隻腕の狼、続く主は道化師か   作:森本様

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【ご報告】
毎度のごとくですが、お気に入り登録、評価、感想など、誠にありがとうございます。大変励みになっております。

私事ですが、Twitch配信の方の目標フォロワーの30人が達成されました。応援していただいている方々、誠にありがとうございます!。このまま35人を目指して頑張ります故、何卒応援の程よろしくお願いいたします。

今まではペルソナ4の配信をしていたのですが一旦の区切りがついたので3/30からまた心機一転新しいゲームをしようかなと思ってますので、ぜひぜひ来て下さい!お願いします!!そこで、何のゲームがいいかなど、もしリクエストがあれば活動報告の所のコメントを開放していますので、ご記入願います。


話は変わりますが↓

Ⅰこういう感じで文字下げがない状態で物語が進んでいくのと。

Ⅱ こういう感じで一時下げで物語が進んでいくのと、どっちが見やすいですか?

お手数ですが、こちらの方も参考程度に感想欄に書き込んでくださるとうれしいです。もし今と違う様式なら修正します。

今回は試験的にⅠの方式で進めていきたいと思います。


最後になりますが、誤字報告。誠に助かっております。誤字がないのが一番いいのですが、もし見つかれば優しく厳しく教えてやってください。

後タイトル。


即席パーティ

 

アイズを探しに行けと、狼がそう命じられたのはつい先ほどの事だった。

 

まだ太陽が真上に来ない頃。狼とリヴェリアは小腹を満たすものを探しながら館に帰ろうとしていた。ちょうどリヴェリアがじゃが丸君の屋台を見つけ、狼に好きな味を尋ねる。味を尋ねども、あまり好んで口を開きたがらない性格と、そもそもどのような味があるのかを知らない故、沈黙の時間が暫し過ぎた。結局、リヴェリアはプレーン味を二つ頼み、その一つを狼に差し出したのだ。

 

狼は「…忝い」と淡泊に返し、両手でそれを受け取る。その仕草を見てリヴェリアは「そう固くならなくていい」と返したが、狼はまた「…うむ」と唸るだけ。そんな一方通行の会話は楽しまれることなく、館に到着する。すると、中庭で何やら二神が話し合っている。

 

【黄昏の館】に入ると直ぐに中庭がある。中庭と言ってもただの中庭ではない。何と言ってもこの館は【ロキ・ファミリア】の館である。このオラリオの土壌において、かつ、探索系ファミリアにおいてトップを争う組織である。その広さは並ではなく、その広さを有する土地を所有するファミリアも少ないだろう。

 

中庭は綺麗に整えられている。芝は均一、装飾で言えば低木もあり、色が映えるように派手な花も植えられている。しかし、これらが誰の手によって手入れされているかはごく一部の者しか知らない。企業秘密や暗黙の了解などではなく、単に皆興味がないから知らないのだ。

 

真ん中には大きな石畳の道、その先にロキともう一人の神が話し合っているのが見えた。その内、なにやらレフィーヤと思しきエルフがベートを連れてきたと思うと、ロキは狼の方を見て手招きする。

 

「おぉ、オオカミやん。ちょうどエエ。ベートとレフィーヤと一緒に24階層をちょいと調査してきてくれへんか?」

 

「………」

 

ベートは狼をギロっと睨む。

 

一方、レフィーヤはおどおどとしてロキに警告する。

 

「いくらなんでも24階層は危険すぎます。オオカミさんはレベル1なんですよね?」

 

ロキは慌てながら返す。

 

「れ、レベル1や! でも、レベル1やけどレベル1ちゃうねん! いや、今のは何でもない!」

 

「は、はぁ?」

 

レフィーヤは慌てるロキを見てため息を吐く。

 

「ベートさんも何とか言ってください。だって24階層ですよ?」

 

「うるせぇ、ついて来たかったら勝手について来やがれ。ソイツが雑魚なら死ぬ。雑魚じゃねぇなら死なねぇ、それが全てだ」

 

「そんなぁ、暴論ですよぉ」

 

