真剣で甚爾に恋しなさい!   作:ハリボー

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やっとHR110になったぜ。

どうもハリボーです。

お待たせしてしまって申し訳ありません!…あれ?待ってくれてらっしゃる、読者の方っているんだろうか?涙

仕事とRISEが忙しくてなかなか進まなかった笑笑

実は友達にマジ恋A持ってる人いたんですよ。でね、橘花さんルートやらしてもらったの。人一人抱えてあの移動速度何?マジで!?けど甚爾ならできそうな気がする。てか虎杖が釘崎抱えて走ってるからできるなうん。そろそろねちょい出したいキャラいるんすよ。男キャラで。誰かな?誰かな?ヒント教師やってても違和感ない人!


転入・再会・連なる者

チチチッ、チュンチュンチュン

 

朝。夏にさしかかり、起きると寝汗をかいている。なんて事は、誰もが経験した事があるだろう。人間ならば誰しも汗をかく。例外はない。そう、この男においても例外ではない。

 

「…あちぃ。」

 

体を起こし、体にかけられていた、タオルケットをどかす。己の寝汗の感覚に、不快感を覚えているのは誰であろう。甚爾である。うなじ辺りを触ると、ベタっとする感覚が不快だ。

 

ガチャ

 

「あら、おはよう。」

 

そう言って入って来たのは翔鶴。シャワーでも浴びて来たのか、バスローブを巻き、頭をタオルで拭いている。どおりで、隣に1人足りないわけだと納得する。

 

「今日が編入初日なのに、昨日あんなにスルんだから。汗すごいわよ?瑞鶴と一緒に浴びて来たら?」

 

「ああ、そうする。…んっ。」

 

「んっ…じゅぷ……ふ…ぢゅうう…ちゅる…んふ…れろ…んんちゅ……これ……んん!……い…ちこ……んん…しちゃんんっ!」

 

長い長い口付け。離せば2人を繋ぐ糸の橋がかかっている。ダメ押しに橋と翔鶴の唇を舐め、ようやく離れる。

 

「もう。朝ごはん作ってるからね?」

 

「おう。」

 

そう言ってサッサと服に着替え、寝室を出ていった。そして自分も早くシャワーを浴びなくてはと、隣で眠る瑞鶴を起こす。

 

「おい。いつまで寝てんだ。」

 

「起きてる。」

 

「ならさっさと「無理」は?」

 

「腰。ダルくて立てない。」

 

完全に己のせいだと分かる。

 

「(そういや最後の方、コイツ気絶してたような。)」

 

夜の記憶を呼び起こし、原因は分かったが編入初日に遅刻したとなれば、局になんと言われるかわかったものではない。

 

「だから、ねぇとうじ…抱っこして?」

 

口元を枕で隠し、上目遣いで抱っこを要求してくる瑞鶴に、断る事など出来ず抱っこしようとするが、避けられる。

 

「おい。抱っこしろって言ったのお前だろ。」

 

「違う。ん!ん!」

 

違うとは?抱っこをせがんだ。しかし違う。だがどう見ても、いまだに抱っこを求め両腕をこちらに伸ばす。数秒考えついに答えに至った。そして瑞鶴をヒョイッと軽々持ち上げる。

 

「これで良いんだろ?お姫様。」

 

「うん。」

 

満足そうな笑顔で甚爾の胸板に顔をすり寄せる。そのせいか服を着ていないため、瑞鶴の女性の部分が色々とあたり朝から我慢ができそうにない。2人がシャワー出て来たのはそれから30分後だった。

 

 

 

 

ー川神学園ー

 

「ね?今朝のニュース見た?」

 

「見た見た!英雄のクローンでしょう!」

 

「今日の朝礼で会えるんだよね?楽しみーー!」

 

学園内どこでも、九鬼が現代に過去の英雄のクローンを誕生させた話題で持ちきりであった。なんでも今日、この学園に転校してくると今朝のニュースで報道されており、皆が浮き足立っていた。

 

「源義経・那須与一・武蔵坊弁慶、超ビッグネームだ!クゥ〜早く会いたいぜ!」

 

そう叫ぶのはF組の風間翔一。通称風間ファミリーのリーダー。

 

