LASだと思う、知らんけどw   作:かの存在完全に消滅す

11 / 33

殺風景な部屋だ。だが1週間前までは少し歩くだけで足が埃で白くなるほど汚かったが、今は掃除が行き届いている。
掃除をしたのはこの部屋の主、綾波レイである。

(…夢…)

先程までレイは夢を見ていた。
シンジが自分の部屋を掃除している夢を。

(そんなことある訳無いのに…)



安らぎを求めしもの

 

学校の帰りの道。

綾波とシンジ、トウジ、ケンスケが

一緒に帰っている。

 

「明後日からの中間テスト、どうしたらいいんだろうな…」

 

「ワシは腹をくくる事にしたわ…」

 

「…碇君には私が教えてあげる…」

 

「いいよ!綾波!自分でやるから!」

 

正直、綾波は前のプールの時もそうだったが、教えるのが上手くない。

 

「よ〜〜し、こうなったら碇んちで作戦会議や!」

 

「賛成!」

 

「?どうして碇君の家なの?」

 

綾波が疑問符を浮かべる。

 

「「ミサトさんに会えるから」」

 

即答するバカ2人。

 

「…そんな事だろうと思ったよ…」

 

歩いているうちにシンジの住むマンション、コンフォート17に辿り着く。

 

「多分ミサトさん仕事でまだ帰ってないよ。」

 

「「それでも待つ!」」

 

「…碇君、こういうのを"すとーかー"と言うのね。」

 

「多分違うと思うよ、綾波。」

 

ドアの鍵を開けようとすると、

 

「あれ?鍵開いてる。」

 

「まさか!」

 

「ミサトさんが⁉︎」

 

「「お邪魔しまーす!」」

 

「…お邪魔します…」

 

嬉々として家に入り込んでいくバカ2人に、綾波も続く。

 

「…なんやこの段ボールの山…」

 

シンジの部屋に荷物が大量にある。

 

「…あっ…(察し)」

 

前史通りだ…てことはアスカが…

 

「あっシンジ!ようやく帰ってきたわね!ここあたしの部屋になるからあんたの荷物物置に運んで!そこにまとめといたから。」

 

「で、出たああああ!!」

 

トウジが腰を抜かす。

 

「なによ、の◯太のバトルドームも出たー!みたいに言わないでよ!」

 

なんでそのネタ知ってんのアスカ?

 

「ほら、早くしなさいよ!ただでさえ狭い部屋なのに、あんたの荷物があると余計場所がとられるんだから!…全く日本の部屋ってどーしてこんなに狭いのかしら!」

 

「…なぜあなたがここにいるの…?」

 

「何でって…あんたには関係ないでしょ!それにシンジ、勘違いしないでよ!ミサトに言われただけであたしの意思じゃないんだから!」

 

すこし頰が赤いような気がするけど気の所為だろう。

 

「シンジ、お前…惣流とナニしたんや…」

 

「あぁ…ひとつ屋根の下に美少女と美女の2人と暮らせるなんて…俺はお前が羨ましいよ碇…!」

 

 

 

 

たっだいまー!とミサトさんが帰って来る。

 

「葛城一尉、なぜ二番目の子が?」

 

「アスカが自分で来たいって言ったのよ、よっぽどシンちゃんと暮らした五日間が楽しかったのねぇ…」

 

「惣流と五日間暮らしたやとォ⁉︎」

 

「なんかイヤーンな感じ…」

 

「…! ミサトさん昇進されたんですねおめでとう御座います!」

 

「え…ええ、そうね。」

 

「どうして分かったんやケンスケ…」

 

「気付かないのかね諸君!葛城さんの襟章の線が二本になっていることを!一尉から三佐に昇進されたんですよ!ネッ!」

 

「あ、有難う…」

 

「そんなの気付くの相田君だけだ

わ…」

 

珍しい綾波のドン引き。

 

(この子ちょっち怖い…)

 

