隕石降ったら大混乱、SF混ざってさあ大変 ~HSD×D異聞~ 作:ファンリビおもろ~
……「新規開拓」とかいろいろあって、とりあえず序盤だけ匿名でやってみようかと思っていましたが、ふむ、一話更新ごとの平均閲覧者数300ちょっ取って当たり、自分はあまり人が集まるタイプの作品を書けないってことなのかどうなのか。
人気作は一話で千人超えることだってありますし、やはり題名とタグで人を集めれるかどうかが重要なのでしょうかねぇ……?
まあとりあえず、序章と設定資料集を投稿し終えたら、一生から本来のHNに戻すことになると思います。
基弥Side
俺はふと目を覚ますと、そっとスマホで時間を確認する。
時刻はすでに夕方だった。むしろ夜といってもいい。
ここ数日、とりあえず一種の住み分けじみた形で、三大勢力で連携体制を作ることができた。教会が保有する星辰世代で構成された「星辰十字軍団」が厄介かと思ったけど、ハリサが枢機卿代行として任務を受けていたことから、不承不承ではあるけど「コカビエルが最優先」と納得したらしい。
ま、ビセンテたちは「隙あらば諸本滅ぼす」といったスタンスを崩していないようだけどな。
っていうかアイツ、星辰世代だったのか。
ビセンテは、ハリサと同じく俺の幼馴染だ。
信徒という意味ではハリサと同じだけど、まさかハト派よりのハリサとどっぷりタカ派のビセンテで、ここまで距離ができるとは思ってなかった。
あの事故が起きるまでは、むしろ「殉教」には躊躇っぽい印象があったんだけどな。
ま、俺達はそういうこともあるので、なかなか睡眠時間を確保できない。なので、比較的動きにくいと思われる昼に眠る感じになってた。
……こういう時、キャブコン型のキャンピングカーを移動拠点として用意してくれたアズィール姉さんには感謝だなぁ。
車の中で寝泊まりできるから、寝床が確保できないってことが起きにくいし。ホテルとかに泊まると、襲撃された時他の人に迷惑が掛かりやすくなるし。
それにこのキャンピングカー、堕天使の技術力がふんだんに使われてるから高性能なんだよ。最高時速150km以上でドリフト走行できるし、フレームそのものが蓄電機能があるから電機もふんだんに使えるし、各種デッドスペースに水タンク入れれるうえ、汚水のろ過や汚物の圧縮機能がトイレ・排水機能がある分、シャワーどころか小型の風呂桶まで使える。戦車に狙われても逃げ切れる装甲まで付いてるしな。
まあ、その分移動拠点として重視しているから、居住性は普通のキャンピングカーより劣るんだけどな。椅子とかは収納機能を仕込んでるから。
まあその分、寝床は基本として運転席上のあの膨らんだ部分を使う程度なんだけ……ど……。
「ん~……あと五分……」
「ふふふ……どうだい、もっと僕があえいだ方がいいのかい……」
……左右で裸の姉さん二人に密着されてると、こっそり降りて夕食の準備するのも無理なんだよなぁ。
さて、ここではっきりというが、俺は童貞ではない。そして見ての通り、アズィール姉さんと碧唯姉さんの二人と関係を結んでいる。
まあ、だからといって恋愛関係かというとそうでもない。
アズィール姉さんは二十代前後の人間の男性が好みだ。なんだかんだで二百年以上生きている堕天使だから寿命の差があり、また芸術家を目指す人に良く惹かれることから、若い芸術家志望のパトロン兼愛人となっている感じだな。
そしてさらに共通点として、性癖が特殊な奴と付き合うことが数多いそうだ。
レではなくセのほうのNTRはもちろんのこと、スワッピン〇、レ〇のガン見など、数が多い分バリエーションも豊か。質の悪いことに彼氏に趣味を合わせるタイプというか染まりやすいタイプであり、更に思い出を大切にするタイプでもあるから性癖が多種多様だ。
