Mobile Suit Gundam MUV-LUV G-ALTERNATIVE   作:武者ジバニャン

50 / 70
この作品は台本形式で進行します。台本形式が嫌いな人はブラウザバックを推奨します。

それとですが、この作品にはマブラヴのストーリー内の原作時系列、設定などを無視したり改変したり、ご都合主義な部分があります。
並びにガンダムシリーズのキャラクターが今作にパラレルワールドの人間として登場したりしますし、並びにオリジナルキャラクターなども登場します。



イメージOP1「閉ざされた世界/劇場版機動戦士ガンダム00」

イメージED1「signs ~朔月一夜~/マブラヴ オルタネイティヴ トータル・イクリプス」


第四十七章 彷徨

 

託未は一人、暗闇に佇む。辺り一帯何一つ光のない虚空…自分はどうして此処に居るのか、託未は一人呟く。

 

託未「此処は…どこだ?」

 

彼がそう口にしたその時だった…。

 

???「此処は…君が、殺し、葬った者たちが彷徨う場所だよ」

 

託未「ん?」

 

託未は声がする方へ振り向くとそこに居たのは、ザフト軍のエリート指揮官の証である白服を身に纒い、顔には仮面を着けた金髪の男…その男は嘗てザフト軍屈指のエリート部隊「クルーゼ隊」の隊長を務めたラウ•ル•クルーゼ。

だが彼の正体はナチュラルであり、ムウ・ラ・フラガの父親・アル・ダ・フラガのクローンとして、キラ・ヤマトの父親・ユーレン・ヒビキによって生み出された。オリジナルが既に高齢と言える歳のクローン故にテロメアに問題が起きた為にオリジナルであるアル•ダ•フラガから捨てられたラウは不完全な自分を生み出し捨てたアルと、それを招いた人類の競争や人間の小さな感情が肥大化した人種間の対立を憎悪し、いつしか人類対立の背中を押し、戦争の激化による人類の滅亡を望むようになる。

 

だが彼はキラ•ヤマトに討たれ死んだ。そのラウ•ル•クルーゼが飄々と託未の目の前に立っている。

 

託未「……お前は」

 

ラウ「驚きかね?」

 

託未「何が」

 

ラウ「死んだ私が此処にいることにさ」

 

託未「ここがお前が言うような場所なら、お前が此処に居るのはおかしいだろ。

お前を殺したのは俺じゃない、あのガキだ」

 

ラウ「ふ、ふふふっ!ハハハハッ!」

 

っと冷淡にクルーゼにそう言う。だがクルーゼはふてぶてしく嗤い託未を見下すかのように見る。

 

ラウ「確かに止めは彼…キラ•ヤマトだ。だが、それまでは君が!私と殺し合って、私を簡単に追い詰めたのは間違いなく君だ!シンゲツタクミ!」

 

託未「そうだったか?覚えてない」

 

ラウ•ル•クルーゼは飄々とした嘲笑から一変、仮面を被っているにも関わらず怒りが見える。

それくらいに彼にとって託未は決して許せないぐらいに憎んでいる。

それには理由がある。第二次ヤキン•ドゥーエ攻防戦…地球連合とザフト軍との事実上の最終決戦にて、ラウは自らプロヴィデンスガンダムに搭乗して出撃、その圧倒的な戦闘力で多数の敵機を撃墜、ムウのストライクやディアッカのバスターをキラのフリーダムと戦いつつも易々と退けるも、その当時ラクス•クラインを中心とした三隻同盟に力を貸すこととなったマーク•ギルダーたちと共にしていた託未と、彼のHi-νガンダムと此処でぶつかり合い戦った。

戦闘の内容は互いにプロヴィデンスのドラグーン、Hi-νのフィンファンネルでの応酬から始まったが、託未の能力の前に成す術なくドラグーンの半数を破壊され、左足をビームサーベルで切り裂かれた。

あと少しでプロヴィデンスを討つところだった矢先、ラウにフレイ•アルスターを殺されSEEDを発現させたキラが駆けつけたので、託未は彼にバトンタッチし退いた。

託未によって追い詰められたラウはその後、キラによって討たれた。

 

ラウ「君ような奴はキラくんよりも厄介な奴だよ。彼が人の夢の結晶ならば、君は人の業と罪の塊ではないか!!」

 

託未「…………」

 

そう託未に指刺しながら高々に嘯く。

 

ラウ「なのに君は、その後も多く戦いで多くの命を奪ってきた!!