「よっしゃあ、そうと決まれば!」

 

「葛城さんの昇進及び、惣流様のお引越しを祝して…カンパ〜〜イ!」

 

「…なぜ焼肉パーティなの?」

 

「知らないわよ、メガネバカが勝手にやり始めたんだし…」

 

「そこ!何ヒソヒソやってんの?さあ食べて食べて!」

 

強行される焼肉パーティ。

 

「嫌よ。肉、嫌いだもの。」

 

「試験の作戦会議はどうなったんだろう…」

 

「やっぱワシはさっき言ったように腹括ったでェ…」

 

(この際飲めれば何でもいいか…オゴリだし…)

 

「綾波、もしかして油っこい物が嫌い?」

 

「ええ。」

 

「ここの部位とか油少ないから試しにちょっと食べてみてよ。」

 

そう言って一口サイズに肉を切る。

 

「碇君がそんなに言うなら…はむっ……!…美味しい…」

 

「でしょ?」

 

ぴーんぽーん

 

「あのう、お邪魔します。」

 

「な!何でいいんちょーがここにくんのや!」

 

トウジの顔が赤くなる。

 

「来たわねヒカリ!あたしが呼んだのよ、むさ苦しい男共がいるから。とくにあんた。」

 

「何やとォ⁉︎」

 

赤い顔が怒りの赤さへ。

アスカにそっと耳打ちする。

 

「…実はトウジと委員長は両片思いなんだ。」

 

「…それマジ?」

 

「うん、トウジの方は間違いないよ。」

 

「…へーぇ、でも何で今?」

 

彼等に幸せになって貰うにはアスカの協力が欲しかったので、目の前に丁度トウジと委員長がいるこのタイミングが言いやすかった。

 

「くぉら!何コソコソ話しとんのや!」

 

「アスカホントに碇君と住むんだ…」

 

「そ。作戦上仕方なくね。」

 

ぴーんぽーん

 

「!まだ呼んどるやつおんのか⁉︎惣流!」

 

「いや…?」

 

「よ!葛城!松代の土産、買って来たぞってあれ?人口密度が随分高いな?誰かの誕生日(バースディ)か?」

 

「加持さん!」

 

「げ…バカジ!」

 

突然家に入り込んでくる加持さん。

 

「アスカの引っ越しとあたしの昇進祝いですけど!あんたなんかだーれも呼んでませんよーッ!」

 

「つれないなぁせっかく土産のわさび漬けと桜肉持って来たのに…」

 

「あたしは?あたしにはお土産ないんですかぁ?」

 

くねくねと腰を動かして土産をねだるアスカ。やっぱちょっとイラっとする。

 

「アスカにはこれさ!」

 

「わーい、嬉しい!ありがと加持さん!」

 

「…おまえこの兄さんにはアカラサマにワシ等と態度が違うな…」

 

トウジが猫を被るアスカに一言。

 

「当たり前でしょ、月とぞーり虫に同じ態度がとれるわけがないわ。」

 

「…草履虫ってワシのことか?」

 

「そうよ、あんたがぞーり虫で相田がミトコンドリア。シンジは…よく言ってスッポンね。」

 

「あんさん騙されたらあきまへんで、この女カワイイ顔してホントはとんでもない女なんや。」

 

トウジが加持さんにアスカの本当の性格を伝えようとする。

 

「ちょっと!加持さんになんて事言うのよ!」

 

「意地は悪いわ、口は悪いわ、暴力的だわ…」

 

トウジに対して、やめてよ!とアスカが止めようとするが構わず続ける。

 

「オマケに裏表の激しさと言ったら、そらもうこんな性根の腐った女は後にも先にも…」

 

「そろそろやめなよトウジ!」

「やめてってば!」

 

シンジがトウジを止めに入る。

同時にアスカがトウジを殴ろうとする。

 

ドカ!!

