隕石降ったら大混乱、SF混ざってさあ大変 ~HSD×D異聞~ 作:ファンリビおもろ~
一応言っておきますが、この作品は生粋の非アンチを筆頭としています。
今後えぐい展開があるにしても「ハイスクールD×D」という物語をよりよくしたいとすることはあっても、原作を貶し罵倒するようなことは一切ありませんので、その辺はご理解ください。
あー……これ俺もやるのか?
とりあえず、蒼生基弥だけど、なんで俺がモノローグすることになるんだよ。
ま、ちょっと教会の連中が過激で困ったもんだったけど、何とか死人をどこにも出さずに済んだ。
で、リアス・グレモリーたちに連れられて、俺達は駒王学園の旧校舎の一室で、紅茶を出されて椅子に座って会話体制だ。
とりあえずちょっと飲んでみたけど、紅茶に詳しくない俺でもおいしいと思う。
「お、あんたたちは飲んでくれるんだな」
「へ? いや、出されたものはできる限りきちんと食べないと失礼だろ?」
なんか変なことを言ってきた赤龍帝に応えると、なんかグレモリー眷属のほとんどが苦笑した。
それに心当たりがあるのか、同じく紅茶を飲んでたハリサがため息をついた。
「……悪魔側との戦闘は避けろというのが上のお達しなのですが、もう少し穏やかにやって欲しかったです」
あぁ~。なるほど、飲んだりしなかったのか。
「まあ、信徒からすれば悪魔から出された飲食物を飲むとか背教に思えるんじゃないか? それにほら、海外じゃ無宗教って「何をもって正義とするか証明できない」って言ってるようなものってどっかの本で読んだ気がするし」
「それでもですよ。宗教が正義を示すのなら「自らが正義を示せているかどうか」と常に己を戒めるべきです」
俺がそれとなくフォローするけど、むしろハリサはバッサリ切った。
っていうか、なんで俺は信徒に対して信徒のフォローをする羽目になってるのか。
「……で、とりあえずお伺いしたいのですが、何がどうなって戦士イリナや戦士ゼノヴィアと戦うことになったんですか?」
と、気を取り直したのハリサは話を進めることにしたらしい。
「いちおう言っておきますが、彼ら「星辰十字軍団」の言い分は、タカ派の筆頭ですけどそれでも教会の言い分としては筋が通っています」
そんでもって、かなり不満気だけどハリサはあいつらの言い分をフォローした。
「私は事情に精通してませんので、
そうはっきり言ってから、ハリサは兵藤にまっすぐ目線を合わせる。
「あなたがアーシア・アルジェントに好意を抱いているからといって、それをもってして教会の判断をイコールで悪とみなすのはよしていただきたい。貴方が好きなものが良いものであるかは別の問題、好き嫌いで良い悪いの判断を決めることは間違ってますので、その理論で教会に牙を剥くなら次は私も容赦しませんよ?」
「……アーシアが悪魔を治したことが、そんなに悪いってのか?」
兵藤はハリサにまっすぐきつめを向けるが、ハリサはそれをまっすぐ見つめ返して受け止める。
「その悪魔が悔い改め主に頭を垂れたのならまだしも、結局逃げて負傷者を出しているのなら当然です。彼らも言っていたでしょう、利敵行為と」
そうはっきり告げて、そしてあえて俺たち全員に聞こえるように、ハリサは胸を張って告げる。
「私は聖書の神が司るのは慈愛と許しとみなしていますが、それは無辜の民や己が罪を悔い改めようとする者たちに対してであるべきです。試練と裁きも確かにある側面の神を奉じる物として、咎がある者がそれに見合った叱責を受けるのは当然とみなしていますので、悪しからず」
まっすぐに、特に強く感情を見せず、穏やかだがはっきりとした口調で言い切った。
自分の言葉に嘘偽りも後ろめたいものもない、当たり前だと信じているからこそできる言い方だろう。
兵藤もそこは理解したのか、不満げだけど特に大声を出したりはしていない。
「……ま、俺は言いたいこと言ったからいいんだよ。そのあと部長が止めてくれるって信じてたから、そのまま終わるつもりだったんだけど……」
そう言って、兵藤はちらりと部屋の隅を見る。
………さっきから、すごい目つきでイケメンを台無しにしている金髪の優男がそこにいた。
「……祐斗は、聖剣計画の被験者であり、同時に失敗作として殺されかけたところを眷属にしたのよ」
と、リアス・グレモリーが補足してくれた。
あぁ~、なるほど。そりゃまずい。