「お姉様もハイになってるからね。でも…」

 

「ああ、かなり無理してるな。半年前からずっと…心ここに在らずって時が多い。」

 

そう武神こと川神百代がおかしくなったのは、約半年前だ。朝に会った時はいつも通りだったが、金曜集会に来た時には心ここに在らずといった感じになっていたのだ。それからと言うもの、鍛錬中に虚空を見つめ何かを呟き、何もない空間にあたかも敵がいて自身は何もできず動けない状態の様な感じで、ただ立ったている事が見受けられる。

 

「だが、もも先輩とて英雄のクローンが相手となれば前みたいに戻るに決まっている。」

 

「クリスに賛成。今はもも先輩を見守ってあげよ。母親の如く母性に溢れる女です。大和結婚して。」

 

「お友達で。」

 

「ちっ、ダメか。」

 

「前半の言葉に賛成の言葉を返したら、そのまま後半も賛成したことになりそうだったからな。」

 

そんな風間ファミリーの、いつものやりとりをしていると、担任である小島梅子が教室に入って来た。

 

「みんな、おはよう。」

 

「「「「「おはようございます!」」」」」

 

「早速だが、これからグラウンドで全校朝礼を行う。すみやかに廊下に整列して移動を開始するように。」

 

 

 

 

 

ーグラウンドー

 

「ウォッホン。皆おはよう。」

 

川神学園学園長、川神鉄心が挨拶をする。

 

「今朝のニュースで既に知っておるだろうが、今日より学友が増える。高め合う相手としても最高級じゃ。仲良くするように。ちなみに転校してくるのは、8人。」

 

え?8人?とそこらかしこで疑問の声が上がる。義経、弁慶、与一の3人では?ニュースでも3人と報じられていた。

 

「ホッホッホ。皆の疑問は最も。武士道プランの申し子は4人。2人は関係者。後の残りの2人はまた別組じゃ。まずは3年生、3ーSに1人入るぞぃ。」

 

「ほう、私のクラスか。…物好きな奴もいたものだ。」

 

そう発言するのは3Sの京極彦一。言霊を操るイケメンだ。

 

「残念で候。しかしこの時期にSとは、随分な学力で候。百代?」

 

3ーFの矢場弓子が百代に話しかけるが、彼女は上の空。歴史的武人のクローン。この武神が、食い付かないわけがないと思っていたのに、この反応。2人は百代が大丈夫なのか本気で心配になって来た。

 

「それでは葉桜清楚、挨拶せい。」

 

鉄心の声とともに、しゃなりと女の子が前に出た。そのまま、ゆっくりと壇上に上がっていく。

 

「…これはこれは…なんという清楚な立ち振る舞い。」

 

男子達からは、はぁーと言うため息が漏れた。

 

「初めまして、葉桜清楚です。皆さんと会えるのを、楽しみにしていました。これからよろしくお願いします。」

 

男子達から歓声の声が上がる。まさに、大和撫子といった振る舞いに皆歓喜した!

 

質問タイムに移り、卑猥な質問をしたものは、梅子にしばかれる。

だが、皆気になっていた質問が上がった。葉桜清楚は誰のクローンなのか?葉桜清楚などと言う武人は、存在しない。

 

「実は、私も知らないんです。」

 

 

「で?実際のところどうなんです?英雄。」

 

質問するのは葵冬馬。

 

「実の所、これについては我にも知らされておらんのだ。」

 

答える男は、九鬼英雄。甚爾にとっての甥である。

 

彼女は、自身が25の歳を迎えるまで誰のクローンなのか教えてはもらえないならしい。なぜ25歳なのか?謎は深まるが次の者の紹介に移るのだった。

 

「皆、テンションが上がって来たようじゃな。よいぞ、よいぞ!2年に入る5人を紹介じゃ。全員が、2ーSとなる。」

 

「ほーぅ、此方達たちのクラスとは命知らずな奴。」

 

「まず、源義経、武蔵坊弁慶。両方女性じゃ。」

 

その言葉に、義経は美男子と語られていたことから、美少女だと皆思ったが、弁慶は違う。ゴリマッチョの厳つい女だと誰もが想像した。

 

