そしてお久しぶりの方へ
「次回作はゲーム実況風のハイフリと言ったな」
「そうだ大佐、だから投稿・・・」
「あれは嘘だ」
「伏せろおぉぉ!!」
「ロイいいぃぃぃ!!」
アフリカの大地でロケット弾の衝撃波で吹き飛ばされ、家の瓦礫で頭を打った時、思い出した。
この世界は多分俺の作った小説の世界だ。
—―
私は彼女達の橋
いつものように艦これの妄想を楽しみながら湯船に浸かっていた時、思い付いた作品だ。
謎の超技術を持った男がブラック鎮守府を襲撃し、そこの提督を逮捕。その鎮守府の指揮を執りながら深海棲艦*1の組織『親衛隊』*2の為に活動するという内容。
最終的には敵の首領を殺害し、親衛隊の計画の成功にも大きく貢献をし、来世の幸せを約束される...
が、今世…特にケッコンカッコカリ後から悲惨な運命を辿る。
まず、ケッコンをした艦娘が行方不明—―敵勢力に捕まり、拷問の後死亡—―になる。
そして最終決戦でまず死線を潜り抜けてきた仲間が轟沈。他にも技術指導をしてもらった先生と呼び慕う仲の艦娘が轟沈したり、配下の艦娘も多く轟沈する。
挙句は主人公—―つまり俺—―が相手と相討ちになる形で死ぬ。
まじで地獄で草も生えん。よくこんなクソダメみたいな案考えたなぁ過去の俺!!
と、とにかく最善を尽くそう。
人間と深海棲艦の戦争の火種となった移民団虐殺事件(仮称)*3は場所と時期の特定がほぼ不可能なので開戦は確定だろう。なら最期を変えるしかない。
そう決心した所で、俺は頭からの出血によって意識を失った。
—―
「上を向いてください」
意識を取り戻したのはアラビア半島の先っちょにある国イエメンのアデンにある、軍病院だった。
「日本軍、横須賀陸戦隊学校実地訓練生、ロイ・ヴィッフェ・ヒドルフ。スーダンのカッサラ郊外の戦いで負傷。しばしの療養を必要とする」
禿げた眼鏡おじさんの診断結果を聞きつつ、改めて考える。
ロイ・ヴィッフェ・ヒドルフ…これが俺だ。癖などは自分をモデルにしたので、一人称は俺、誰かと話すときは私。好物等は分からない。確かそんな描写はなかったはずだ。
父はドイツの海軍軍人、母は日本人と聞かされている。二人は日本で出会った。父が日本に派遣され、休暇中に出会ったらしい。母は俺を産んですぐ死んだ。父は日本に派遣されている間に起きた尖閣動乱*4の際に出撃し、戦死した。当時5歳に満たなかった俺の後見人は父と親しかった山吹 智久(当時少佐)で、実質的な養子だった。
身体能力はとても高く、覚醒したといえる中学生の時期は身長184㎝(このあと身長は伸びなくなった)になり、力がかなり強く喧嘩(一方的に吹っ掛けられたもの)では負け知らずである。それを活かすのと亡き父、育ての父の影響を受けて陸戦隊の訓練学校に入学する。
そして起きたスエズ戦争*5に派遣され、現在に至る。
「はぁ」
病院の景観をよくするために植えられた木を見つつ溜息を吐く。
傷はすぐに治る。体質故に。しかしその後に問題がある。
このままいけば俺はいずれ移民団の生き残りと合流するだろう。そのときに既存兵器で深海棲艦に対し攻撃を仕掛け、生還。その後日本に帰国する。
深海棲艦は深海棲艦にしか倒せない。この点をロイはクリアしているが(後述)既存の兵器しかないので効果的に戦えない。そのくせ敵は艦砲なので防弾チョッキ等は意味がない。スペランカーである。
補正がかかることを期待したいが油断はできない。直近のイベントで一番死ぬ確率が高いのは移民団の生き残りと合流し深海棲艦と戦う…紅海の奇跡である。
それまでに、しっかり休むとしますか…