ベートはこう言いつつも、ほんの少し狼を認めつつも、その異常性に気が付いていた。ベートは狼人(ウェアウルフ)だ。狼は目と鼻がいい。己の蹴りを弾き返されたあの食人花を、いとも容易く一閃した狼がレベル1の力を逸脱していることをすぐに理解した。なにか特別な魔法、スキルを持っている。またソレが後天的に発現した。もしくはもっと他の特別な力。ベートは極端なまでの実力主義者。故に、己の力、レベル、ステイタスが絶対。しかし、それを逸脱している者が現に目の前にいる。

 

もちろん、自分の到達階層やレベル、ステイタスを詐称する冒険者もいる。

 

しかし、そんな半端なモノではないのだ。あの太刀筋は。

 

嘘の剣ではない。―――殺しの剣。

 

ベートの目に見えたのはソレだった。

 

それに、ステイタスやレベルの詐称は個人でやっても仕方のない事である。ギルドや他のファミリアを騙すには、組織全体でないと意味がない。なれば、狼が何かを隠しているのではなく。狼の何かを隠しているロキが怪しいのだ。

 

ベートはそこまで察し、尚ロキを問い詰めることは無い。ベートにとっては極論、狡くても、隠していても、最期に生き残った者が正義、強いものが正義だからである。

 

だからベートは止めない。

 

死ねばそれで終わり、勝てばそれで良しなのだ。

 

レフィーヤは狼と一緒に館に入ってきたリヴェリアにも救援を要請する目を向ける。が、リヴェリアは淡々と告げる。

 

「…ロキ、オオカミにはまだ24階層までの特徴と出現するモンスターの授業をしていない。厳しいものがあるんじゃないか?……と、言いたいところだが、オオカミは機転も利くし視野も広い、そうそうの事がない限りは大丈夫だろう」

 

「なんでぇぇ」

 

レフィーヤは涙目になる。

 

リヴェリアもまた、狼の異常性に気が付いている人物のひとりであった。レベルを逸脱した強さに気が付いているのはベートと同様だが、リヴェリアは実際にダンジョンでの狼を見ている。立ち回り、技、剣、全てをとってもトップクラスの冒険者に匹敵する。リヴェリアも、ベート同様に何か特別なスキル、魔法を狼が持っている、またはほかの何かがあると考察しているが、当の本人はそのような様子はない。なれば、怪しいのはロキか。そう思っているが、同様に問い詰める気はない。

 

またロキの道化師の本能が働いているのだろうと、そう思っているからだ。いくらロキと言えども、ファミリアが不幸になるような嘘は吐かない。

 

「危険すぎますよぉ」

 

と、未だにレフィーヤは愚痴を零している。

 

彼女自身、狼に来て欲しくないから愚痴を零しているわけではない。ただ、本当にレベル1で大丈夫なのかと、身を案じているだけなのだ。

 

しかし、そんなことは誰も気にも留めない。そうこうしているうちに皆は既に準備を済ませている。

 

そして、さぁ出発だという時、ロキはベートだけを呼び出した。

 

正門にはレフィーヤ、狼、そして見知らぬ他のファミリアの冒険者がひとり。ベートは頭をかきながら、十数メドル離れたロキの所に向かう。

 

「なんだァ?」

 

「ま、ええからええから」

 

そういいながら、胡散臭い仕草で、ロキは()()()()()をベートのポケットに突っ込んだ。そして……。

 

「ピンチになったら使うてや。じゃ、アイズたんの事は任したでぇ!」

 

ベートは舌打ちで返すと、ロキは頭の後ろで手を組みながら中庭に戻っていった。

 

「どうかしたんですか?」

 

レフィーヤがそう問うと。

 

「なんでもねぇよ」と、そう返す。

 

<><><><><><><><><><><>

 

仄かに暗いダンジョンの中、目の利くベートと狼を先頭にして進む。初めてのパーティでダンジョンを攻略するという緊張はない。なにせこのパーティにはトップクラスの冒険者が集まっている。たかだか上層如きでビクビクするような者は誰ひとりとしていない。

 

狼自身も熟達の忍び、葦名という地を、主の為だけに駆けた猛者である。ただその姿を知っている者はこの地にはひとりもいないだけで。

 

しかし、このパーティはピリついた雰囲気を纏っていた。それは緊張からではなく人選の問題なのだ。

 

