白と黒の世界は夢を見る   作:haru970

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お待たせしまして! 次話です!


第9話 目覚めのジャーマン、そしてひと時の夏

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 『渡辺』家 視点

 ___________

 

 

『仮面の軍勢』達の拠点の地下室らしい場所に浦原と一緒に一人行って2,3時間後に次の人が入るという風になり、三月とマイはお風呂へと入った。

 

 二人の長風呂好きが入っている間、チエは拠点の外に出ていて座禅を組んでいた所に声を後ろから掛けられる。

 

「おい、お前」

 

「?」

 

 チエが目を開いて後ろを振り向くとひよ里が未だに不機嫌な顔をしながら、玄関のドアから見ていた。

 

「もう一回聞くけど、お前は何や?」

 

「…………どういう意味で聞いているのだ?」

 

 チエはひよ里の手が背中の刀の柄を握っていた事にここで気付く。

 

「どうもこうもないわ、ボケ。 ウチは他の奴らとは違う経験をしておるからな」

 

 ひよ里から若干の殺気が漏れ出る。

 

「あのクソハゲの店でお前に腕を掴まれた時、ウチの()()が叫んだんや。『コイツはアカン奴や』ってな。 この百年間ほど、()()()()()()()()()()()()

 

「(『中身』? ………………成程、この混ざった匂いはそれか)」

 

「せやからもう一度聞く。 お前はなんや? 死神か? 虚か? 人間か?」

 

「そのどれでも無い────」

 

 チエは首を回し、ひよ里の方に顔を向ける。

 

 ()()()()()と共に。

 

「────()()()()()()()

 

 ひよ里がチエの言葉に唖然とする。

 

 それは別にチエが自身の事を『化け物』とサラリと称した事に対してでは無く、

 チエが笑みを浮かべていた訳でも無く、

 彼女が身も蓋も無いような言い方をしたからでもなかった。

 

 彼女の『眼』だった。

 

 彼女(チエ)の眼からは愉悦感や怒り、イラつきなどの感情が無く…

 

 ()()()()()を、────

 

 

 

 

 ────『()()』を表していた。

 

「お、お前………………」

 

 かつてのひよ里はその眼とよく似たモノを()に見た事があった。

 

 しかも()()()()()

 

 チエが前を向き直して目を閉じるとほぼ同時にひよ里の名が中にいる浦原に呼ばれて、ひよ里は中に入る前にもう一度チエの方を向いた。

 

 見事数分前に()()()()()()()の対象となっていたチエの背中はひよ里にとって、()()()()()()()()()()()()()()()

 

 ___________

 

 浦原喜助 視点

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『虚化()()()()()()8人の死神(仮面の軍勢)達の定期検診。』

 

 その為に浦原喜助自らが彼らの拠点を訪れた最大の理由()()()

 

 だが定期検診にチエ達を連れて来たのは様々な理由があったが、一番明確にしたかった事は彼女らが突然の出来事に『どう対応するか』だった。

 

 知的生命は唐突の事に対して、本能的に対処する。

 

 それはどれだけ研鑽や訓練をしたとしても変わらない事。

 

 と言うか『強者』であればある程や、相手が『脅威』であればある程、刹那の瞬間が命取りになるような状況など特に。

 

 だが気になっていた三人は警戒や逃げるような反応を示すどころか、『()()』だった。

 

 という事は少なくとも自分と『仮面の軍勢』の実力者の人数に()()()()()()()、それとも『脅威』とすら見られていないのか。

 

「(どちらにしても、ボク達では彼女達が暴走した場合に対しての『抑止力』にならない可能性が有るという事か)」

 

 さすがの浦原もこの反応は予想外だった。

 

 少なくとも身構える事はするかと思ったが、まさか普通に自己紹介をするだけかと思えば、『仮面の軍勢』のメンバー達に歩み寄ってくれるのを大人しく待ち、()()()()()()()()()()()()()()()

 

『威嚇』された事を問い詰める事ではなく、イラつくのではなく、『仮面の軍勢』の正体や詳細を訊ねようとせず、逆にまるで『威嚇されるのはしょうがない事』と納得して相手を待つような対応だった。

 

「(全くもって、面白い人達だ)」

 

 浦原は内心ウキウキ8割、ハラハラ2割の気分で作業を進めた。

 

 ___________

 

 渡辺家 視点

 ___________

 

 動く気配にチエが目をパチリと開け、居間の景色が視界に入る。

 

 そして地下へ通じる扉から上がってきた、明らかに寝不足の拳西と目が合う。

 

「んぁ?」

 

「お早うございます」

 

「お、おぅ………もしかして起こしちまったか?」

 