ただでさえエクスカリバー使いに含むところがあるだろうに、身内がらみでひと悶着起きれば、そりゃこれ幸いと戦闘態勢に入るわけだ。
っていうか、聖剣計画っていうことは、あれだよな。
ちらりと碧唯姉さんやアズィール姉さんに視線を向けると、これまた同じ感想なのか、もう目と目で通じ合ったよ。
さて、どうやって切り出したものか―
「……その件については、当時の担当者の独断によるものだそうです。当時関係者でない以上教会を代表して詫びることはできませんが、それでも仮にも教会にいる物の中にそのような外道がいた体たらく、理解できるなどとは言いませんが、お怒りはご察しします」
ハリサはそう言って一礼すると、ふとこっちをちらりと見た。
あ、こっちを気遣ってくれてる感じだ
「………いえ、今はよしておくと―」
「いや、構わないよ。そういう意味ではこちらこそ謝るべきだしね」
ハリサが話題を変えようとするのを止めて、アズィール姉さんが一歩前に出た。
うん。まあ、どっちにしても言わないといけないしな。
俺は碧唯姉さんとうなづきあってから、アズィール姉さんの隣に並び―
「そっちに関しては、むしろこちらがお詫びする」
―そういうアズィール姉さんと一緒に、俺達も二人そろって頭を下げた。
思わず、リアス・グレモリーたちは目をぱちくりさせた。
「………聖剣計画に堕天使が関与してたなんて聞いたことがないのだけれど?」
「いえ、当時の研究主任、「皆殺しの大司教」とさげすまれるバルパー・ガリレイは追放処分を受けて、今は堕天使側に身を寄せてるんです、はい」
うん、ハリスの言う通りなんだよな。
「……常に他勢力と緊張状態では優秀な人材を更にえり好みで分けるのも大変でね。ほかの勢力に敵意を持っているというのは、その勢力と友好関係にでもならない限りはこちらに対する帰属意識につながるから、まあ必要悪として容認しているのが現状だ。実際、バルパー・ガリレイの段階で人工聖剣使いの技術は確立しているだろうからね」
謝罪はそこそこに説明を重視する方向で、アズィール姉さんはそう告げる。
そんでもって、木場祐斗とかいう金髪は、思いっきり不機嫌な表情をこっちに向けてくる。
「失敗作として処分してきたのにかい?」
「そこについてはごもっともだ。最も、彼の認識では「失敗作」ではなく「出涸らし」なんだろうけどね」
そう言いながら、アズィール姉さんはため息をついた。
「彼は聖剣計画において「そもそもなぜ聖剣を使えるのか」に着目し、結果として聖剣を扱う因子の存在を発見することに成功したんだ。それらは必要数にまず満たないものだらけだが、ほとんどの人間が多少は持ち合わせていてね。その結果、彼は「足りないなら集めればいい」という発想に至ったんだ」
そう、バルパーの研究は、実際完成していたといってもいい。
「アーサー王伝説にはまりエクスカリバーを振るうことを夢とし、しかし適合できなかったことから彼の執念はすさまじかった。輸血……というより骨髄や臓器の移植の要領で、彼は不特定多数の人間から因子を抽出し結晶化、それを比較的適性の高い者に移植することで、後天的に政権を扱える素質を、七分割されたエクスカリバーに使い手を見繕えるレベルで確立しているよ。ここまでは教会にも残っているだろうから、源流はそうなんだろうね」
そこまで言ってから、アズィール姉さんは盛大にため息をついた。
「それで終わっておけばいいのに、因子を抜き取った者たちをガスで処分したから追放されたのさ。因子を抜き取るだけなら生きたままできるから、今の教会ではさすがに死人は出てないだろう」
「……なるほど、知人にエクスカリバー以外の人工聖剣使いがいましたが、そういえば祝福の際に結晶を使うと伺っています。それですね」
「つまり、僕たちは殺される必要なんてなかったっていうことなのか………っ」
ハリサが思い返すようにそれを補足し、木場は歯を食いしばって虚空をにらむ。
まあ、それに関しては怒って当然だな。
「都合がいいことにバルパーは、コカビエルと同時期に行方をくらましてる。もとからコカビエルは神器より聖剣や
俺はそう言って、なんかもうたまったうっぷんをため息で吐き出した。
「ぶっちゃけ全員殺さず捕まえろとまではいわれてないし、他の連中の処遇さえこっちが決めさせてくれれば、バルパーのジジイは「勢いあまって悪魔が殺しちゃいました」とか言ってもいいと思うんだけど……どうよ?」