「こんにちは、一応、弁慶らしいです。よろしく。」

 

まさかの、おねいさん系の美人だった。

 

「結婚してくれーーーーー!」

 

「死に様を知った時から、愛してましたーーーーーーー!」

 

皆、手のひらを返すのが早かった。

 

2人も早速自己紹介に移ったのだが、そこで弁慶が川神水を飲み酔っ払ってしまった。なんでも、学年3位をキープするのを条件に学校内で川神水を許可されたのだった。

 

「では次に那須与一、出ませい!」

 

しーーーーーーーーん。

 

「「「「「「?」」」」」」

 

姿を探すも、どこにも影も形も見当たらない。

与一は…サボった。この時点で弁慶によるお仕置きが決定したのだった。当の本人はと言うと、屋上のベンチに寝転がり

 

「ふん。たかだか2年の付き合いで、何故群れる必要がある。」

 

得意武術 弓

 

性格   中二病

 

 

 

「ふぅ、仕方がないのぉ。では切り替えて、続いて残りの2人を紹介と行きたいが、家の用事で遅れると連絡があり、最後にするぞい。続いては1ーSに入る2人じゃ。」

 

その時、校門にリムジンが止まり九鬼の従者達が並んで肩を組み始める。そしてその上を優雅に歩く少女。

 

「ふはははははは!」

 

全校生徒が悟った。

 

「何を隠そう、我の妹である!」

 

(((((見たら分かるわ!)))))

 

「見たら分かるわ!」

 

(((((よく言った!不死川!)))))

 

心の中で皆が称賛を送る。

 

「この度、飛び級で入る事となった九鬼紋白である!皆よろしく頼むぞ!」

 

「自分が恋に落ちる瞬間を、自覚してしまった。」

 

ロリコンハゲが何か言って、周囲の女子達から冷めた目で見られる。

 

「あの、もう1人は?」

 

壇上に立つのは紋白とその護衛。まさか?

 

「1ーSに入る事となりました。ヒューム・ヘルシングです。皆さんよろしく。」

 

もう何も言うまい。

 

「あの人が。」

 

「強いで候?」

 

「強いなんてもんじゃないぞ。九鬼の零番だ。けど、お年かな?思ったよりも強くなさそう。」

 

「打撃屋としては筋肉量が足らないなぁ。」

 

「いつの間に背後に!」

 

「今わかった。お前もまだまだ赤子だ。」

 

シュン!

 

「消えたで候!」

 

ヒュームが消えると同時に、壇上にはクラウディオが現れる。

 

「皆様、私は九鬼家従者部隊序列3番クラウディオ・ネエロと申します。今回、武士道プランを成功させるべく我々、従者部隊が校内に立ち入ることになりますが、どうぞ心配はなさらないでください。」

 

まさに紳士といった振る舞いで、理解を得たのである。

 

「というわけじゃ。皆は気にせず勉学に励むが良い。」

 

ここで生徒の中から質問が上がる。

 

「残りの2人の紹介はまだですか?」

 

残りの2人は未だ紹介されていない。家の用事と言うことは、このまま解散でHRでそのクラスのみでの紹介なのだろう。

 

「おお!そうじゃった。して、いかがかな?」

 

「はい。私がここに来たのも、学園に送る為でして。」

 

「では!残りの2人を紹介するぞい。2ーSに入る、鶴海瑞鶴じゃ。」

 

コッコッコッ

 

ヒールの音を鳴らし、腰には一振りの刀を携え壇上に上がる。凛とした佇まいに、皆息を呑んで見惚れていた。

 

「初めまして皆さん。鶴海瑞鶴です。前は都内の女子校に通っていました。これからよろしくお願いします。」

 

うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!

 

「付き合ってくださーい!!!」

 

「いや俺と結婚を前提に!」

 

などと男子達が大喜び。瑞鶴は軽く引きながらも、笑顔は崩さず手を振った。

 

「何か質問がある者は?」

 

「はい!」

 

「1ーF、川神一子。」

 

「刀持ってるって事は、武術はできるの?」

 

「まぁ、家柄ね。純粋な、とは言えないけど。」

 

「他にある者は?」

 

「はいはーい!」

 

「そこの者」

 

「しゃぁぁ!彼氏はいますか!」

 

「いません。」

 

キッパリと否定する。

 

「なら「ですが」オレと…ん?」

 

「ですが、許嫁ならばいます。」

 

 

 

キャーーーーーーーーーー!

