「諜報部か…」
「副司令を発見。任務完了。」
『了解、副司令を解放し帰還せよ。』
…
加持リョウジ、ゼーレのスパイが判明、NERVの独房へ。
「死ぬよりマシ、か。とは言え暑苦しいな…」
思い出すのは停電で止まったエレベーター。
扉が開く。
「…葛城…」
「あなたの疑いが晴れたわ。」
「結局、誰だったんだ?」
「あなたに教える義務はないわ。」
「おいおい、諜報部の人間にも話しちゃいけないのか?」
「いいえ、あなたはクビになったのよ。」
「おや…とうとう俺も自宅警備員デビューか。」
「でも、あなたの監視はより強くなるから。じゃあね。」
「待てよ葛城。」
「なによ。」
「オレは…8年間ずっと…お前が好きだった。勿論今もだ。」
「…!」
「じゃあな…」
黒服に連れられそこから離れていく加持。
加持が小さくなった後、呟く。
「バカ…私もよ…」
「アスカのシンクロ率、高くなってるわね。」
「二日目なのに…安定してるわね。」
「シンクロ率は表層的な体の不調には左右されないもの。」
NERVによるシンクロテスト。
「というか、弐号機は凍結中なのにシンクロテストするんですね。」
「碇司令からの命令でね。」
「実戦では戦えないのに…」
「アスカー!上がって良いわよん!」
『はーい!』
…
「シンジ…もう寝よ?」
枕を持ち瞼を擦るアスカ。
「アスカ…まだ寝てなかったの?」
「一緒に寝たいんだもん…」
「そっか…じゃあ寝ようかアスカ。」
「うん!」
布団に入ると、お邪魔しますとアスカも潜り込んでくる。
すっかり慣れたが、他人から見れば14歳の男女が一緒に寝るのはいかがわしく異様な光景である。
「あたしたち…まるでこれからえっちしようとしてるみたいね。」
「急にナニを言いだすんだよ?」
「あたし、シンジとならやってもいいな〜って。」
「え?」
「あたしの処女、欲しい?」
「でも公式からポルノ関係の二次創作は禁止されたからダメだよ。」
「すっごいメタい事言うわね。ムードぶち壊しじゃない。」
雑談を続ける。
「次の使徒…アラエルだっけ?」
「そうだね、確かその筈。」
「前のあたしを精神崩壊させた使徒か…」
「怖い?」
「まさか、今のあたしなら大丈夫よ。」
「うーん、その事だけどアスカは多分出撃出来ないんじゃないかな。」
「あーっそっか、弐号機S²機関取り込んでるもんね。」
「アスカは多分見てる事しか出来ないと思うけど…僕と綾波で頑張ってみるよ。応援してて。」
「わかったわ…じゃあ応援してあげるからお腹さすってくれる?」
「え、良いけど急にどうしたの?」
「ちょっと…生理で痛くて…」
恥ずかしそうに顔を赤くする。
「わかった…この辺?」
「んん…もうちょっと下…」
「ここ?」
「そこは…ッ…下すぎるわよ…っ」
顔を真っ赤にして睨む。
「ごめん…じゃあここかな?」
「うん…そこよ…ありがと。」
痛みが少し楽になった。気休め程度だが。
「よーしよーし…」
シンジにさすられるのは新鮮な気持ちになる…そもそも他人にお腹を触らせた事すら無かったかもしれない。
(あ、でもママには撫でてもらった事あるかも…)
「よしよし…」
(ふふ…なんかシンジがママみたい…変なの…)
目を瞑る。そしてこの心地良さに身を委ねる。
意識が、静かになっていく。
寝息をたて始めるアスカ。
「すぅー、すぅー…」
(やっぱりアスカって可愛いよな…)
「ふにゃ…しんじぃ…」
(どんな夢見てるんだろう…)
「…あったきゃい…」
(見てるだけで癒されるなぁ…)
すりすり、とアスカのお腹をさすり続ける。
(僕も眠くなってきた…)
…
マグマと溶岩の違いってなんだっけ…
赤いマグマの中で考える。
上から降りてくる紫の巨人。
「ばか…無理しちゃって…!」
助け上げられ地上へ。
『あの頃は…楽しかった…』
…
「学校、行かないのシンジ君?」
「えと、僕も行きたいんですけどアスカが行きたくないからって…」
「ダメじゃない、数ヶ月も休んでるんでしょ?アスカは大学出てるからともかく、シンジ君は行ったらどうなの?」
「行かせないわよ。」
「アスカ…!」
「シンジはあたしの側にいるの!一緒じゃないと嫌!」
「はぁ…じゃあアスカ、あなたも学校行きなさい、シンジ君と一緒に。」
「…嫌よ…鈴原や相田になんて顔すればいいかわからないし…」
「アスカ、私はシンジ君を学校に連れていくのも仕事なの。だからわかって。」
「わかっては…いるのよ。」
「私が車で送ってもいいわよ。」
「そういう問題じゃ…っ!」
「大丈夫だよアスカ。委員長は怒ってないって話なんだから。」
「その話は聞き飽きたわよ…」
「ともかく行こうよアスカ。」
「仕方ないわね…」
渋々といった様子のアスカ。
「行ってきます!」
「行ってきます…」
「行ってらっしゃい!」
…
暗い表情をして、シンジの後ろを下を向きながら歩いているアスカ。
「…アスカ。」
「なあに?」
「すこし寄り道しよっか。」
「うん…」
とは言え、行くあてがある訳ではない。
適当に歩いて辿り着いたのは先の使徒戦で大破した繁華街。
「うえ〜っ酷いわねぇ…」
「!」
(なんだこれ…オルガンの音?)