「……まあ、他の一緒に行ったと思われる候補も性格がめちゃくちゃあれだし、必要最小限の数以外は無理して生かさなくてもいいとは思うわね。アズィール、どうするの?」
俺も碧唯姉さんも、その辺に関してはぶっちゃけ乗り気じゃない。
きちんと自重聴取や情報を確保したいし、まあ「身内の問題を身内がしっかりケジメをつける」ことができるに越したことはないけど、すでに他勢力を巻き込んでるんだから少しぐらいは無効に発散させてもいいとは思う。
そしてアズィール姉さんも、ちょっとだけ考え込んだけどすぐにうなづいた。
「そうだね。僕としては、復讐を「犯罪を助長しない」範囲内でやる分には構わないと思っているから、それぐらいはかまわないと思うよ?」
まあ、アズィール姉さんもそういうと思ってたよ。
「いいのですか? 個人的嫌悪でそういうえり好みをするのは、ちょっとどうかと―」
「いやいや。嫌いな奴のために命を懸けてまで助命嘆願をするには、相応の価値というものが必要さ。まして僕らは敵勢力二つを相手に「協力」を懇願しに来たんだから、相応の対価や条件は覚悟しないとね」
ハリサにそう返してから、アズィール姉さんはまっすぐに木場を見つめる。
「それに、個人的にバルパーレベルの外道はいなくなってくれた方が
「……もしかして、あなた方はバルパーと深く接点があったのかしら?」
それに対して、まあリアス・グレモリーに気づかれるのはそうだよなぁ。
俺達、個人的にバルパーに対して詳しい部類だし。
なもんで、俺達三人全員が苦笑いしてた。
「……コートショップは神器研究でも結構変則的なものをやっていてね」
「聖剣因子の利用が議題に上がった時、いろいろと彼の話を聞いててうんざりしてたの」
アズィール姉さんと碧唯姉さんが、遠い目をしながら素直に白状する。
まあ二人はまだいいさ。
ある意味一番ダメージがでかい俺が、何度目かのため息とともに一番重要なことを白状する。
「その過程で、俺も実験で聖剣因子入れてるんだよなぁ。ま、因子との相性が微妙だから、三流聖剣が扱える程度で、ぶっちゃけ
いやほんと、ストレスが溜まってストレスが溜まって胃や頭が痛い時期だった。
誇らしげに「きちんと出涸らしを処分した」とか言ってくるから、組織の一員としてぶちのめすとややこしいことになるとぐっとこらえて技術や理論を吸収する毎日だったらしいからなぁ、研究班。
俺は俺で因子を取り込む被検体だけど、あの糞ジジイ適合できるかどうかをパッチテストもしないで「死ぬならその程度」的感覚でやろうとするし。
「……いい機会だし、俺も一発殴った方がいいだろうか?」
「君も、苦労しているんだね」
すっごいしみじみと言わないでくれないか、木場。
イッセーSide
おっす、俺イッセー!
今俺達、なんと寿司屋に来ています!
しかも回らない寿司! それも奢りで! 出費は上層部がとってくれるとのことで、「一人十万円以内で」とお墨付き!
いやぁ、状況が状況だけど、ちょっとワクワクしてきたぜ!
「……なあ、一ついいか兵藤?」
と、俺の隣でシトリー眷属の
まったく、回らない寿司なんて豪勢なもんが食べれるってのに、なに暗い雰囲気出してるんだよ。
「なんだよ匙、せっかく人が空いてたからって、シトリー眷属のお前も招待したんだから、ちょっとぐらい楽しもうぜ?」
「だからだよ!」
思いっきり大声で怒鳴られた。
そしてそれで軽く耳を抑えた蒼生が、こっちにジト目を向ける。
「匙だっけか? 耳元で大声を出さないでくれないか? 注文する側の身にもなってくれ」
「それだよそれ!」
と、匙はさらに蒼生にも怒鳴りつけた。
「なんで!
………話はちょっと前にさかのぼる。
とりあえず、部長と藤納戸は共闘に対して、割と意欲的だった。
アズィールさんが言うには、コカビエルは「三大勢力の戦争を早く再開したい」っていうスタンスで、でも神の子を見張る者の上層部では自分だけだったらしい。
そんでもって聖剣使いや星辰世代はともかく、上層部のほとんどが意識を向けてる神器研究に興味が薄かったから、暴発して行動を起こしたって考えてるらしい。
つまり、コカビエルがエクスカリバーを盗んで駒王町に来た理由は「教会の武装で堕天使が悪魔の要人を殺せば、どの勢力のタカ派が乗っかって戦争再開だろう」ってことらしい。
……最悪だぁああああ! ふざけんなぁああああ!
