しとしゃんにのっとられたしゃんごうきしゃん。
なかなかちゅおい。
しょごうきしゃんのけーぶるがきれちゃった。
どうなるんだりょう?
「…ヒカリ?」
「二番目の子!ボーッとしてないで次!」
参号機の左腕を撃っている、レイの焦った様な大声。
「…あんたに言われなくてもッ!」
初号機が両手で受け止めている参号機の左腕目掛けてナイフを突き立てる。
弐号機のナイフは深々と左腕に刺さり、切断する…かに思われた。
(!…斬れない⁉︎)
硬い?否。
(力が…入らない!)
『助けて…アスカ…』
またヒカリの声。手が震えて上手く動かない弐号機。
『初号機活動限界まで残り3分を切りました!』
「アスカ…ッ!」
「分かってる!分かってるけどッ!」
参号機が初号機の拘束を解き、零号機にタックル。
突き飛ばされる零号機。
600mほど飛び、地面に激突。
「…ッッ!!」
『零号機、活動停止!』
「エコヒーキ⁉︎」
「綾波⁉︎」
(…なんて馬鹿力…)
続いて、弐号機も飛ばされる。
「嫌ッ⁉︎」
「アスカ⁉︎」
落下する弐号機を受け止める初号機。
「くぅッ!」
(やだ、カッコいい…じゃなくて!)
参号機が走ってくる。
「くそっ!A.T.フィールド展開!」
参号機はA.T.フィールドの壁に阻まれ、足が止まった。
だが、すぐに中和して突破してくる。
そこに、初号機によるカウンターが綺麗に決まる。よろめく参号機。
「シンジ!ヒカリが…ヒカリが乗ってるの!」
「…!」
(そうだ、確かにそうだ。)
一瞬の隙。
参号機が立ち上がり、初号機を押し倒す。
「…これは!」
(前史で零号機が食らってたやつをやるつもりか!)
「そうは…させるか!」
初号機から放たれる加粒子砲。
吹き飛ばされ、倒れ伏す参号機。
その上から初号機が押さえつける。
「アスカ!ボーッとしてないで戦闘!」
「…ごめん…シンジ…でもね…」
「早く!」
「手が…手が震えて…動いてくれないの…」
「…ッ!」
(僕の時と同じだ…っ!やっぱり幾らアスカでも厳しかったんだ…!)
「…どうしよう…シンジ…?」
声が震えている。こんなアスカは初めてだ。
『エヴァ初号機、活動限界まで残り1分!』
参号機がまた立ち上がる。
いつの間にか斬り落とした右腕も修復されている。
『ヴオォォォォォォ!!』
参号機の怒号。
(僕が…僕がなんとかするしか無い!)
「うおぉぉぉぉ!!!」
『ヴオォォォォ!!!』
激しい格闘戦。
自分に向かって飛んでくる参号機の拳を左手で受け止め、右手に持ったプログナイフで目を潰す。
怯まず応戦してくる参号機。
目が見えないはずなのに的確に当ててくる。強い。この強さ…前史の三倍はある。
だが…所詮手負いの獣。
参号機の首を掴み、地面に叩きつける。
「うおぉぉぉっっっ…!」
(あとはプラグを引き抜けばっ)
邪魔な装甲を剥がしていく。
『痛い…痛いよ…碇君…!』
「…委員長⁉︎」
驚いた隙に蹴られ、拘束を解かれる。
『エヴァ初号機、活動限界です!』
初号機、大地に伏す。
「⁉︎…くそっこんな時に!」
初号機の頭を潰そうとする参号機。
そこに弐号機が立ち塞がり拳を受ける。
「…シンジには…手を出さないで…」
受け止めた手が痛い。
反撃は…震えて出来ない。
『レイとシンジ君の回収急げ!』
『…セカンドチルドレン、聞こえるか?もう残っているのは君だけだ、君が倒せ!』
(分かってる、分かってるのに…!)
(震えが…止まらないんだってばっ!)
『どうした!何を突っ立ているんだ?』
参号機が跳ぶ。そして直立不動の弐号機を蹴り飛ばす。
四つん這いの戦闘態勢になる参号機。
剥がされた装甲部からエントリープラグが見える。
(…ヒカリ!)