まあ、性的な趣味ばかりじゃないから多芸でもあるんだけど。当人自身の趣味はシュノーケリングだけど、同時に彼氏たちとの思いでを曇らせないように少しずつ、しかし最低でも数十年レベルの積み重ねによって、銀細工も陶芸も木彫りの熊も手編みマフラーも、全部店売りできるレベルの完成度。敵のあぶり出しもかねてストリートでバイオリンを弾いたら、お捻りで夕食にうな重が食えた。さらに洒落たバーに酒を飲みに行くときなんて、一曲歌ってその出来でただ酒を呑むなんてことができるレベルだ。
まあそんなわけなので、現在フリーの状況は下半身が飢えているらしい。アズィール姉さんは俺の面倒を見る担当でもあるので、モーションをしっかり書けてきた。
……はっきり言おう、あとくされなくエロいことができる、それも競泳水着が似合う系のエロいお姉さんにモーションを駆けられて我慢できるほど、俺はご立派な精神性をした童貞じゃなかった。
そんでもって碧唯姉さんの方は結構複雑だ。
この人は逆に悪い男に引っ掛けられたタイプ。そのまま盛大に嵌って身持ちを崩しており、実家と縁はほぼ切れている。
そんなわけで下半身がうずく人でもあり、男があれ過ぎて女もイケるクチであり、アズィール姉さんは元カレの性癖でそっちもOKであり、そいて碧唯姉さんが入ってきたときには俺は何年もアズィール姉さんと関係を持ったわけである。
特に彼女もいない段階で、エッチでタイプの違うお姉さんからサンドイッチを申し込まれて断れる男は、聖人になれるか生粋の同性愛者とかブス専とかの癖の強い性癖だけだと思う。いろんな認める。
……まあ、そこはいい。
だけどまあ、年上なだけあって俺よりいろいろと動いている姉さんたちを起こすのは忍びない。とりあえず軽い夕食を作り終えるまでは寝させてやりたい。
そこで俺は、深呼吸をして慎重に慎重を重ねて抜け出そうと決意した。
―pipipipipipipipipipip――
そのタイミングでスマートフォンが盛大になった。
しかも俺だけでなく、アズィール姉さんや碧唯姉さんのもだ。
同時に電話が鳴るってことは、十中八九コカビエル案件だろう。それも、結構下級の事態な気がしてきた。
「……はいもしもし! 姉さんたちは寝てるから、起きるまで俺が聞く」
『寝てることを知っているだとぉ!? 蒼生お前、やっぱりそういう関係か!?』
「……切っていいか匙」
真っ先に反応するな。スケベな男として気持ちはわかるけど、今それどころじゃないんだろ?
「非常時だと思ったんだが違うのか? なら、切っていいか?」
『ってそうだった!? ちょっと大変なことになってるから、急いで連絡したんだよ!』
分かればいい。
確か匙は、夕方から夜にかけて疑似餌になってコカビエル一派のつり出しをやっていたはずだ。
兵藤や木場と一緒に動いていたはずなんだが、いったいどうした?
『……エクスカリバー使いとバルパー・ガリレイに仕掛けられた! しかも逃げられたんだけど、教会の連中と木場が追いかけて行ってはぐれちまったんだ!』
おいおいマジか。
全く! 教会の連中は悪魔や堕天使と共闘したくないだろうからともかく、木場の奴は熱くなりすぎだろ。
……いや、憎しみの源泉ともいえる野郎が目の前に現れたら、そりゃ冷静じゃいられないよな。
「わかった。すぐに姉さんたちを起こす。とりあえず一旦切るぞ」
とりあえず、俺達がすることはあいつらの発見と増援の派遣になるんだが―
「……基弥」
「……起きるのが遅れてすまないね。状況は大体把握した」
すでに姉さんたちも起きて、強引に意識をはっきりさせてる。
とりあえず、俺達はすぐに着替えて合流するべきだと判断して―
―――pipipipipipipi
今度はなんだ?
そう思いながらスマホを確認して、覚えのない番号だったので首をかしげながらそれに出る。
詐欺とかの電話だったら神の子を見張る者の技術を利用して事務所に殴り込んでやる。
「はいもしも―」
『よかった出てくれました! 私です、ハリサです!』
ってハリサぁ!?
