自分の作った小説の主人公に転生   作:ロイ1世

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手と頭と文章量全てを抜いた一本


確信

「さて、食事も済んだし色々聞かせてもらうよ」

 

 空になった食器を洗う白露に見守られながら、100%黒の証拠である江風に尋問を行う。

 

「君はあのとき、車に何をしていた」

「エンジンに細工をして爆発するようにしろーって、提督が」

「その提督は義明英朗で間違いないな」

「ああ。急に呼び出されていきなり。こっちは知識なんて艤装の最低限の整備しかないのに」

 

 この尋問も録音している。そしてこの回答は少なくとも俺の暗殺を計画し指示したことの証拠だ。

 

「それは大変だな。他にもこうしたことは?」

「うんゃ一度も。長門さんとか陸奥さんとかならあるかもしれないけど」

「長門とは話したが何も答えてくれなかったな…」

「そりゃそうさ。艦娘寮には盗聴器があちこちに仕掛けてある」

「それを考慮して食堂の混雑時にやった。一応は騒がしかったから誤魔化せると思うが」

 

 あの中で正確にこちらの会話を聞き取るのは至難のはずだ。声をかなり抑えたし、何かを知っていそうな子には筆談も試した。

 

「食堂は全席に盗聴器があるし一部の机は上から見えるよう監視カメラも付いてる。その座った席が混雑してても空いてたならそこは監視カメラ付きの席だよ」

「言われてみれば空いてたな」

「はいはい!!じゃあ江風たちはどこで愚痴るの?」

「そりゃー訓練所だろ。あそこは砲撃の音が邪魔して聞き取れないから口許さえ見えなきゃ何言っても大丈夫だ」

「なるほど。他には」

「他に?他かー…夜の埠頭なら見られなければ大丈夫かー、確かそこにも盗聴器は無かったはずだ」

 

 夜の埠頭…別人の証言が欲しかったらそこに呼ぶしかないか。

 

「提督が何か不祥事をやってるとか知らないか?」

「ああ。もちろん。憲兵隊と一緒に避難訓練と称して住民を一か所に集めてる間に空き巣してるらしい。その様子が監視カメラに写って警察と揉めてたし」

 

 これが聞きたかった。江風以外に証拠がなく、家具や艦娘寮のボロさなどの疑惑しかなかった義明の有罪という運命を確信できた。

 

「妖精、警察の監視カメラの記録を持ってこれるか?」

「勿論です。避難訓練をした日時は?」

「この日の13:00から21:00」

「8時間分の録画データと可能ならその件に関する書類を。見るべき録画を選別したい」

 

 監視カメラが増えたこのご時世で全ての録画を持ってきたら時間が足りない。

 

 そして憲兵隊の汚職も分かったから全員を逮捕しても問題ない。

 

「データの回収と特定にどれくらいかかる?」

「一日あれば十分です」

「分かった。他の奴の証言も欲しいから明日も鎮守府に行く」

「あたしはどうするの?」

「白露と一緒にカメラと盗聴器で情報を集めといてくれ」

「一緒にがんばろ!!」

「頑張れ」

 

 主に白露の相手を。

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