『目標は衛星軌道上に停滞中、映像で確認しました!』
「最大望遠にします!」
モニタに映るのは光を放つ使徒。
「これは…?」
…
「ごめんシンジ君!私発令所行かないと!アスカを頼むわよ!」
「えぇ⁉︎そんな急に…⁉︎」
『対空迎撃戦用意、エヴァ零号機及び初号機パイロット両名は緊急配置!弐号機パイロットは第五ケイジ内に待機!』
アスカをおぶってケイジに急ぐ。
(やっぱ重い…女の子が軽いなんて幻想だよ…)
「ん…シン…ジ…もう自分で歩けるわ…」
「え…でも…」
「あたしは待機なんだから…遅れることは問題無いけど…シンジは違うでしょ?」
「でも…」
「良いのよ…あたしが居なくてもあの使徒は倒せるって信じてる。」
「…分かった、ごめん。」
第三ケイジに走っていくシンジが見えなくなった後、アスカはゆっくりと第五ケイジに向かった。
…
第弐ケイジ…エヴァ零号機。
『エヴァ零号機のシグナル問題無し、VAの接続及び融合は正常…予定通りです。』
(碇君…まだ初号機に着いてないみたい…アスカも…ナニかやってたり…)
妄想で顔を赤くする。
『レイ、作戦内容を伝えるわ。』
ミサトの声が妄想の世界からレイを現実に連れ戻す。
「は、はい。」
『目標は衛星軌道上に居るわ、そこまで届く兵器は超長距離陽電子砲しか無いの。』
「はい…」
『そこで、レイに超長距離陽電子砲で衛星軌道上の使徒を撃って貰うわ。』
「…質問、良いですか?」
『いいわよ、何?』
「…本当にそれで敵のA.T.フィールドを貫けるんですか?」
『やってみないと分からないわね。』
「…N²航空爆雷は使えないんですか?」
N²航空爆雷が効かない→超長距離陽電子砲でも無理→降りて来るのを待つ…という作戦。
『戦自には残弾の残りがないからと断られたわ。』
「…そうですか…」
プランA、失敗。
だがプランBも考えてある。
「…降りて来るのを待つのはダメなんですか?…この距離だとA.T.フィールドを貫けない気がするんです。」
ストレートに頼む作戦。
「やってみないことには何ともね。」
プランB、失敗。
(やっぱり危険だけど地上から陽電子砲の効果の薄さを実演してからロンギヌスの槍で攻撃するしか無いのね…)
そもそもロンギヌスの槍を使えるかどうかも分からない。
『初号機パイロット、初号機に搭乗完了!行けます。』
『了解、零号機出撃!初号機もバックアップとして出撃して!』
そして、前史のアスカの仇を討つ戦いが始まった。
曇り空、夕立の予感。
綾波が超長距離陽電子砲を構える。
『陽電子砲、最終段階です!』
『地球の自転及び重力誤差修正0.03、薬室内圧力最大!』
唐突に使徒が初号機にエネルギー波を放つ。
「うあっ…ッッ!」
頭が痛い。これが精神攻撃か…っ!
『シンジ君⁉︎』
「碇君⁉︎」
『敵の指向性兵器なの⁉︎』
『いえ、熱エネルギー反応はありません!』
『初号機パイロットの心理グラフが乱れていきます!』
『精神汚染です!』
(アスカは…こんなものを受けたのか…)
トラウマが掘り返されていく。
ゲンドウによる育児放棄、
レイの自爆、
サードインパクトの発動、
アスカの精神崩壊、
アスカの死。
(痛いっ…痛いぃ…っ)
「うわあぁぁぁ!!」
「碇君!」
『陽電子砲、全て発射位置!』
「くっ…いきます!」
発射される陽電子が使徒へ向かう。
しかし、使徒のA.T.フィールドがそれを弾く。
『ダメです!A.T.フィールドを貫くにはエネルギーがまるで足りません!』
しかし出力は最大。
『初号機、心理グラフシグナル微弱!』
『L.C.L.の精神防壁は⁉︎』
『ダメです、触媒の効果もありません!』
『レイ…!ドグマに降りて槍を使え、急ぐんだ!』
『碇司令⁉︎』
「は、はい!」
焦ったようなゲンドウの声と驚くミサトと冬月。
「碇…それは⁉︎」
「A.T.フィールドの届かない衛星軌道上の敵を倒すにはそれしか無い。」
「あれを使うのはまだ早いのではないか?」
「委員会はエヴァシリーズの量産に着手した。チャンスだ冬月。」