「ど、どこにいるんだハリサ!? っていうか、木場たちは!?」
『すいません、少し出遅れて、今星辰十字軍と共に一緒に、彼らが向かったと思われる場所についてます』
そ、そうか。
「……っていうか、確か番号交換してたよな?」
『戦闘中にバッテリー部分が壊れてしまいまして、慌てて追いかけていたので気が回りませんでした。これは十字軍団の人たちから適当なことを言って借りたものです』
……まあ、素直に理由を言ったら貸してくれそうにないからな。
俺がちらりと周りを確認すると、すでにアズィール姉さんがリアス・グレモリー連絡を取り合っている。
「……ああ。だけど君は待機してくれ。……焦る気持ちはわかるけど、君に何かあればコカビエル様の思うつぼである以上、どうしても守勢に回ってもらわないと困るんだ。……ああ、連絡はしてくれるのか。それもそれで面倒なことになるけど、それでも保険にはなるだろうね」
どうやら、リアス・グレモリーは連れ出さない方向らしい。
となれば、だ。
「ハリサ。とりあえず一旦連中を止めといてくれ。俺たちが合流したうえで、三つ巴とか四つ巴にならないように突入ルートとかを調整してから袋叩きに―」
そう言おうとした瞬間、スピーカー越しに爆音が響いた。
『――な、向こうから!? まさ……釣り…せ……っ!?』
「おい!? オイどうしたハリサ! 返事をしろ!!」
俺が声を荒げるけど、連続して爆音が響いたと思ったら、スマホが壊れたのか通信がつながらなくなる。
「……くそ! 場所はどこだよ!」
ハリサとビセンテがまずいだろこれは!
だけど場所をまだ聞いてない。これじゃあどこにいるかわからないだろ。
俺が歯噛みしてると、碧唯姉さんが俺の型にてを置いた。
振り返れば、緊張感はあるけど俺をほっとさせるように笑みの色だ。
「大丈夫、逆探知は間に合ったわ! 山間部だけど車で近くまで行ける場所!」
碧唯姉さんナイス! マジで助かる!
ああそうさ。俺が助けに行けるって状況下で、助けを躊躇してハリサとビセンテが死ぬってのは御免被る。
そうさ。何かできる余地があるのに躊躇して失うのが嫌だから、俺は殺し合いなんて死を身近に置くような世界にあえて片足突っ込んでるんだ。
「……アズィール姉さん!」
「もちろん行くさ。まあ、当面は直線だから三分でよろしく頼むよ」
ああ、付き合いそこそこあるから、その辺をわかっててくれて助かるぜ。
そういうわけで、俺はとりあえず―
「うぼろろろろろ!」
―盛大に吐いた。
勘違いしないでほしい。吐いたのは別に魔が悪いときに吐き気を催したとかそういうことではない。
はっきり言おう、俺は小物だ。
あったこともない遠く離れた異国の悲劇に同情する程度の善良さはあっても、だからボランティア活動でそこに飛び込めるような精神性は持ってない。むしろ晩御飯ができたと言われれば、その時点ですっぱりそっちに意識を向けれる、一般人染みたドライさを持っている。
はっきり言って死ぬのは怖い。そりゃそうだ、普通は怖い。
だからまあ、これはいわゆるルーティーン。一種の精神安定法として編み出したものだ。
間違いなく殺し合い、少なくとも相手が殺しに来るとわかっている時は、まず吐くことにしている。吐きたくなるほどの命を懸けるストレスと、吐きそうになる無残な死体を見るだろうことも、吐いてもなお足りないだろう人を殺すことになるという事実も、前もって吐くことで抑え込む。それが俺のルーティーンだ。
思い込みってのはばかにならない。っていうか医学的にもプラシーボやノーシーボって言って重要視されている。
だから、吐かずに挑むと後がきつい。具体的には気が緩んだら一気に吐くし、そのあとも調子が悪くなる。場合によっては精神安定剤を飲む必要になるぐらいだ。
まして、幼馴染が二人も死んでいるかもしれないところに行くのならなおさらだ。
だからまあ、前もって吐くのは当然なんだが……。
「……これは、ひどいわね。二つの意味で」
「ああ、ちょっと引く」
碧唯姉さんの言い分がその通りすぎる。
なんというか、これはもうひどい。
コカビエルがアジトにしていたのは、廃棄された山間部の建物だった。
多分、バブルとかのあおりで倒産したとかそんな感じの、ちょっとしたホテルとかそんな感じだったんだろうけど、もう跡形もない。
完全に崩落してる。あと周辺のアスファルトとか木々とかがほとんど吹き飛んでて、軽い地崩れまで起きている。
こんなのどうやってごまかすんだよ。っていうか、結界が張っていたにしても揺れとかで近くに人がいたら気付かれただろ。
敵も味方も盛大に暴れまくったらしいな。こりゃ大惨事としか言いようがない。
「正直な話、これ生きている人がいたら奇跡ね。悪いけど、覚悟した方がいいわよ」
「安心してくれ碧唯姉さん。そんなもの、ここに来る前からしとかないとダメだろ?」
碧唯姉さんに気遣いはうれしいけど、実際そんなものはしてるともさ。
現実問題、殺し合いがすでに始まってから向かう以上は、すでに終わって死人が出ていることが前提だ。
間に合わず、ハリサやビセンテが死んでたとしても驚くことなんて何もない。驚くってことは、命がけの殺し合いが起きたってことを理解してないからだ。
……そんな重荷、背負いたくはないんだけどな。
「基弥、来てくれ!」
その時、アズィール姉さんの声が響いた。
くそ、やっぱり死体で対面ってオチか。
「ハリサとかいう子だ! まだ息がある!」
………っ!