上層故に余裕がある、なれば、今のうちにコミュニケーションを図り、パーティとしての連携力を確認しておくのが良いだろうと。並の冒険者ならそう考えるだろうが、此処においてはそう考えるのはレフィーヤただ独りだけだった。ベートは個の力で何とかしようとするため、いちいちそう言ったコミュニケーションを図ろうとはしない。今回共に調査に行くことになったフィルヴィスは、なぜか誰とも話そうとせず、近づこうともしない。極め付けに狼は、口下手だ。

 

雰囲気の良し悪しは、誰かひとりが決めることではなく、その組織を構成している人間の大多数がそう思っているか否かで決まる。ベートは馴れ合わない、フィルヴィスは排他的、狼は雰囲気どうこうを気にしない。つまり、当の本人たちは特段雰囲気が悪いと思っていない。しかし、レフィーヤは努めて皆に話しかけようとし、悪くない雰囲気を良くしようとしている。畢竟、自分の居心地がいいかどうかである。しかし、この自己満足が後々に皆を団結させ得るのだ。

 

「あ、あの私、レフィーヤって言います」

 

「………」

 

レフィーヤは自己紹介するが、フィルヴィスからは何の返答も帰ってこない。唯艶やかな黒髪を揺らし、レフィーヤの前を堂々と歩いていた。

 

「ベ、ベートさん……」

 

「………」

 

レフィーヤは助けてほしいとベートに合図を送るが、ベートはそれを無視する。ポケットに手を突っ込み、前方に気を配りながら歩く。レフィーヤはこれは助けてくれないだろうと思ったのか、最後には狼に助け船を求める。

 

「お、オオカミさん…?」

 

「………」

 

狼は一度振り向き、レフィーヤの方を見る。が、レフィーヤが要件を言わないため、そのまま前に向き直って進んでいってしまう。

 

レフィーヤはよくよく考えると、狼としっかり話したことは無かった。遠征返りの宴会、怪物祭(モンスターフィリア)など、同席する機会はあったものの、そもそも話す必要もなければ話す話題もなかった。故に、特別仲が良いと言える関係ではなかった。

 

また沈黙の中、ダンジョンを唯々進む。

 

レフィーヤが気まずいなと思う中、そろそろ18階層も近くなってきた頃だろうか。しかし、場の雰囲気に慣れ、油断したころに危険はやってくるものだ。ベートが後続を制止する。ダンジョンの奥から何かがやってくる。

 

―――スンッ

 

やってきたのはモンスターだ。間違いない。しかし様子がおかしい。

 

「――ッ!!」

 

奥から走ってくる。いや、飛んでくるモンスターの初撃をベートが躱す。

 

見えるモンスターはゴブリンのように小柄で小さいわけではなく、ミノタウロスの様に獰猛な獣であるわけでもない。植物型や昆虫型でもなかったのだ。ソレは半透明で宙に浮いている。何やら白い装束のような来ているが人間ではない。手には長く鋭い獣のような爪、そして顔を見ると、耳まで口角が吊り上がっているのだ。

 

「んだコイツッ!」

 

前衛であるベートはその幽霊のようなモンスターの攻撃を躱すと、カウンターを返す。しかしその攻撃は…

 

「チッ!」

 

ベートは舌を打つ。その攻撃は通り抜けてしまうのだ。

 

「ゴーストの類か…」

 

フィルヴィスはそう呟く。詠唱しながら短刀を抜き、攻撃をする。しかし――

 

やはりその攻撃も通り抜けてしまう。ゴーストと呼ばれたモンスターはその姿を見て、滑稽そうにまた口角を釣り上げる。

 

「ッ!なに笑ってやがるッ!」

 

ベートは癇癪を起こしたように殴り、そして蹴り掛かる。しかし、やはりその攻撃は通じない。自分では相性が悪いことを察し、また舌打ちをする。ロキに持たされたものを使おうかとも悩んだ。しかし絶対的に今ではないとも分かっている。――だから。

 

「おいエルフ!何とかしろ!」

 

フィルヴィスは詠唱を完了し、魔法を放った。

 

青白い魔法陣は神々しく輝き、壮大な魔の力を感じさせる。目を閉じ、片手で持った杖から放たれたるは光の線。瞬く間にダンジョンを照らし、土壁を破壊しながらゴーストへと向かう。

 

神聖の光に触れたゴーストはその光に包まれ、魔石を落とす事無く焦げて消滅する。

 

