「貴方のやり方、嫌いだわ」
「人の気持ち考えてよ」
二人に拒絶とも取れる言葉を言われた。
一人竹林を抜けホテルに帰る途中に、八幡を待つひとが。
「比企谷君…」
「…雪ノ下か」
「あの…、さっきのは…」
「…あんな方法しか思いつかなかったんだよ」
「違うのよ。その…、あんなこと言って、ごめんなさい」
「雪ノ下?」
「私はクラスが違うから、何も出来なかったのに、あんなこと言う資格はないのよね…」
スカートの裾を強く握りながら続ける。
「あれは、貴方を否定した訳じゃなくて、貴方が傷つくのを見たくなかったの…。でも、あの土壇場であれしか方法が貴方にはなかったから仕方なかったと思うのよ…」
「そ、それに…」
顔を赤くし俯きながら、更に言葉を続ける。
「なんで、あの言葉が出てしまったのか、さっきわかったのよ…」
「ゆ、雪ノ下…」
「わ、私は…、比企谷君のことが…好き…みたい…なの…」
「へっ?」
「な、なによ、その反応は」
「いや、『みたい』って」
「し、仕方ないじゃない。男性を好きになったことがないのだから…」
「いや、しかしだな…」
「貴方が私以外の女の子に告白してる姿を見て胸が苦しくなったのよ…。一人でホテルに向かいながら、答え合わせをしたら、どうやっても、貴方のことが好きって答えになってしまうのよ…」
「お、おう、そうか…」
「その…、返事を聞かせてほしいのだけど…」
「お、俺は…俺は…」
帰りの新幹線。車窓の風景を眺める比企谷八幡。向かい側の席では、仏頂面の川崎沙希とニコニコ顔の戸塚彩加。
比企谷八幡の隣には、目を閉じて八幡によりかかる雪ノ下雪乃。手はしっかりと『恋人繋ぎ』されている。
「あ、あの…、恥ずかしいんで、やめませんか?」
「あら?初めて出来た彼女にこうされて不満なのかしら?」
「そんなことないでしゅ」
「ふふふっ」
「ふんっ」
友達に彼女が出来て嬉しい戸塚と心中穏やかではない川崎。
そして、通路に…。
「ヒッキー?ゆきのん?」
呆然と二人を見つめる由比ヶ浜結衣。
「こ、これはだな由比ヶ浜」
「ごめんなさい、由比ヶ浜さん。私と比企谷君はお付き合いすることになったの」
「ゆ、ゆきのんの裏切り者~!!」
新幹線の通路を走り去る由比ヶ浜。
「結衣~!!」
追いかける三浦優美子。
「後で説明しないとな」
「そうね」
そして、デッキで電話をしている男が一人。
「は、陽乃さん、雪乃ちゃんとヒキタニが付き合うって…」
『そっかそっか~。雪乃ちゃんやっと動いたかぁ』
「陽乃さん、俺はどうすれば…」
『隼人、アンタは何もしないこと』
「で、でも…」
『もし、邪魔をしようとしたら…。潰すよ』
「ヒィッ!!」