「どうしたの?」
「ちょっと静かにしてアスカ。」
オルガンの音の発信源に近づいて行く。どうやら第九。
微かに聞こえる人の歌声。
「だーいくが仕事を放棄したーよー」
この声って…
「完成せーーずに放棄されーたよー」
オルガンの演奏を止め、こちらを向く銀髪の少年。
「歌はいいね、リリンの生み出した文化の極みだよ。」
ニコリ。素敵な笑みだ。
「あ、あんた誰よ?」
「僕はカヲル、渚カヲル。君達と同じ、運命を仕組まれた子供さ。」
「運命を仕組まれた…?」
「君は惣流・アスカ・ラングレーさんだね。宜しく。」
「⁉︎…なんであたしの名前を⁉︎」
「そして君は…碇シンジ君だね。」
「ちょっと!話聞きなさいよ!」
「以後宜しく。ところで第1中学校はどこにあるんだい?道に迷ったんだ。」
「…ついてこればわかるよ。」
「ありがとう。」
またもや素敵な笑みだ。
…
(このクラスもだいぶ人が減ったなぁ…)
2年A組の教室。人がほとんど疎開しいなくなっている。
プラモをいじりながらトウジと話すケンスケ。
「委員長…あれ以来、来なくなったね。」
「…いつ登校するつもりなんやろな?」
扉が開く。
「お早う。」
「……」
入ってきたのは2人の男女。
シンジと俯いているアスカ。
「碇!」
「惣流!」
席に着く。
「碇!委員長どうなったか知らんか?」
「知ってるよ。」
「頼む、教えてくれ!」
「参号機の起動実験の時、使徒に襲われて…それで…」
「ど、どうなったんや⁉︎」
悲壮的な表情のトウジ。
「左足を失って、今入院中だよ。」
「委員長…っ…」
「病室の場所は教えてあげるから、お見舞いに行ってやるといいよ。」
「言われなくても!」
「そう言えば惣流はどうしたんだ?さっきから元気ないけど。」
窓の外を眺めているアスカ。
「アスカは委員長を助けられなかった事で自分を責めてるんだ…だから放っておいてあげなよ。」
きーんこーんかーんこーん
「今日は転校生を紹介する。渚君、出てきたまえ。」
「…渚カヲルです。どうぞよろしく。」
…
帰り道。
お腹が痛いと言うアスカをおぶってNERVへ。
「あいつが最後の使者ってやつ?」
「うん、そうなんだけど。来る時期が前と大分違うな…」
アラエルとアルミサエルは現れないのか?
「やっぱり前とは違うって…事なのね…」
「うん。かなり違うよね。」
バスに乗ると貸切状態であった。
「シンジ…お腹さすって…」
「いいよ。」
痛みが強くなったらこれをする。
これだけで大きく気持ちが落ちつくのだ。
シンジの肩に頭を預け、姿勢を楽にする。
「アスカの髪、綺麗だね。」
「急に何を言うのよ。恥ずかしいじゃない。」
『次は〜NERV本部〜NERV本部〜』
…
「うーん、昨日より少し下がったわね。」
「学校に行かせたのが不味かったかしら。」
「まあでも、アスカは今の所戦力外だから問題ないわ。」
「レイとシンジ君は安定してますね。」
「でも、アスカには敵わないわね。」
「彼女、エリートの中のエリートだからね。」
「アスカ、レイ、シンジ君。上がって良いわよ。」
…
女性用トイレの洗面器の前で。
「はぁ〜。女だからってなんでこんな目に…子供なんて要らないのに…」
「気持ち悪いなぁ…うっ…また吐きそう…」
『アスカー、大丈夫ー?』
「ダイジョーブよ!心配しないで!今出るから!」
『わかったー!』
「…まったく…シンジは心配症ね。」
トイレを出る。
「さて、行きましょ。」
「うん。」
「あと、出来ればお腹さすってくれない?」
「全然良いよ。」
すりすり、とアスカのお腹をさする。
「ありがとう…シンジ。」
「いや、良いんだ。」
「……あ…」
ぐらり、と倒れるアスカ。
「アスカ⁉︎」
顔が真っ青だ。どうやら貧血らしい。
アスカをおぶって医務室へ急ぐ。
「あら?シンちゃん⁉︎」
「あ、ミサトさん!アスカが貧血起こしちゃったみたいで…」
「手伝うわ。」
「ありがとうございます。」
アスカをおぶってミサトさんと医務室へ。
「うぅ…」
アスカが呻く。
警報がけたたましく鳴る。
『総員、第1種戦闘配備。対空迎撃戦用意!』
「え⁉︎」
「まさか!」
「使徒⁉︎」
つづく
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