ふぅとひと息。――する暇もなく。

 

また奥から同じモンスターが出てくる。

 

レフィーヤは突然の事でまだ魔法を打てる状態ではない。フィルヴィスはそんなレフィーヤの姿を見て、詠唱する態勢に入る。しかし、やはり詠唱を要する魔法は後手に回り、相手よりワンテンポ遅れる。

 

その間にもゴーストは爪を立ててこちらに向かってくる。

 

狼は、二人の前に出る。

 

「おいお前!」

「オオカミさんッ!?」

 

狼は刀を構え、徐にポーチに手を入れる。取り出したのは…。

 

今朝、ミアハから貰った紙切れだった。しかし、これはただの紙切れではない。

 

ミアハ曰く、幽霊、怨霊の類が苦手とする金木星などを使った薬品を作る際、その薬品を濾したあとの紙切れだそうだ。

 

しかし、狼はこの紙切れの使い方を知っている。神ふぶきそのものではないが、怨霊相手ということであれば、その効果は十分に期待できる。

 

狼は、手に持った紙切れを刀に纏わせる。

 

すると、刀は青白く、それでいて妖しく輝き始めたのだ。やはり葦名や源を流れる水ではないため、彼のように妖しく輝きはしない。それでも、ゴーストを斬るには十分なのだ。

 

「っ馬鹿な!」

「エンチャント…、嘘ッ!?」

 

ゴーストの爪が狼を捉える。しかし。

 

狼の刀がその攻撃を弾く。

 

「剣が…当たるのか?」

 

ゴーストは、まさか自らの攻撃が弾かれるとは思っていなかったのか、驚き体勢を崩す。

 

狼が捉えたのは怨霊の胸だった。刀の切っ先で胸を突くと、ゴーストは苦悶の表情を浮かべる暇もなく、消滅した。

 

また先のモンスターがやってくるかもしれない、狼は残心しつつ周りを見ると、何も気配がなかったのか。刀を鞘に納めた。

 

「す…すごい……」

 

レフィーヤは、狼が戦っている姿を間近で見るのは初めてだった。今の姿を見ると、確かにロキやリヴェリアが狼を連れて行った方がいいというのも納得できる。目を輝かせながらその仕草を見ていると、ベートやフィルヴィスは先に進んでいく。

 

幼きエルフは、勇気を出して狼に話しかけた。

 

「あ、あの…、オオカミさん。す、すごかったです。咄嗟にあんなことができるなんて…」

 

「………」

 

狼は、レフィーヤの感想をただ聞いた。

 

褒める作法があるとするならば、褒められる作法もある。しかし、狼はそれを知らない。

 

初めは唯狼を褒めていた言葉もだんだん自嘲気味になっていく。

 

「それに比べて私は…また何もできませんでした」

 

レフィーヤは続ける。

 

「アイズさんに教わったはずなのになぁ…。――迷えば、敗れるって…」

 

「……っ」

 

「ど、どうかしましたか?」

 

「……その言葉」

 

「迷えば敗れる、ですか? いい言葉ですよね。アイズさんから教わったんです。やっぱり、トップレベルの冒険者は言うことが違いますよね…コンマ数秒の迷いが死に直結する。そしてそんな戦いを何度も経験している」

 

「………」

 

狼は、黙って聴いた。

 

「だから私、決めたんです。あの人の隣で戦うために、迷いなんて棄てて、仲間を信用して詠唱に集中しようって…。でもやっぱりだめでした…って、私、なんでこんなこと話してるんでしょう」

 

あははと自嘲気味に笑うと、狼を残してそそくさとフィルヴィスの後ろに付いた。フィルヴィスにはフィルヴィスに、何やら並行詠唱の方法などを聞いているようだった。

 

狼は、レフィーヤにその言葉を伝えたことは無かったが…。なるほど、受け売りがまわりまわって自分の所に帰ってきたというわけだ。

 

狼は、なんとも言えない気持ちになった。




前書きの件。よろしくお願いします

今から試しにダークソウルとやらをプレイしてみますので、ご教授願います。もしリンクを踏んで配信をしていなかったら、どうかフォローだけでもよろしくお願いします。
・Twitch
https://www.twitch.tv/pmgojimaru0426

あと誤字ってたら申し訳ない。
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