 拳西が隣でまだ寝息を出すマイ&三月を見る。

 

「いや? 私は()()()()()だけだ。 朝餉の用意をし始めるとするか」

 

「あー、俺も水飲んだら手伝う」

 

 拳西がキッチンに入って、チエが入りそうなタイミングでガラスの割れる音にマイと三月が同時に起きる。

 

「「ふぇ?!」」

 

「何をそのまま破片を持ち上げようとしている? 怪我をするぞ」

 

 そしてチエが寝ぼけたままの拳西を止める。

 

「これぐらいでケガする程、俺はヤワじゃねーよ」

 

「ちょちょちょちょ! 駄目ですって、()()()じゃ! マイ、ごみ箱と塵取り持ってきて」

 

「は~い」

 

 そこからチエ、マイ、そして三月の三人が分担してガラス破片を処理していく中、拳西が三月に声をかける。

 

「お前、『その体』つったよな? ……………お前が『死神モドキ』か?」

 

「まあ…………違うけど?」

 

「じゃあテメェはどっちだ?」

 

()()()()()()()()だよ? 貴方達みたいに」

 

「…………どうしてそう思う? ただの任務かもしれないぞ?」

 

「あまり詳しい事は言っていないけど、浦原さんは真っ当な組織の人っぽくないですし、鉄裁さんに至っては『元』隊長っぽいけど斬魄刀は持っていないから恐らく鬼道衆の上位辺りの人だったのでしょう。 ここまでくれば自ずと何らかの事情であっち側(ソウル・ソサエティ)に帰れないか居られれない人達…ってとこかな?」

 

「………………何故、俺達が死神と?」

 

「ひよ里さんの背負った刀と、浦原商店に置いてある品揃いが死神業専用の物と……………後は平子さんが言っていたここの『結界』と『霊力』と『見た目』の関連性を考えただけ………………………………………って何?」

 

 拳西がポカンとして目で三月を見ていた。

 

「……………お前、頭良いんだな? やっぱり見た目より歳食ってんのか?」

 

「女性に対してそれは無いと思う────わぷ?!」

 

 荒っぽい手つきで頭を撫でられて、三月がびっくりしながら身を屈ませる。

 

「わりぃ。 ひよ里や白しか長らく身近に居ねぇからな、つい。 あいつ等にも見習わせたいぜ、全く」

 

「あら~、朝から良い空気ですね~」

 

「んな?! ちげぇよ!」

 

 驚いた拳西がマイの方を睨むと、彼女はキッチンの窓を開けていた。

 

「はい~?」

 

「…………………………」

 

「違うんですか~?」

 

 黙り込む拳西と、彼を見ながら?マークをただ出すマイだった。

 

 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …

 

 昨夜の浦原の仕事で最初に呼ばれた拳西だけが未だに起きていた様子で、初めて他のメンバー達の様子を見る事を出来たのは朝ごはんの用意が終わってから「皆を起こしに行ってくれ」と拳西がマイに頼んだ時だった。

 

 マイが地下に行くと、ほとんどの人達が死んだように彼方此方で倒れていた。

 

「凄いですね~」

 

「ああ、レディに見苦しい姿を見せるとは恥ずかしい」

 

 ローズは自分で起きていた、数少ないメンバーの一人だった。

 

「う~ん………………では、浦原さんは最後にしましょうか?」

 

 マイが各メンバーを順調に起こしていって(リサの寝ぼけたフリをして抱きしめて来る彼女をマイは張り手で吹き飛ばしてから)、最後は浦原となる。

 

「浦原さ~ん、起きてくださ~い」

 

 彼の体を揺するが、効果は全く見えなかった。

 

 テロップが出るゲームでなら、

 

マイ は ゆする をつかった!

『…………………………』

しかしこうかはなかったようだ……

 

 とでも流れていただろう。

 

 マイはにこりと周りの人達を見回してから浦原に声をもう一度かける。

 

「……………『目覚めよ、喜助』」

 

「「「プフッ」」」

 

 浦原が斬魄刀の様に扱われていた様子を見ていた何人かがクスクスと笑い出す。

 

「う~ん…………相変わらずしょうがないですね、これは~」

 

 マイが浦原の体を抱き起こして、立たせる。

 

 彼は微動だにせず、ただなされるがままだった。

 

「平子さ~ん? ここの地面って()()ですか~?」

 

「ん? そうやな、結構頑丈やで? 訓練とかにもつこうてるし」

 

「ではでは~、()()()ジャーマン・スープレックスで起こしまーす♪」

 

「「「「「「…………………………………え?」」」」」」

 

「せぇー、の────!」

 

「────お、起きてます! 起きていますからヤメテー?!