知らぬと背き、忘れたと逃げ、捨てて見放す!!」

 

託未「よく喋る奴だ、生まれ変わりがあるなら九官鳥になれるぞお前」

 

対し託未は全く冷淡さを崩さず、クルーゼの言葉を一蹴する。

だがクルーゼの口元が吊り上がり、嗤う。

 

ラウ「…………フっ、いつまでもそう余裕ぶれるか、見物だな、後ろを見たまえ」

 

託未「後ろ…?」

 

そう言われて徐に何の迷いなく後ろを振り向いた。その瞬間、彼は初めてそこで動揺し、心臓の鼓動が羽上がる。

彼の視界に映るのは一人の女性…頭に左右に青い髪留めのような何かを付け、長い銀髪を靡かせる。

 

その女性は託未が自分に気付いてくれたことに嬉しいのか、顔を俯かせたまま笑みを浮かべる。

そしてそのままゆっくり、ゆっくりと一歩、また一歩と彼に向かって近づいていく。

 

託未「っ!!…くっ!!なにっ!?」

 

逃げようと足を動かそうとしたが、何やら自分の足が動かすことが出来ないまるで何かによって掴まれ身動きを奪われているようだ。

すぐに足元に目を向けるとそこには無数の骸骨たちが、彼の足を掴み逃げるのを阻む。

何とか振り払おうと足掻くが、それでも亡者たちは託未を逃がさんと決して離そうとしない。

 

ラウ「フハハハハハッ!それが君の罪だよ!何処に行こうとも君は逃げられないのだから…フフフッハハハハッ!!」

 

そんな足掻く託未を嘲笑いながらラウ•ル•クルーゼは何処かへと消えていく。

ラウが消えた先を睨む託未であったが…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………タクミ

 

 

託未「…………っ!?」

 

ゆっくりと彼は振り向くと、銀髪の女性がもう目の前でしかも身体と身体が密着していた。

女性は両手で彼の顔を愛おしく包み、撫でる。だが受ける託未からしては不愉快だった。

何せ彼女の両手から伝わるのは、冷たさとヌルヌルとした生々しい不快な感触……それが何なのか直ぐに分かった。

血…彼女の両手の掌には夥しい血が塗りたくられている。

そして………

 

 

………タクミ、もう何処にも行かないで………お願い、此処で私と……

 

託未「やめろっ………離れろっ!」

 

……死んで?

 

託未「やめろぉおおおおおおおーー!!」

 

 

そこで暗転し………

 

 

 

________________________________________________________

 

 

託未「ハッ!……はぁ…はぁ……」

 

宗陰「目が覚めたか?」

 

託未「はぁ…はぁ………しゅ、宗陰」

 

目が覚めた託未、起きた場所はHi-νガンダムのコクピット内部であった。

彼は今までHi-νのメンテナンス中だったが、眠りについてしまいコクピット内部で夢を見ていたのだ、それも魘され苦しんで。

一向にコクピットから出てこない託未が気がかりだった宗陰は、気になって入ってきたのだ。

 

宗陰「そうとう魘されてたぞ?」

 

託未「ああ………まぁな。夢で会いたくもない奴にあった」

 

宗陰「どんな奴だ?」

 

託未「仮面被った破滅思考のサイコパス」

 

宗陰はそれを聞いて「そうか」と含み笑いを浮かべる。そこへ宗陰は本題を話し始めた。

 