 

 

ギャーーーーーーーーーー!

 

 

 

女子からは興奮の声があがり、男子からは希望が打ち砕かれた悲鳴があがる。

 

 

「だから先に言っておきます。他の男子に靡く気は全くありませんので、諦めてください。あと、そこの眼鏡をかけた方。先ほどから私に流し目を送っていますが、正直気持ち悪いです。」

 

「…」

 

「トーマの視線キモいってw」

 

「ドンマイ若」

 

「マジ!あのエレガントクアットロの冬馬君の視線さえも!」

 

「マジやばい!てか、その許嫁どんだけイケメン系!?」

 

「葵でダメならガクトじゃ希望もクソもないね。」

 

「くそーーーーーー!」

 

「大和に惚れるなんて事はなさそう。」

 

「(うーん、どうにかして連絡先を交換したいけど無理そうだな。)」

 

「大和。連絡先交換は諦めた方がいいかも。」

 

「あれ?京、俺口に出してたか?」

 

「そんな顔してた。」

 

各クラスでいろんな反応が確認されたが、それほど夢中にさせる許嫁とは一体何者?と囁かれる。

 

「では、次で最後じゃ。出ませい!」

 

しーん

 

与一に続いて、最後の転校生までもがサボりという状況に皆驚く。すると何処からか悲鳴が聞こえ始め、それはだんだんと大きくなっていき、それが上空から聞こえてくるものだと分かり、皆が視線を上げると空から与一が降って来た。

 

「「与一!」」

 

これには義経と弁慶が共に驚愕。

 

「あ、姉御ーー!受け止めてくれーーー!」

 

「何やってんのアンタは!」

 

与一を受け止め、そのままなにが起こったのかを問いただす。

 

「お、屋上にいたら、急に体を持ち上げられてここまで投げ飛ばされた。顔は見てないが、この学園の制服を着ていた。もしかしたら組織からの刺客が既にこの学園に!」

 

「何バカなこと言ってんの!」

 

お仕置きに弁慶からチョークスリーパーを喰らう。

 

「ギブ!ギブ!」

 

そんなやりとりを見守る中、大和は考える。

 

「(学園の制服を着て、かつ男を屋上からここまで投げ飛ばせる人間。そんなの姉さんやマルギッテ、あずみさん他は数名程度しか知らないぞ。もしかして。)」

 

「ホッホッホッ。与一を連れて来てくれて感謝するぞい。しかし、もうちょい丁寧にしてやらんか。」

 

鉄心が百代に視線を向けながら話す。正確にはその後ろに。

 

「あれで怪我や死のうものなら、英雄なんぞやめちまえばいいだろ。その程度のやつだった。それだけだ。」

 

「「「「「「!」」」」」」

 

突如として聞こえた声は、ある者は警戒し、ある者は変わらないと苦笑いを浮かべ、ある者はこの半年もの間、探していた声の主とようやく会うことが出来た。

 

「お前は!」

 

「よぉ。同じ日にこの短時間で、2度も背後取られるとか。ヒュー厶が赤子扱いする訳だ。半年前と変わっちゃいねぇ。弱いわ、お前。」

 

音も立てず、気配すら悟らせず、周囲の者たちですら普通ならば視界に収めていたはずなのに、声を発するまで気が付かなかった。天からの呪縛を受けた怪物。禪院甚爾がそこにいた。

 

「あ、あいつだ!あいつが俺を屋上から投げたんだ!」

 

「黙れ中二病。今度は人気のない場所にでも投げてやろうか?」

 

目が本気だと語る。

 

「おい!」

 

「あ?なんだ武神。」

 

「私と勝負しろ!」

 

「…アハハハハハハハハハハハハハッ!」

 

百代からの申し出を腹の底かは笑う。

 

「お前。本気か?」

 

「当たり前だ!」

 

「そうか。」

 

