自分の作った小説の主人公に転生   作:ロイ1世

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八月中に二本投稿で来たのは奇跡と言っても過言ではないと、ワイトは思います。
なので次回は九月か十月に投稿されると思います。

ク、クウォーターはないから(震え声)


化物

「うむ。そちらの状況は把握した」

「白露の艤装を回収し、ここの責任者を逮捕若しくは拷問し殺害出来次第脱出経路の確保に動きます」

 

 通信室を使い山吹元帥に報告やこれからの予定を伝える。少なくともこの施設の責任者…研究者に洗いざらい吐いてもらわなければ。

 

「いや、中佐らは脱出を優先したまえ。現在地下貫通型の爆弾を搭載した航空隊が出撃準備をしている。数時間後には地下も含めてハ島の敵組織は撃滅される。中佐も巻き沿いになる必要はない」

「…了解です」

 

 爆撃がスムーズに行われることに安心するが、少しでも遅れればこちらも…。それに白露の艤装を回収できないと再生産などの問題で面倒臭いことになる。ここが何を目的にした施設かも気になるところだし...

 

「交信終了します」

「分かった」

 

 通信機器の電源を切り、白露の方を見る。対人戦を経験していなかったせいかかなり疲労していた。

 

「数時間後にここは爆撃される。元帥閣下は脱出を優先するよう命令された。だがそれじゃあ俺の気が治まらん。そこで白露、一人で脱出ルートを確保しろ」

「はい…はい?」

「俺は白露の艤装を回収した後ここの責任者を〆る」

「え?えぇ!?」

 

 白露に持ってきていた拳銃とマガジンを渡し、自分の身は自分で守れるよな、と言い扉を開けて出ていく。

――

 白露への最低限の配慮として発見した敵は全て倒し、罠は解除をするなどをする。だが行く方向は違うので時々銃声が聞こえる。少し不安にはなるが艦娘の身体は丈夫だから大丈夫だと思って進む。

 

「貴重品保管庫」

 

 この場所に無ければもう打つ手なしの場所に行く。中には何かのサンプルや部品があり、その中に白露の艤装は混じっていた。

 

「…背負えばいいのかな?」

 

 駆逐艦の艤装といえども重い物は重い。訓練学校で基礎知識として習った艤装の着脱を思い出しながら缶や電探のある背中に付いている艤装を付ける。次に魚雷発射管を足に付け、最後に連装砲を左腕に付ける。

 

 クソ重い。

 

 艤装はそもそも適性、つまり姉妹艦であったりしなければ最低限の機能も動かない。そしてその最低限の機能には装着者が艤装を重く感じなくなるシステムがある。今の俺はこれが動いていないからキツイ。

 

「砲弾は…抜かれてるか。燃料と魚雷はあり、よ...!!」

 

 リフレックスが働く。

 

 周辺確認、室内に敵はいない。扉も開いていない。銃弾や爆弾が飛んできてもいない。

 

「なんだ、これは」

 

 取り敢えず立っている場所を離れようとしたとき、壁が膨らんだ。破裂する風船をスロー再生で見るように、壁が割れて向こう側の景色が見える…はずだった。

 

「なんだこいつは!!」

 

 そこにいたのは巨大。人のように直立二足歩行をし、立派な筋肉のついた腕を持つ巨体。しかしその顔は花弁が閉じているような見た目で、気持ち悪さを感じる。*1それはリフレックスの中でも普通の速さで動いていた。

 

「化物め!!」

 

 何か武器は無いかと探す。銃は白露に渡してしまったのでもうない。あるのはナイフ。ナイフをすれ違いざまに顔に数回刺す。

 

「===!!(咆哮)」

「化物め…」

 

 化物は怒り心頭といった叫び声をあげる。人間や普通の生物でも死ぬほど深く刺したのに余裕といった様子は少しの恐怖を感じる。

 

 しかしそれほどの生命力を持っているが、弱点も見つけた。飛び道具を持っていないことである。つまりここは一旦逃げて銃のような飛び道具を拾って戦えば出血多量でいづれ死ぬ。

 

「じゃあな化物」

 

 化物が開けた壁の穴から外に逃げようとして、捕まる。

 

「===!!」

「やっべ」

 

 捕まえている腕に力が徐々に込められていくのを感じる。このままだとぐしゃっとジュースになってしまう。しかもリフレックスがじわじわと効くタイプの死の所為か発動しないので手数が減ってしまう。

 

「ちぃ」

 

 腕や指にグサグサと刺してみるがあまり効いていないようで、手放してくれない。

 

「やっぱりそうか…でもここなら!!」

 

 ナイフを投げる。現状使える唯一の武器を失ってでも行った攻撃。ナイフが刺さったのは

 

「===!!」

「痛いだろ?流石に目は効くだろう!?」

 

 化物が目を押さえて怯む。その隙に足に付けた魚雷発射管を弄くる。

 

「こいつも痛いぞ!!」

 

 怯んでいる隙に大ダメージを与える為、発射管から魚雷を抜き、頭に叩き付ける。

 

「===!!===!!」

「うおっ!!」

 

 流石は酸素魚雷だ。化物の首から上が文字通り吹き飛んだ。こちらも持っていた腕がかなり酷いことになっているが、しばらくすれば治るだろう。…治るよね?これだけの大怪我したことないから自信が持てない。