 

見事に止めに入ったシンジの左頬にぶち当たる。

 

「あっ…ごめんシンジ!大丈夫⁉︎」

 

「いや…大丈夫だけど…」

 

「え?…はっ!」

 

状況に気づいたアスカ。

 

「……へ、変ねぇシンジは…ちょっと小突いただけで倒れるなんて…」

 

「…よーやく正体表したな惣流!」

 

綾波が、碇君…大丈夫?と心配してくれている。

 

「知ってたわよ薄々とね。」

 

「アスカの演技はまだまだ甘いよ…」

 

「…演技なんか…っ」

 

「…アスカ…もう育ててくれた義理の両親の前じゃないんだから…無理していい子でなくてもいいのよ…」

 

「…無理なんか…してないわよ!」

 

「アスカ…」

 

「なによ…シンジ。」

 

「かわいいね。」

 

ぼんっ、とアスカが真っ赤になる。

こんなことを言ったのは、ただ言いたかっただけでなく、この場の雰囲気を良くするためである。タダイイタカッタダケジャナイヨホントダヨ。

 

「ななな、なに言うのよ突然!」

 

「イヤーンな感じ…」

 

「シンジ君⁉︎」

 

「なんか変なもんでも食ったんか⁉︎」

 

「……」

 

「碇君…すごいわね…突然すぎだわ。不潔よ不潔!」

 

「碇君がそういうことすると、むかむかする…」

 

おかしくなったのかという心配をするみんな。

 

夜は更けてゆく。

 

 

 

 

「みんな寝ちゃった…ミサトさんは加持さんと一緒に外の風あたりに行ったし…せめてみんなにバスタオル掛けて冷えないようにしよっと…」

 

ケンスケにバスタオルをかける。

綾波にも。

トウジと委員長は一緒に。

 

そして最後はアスカって…起きてるし。

 

「シンジ…風呂沸いてる?」

 

「あ、うん。」

 

「じゃ入ってくるわね…」

 

 

 

 

 

シンジも風呂に入って今や布団の中である。アスカも布団に入ってはいたが、興奮で眠れなかった。

 

『かわいいね。』

 

「…シンジのばか。」

 

すると物置のドアが開き、トイレに行く音。

 

そしてその音の主はトイレの後アスカの部屋に入ってきて、布団に侵入する。

 

(…⁉︎ シンジが入って来た⁉︎)

 

悪い気はしない、が理性がシンジを追い出そうとする。

だが、結局シンジを追い出すことはしなかった。

 

(…こう見ると可愛い顔ね…)

 

心臓の鼓動が、早くなっていく。

 

(少しくらいなら…いいよね…?)

 

唇を触れさせる。自らが殴ってしまった左頬に。

 

(キス…しちゃった…寝てるから…バレてないわよね…?)

 

「…かあ…さん」

 

「!」

 

少年が寝言で母を呼んでいる。

 

「…もしかしてシンジとあたしって案外似てるのかもね…」

 

頭を撫でる。抱き締めてもあげる。

 

「これ…気持ちいいのよね…」

 

自分のされて嬉しい事を全てシンジに与えてみる。

不思議と自分も多幸感に包まれる。

 

「…何だかシンジのお母さんになりたくなって来たわ…」

 

 

 

 

なんだか、いつもの朝と違う匂いがする。

慣れない匂い…少し甘くて…酸っぱいような…

 

手が温かくて柔らかいものに包まれている感覚。

 

(…ん?あったかい?ペンペンかな…まさかミサトさんが酔っ払って…)

 

目を開けて確認する。

 

(金髪…?ミサトさん染めたのかな…)

 

起きたてで頭が上手く動いていない。

 

(…あれ?金髪…?…まさか…いやそんなバカな…)

 

 

全く予想外、アスカだった。

 

 

「ほ、ほわあぁぁぁぁぁぁ⁉︎」

 

「あっ…起きたのねシンジ…」

 

 

 

 

 

 

つづく




ゆわーい!
次回、受け止めろ!重力攻撃
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。