すると突如、甚爾の身長が伸びる。

 

(なんだコイツ!いきなり高く、いや違う。私が低くなったのか?ひ…ざを…ついて。あれ?なんか頭がクラクラする。まずい意識が。)

 

そしてそのまま百代は這いつくばる。その光景に誰もが驚く。あの武神がやられた!いつの間に!どうやって!何が起こったのか分からずただただ驚愕する。

 

「ヒュームがさっき親切に押さえてたろ?お前の頼りの瞬間回復。それを封じる方法の一つだ。瞬間回復がオートなら別段意味はないが、結局はお前次第のマニュアル発動。ならそれを行う思考や集中力を出来なくさせてやればいい。簡単な話、俺が今やったのはお前の顎先を殴って脳震盪を起こさせた。ただそれだけだ。」

 

「!…っ」

 

「あ?どうした。もしかして、俺の拳が見えなかったのか?」

 

そう。百代は甚爾の拳どころか、殴られた事にさえ気が付かなかった。

甚爾はどうでもいいとばかりに、壇上に向かう。ゆったりと歩く。自然と皆が避け道が出来上がる。そしてそのまま、壇上に上がる。

 

「で?何を言えばいいんだ?」

 

「軽〜く自己紹介ぐらいで良いぞい。」

 

「んじゃまぁ、禪院甚爾。よろしく。」

 

「「「禪院!」」」

 

反応を示したのは、大半がSクラスの者たち。有名な資産家から古い武家の家柄まで色々な上流階級が集うSクラス。そんな者達ですら度肝を抜く。

 

 

「これからよろしく。」

 

こうして波乱の朝礼は解散となったのだった。

 

 

 

ー2ーS教室ー

 

「そんな訳で、今日からこの5人が新しく仲間になるから。おじさんちょっと不安だわ。」

 

2Sの担任、宇佐美巨人は本音を吐く。

 

「じゃあ、聞きたいことある奴とかいたら質問していいから。」

 

巨人がそう言った途端、席を立ち前に出るドイツ軍人。マルギッテ・エーベルバッハ。

 

「お久しぶりですね。甚爾。」

 

「よぉ。半年ぶりか?つか、なんで日本にいやがる。軍はどうした?」

 

「以前に言ったではないですか、お嬢様が日本に留学すると。その護衛です。」

 

「へぇ。この学園だったのか。」

 

「ええ。向こうリューベックと川神は姉妹市の関係でこの学園に。」

 

「なるほどね。そりゃ知らんかった。で?そんな近況報告をし合うために出て来たんじゃねぇだろ?」

 

その言葉を待っていた。そう言わんばかりの顔をするマルギッテ。

 

「ええ、この学園のシステムについては?」

 

「聞いてる。」

 

「では分かりますね?」

 

そう言ってバッジを机の上に置く。

 

「この学園では新参者に歓迎の意味を込め、決闘を申し込むのが通例です。洗礼をくれてあげましょう!」

 

「ちょっと待って。」

 

「ん?」

 

すかさず瑞鶴が割って入った。

 

「その決闘、私じゃダメかな?」

 

「おい。」

 

「とうじ、アンタ今の顔ヤバいよ。まだ朝の熱が尾を引いてる。勢い余って殺しちゃう。だから変わって。」

 

「…」

 

反論しない。いや、出来ない。なぜならば、瑞鶴が言っていることは本当の事であるから。申し込まれた決闘。多血統血から戦っていない甚爾は、是非とも戦いたかった。だが、ここまで真剣に言われては…。

 

「チッ、構わないか?マル。」

 

「構いません。では瑞鶴、グラウンドに出なさい。」

 

 

ーグラウンドー

 

HR中だと言うのに、全校生徒が決闘を見る為に外に出たり教室から覗くなりしている。今回の審判を務めるのはルーだった。

 

「それでは双方構えて。」

 

互いに、レプリカの武器を構える。マルはファイティングポーズ、瑞鶴は、鞘にしまったまま体を少し斜めに構える。

 

「始め!」

 

先に仕掛けたのはマル!ではなく瑞鶴。構えからして、居合いの類いを使う剣士だと思っていたマルは、驚きつつも防御の構えを取る。

 