宗陰「そうだ。殿下が俺たちと大事な話しがしたいそうだ」

 

託未「…………いつだ?」

 

宗陰「明日、だそうだ」

 

それはつまり自分たちの今後のことだろうと、誰もがわかることであった。

それを考えると頭痛が襲う。

 

宗陰「大丈夫か?」

 

託未「…………ああ。システムを使った弊害だろう」

 

宗陰「仕方ないさ、久しぶりに使ったからな」

 

託未「そうだな」

 

彼らが使ったシステム…P•B•B、サイコ•ブレイン•バーサクシステム。

それは後頭部に埋め込まれた「端子」という箇所に、「プラグ」という有機デバイスをダイレクトに接続すると、プラグ内部のナノマシンと彼らの体内にあるナノマシンが結合して活性化し、脳内に大規模な空間認識を形成し直感的かつ迅速な機体操作が可能になり、更には先読み能力を過剰なまでに向上する。

直後的に脳とMSのリンクにより、常人では不可能なモビルスーツ操縦を可能とし、サイコミュ兵器の使用も従来のニュータイプや強化人間によるサイコミュ操作とは比較にならない処理速度で操作が可能となる。

 

簡単に言えば、Gガンダムのモビルトレースシステムを座ったまま脳とモビルスーツの操縦システムをリンクすることで可能となる。

だが代償として、肉体に激しい激痛や頭痛、吐き気が襲う。だがその程度で済めば御の字だ、そうその"その程度"で。

 

宗陰「行けるか?」

 

託未「動ける」

 

二人はそのままHi-νから出ていく。

 

 

________________________________________________________

 

 

白陵基地にあるディーヴァの艦橋に移動した託未と宗陰は、森羅と睦城、蒼真を交えて話しを行う。

 

託未「明日、殿下のもとに向かう」

 

蒼真「俺らをどうするかって話?」

 

気だるげに椅子の上で胡座をかいて座る蒼真が問いかける。

森羅なんかは操舵主の座席で寛ぎながら耳を傾け、睦城は通信士の端末機で作業しながらも聞いている。

 

託未「そうだ。俺たちを殿下の部下にするかどうかの、な」

 

森羅「ってなるとよぉ、殿下や紅蓮大将なんかが俺らに質問責めしそうだよなぁ……あんなことしちまったわけだしよ」

 

っと最後に欠伸をして怠そうにする森羅、確かに彼の懸念はもっとも。

帝都城に行けば真っ先に託未たちは、横浜での出来事を追求されかねない。

 

睦城「まぁ行かないと始まらないですし」

 

そう端末機をタイピングしながら睦城は口にする。

 

託未「じゃあ明日、殿下のもとに向かう。宗陰、俺はこの後香月に会いに行ってくる」

 

宗陰「了解」

 

 

________________________________________________________

 

 

夕呼の研究室にて……。

 

夕呼「そう…分かったわ。まぁこっちもこっちで引っ越し作業あるからかまわないわ」

 

託未「横浜基地、か。まさかハイブの真上に基地を建設するなんてな」

 

夕呼「えぇ。これも全部傍迷惑なアメリカのあのオモチャのお陰ね…皮肉なことだけど」

 

堪らなそうに夕呼は冷めた顔で呟く。彼女としても今回のアメリカの独断専行に酷い不快感を抱いていた。

無理もない、第5計画の代表的兵器であるG弾によってハイブは攻略できたがこの事により帝国軍、国連軍、大東亜連合の被害は流して済むことではなかった。

あの事前通告無しの一撃に1000人以上の被害が出てしまい、更にこの事でアメリカに対しての怒りと憎悪は計りしれなかった。

 

託未「…じゃあ俺は行くぞ」

 

夕呼「えぇ。嗚呼そうだわ!」

 

託未「なんだ」

 

夕呼「これからは互いに名前で呼びましょ?」

 