ま、そこに関しては部長も藤納戸も同意見だったってことで、共同戦線を結ぶことには乗り気だった。
ただ、部長はサーゼクス様に自分の婚約で迷惑をかけたばかりだから、いきなりこんなことを言って心配させることをちょっと躊躇。
藤納戸は藤納戸で、もともと星辰世代を確保して強大化したタカ派が抑えきれない中で、大事になれば戦争が再開すると危惧している人の頼みで来たらしい。土地勘がある上、同じ理由でタカ派の星辰十字軍団? ……ってのにも、俺相手に真っ向から反論してきたビセンテって奴が幼馴染だから、比較的抑え込みやすいと思われたとか。だから共闘を素直に納得してくれると思えないと不安視してた。
ま、俺もサーゼクス様にはお世話になったから心配はかけたくない。それにビセンテたちはもちろん、イリナやゼノヴィアも悪魔に対して敵意が強かったから、こっちも大変だろ。
ってことで、アズィールさんは妥協案として「情報を小出しにすることでサーゼクス様達の精神的負担を和らげる」ってことを提案。その間にタカ派の連中を足止めして、直接ハト派の枢機卿に話を通すって方向になった。
もちろん俺たちも警戒はするけどね!
そんなわけで、部長や藤納戸やアズィールさんは、今もそのあたりの段取りを煮詰めてる。あと間違いなくタカ派が出会えばちょっかいをかけてくるアーシアも、その会議に参加、ソーナ会長たちシトリー眷属も「姉に知られるとまずい」と協力することになった。
で、その間に比較的連携が取れそうなグレモリー眷属とコートショップのメンバーで親睦を深めてくれと、寿司を食べに行くことになった。
ちなみに理由は―
「……ふふっ。うどんににゅうめんも頼めるとか、サイドメニュー豊富な本格寿司店って最高ね! 蕎麦は蕎麦でも蕎麦掻まであるって知ったら、アズィール悔しがりそう」
「蕎麦もいろいろ種類が当って狐蕎麦完備、いなりずしを置かずにきつね蕎麦食って、更に江戸前寿司も食べれるとか、ここはいい寿司屋だな、おい!」
―このハイテンションな、星崎碧唯さんと蒼生基弥さんを見ればわかるでしょう。
この二人、好物がそれぞれ「うどんを筆頭とした日本食を中心とする、麺類全般」と「寿司、そしてきつね蕎麦やうどんを中心とする味付きの油揚げ料理」って感じだった。
そこで両方とも完備しているお店を部長が探してくれて、六人椅子を取ってくれたわけだ。
で、会議に必要なリアス部長とアーシアちゃん、そして「堕天使勢力と仲良くするのはちょっと……」と辞退した朱乃さんがいない。そこで俺と木場と小猫ちゃんに、星崎さんと蒼生だけだと一人余るから、ついでにシトリー眷属に連絡要員をってことで、匙が選ばれたわけだ。
「……つーか、俺は状況がよくわかってないんだが。そもそもなんで、木場はエクスカリバーやそのバルパーって奴のことが嫌いなんだよ」
「あ、そこから伝わってなかったのか」
そういえば、俺も匙が来たときに「寿司食うぞ!」って感覚だったな。
てっきりソーナ会長が説明したのかと思ったけど、さすがに木場の過去は話しづらいか。俺もそこまで深くは知らないし。
「……そうだね。あとで話すよりは注文が来る前に、軽く触れた方がいいかな?」
「いいの? 私たちにまで話して」
木場に星崎さんがそういうけど、木場はぎこちないけど笑顔だった。
「僕の復讐が思わぬ形で果たされそうだしね。結果的に巻き込むことになるだろうし、できる限り簡潔に話させてもらうよ」
……そして、話を聞き終わった。
毒ガスとか処分とかは知ってたけど、やっぱり木場自身の視点からだから、さらにこう、眼頭にくる。
そして―
「うぉおおおおおおおおおぉっん!!!」
―匙が号泣してた。
「なんてひどい話なんだ! なんてクソッタレな奴なんだ、バルパーの野郎は!! 許せねえ、許さなくて当然だよなぁ!!!」
「あ、うん。それは同意見だけど、とりあえず鼻をかめ。鼻水がテーブルに落ちる」
途中までは目を伏せて拳を震わせるぐらいに感情移入してた蒼生が、軽く引きながらティッシュを匙に押し付けた。
そして匙は思いっきり鼻をかみ、適当にあたりを見渡してから、これまた蒼生が出したビニール袋にティッシュをポイ。
そして、匙は勢いよく木場の手を握った。
……ちなみに、席順は通路に近い順から蒼生→匙→俺と、星崎さん→木場→小猫ちゃんって順番。外様で迷惑をかける側ってことで、コートショップの二人が注文をしたり受け取る側を買って出た感じだ。
「木場、俺はお前のことを女にもてまくるいけ好かないキザ野郎って嫌ってたけど、そういうことなら話は別だ! 理解できるなんて言われてもかえってむかつくだろうが、今の話を聞いてお前がバルパーの野郎を恨むのは当たり前だってことはわかる! 俺も全力で協力する! やってやろうぜ、エクスカリバーを打倒して、そのバルパーって野郎をぎゃふんといわせてやる!!」
おお! 匙、お前のことを勘違いしてたぜ。
「……いいわね、本当の友情とか、絆って言葉が似合い雰囲気。私、そういうのに弱いのよ」
っていうか、星崎さんがなんか涙をぬぐっている!