「いくよ。」

 

「来い!」

 

刀を抜刀。そしてそのまま振り下ろす。甲高い音が響く。

 

「(速くそして重い!)」

 

瑞鶴の連撃は止まらない。まるで舞を舞うかの如く繰り出される美しい攻撃に、皆が見惚れる。

 

2ーF

 

「すごい。」

 

「うん型の繋ぎの隙がない。」

 

「私も戦ってみたいわ!」

 

「ワン子はあの男と戦ってみたいんじゃなかったのか?」

 

「うん。お姉様に膝をつかせた実力を確かめたい。けど瑞鶴とも戦いた〜い。」

 

 

教師陣

 

 

「スゲ〜。」

 

「思わヌ収穫だ!こんなにも素晴らしいデータが取れるなんテネ!」

 

「オ〜マーベラス!強くそして美しい!」

 

「なんという動きだ。あれでは私の鞭すら簡単にかわされるな。」

 

「ホッホッホ、こりゃたまげたわい。()()()()()()とはこう言う事かの。」

 

「どう言うことですか、学園長?」

 

「そろそろじゃろうて。」

 

 

鉄心の言った通り事態は動こうとしていた。

 

 

「トンファーブリッツ!」

 

かわしながらの反撃。マルが反応して避ける。だがそこで足をもつれさせ膝をつく。本来ならばあり得ないミス。

 

(なんだ!頭が痛い!)

 

「いくよ」

 

「!」

 

 

 

 

【遠鳴】

 

 

 

(なんだ!耳が!痛い痛い痛い!頭が割れる!)

 

 

 

「そこまで!勝者、鶴海瑞鶴!」

 

「ごめん。大丈夫?」

 

「ハァハァハァ、今のは?」

 

「私はね、刀のぶつかる音や空を切った時の音を利用して、相手を攻撃したり平衡感覚や幻覚を操るの。」

 

「!」

 

「そうか」

 

「分かったで候?」

 

答えにたどり着いた京極に弓子が質問する。

 

「彼女はワザと、マルギッテがギリギリで避けることが可能な攻撃をしてその音を利用したのだろう。刃を交えてもダメ、避けてもダメ。なかなかに厄介だ。」

 

「な!そんな事が可能なので候!?」

 

「現に彼女はそれを行なった。」

 

「(無理無理無理!挑戦してみようと思ったけどそんなの勝てない!けど遠距離なら…ダメだ。簡単に避けられて、接近される未来しか見えない)」

 

 

ようやく回復してきたマルギッテは、瑞鶴の手を借りながら立ち上がる。

 

「参りました。素晴らしい腕です。もしよければ猟犬部隊に入りませんか?」

 

「ありがとう。だけど私は支えないといけない奴がいるから。」

 

「そうですか。しかし、一言あの男に物申さねばなりません。」

 

「ジークさんでしたっけ?彼、彼女のことも考えてますよ。いつかこちらに呼ぶ考えもあるみたいです。」

 

「そうですか。ではそれは当人同士に任せるとしましょう。今回は得るものが多かった感謝します。」

 

「こちらこそ。」

 

握手を交わす2人に賞賛の拍手が贈られるのだった。

 

「さーてお前ら、教室戻るぞ。」

 

「少し待て。」

 

「お?なんだ九鬼、今度はお前やんの?」

 

「そうではない。」

 

九鬼英雄は真っ直ぐと瑞鶴に視線を向ける甚爾に近づく。その後ろにあずみが続く。

 

「話は母上やヒューム達より聞いております。お初にお目にかかります。我は九鬼英雄、お会いできて光栄です。叔父上。」

 

 

 

 

「叔父上!」

 

 

 

「お前がねぇ。はは、どことなく兄貴に似てるな。」

 

「兄貴とは、父上のことでありますでしょうか?」

 

「まぁな。ん〜?お前過去に無理して肩でも痛めたか?服の上からで分かりづらいが、少し変に繋がってんな。」

 

甚爾の言葉に驚く侍従。

 

「はい。過去にテロに巻き込まれた際に怪我を負いました。」

 

「そうか。だが生きてるだけいいだろう。姉貴が泣く。」

 