俺は全力で走り出すと、神器で周辺警戒をしていたアズィール姉さんが指し示す方向に駆け出した。
アズィール姉さんは、堕天使と人間のハーフだからか神器を宿していた。はっきり言って下位の部類で、異形たちとの直接戦闘には向いてない。
そのアズィール姉さんの神器で片付くられる、泥炭でできた犬が、死体とがれきの山から、血や臓物に泥や埃でまみれた、女の子を引っ張り出してる。
ハリサだ。確かに、ここ最近顔を何度も併せてたから間違いない!
だけど………っ!
「ハリサ! くそ、聞こえてるなら返事をしろ。あと応急処置のために脱がすけど文句を言うなよ!」
これは一刻も早く応急処置だけでも終わらせないといけないだろ。むしろ今なんで生きてる!?
止血帯は手持ちのキットに入れているし、非合法だが医療用接着剤や止血剤も持っている。いざとなれば火属性の魔剣で焼いて止めればいい。
だから死ぬなよ、いやマジで。
「すいませ、ん。どうやら、誘い込まれた……ようです」
「ああもう! 返事を白と入ったけど、そんなにしゃべれとは言ってな……いや、やっぱしゃべって意識を保て!」
ったく。不幸中の幸いって程度だけど、内臓とかをごっそりやられたりとかはしてないな。
だけど、だけど……。
「……大丈夫」
「何がだ!? 言っとくが出血がひどくて割と命がやばいんだ―」
「―戦士を選んだ時点で、死ぬことも四肢を欠損することも……覚悟してますから」
―――ああ、そうか。
どうやら感覚がはっきりしてるんだな。気づいてるんだな。
そう、ハリサの左腕は、盛大につぶれていた。
他も骨折している箇所とかがあるが、左腕はつぶれているとしか言いようがない。
ここまで原型をとどめてないなら、アーシア・アルジェントの神器でも完治は無理だろう。
それを痛感しながらも、俺は応急処置の手を止めない。
ただでさえ、応急処置をしなければ命に係わる状態なんだ。ましてそれが幼馴染なんだ。とどめに、俺がこの場で一番医療知識に明るいんだ。
幼馴染を俺の手抜かりで死なせるとか、そんな重荷は断じて御免だ。
「アーシア・アルジェントを呼んだ方がいい」
「……それは、お断りします」
「魔女として追放されて悪魔になったのは事実だから、そりゃ抵抗はあるだろうな。だけど俺は、俺が嫌だから人を助けるんだ。幼馴染を手抜かりで死なせるなんて、そんな重荷を背負って生きていくなんて勘弁なんだよ」
ああ、悪いが俺は俺の利己的な理由で助けてるんだ。
だから、そっちの都合なんて知ってられるか。
「……優しい――いえ、気遣いができる人に……なりましたね」
「今のどこがだ。脳にもダメージが入ってるのか?」
俺がそういうと、ハリサは静かに首を振った。
「普通に利己的なら、そんなことをあえて言いません。わざわざ言ったのは、私があなただけを恨めば済む話にしたかったからでしょう?」
………くそ、反論できない。
まあ実際、ビセンテ当たりならアーシア・アルジェントに直されたらガチで屈辱に思いそうだしな。ハリサだって、アーシアを魔女として認定することそのものを謝罪はしてないし。
よしんばアーシアを恨まなくても、ハリサもビセンテも悪魔に堕ちた魔女に治療されたってことで後ろ指をさされるかもしれない。そうでなくも当人が負い目として引きずるかもしれない。
だから、わかりやすく俺が恨まれる対象になればそれでいい。
自分本位な理由で命を助けるんだから、せめてそれで恨まれることぐらいはするべきだと思っただけだ。まして巻き込むアーシア・アルジェントに、しわ寄せがいかないようにするのは当然だと思う。
「……ほかの言いたいことはありますけど、今はそうじゃありません。というより、そういうことじゃないんです」
ハリサは視界があいまいになってるだろう状態なのに、俺をまっすぐ見つめてきた。
これは、本当に
「コカビエルは、駒王学園高等部を基点として、駒王町ごとリアス・グレモリーとソーナ・シトリーを吹き飛ばす気です。強奪したエクスカリバーを融合させる過程で得られる力を利用する、といってました」
………おいおい冗談だろ。
教会の宝剣ともいえるエクスカリバーを利用して、悪魔の要人を二人も、堕天使の最高幹部が、一般市民数万人以上を巻き込んで吹き飛ばすだと?
