Start Rain〜幸せの雨〜   作:雪憐

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や、やっと3話目…(続くかなぁこれ…?)
それではどうぞ!


3

どうしてこうなったんや。

眼前に広がるのは礼儀も知らないイキった連中ばかり。きっとその手に握るマイクの本当の危険さえも知らないアマチュアに近い奴らだろう。 力の入らない腕には苦痛に耐えきれず顔を歪め呻く、相方。

「ったく…舐められたもんだなァ俺たちのチームも。それともまだ顔、売れてないのか?」

ザッ。

「盧笙、簓も。動けそうなら手ぇ貸してくれ」

無理だけはすんな。そう言い残し自称詐欺師は自分らとは比べ物にならない『いろんなもの』を背負った背中を見せる。一連の詐欺のように一見わかりにくい、しかし確実なダメージを与えるリリックがどこからともなく現れたスピーカーと零自身から紡がれてゆく。

 

ことは僅か数十分前。仕事の多忙さゆえからか疲労を自ら示した簓を一人で帰すわけにも行かず人気の少ない住宅街を零と共に送っていたときだった。

「ってなことがあってな?やぁ〜タクシーの運転手さんも運転手さんで大変なんやなぁ〜」

さっきまで体調が優れないと言っていたはずなのにその口は止まることを一向に覚えなかった。簓本人といえば俺はお笑い芸人やで?喋ってしゃべりまくってなんぼや!と随分と調子がいいようだった。

「おま…ほんま口止まらへんな。体調悪いって嘘やったんか?全く心配させよって…」

「盧笙せんせーほ〜んと息子想いだな」

どこか皮肉げに零がいらん茶々を入れてくる。

「で?俺多分結婚せえへんけどやっぱり息子が離れるって辛いもんなんか?」

にやにやと零に合わせて簓まで余計なこと聞いてくる。

「誰がお前のオカン言うたかボケッ!」

バシっ!あまりにも素っ頓狂なことだったのでついどついてしまった。肝心の本人はどこか嬉しそうに零と笑い続けてる。どつかれても尚喋りときにつまらん親父ギャグをかます簓、それに悪乗りする零、そして二人のボケを突っ込む俺。いつも通りの俺らの日常。

(のはずなんやけどな…)

やはり体調を訴えたあたりから簓の様子がおかしい。全く目をこちらに合わせてくれない。しかも俺だけに。度々「お笑い芸人の白膠木簓やぁ!」と叫ぶファンにも酒が入って怪しさ(おかしさ?)割り増しになった零にもそれぞれの簓として普通に接しているのに俺にだけ距離をとっているのだ。直に聞くのもどうかと思うし、会話は割と成立してる。しかしやっぱり俺から目を合わせに行くとフィッと目を逸らされる。そのままどうしようも出来ず時間だけがぐでぐでと過ぎて行き声を掛けるのを迷い続けていたからだろう。

「なあ、さ」

躊躇いに躊躇ってようやく腹を括ったときだった。

「盧笙危ないっ!!」

俺は自身に迫りくる危険に気付くことが出来なかった。

「え?ってうわっ!!」

ドンっ!

ないはずの別の温もりがぶつかってきた。

ドガァアン!!

聞き慣れた衝撃音が鼓膜を震わせた。

一度目は簓がどついてきた衝撃。二度目は…

 

俺を庇ったことでもろに喰らった攻撃が簓越しに伝わってきたもの、だった。

 

「…ぅあ、さ、さら?」




今回はチンピラ連中に違法マイクで襲われてた感じです。この世界線について知らない方もいると思うので箇条書きで説明すると…
・女性が一番!な男女優劣のある世界
男〈 女な感じ
・武器は完全撤廃され今は交感神経系に音で作用する『ヒプノシスマイク』を使った勝負が主流
・女性は好きなところ住めるけど男はヒプノシスマイクを使ったディビジョンバトルで住む場所が決まる。
・今の所有力なチームはイケブクロ、ヨコハマ、シブヤ、シンジュク、ナゴヤ、オオサカの6チーム
・日本を制圧している中王区のあれやこれやに上の6チームは利用されているふしがある。

といった、感じです。他にも各チームの親族に当たる人たちが誘拐されたり昏倒させられたり洗脳されたりなんてことも起きていたりします。
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