 

 浦原がジタバタと必死にもがき、マイが手を離す。

 

「どないやクソハゲ? 斬魄刀になった気分は?」

 

「は?」

 

 にやにやとしたひよ里に?マークを出す浦原だった。

 

 その後、『仮面の軍勢』と何人か連絡先を交換して空座町へと浦原とともに帰る前に、ひよ里がチエだけを呼び止めて少し横へと連れ出す。

 

「お、おいお前」

 

「?」

 

「あ、あ、あんま根を詰めたらアカンで?」

 

 気まずそうにひよ里がそっぽ向きながらチエにそう言葉をかける。

 

「…………………木の根を何に詰めるのだ???」

 

 尚、逆ギレしたひよ里がチエを追いかけてはとばっちりを食らう平子の姿が後に出る事となる。

 

 

 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …

 

 時期はまだ夏、その日の夜のマイと三月チエは浴衣姿で街を歩いていた。

 

 隣にはいつもの格好の竜貴と黒崎一心。

 

 真咲は双子達と一緒に、一足先に場所を取りに会場へと出ていた。

 

「ふあ~、いっぱい屋台が出ているねー!」

 

「そうね~」

 

「つーか、やっぱ三月って眼鏡無しの方が絶対に会うって!」

 

「そうだよ、せっかく可愛いのにさ」

 

「ま、前向きに検討します」

 

 三月はその夜、『面倒臭い』からと眼鏡を外していた(髪型はそのまま『地味』な二つ編みだが)。

 これだけで印象がかなり変わり、竜貴と一心がさっきから眼鏡着用無しの顔が良いと推していた。

 

「そうね~、何時もとは違う格好も良いかもね~」

 

「二人とも金髪なのに和服似合いすぎだろ? 反則だよそんなの、反則」

 

「それでも真咲の方が良いけどな!」

 

「ハイハイ、一心さんは相変わらずお熱いですねー。 そういうタッちゃんも似合うと思うわよ?」

 

「あー、ダメダメ。 アタシはそういうのあまり好きじゃないから……………というかマイさん大丈夫? 顔色悪いよ?」

 

 竜貴の言う通り、マイの息は何時もより浅く、汗もかなり出ていた。

 

「うん、まあ…………今はブラじゃなくてチエちゃんからサラシを借りているから~、()()()()苦しいのよね~」

 

「「え゛」」

 

 竜貴と一心がもう一度見るとやはりマイの胸は何時ものサイズではなかった。

 

「「……………何で?」」

 

「でないと着崩れしちゃうからでしょ? ………あとさっきから一護が静かなんだけど、ちゃんと付いて来ているの?」

 

 三月が周りを見ると────

 

「────だ、だから手を引っ張るなよ────!」

 

「────ならば遅く歩いているお前が悪い」

 

 ────浴衣姿のチエは、ソワソワしながら目の泳いでいる一護の手首を強引に引っ張っていた。

 

「どうしたんだ?」

 

「竜貴か。 こいつ(一護)はさっきからどう言う訳か、顔を逸らし続けて思わず迷子になりそうだったのだ」

 

 一護のソワソワする姿を見た三月が悪戯っぽく笑いながらうなじをアピールする。

 

「ふぅ~~~~~~ん? もしかしてぇ? ベタな感じで浴衣姿のうなじにドキッとしちゃったとか~?」

 

「ッ……………………………………………………悪いかよ

 

「へ」

 

「あらぁ~」

 

 一護のボソリとした声に三月は呆気にとられ、マイはニコニコしていた。

 

「ハッハッハ! いっちょ前にマセやがって!」

 

「うるさいよ、親父!」

 

 次第に赤くなっていく、照れた一護が父親を睨みつけて、一心(父親)が乱暴に一護の頭をわしゃわしゃと撫でる。

 

「(え。やだ、照れた子供の一護マジ可愛い。マジかわ)」

 

「………」

 

 一心と一護の様子を見ていた無言のチエはただ見ていた。

 

 

 そこから屋台を回ってその日の夕飯を確保する一護達と渡辺一家。

 

「「お待たせー!/しました~」」

 

 三月とマイの両手にはお好み焼き、唐揚げ、焼き鳥、牛串、イカ焼き、たこ焼き、鶏皮餃子、焼きそば、リンゴ飴という、正に屋台全てを回って、今にもはち切れそうな量の食物の入った袋を持っていた。

 

 ちなみにチエは上記の二人に比べたら片手で持てる程の、半分ぐらいといった微々たる量だった。

 

 ………まだ多い方だが。

 

「お、おう…お、多いな?」

 