そんなことになれば、三大勢力どころか下手したら人間、それもこの日本を盛大に巻き込んで戦争が起きるぞ。
「……連絡がついた。どうやらコカビエル様は、すでにリアス・グレモリーに宣戦布告をしているようだね」
アズィール姉さんはスマートフォンでいつの間にか会話をしていて、その後盛大にため息をついた。
俺はいま、すっごい顔してるんだろうなぁ。手が止まってたし。
碧唯姉さんも、頭痛を感じたのか額に手を当ててた。
「勘弁してよ。いくら何でもやりすぎでしょう……っ」
「全くだね。しかもあまり時間もなさそうだし、仕方がない」
そういうと、アズィール姉さんは少しうなづいて俺に向き直った。
「後の処置は僕が引き継ぐ。二人は今すぐ駒王学園に向かってくれ」
………ま、そうなるよな。
「待ってください。事態は非常時です、私はほおって全員で―」
「それをすると、基弥は絶対に引きずられてポテンシャルが下がるからね。それに僕はデスクワーク主体のサポートタイプで、しかもこういう戦場が狭く開けているならあまり役にも立たない」
ハリサの反論をさえぎって、アズィール姉さんは苦笑を浮かべながら肩をすくめる。
「とりあえず、シトリー眷属が保有している建物に向かうよ。シトリー家は医療法面が発達しているようだし、何より負傷した紫藤イリナもそこで眠っているようだ」
あ、やっぱり被害は甚大だったか。
こりゃなおさらだな。
俺は小物なんだ。戦争なんて御免被るっていうか、こっち側が責められることが間違いない状況なんて戦争でなくても勘弁してほしい。
ああ、だから―
「任せろハリサ。コカビエルの奴には、俺がおまえの分もぎゃふんといわせてやる」
―言ってしまったから、もうやってやるしかないわけだ。
「ま、私たちは露払いでしかないんだけどね」
「ついでに言うと、白龍皇の手が空いたから、すでに駒王町にはついているようだ」
軽く笑みを浮かべながら、碧唯姉さんとアズィール姉さんも俺にうなづいてくれる。
っていうか、増援に選ばれたのは白龍皇かよ。
あいつバトルジャンキーだから不安なんだけど。あと碧唯姉さんとはそりが合わないし。
……まあ、それはいいか。
「ああ、数万人の命がマジでヤバいってのに、何もしないで黙ってみているなんて勘弁だ。逃げるにしたって、まずやるべきことはやってからだな」
我ながら情けないけど、それが本音だ。
重荷を背負って生きる気はないけど、そうでないなら死ぬ気もない。
ま、何もしないで後悔するだけってことが無いよう、気合を入れてやることやるとしますかね。
「じゃあ、連絡もかねて、最初からコレを使うように」
「「了解」」
アズィール姉さんに合わせ、俺達は共通の装備を取り付ける。
それは、俺達三人が試験運用している特殊装備。三人の名前がそれぞれ青系統の色を含んでいることから、青を基調とした手甲型の装備。
それは、俺と碧唯姉さんに合わせ、わざわざアズィール姉さんが最低格にしかなれない非効率的な素質であってもなお第三世代となった、
じゃあ、そろそろ本腰入れて荒事をするとしますか。
さて、次から各種オリジナル要素が戦闘でも明かされることになります。
そして星辰世代をはじめとする各種オリジナル要素ですが、敵中心とはいえ双方の強化に使われることになると明言しておきましょう。