 

「うえぇ、痛い」

 

 色々とハプニングはあったが艤装は回収できた。後は〆るだけ。

――

 腕も無事に治り、安心して探索を続ける。あの化物がこの施設で生産されているのではと思ってしまったが、道中で見ることもなかったのであれがイレギュラーだと分かる。

 

「…お前がここの責任者だな」

「そうだが…そういう君は何者かな」

 

 そして白衣を着た男。あの看守の言っていたここの責任者であろう男は、所長室にいた。見る限りは丸腰。机の中に銃がある可能性もあるが、リフレックスの前では無力。だというのに余裕のある態度が俺を不安にする。

 

「堅谷…かたや、堅谷所長」

「そうだとも。けんや、と読み違えるなよ」

 

 机の上の名前を見て、名前が分かる。

 

「ここで何をしていた。少なくとも軍の公認施設ではないだろう」

「そうだなぁ。この施設の名前は堅谷研究所。軍…特に海軍には秘密の政府が創った機関さ。ここでは艦娘や深海棲艦の秘密について研究している。君だって両者の異常性という名の共通性には気付いているだろう?私の研究は艦娘を通じて深海棲艦の謎に迫るというものさ」

「はっ」

 

 演技。自分でも下手だと思うがそれでもやらねばならない。

 

「艦娘を通じて深海棲艦の謎に迫る?バカバカしい。共通性はあっても同じじゃないだろう?」

「君こそバカバカしい。両者の共通性はもはや同族と言っても違いないのだよ。それはつまり、艦娘の生態を知ることで深海棲艦を知り、有利な戦況の形成に繋がることになる」

「だとしても、この施設を軍は認知していない。そんなところの結果なんて、使われやしない」

「おいおい、それは海軍の話だろう?」

 

 

 

「私の…この堅谷研究所はね、陸軍のお偉いさんが手伝ってくれた機関だからね」

「…」

「ここで得られたデータは本土の陸軍省に送られ、さらにそこから陸軍工廠に送られる。そして工廠で作られた武器は戦場へ行き、深海棲艦を倒す。海軍がデカい顔して歩けるのも今のうちだよ。わっはっは」

 

 

 

「そうだ。君ならきっとこう質問するだろう?近海で行方不明になった艦娘はどうなったか、答えてあげよう!!立派なデータになったのだよ!!素晴らしいねぇ、勲章ものだ。いや、実際に勲章を貰えるね。そのデータによって作られた武器を持つ兵士たちが」

 

 堅谷はずっと笑っている。研究の成功を自慢するその姿はまるで子供だ。

 

「あんたの言っていることは確かに正しい。深海棲艦との戦いを海軍だけに丸投げしている現状は、提督と艦娘たちにとって大きな負担だ」

「そうだろうそうだろう?ところがその現状は変わろうとしている。僅かな犠牲で!!」

「大きな犠牲だ!!ここハ島付近に来るのは戦闘・遠征問わず高練度の艦隊。それをあんたは殺したんだ!!この開戦から間もない、練度は全体的に決して高くないこの大切な時期に、あんたは殺したんだ!!勲章をもらう兵士の何倍も丈夫で、何倍もの成果を挙げる艦娘を!!」

 

 大声且つ早口でまくしたてる。だがそれでも堅谷は悪びれる様子もなく言う。

 

「ふーん。ところで、君は結局どこの所属なのかな?まぁ、陸軍の所属ではないと思うが、一応ね?」

「…」

「答えてくれたっていいだろ?私は君の質問に答えたんだ」

「…憲兵隊。大本営直属、提督訓練学校に配属されている」

「そうか。あの陸軍モドキの憲兵隊*2か。そう書いておくよ」

「あ‶?」

 

 俺と堅谷の間の天井が破壊され、上から何かが降ってくる。

 

「まだ生きてやがんのか!!」

「ほう、初見ではないということは、君がこいつを倒したのか」

 

 化物は着地姿勢から直立の姿勢に移る。「待て」を言われたペットのように動かない。

 

「紹介しよう!!こいつはアグリ。データを採り終わった死骸から作られた堅谷研究所完全監修の生物兵器さ!!」

*1
外観イメージ XCOM2の敵のバーサーカー

*2
鎮守府守備隊から名前が変わっただけで、その守備隊は海軍創設の海軍指揮の海軍の機関。陸軍は引き抜かれた人材以外全く関係していない




堅谷(かたや) ハ島の地下に創られた研究所で艦娘を研究している。深海戦争前から        
        陸軍で研究をしており、ハ島に研究所が造られるにあたって深海棲艦
        の空襲に遭い死亡したことになっている。倫理観がかなり無く、艦娘
        の死体を解剖することに乗り気ではなかった職員を不思議がってい
        た。仕事(研究)が楽しいと感じる研究者で、かなりの天才。深海
        棲艦=艦娘説を確信し、その証明の為にも研究に没頭していた。

アグリ 外見がXCOM2というゲームに出てくるバーサーカーというキャラにそっくりの
    生物兵器。素材は艦娘の死体を複数使用。生命力が強く、頭を吹き飛ばされて
    も死なない。再生能力も高く、30分以内で死の淵から帰ってきた。
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