「あ、ごめん。碧唯姉さん、
「……言っていいんですか?」
「ああ、その辺は隠してないっていうか、諸事情あって結構自発的に話すから問題ない」
なんか蒼生と小猫ちゃんが気になることを言っているけど、それはそれ。
そして、匙はなんか照れくさそうにして、何か考え込んだ。
「……ああ、木場が人に言いたくないだろうことを言ってくれて、星崎さんも人にあまり言えないようなことを言ったんだ。ちょっと違うが、俺もあまり人に言えないことを話すべきだな!」
「いえ、私はこっち側の人にはそこまで隠したりしないことなんだけど……」
星崎さんがそういうけど、匙は聞こえてない感じで話し始める。
「実は俺、ソーナ会長とできちゃった婚をすることが夢なんだ!」
―――なんだと!?
「……へっ、みなまで言うな。できちゃった結婚でいうのはまずエロいことをしないといけないから、その時点で貴族相手にゃハードルは高い。でも、たとえわずかな可能性でも俺は夢を捨てたくないんだ」
なぜかみんなは生暖かい視線か冷たい視線を匙に向けているけど、俺はむしろ熱い想いをたたきつけたくなる。
というよりだ。俺は今、さっきの匙に負けず劣らず涙を流すしかなかった。
「匙! お前は、お前は……俺の同志だったんだな!!」
「なんだって!? ま、まさかお前も……」
戦慄する匙に、俺は涙を流しながらうなづいた。
「ああ。お前ほどじゃないが、俺も部長のおっぱいをこの手に触れ、そして吸うことが夢なんだ!」
「そ、そんなことが、可能なのか?」
匙の疑問ももっともだ。
何せ俺達は下っ端の下級悪魔。そしてリアス部長もソーナ会長も、生粋の上級悪魔というお貴族様。
だけどな、匙よ。
希望の光は、確かにあるんだ。
それを、俺が教えてやらないといけないだろう!
「大丈夫だ! 現に、俺はライザーと戦った後、部長からファーストキスをもらったんだ!! そして今はアーシアも含めて三人で一緒にベッドで眠っている!!」
「なぁああああにぃいいいいいいいいっ!?」
盛大に声が響き渡る。だけど、当然の反応だ。
なぜか小猫ちゃんや木場が魔力で結界を張ってるけど、できればこの店の皆に知ってほしかった。
それはともかく!
俺と匙はうなづきあって、そしてその手を熱く握りしめる!
「やろうぜ、匙!」
「ああ。俺達ならきっといけるよな、兵藤!」
「ああ、俺達は昇格がモットーの
「なら、きっとその高みへと至れるはずだ!」
そして、俺達はこぶしを握り締めてぶつけ合う。
「目指せ、サクセス逆玉ストーリー!!」
「……祐斗先輩や蒼生さんは、あんなふうになってはいけませんよ?」
「ははは。僕としては部長は主であり姉ともいえるし、何よりイッセー君から取る気はないから大丈夫さ」
「まあ、同じ色っぽいお姉さんに仕える青少年として気持ちはわかる。……ただまあ、俺が何か言ったら殺されそうだ」
なんか、外野がぼそぼそ言ってるけど気にしてられるか!
このまま熱く語りあって―
「まあ確かに。基弥は私もアズィールも知ってるからね」
「碧唯姉さん静かに!!」
「「どういうことだ、コラァ!!!」」
「……そろそろ静かにしてください、変態先輩コンビ」
「「へぶぁ!?」」
詰め寄った瞬間に、後ろから小猫様のお叱り(物理)を喰らって撃沈してしまった。
くそ! 絶対後で真相を確かめてやるからな!!!
と、そんな感じで共同戦線となりました。
まあ、ぶっちゃけタカ派筆頭であるビセンテとかは、共同戦線とかしたらストレスで余計な暴走につながりますので、「共通の敵がいるから、ある程度のすみわけをする」が基本になりますが。