参号機の右腕が地面に刺さる。
弐号機の足元の地面から現れた参号機の右手に首を絞められる。
「…ん…くぅ…っ」
振り解こうとするが、更に左手にも首を絞められる。
「くそ!アスカが…アスカがやられてるのに…僕はどうして見ていることしかできないんだ!」
悔しくて泣きそうなシンジ。
『生命維持に支障発生!パイロットが危険です!』
『いかん!弐号機のシンクロ率を60%にカットだ!』
『待て!セカンド!何故戦わない!』
「…あたしには…あたしにはッ…で…きないッ…分かっててもっ…戦わないと助けられないって…ッ…分かってても…ッ…できな…い」
『お前が死ぬぞ!』
「…そんな事…っ…言…われたって……出来ないもん…は出来ない…わよ!」
『…………』
アスカとの音声回線を開く。
「…だめだアスカ!戦わなきゃ…もっと傷つく事になる!」
「…どういう…ことよっ…ばかシンジィ…っ」
「このままだと…ダミーシステムがッ!」
瞬間、弐号機の目が緑から紅に変わった。
…
「こっちにもいたぞ!生存者だ!」
「救護を回してくれ!大至急だ!」
日が沈んでいる。
薄暗い空の下、煙を上げている巨大な
ここは、松代NERV第2実験場だった場所。数時間前まで実験をしていた場所。
「第3班は807のデータを消去だ!急げ!」
(体中が痛い。生き残ったのね、私。)
目を開けるミサト。
徐々にピントが合わさって、加持が目の前にいる事を理解した。
「…加持…リツコは?」
「心配無い、君よりは軽症だ。」
その言葉で自分が寝かせられている事に気付く。
「エバー参号機は…?」
「…使徒、として処理されたそうだ。パイロットごと。」
「…シンジ君は?」
「…軽症だよ。問題無い。」
「アスカは…?」
「…使徒を…処理したのは…弐号機だそうだ…」
表情が暗くなる加持。
「…アスカが⁉︎」
…
コンフォート17のミサトの家。
ソファーに突っ伏すアスカ。
「…アスカ…」
「……うぅ…」
「委員長の事は…残念だったけど…」
「……………」
「いつまでもそうしている訳にはいかないんだよ。」
「……ッ…」
「前…トウジがパイロットにされたけど…今回と同じ様にダミーシステムを父さんに作動させられて片足を失ったんだ。」
「……………」
「僕は父さんをこんなに憎んだ事はなかった。死んでしまえと思った。」
「……………」
「…アスカ、僕を殴ってよ。」
「っ!なんであんたを殴んのよ!」
「僕は…ダミーの事をアスカに教えなかったし…内部電源が切れて、見ていることしかできなかった。だからだよ。」
「…別にあんたは悪く無いわよ…あたしがあの時動けてればこんな事にならなかった…っ」
「アスカ、自分を責めないで。」
「全部あたしのっ…あたしのせいよッ!」
「自分を許してあげてよ。」
「あたしがあん時戦ってれば…ううぅ…ヒカリぃ…うわあぁぁぁぁん!」
子供の様に号泣するアスカ。
「アスカ。」
抱き締める。出来るだけアスカが暖かさを感じられるように。
「…ひくっ…しんじぃ…っ」
「大丈夫だよ、アスカ。幾らでも泣いたって。僕は怒らないから。」
「どうして…どうしてそんなに…優しいのぉ…っ」
アスカに必要なのは、人の暖かさなんだと思う。自分なんかで足りるか分からないけど。
「しんじぃ…しんじぃ…だいすきぃ…」
「僕もだよ、アスカ。」
「…おふろ…はいってくる…」
「うん。いってらっしゃい。」
…
ぴーんぽーん
「はい、葛城です。どちらさまですか?」
『碇君、私よ。』
「綾波⁉︎」
がちゃん、と客人を招き入れる。
「珍しいね、綾波がここに来るなんて。」
「…弐号機の人、心配だったから。」
「…あたしに何の用?」
部屋の奥から出てくるアスカ。
少しクマができている。
「洞木さん、一命は取り留めたって。良かったわね、弐号機の人。」
「…重症、なんでしょ?」
「死ななかっただけマシだわ。他の人は私と違って代わりがいないもの。」
「?」
「…なんでもないわ。」
「…エコヒーキ。」
「なに?」
「その…心配してくれてありがと…」
赤くなっていくアスカ。
「これから…エコヒーキのことはレイって呼んでもいい?」
「…急にどうしたの?葛城三佐の料理でも食べたの?」
「ミサトの料理がどーしたってのよ…」
「リツコさんから聞いたから…レトルトカレーにマヨネーズかける人だって。」
「うえ〜っ、なにそれ⁉︎」
この世界のアスカはミサトの料理を食べたことがない。
ある意味幸せである。
「…いいわ。代わりに私はあなたの事を…アスカ、と呼んでもいいかしら?」
「いいわよ、レイ。」
「ありがとう、アスカ。」
随分素直になったなぁアスカ。
委員長も…死なずに済んだのか…
トウジに怒られるだろうなぁ…
しっかり謝らないとな。
つづく
おやすみ。
暫く休止します。
作者が忘れない様に高評価、感想よろしく。
今回書いてて鬱になるかと思いました。