「はい。」

 

「おい英雄。」

 

「何でしょうか叔父上。」

 

「それだ。」

 

「え?」

 

「学園で叔父上はやめろ。公式の場ならともかく、ここは学園で俺とお前はクラスメイト。分かるな?」

 

甚爾の言葉を噛み締めるように、目を閉じて数秒固まり再度目を開く。

 

「うむ!これからよろしく頼むぞ甚爾!」

 

「…はは、それでいい。」

 

「我々にも紹介してくれませんか?」

 

英雄が振り向けば、冬馬達3人組がいた。

 

「そうだな!甚爾、こちらは我が友の葵冬馬、榊原小雪、井上準だ。こちらは説明は要らぬだろう。禪院甚爾、我の叔父にあたる。」

 

「初めまして、葵冬馬と申します。仲良くしてください。色んな意味でね。」

 

「ウェーイ、マシュマロ食べる?」

 

「若には気をつけろ。どっちもいける口だから。」

 

そう言って各自が自己紹介をしてくる。

 

「禪院家六十代目当主の甚爾だ。好きに呼べ。あと俺はそっちの趣味はねぇから。許嫁いるし、てか瑞鶴。」

 

「何?」

 

いつの間にか英雄とあずみに挨拶をしていた瑞鶴を呼ぶ。近づくと肩を抱き寄せる。

 

「ちょっ!」

 

「コイツがそうだから。さっきみたいな視線を送ろうものなら消すぞ?」

 

「肝に銘じておきます。」

 

冬馬にしっかりと釘を刺し、そろそろ時間かと巨人がHRを終えようとする。

 

「待つのじゃ!」

 

「なんだ不死川?」

 

「禪院甚爾!」

 

「あ?」

 

「此方は不死川 心。此方の苗字に覚えはあろう!貴様よくも!」

 

まるで仇を見るような目をして迫る。

 

「?」

 

そう言われても、初対面である心と覚えがあるだろうと、言われてもないとしか言いようがない為、返答に困る。だが、隣の瑞鶴は何か気が付いたようでブツブツと小さく呟きはじめた。

 

「おい。なんか分かったか?」

 

「もしかしてだけど。ねぇ不死川さん、貴女もしかして要様のご親戚?」

 

「いかにも!此方は要姉様の従姉妹!禪院甚爾、貴様よくも姉様を!許さぬ!」

 

要は心の従姉妹だった。要の両親はカナメが産まれてから離婚し、母と要は母方の実家である不死川家に戻り、嫁入りするまで不死川だったのだ。ようやくその事を思い出した甚爾は、要の親戚だと分かり不機嫌一直線。睨み返すその目は、明確な殺意を持って返す。

 

「あぁ、あの女の従姉妹が何のようだ?大方予想はつくけどな。」

 

「不死川家の名をもって貴様を殺す!」

 

アッヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!

 

不気味に大笑いする。目の前の奴に、お前を殺す宣言をされているのに何がそんなにおかしいのか。

 

「ならお前も少しは家を知ってるわけだ。ならわかってるはずだ、多血統血によって起こった事は全てそれまでだ。罪に問うことはできない。お前の従姉妹は俺に勝負をふっかけて来て、俺はその勝負を受けた。そして勝った。ただそれだけの事だ。」

 

「それでも!」

 

「…なら今度はお前の実家を潰そうか?」

 

「ひぃっ!」

 

目の前で当てられる殺気。ただ滲み出ただけの搾りかすの殺気だけで、自分がどの様に死ぬかが、明確に幻視できた。

 

「おい、禪院それ以上はやめろ。おじさんもめんどくせぇの嫌だから。」

 

流石にまずいと感じた巨人が待ったをかける。苛立ちながらも殺気を抑え込み舌打ちを鳴らす。瑞鶴は見かねて、困った弟を宥めるかの如く甚爾の頭を撫でる。

 

「じゃあこれでHRは終っから。一限目の準備しとけよ。」

 

そう言ってさっさと退散する。少し殺伐とした教室を残して。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうでしたか?感想をお待ちしています!

呪術廻戦二期 伏黒甚爾登場! マジで甚爾に恋しなさい!再連載始めるか?

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