「しかし…」
「待ってください碇司令!アダムとエバーの接触はサードインパクトを引き起こす可能性があるんじゃないんですか⁉︎」
怒鳴るような質問をするミサト。
「……」
(…嘘…欺瞞なのね…セカンドインパクトの原因は使徒とアダムの接触では無いのね…)
…
痛い。頭が痛い。
痛い。心が痛い。
紅い世界。
自分の膝の上で冷たくなったアスカ。
『…どうして…死んじゃうんだよ…』
分かってるよ、僕が悪かったんだ。
アスカは何も悪い事してないのに。
冷たいんだ、さっきまで温かったのに。
きっと、怪我の治療も、ご飯と水分をあげることも、全部出来なかったからだ。
おなかが減ったのに食料はない。
でも、もう死にたいからいいんだ。
原罪は全部僕のものだから。
『う…うぅ…アスカぁ…』
嗚咽、そして発狂。
「うわぁぁぁぁあ!!!!!!!!」
シンジの目が紅く光る。
1秒だった。
頭を抱えて悶えている初号機から槍のようなA.T.フィールドが発生し、衛星軌道上にいる使徒を貫くまでの時間。
貫かれた瞬間、使徒が紅く光ったと思うと、自身のA.T.フィールドの中で血になり爆散した。
『『『⁉︎』』』
解放される初号機。
どよめきが起こる発令所。
「くはっ…ぁ…」
シンジはそのまま意識を失った。
…
「初号機パイロットの救出、完了しました。」
「状態は?」
「現在昏睡状態にありますが、心拍、呼吸、心理グラフ共に問題ありません。」
「精神汚染は?」
「大丈夫そうです。」
「OK、零号機の回収に取り掛かって。」
「はい。」
「赤木博士!」
プラグスーツを着たアスカが発令所に登ってくる。
「アスカ…あなた貧血起こしてんのに…体に悪いわよ?」
「大丈夫よ…ミサト。それより…シンジは…シンジはどうなったんですか⁉︎」
「…今は気絶しているだけよ。問題無いわ、心配しないで。」
「…そう、なんだ…」
ぐらり、と倒れるアスカ。
抱き抱え支えるミサト。
「アスカあなた絶対大丈夫じゃないわよ!医務室行きましょう。」
「ミ…ミサト…」
「大丈夫、これでもあなたを運ぶくらい余裕のよっちゃんよ。」
「ありがとう…ミサト…」
「あなたの健康管理も私の仕事よ、気にしないで。」
…
「…またこの天井か…」
何度も見たこの天井。
病室の天井だ。
(使徒はどうなったんだろう…ロンギヌスの槍を使ったのかな…)
いや、それ以外に方法は無いだろうな。
「…綾波…精神攻撃…受けて無いか心配だな…」
「シンジ!」
扉が開くと共に、心配したような想い人の声。
「…アスカ…」
「大丈夫なの⁉︎精神崩壊起こして無いわよね⁉︎」
「うん…大丈夫。」
「やっぱりそうなんだ…よかったぁ…」
安心したように抱き付いて来て、すりすりとシンジの頰に自分の頰を擦って来る。
温かい体を感じて、そして冷たい水が頰に付く。
「アスカ…くっつき過ぎだよ…」
「だって…シンジが何ともなくって嬉しいんだもんっ…」
(いや、アスカがくっついて来るのはこっちも嬉しいけど。)
「…その…貧血は大丈夫?」
「大丈夫じゃ…ないかも。」
「え⁉︎」
「だから…退院したらいっぱい看病してね…」
「……」
「ふふ…シンジ…あったかい…」
耳に温かい息がかかってくすぐったい。
「碇君…これ、食べ物。」
「ああ…綾波、ありがとう。」
アスカよりワンテンポ遅れて入って来た綾波。その手には食事を乗せたトレイ。
「さっきの使徒戦から…もう三時間たったから…お腹、空いてるでしょう?」
「うん、ありがたくいただくよ。」
その食事は質素なものだったが、まあまあ美味しかった。
つづく
感想欲死。
というわけで感想書いてくれ頼む。
なんでもいい、改善点、中傷、賛美。
頼むぜ同志ドクシャーリン。
あ、そうだお気に入り登録者300突破と評価者30人突破ありがとう。
レイがくっつくべき人
-
ゲンドウ
-
冬月
-
ケンスケ
-
知らんやつ
-
アスカ(まさかの百合)
-
シンジ(ハーレム天国)
-
伊藤誠(毒牙)
-
だいふくさんご(オタクの願望)