 そこには数セットの焼き鳥と焼きそばの入った袋を持つ一護がいた。

 

「? 一心殿と竜貴は?」

 

「先に母ちゃん達のいる場所に向かった」

 

「一護君は、どこか知っているのかしら?」

 

「当たり前だ」

 

 騒がしい人混みを進みやすくする為に三月とマイが先頭に歩いて多い荷物を見せびらかすように進む。

 

 その後を追うように一護とチエが歩いては一護が突然小声で話しかける。

 

「なぁチエ」

 

「何だ?」

 

「マイさんって、本当にお前の母さんなのか?」

 

「違う」

 

「そう…………か…………」

 

「どうしたのだ、急に?」

 

 チエが?マークを頭から浮かべて一護の方を向く。

 

「いや、その……凄く仲が良いんだけど、見た目がさ………」

 

「ああ。 私の髪と瞳の事か」

 

 一護がコクンと頷く。

 

 黒髪に赤眼。

 対してマイは三月と同じく金髪碧眼。

 

 父親から受け継いだとなれば納得がいくかもしれなかったが、その線も今の答えで途切れた。

 

「じゃ、じゃあチエはマイさん達とは血は繋がっていないって事か?」

 

「そうなるな」

 

「………………」

 

「何、気にする事でもない」

 

 一護は自分が疑問に思っていた話題がどれだけの物か今気付いたらしく、表情が真っ暗になっていった。

 

「ごめん……変な事聞いて………」

 

「別に。 大丈夫だ」

 

「?」

 

 歩みを止めた一護にチエが振り返って、空いていた手で彼の頭を撫でる。

 

「お、おい!」

 

「私は()()()()()()()()からな。 お前が気にするような事でも無い」

 

「ぇ────」

 

 スッとチエの手が頭から離れてまたカラコロと進みなおす。

 立ったままだった一護は急いで彼女の背中を追う姿をチエが横目でチラ見する。

 

「(そんな所は気にするのに、()()()()のだな? ()()()()()()()())」

 

 チエが思っていた事は数か月前の(グランドフィッシャー)の一件だった。

 

 アレの出来事の(少なくとも一部)を観た筈の一護は一度もチエ達に触れてはこなかった。

 

 チエが三月に「()()()()()()()()()?」と聞いてみたが、彼女は「()()()()()()()よ」と答えた。

 

 チエは知る余地もないが、実はというと一護は以前より更に空手の鍛錬と基礎体力や体作りに熱を注ぎ込んでいて、未だに竜貴には勝てないものの、良い勝負まで持ち込む事は出来ていた。

 

 

「実はというと会場まで来て花火を見るのは初めてなの~」

 

「あら、意外ねぇ」

 

 のほほんとした二人(マイと真咲)とも互いに遊子と夏梨を抱きかかえながら話す。

 

「バクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバク!」

 

「よーし! 勝負だ!」

 

「望む所!」

 

 一心と竜貴がバクバクと食べる三月に感化されたのか、どちらが多く食べられるのか競争を始めた。

 

「パク……パク……パク……パク……パク」

 

 延々と静かに食べるチエと、暴食化した三月を互いに見る一護の顔が引きつく。

 

「す…凄い食うんだな、お前ら」

 

「まあね~」

 

「そうか?」

 

 一瞬だけ割橋の動きを止めてニカッと一護に笑う三月と何時もの無表情なチエ。

 

 ヒュルルルルルルルルルルルルルルルルルル~!

 

 ドォォォォン!

 

 お腹に響く音に会場の人達は全員空を仰ぐ。

 

 そこには次々と夜空に打ち上げられる花火の景色があった。

 

「………………」

 

 チエは無表情のまま空を見上げて数秒後、目を閉じた。

 

「(()()()()()()()……………()()()()()()()……………そして()()()()()……………か)」

 

 彼女は視線を感じ、目を開いて視線の方向の()を見る。

 

「どうした、一護?」

 

「ぁ…………う、ううん…………何でも…………ない」

 

「?」

 

 プイッと一護がチエから顔を夜空へと戻す。

 




作者:気ままに書くと楽ですね~

ひよ里:おいお前!

作者:だから何で関西の人多いのここ?!

ひよ里:関西ちゃうわ、ハゲ! 菓子と茶貰っとくで!

作者:………………………フ、計画通り。 ワサビ味の物を置いていてよかった。 本当はライダー(バカンス体)辺りの対策だったけど────

平子:『────ななな何やねん、これぇぇぇぇぇぇぇ?!?!?!?!?』

ハッチ:『かかかかか辛いデスー!!!』

ひよ里:『あのクソハゲぇぇぇぇ!!!』

作者:………………逃げよ
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