば依存です」

 

栴納「ですが……」

 

栴納はまだまだ納得出来なかった。それが歪から始まった恋でも、いずれ思い合っていけば良いとも思える。

だが託未は淡々と栴納にこう告げる。

 

託未「それに自分は、戦場が生きていられると実感してしまう戦争依存者です。

遅かれ早かれ、彼女とは破綻していたと思います。

彼女は…殺伐と生きてる俺よりも、人間らしいやつと結ばれた方が幸せかと思います」

 

その心でエターナと結ばれやすい男は誰かとふと思った。ネェル•アーガマのメンバーで可能性がある男を考えると………

 

託未「(マークぐらいか……?いや、あいつは確か副艦長のニキ•テイラーと親密だったような…?)」

 

託未がそんな考えに耽っているなか、栴納は諦めたような顔をしてしまう。

この男はこう決めたら曲げないのだろうと思う、きっとこれからもそうするのだろうとも。

そんな彼を見ながら、娘•唯依に耳元で……

 

栴納「唯依、貴女もとんでもない殿方を懸想してしまいましたね」

 

唯依「か、母様!」

 

栴納「でも覚悟しておきなさい。きっとその道は棘どころか、修羅の道です」

 

唯依「は、はい」

 

自分の思いが彼にそこまで届けられるのか、それにこれが恋愛かただの憧れ程度なのか、それをハッキリ出来ていない。

そんな不安げに表情を暗くしてしまう唯依に、困った娘だと苦笑する栴納が……

 

栴納「新月さん、今日はお泊まりになってはいかがでしょうか?」

 

託未「は?」

 

唯依「え?!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまで。
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