託未「なぜ」

 

突然のことにどういうわけか理解出来ない託未に、夕呼は笑みを浮かべる。

 

夕呼「私たちは謂わば一蓮托生、つまりこれからどんな汚いことも共有する立場になるってことになるんだし」

 

託未「それで名前呼び合う意味、あるのか?」

 

夕呼「女の願いを聞くのも良い男の証よ?」

 

託未「………分かった。別にいいぞ」

 

託未からしたら名前であろうが、苗字であろうが大したことではないと考え彼女の望みを聞くこととした。

 

託未「じゃあな、夕呼」

 

夕呼「えぇ…託未」

 

部屋から出る前にドアの近くにいた霞にも声をかけながら、頭を撫でる。

 

託未「じゃあな、霞」

 

霞「はい」

 

っとその時だった。霞のウサギ耳のヘアバンドがピクッと動き、彼女の顔が一瞬「え?」と呆気にとられたモノになる。

そんな彼女を置いて託未はそのまま部屋から出ていく。

託未が居なくなった後、夕呼はずっとポカンしてる霞に声をかける。

 

夕呼「ん?どうしたの?社」

 

すると霞から思わぬ一言が…。

 

霞「新月さんの、心が一瞬見えた気がします」

 

夕呼「え…?」

 

 

________________________________________________________

 

 

通路を歩く中、託未はまりもと出くわす。

 

まりも「あ、新月さん…」

 

託未「軍曹か」

 

まりも「あ、あの!」

 

まりもは何か言いたそうにしていた。

 

託未「どうした」

 

まりもは意を決して彼に問いかける。

 

まりも「…新月さんは、どうして戦うのですか?」

 

託未「どうして、だと?」

 

まりも「…………はい」

 

彼女はどうしてそのような質問を投げ掛けるのか、託未は訝しむ。

だが彼女の眼は決してふざけてる訳でも、興味本位での問いかけでもなかった。

彼女は一切眼を此方に反らすことはなかった。彼女は託未の答えがかえってくるまで動かないとばかりに待っている。

 

託未「…俺が戦う理由は、生き続けるだけだ」

 

まりも「…どうして生き続けたいのですか?」

 

託未「それは…」

 

その時何故か彼の口が止まる、この先が何故か口に出せなかった。

いつもなら出せるはずが、何故か出せなかったのだ。

 

そして……

 

 

託未「…………俺にも」

 

まりも「…………」

 

託未「…………俺にも、分からん」

 

そう口にした際、彼女の、神宮寺まりもの託未を見つめる眼がとても悲しいものを見るようなモノになっていた。

それが託未にとって居たたまれないのか、無言でその場を後にする。

 

背中を見せて託未はその場から一刻も早く居なくなろうと歩く速度が上がる。

 

まりも「新月さん……」

 

彼女はずっとただ悲しげに彼の背中を見続けるしかなかった。

 

 

 

________________________________________________________

 

 

その翌日、帝都城に赴いた五人。中を歩く際、周りの斯衛の者たちの彼ら五人を見つめ視線が突き刺さる。

好奇、羨望、嫉妬、期待など彼ら五人に向ける視線は様々であったが気にせず、悠陽が御座す上座の間へと続く通路を歩く。

 

そして五人を待っていたのは、政威大将軍たる煌武院悠陽と紅蓮醒三郎、月詠真耶、崇宰恭子、斑鳩崇継、そしてもう二人、紅蓮や恭子、崇継と真耶と同じく斯衛の軍服を身に纏う壮年の男性とポニーテールで黒髪の女性が待っていた。

 

悠陽「お待ちしておりました、託未様。さぁ此方へ…」

 

託未「ハッ」

 

これから自分たちについての今後を話すのだろう。果たしてどうなるのか……。

 




今回はここまで。こんな出来ですが、よろしくお願いいたします。
アンケート投票終了日は今週金曜日とさせていただきます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。