……冗談めいた言葉は抜くと一旦書き始めたら止まらず、月曜日は投稿が難しいかもしれませんので少し短めですが投稿してみました。
勢いのついた投稿&文章ですが、楽しんでいただけると幸いです。
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雨竜 視点
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雨竜は速足で暗くなっていく空座町の夜道をほぼ自動的に歩いていた。
目的地はいつも寄っている手芸用品や生地専門店ではなく、
彼は裏口を────
「何の用だ、コソコソと泥棒のように裏口から入ろうとする愚息が。」
「オヤj────竜弦か。」
────雨竜が目指していた裏口のすぐ横で、一服していた
そして雨竜を見ては
こうなったのは他でもないどこかのお節介さんの所為なのだが……今は現在の話を続けよう。
「昔みたいに『父さん』と────」
「────断る。」
「フゥ~……全く、誰に似て捻くれたんだ?」
竜弦がため息と共にタバコの煙を吐いてから携帯灰皿に入れながら独り言を誰にも聞こえないような小声で言う。
もし聞こえていたのなら『お前に言われたくない!』と、雨竜でさえもツッコんでいただろう。
「竜弦。 僕たちの…『
雨竜の言葉に、竜弦の雰囲気がいつにも増して冷たくなった。
「…………なぜだ? 今更────」
「────アンタの事だから、僕たち以外の滅却師がいたのは既に知っているだろう? 確かめたいことがあるんだ。」
「そんな理由でか? 相変わらずの愚息ぶりだよ、雨竜。 奴らは『人間』と言うより『亡霊』に近い存在だ。 そんなものを────」
「────『黒崎』や『渡辺』、に関してだ。」
ここで『黒崎』という単語を聞いた竜弦の目がわずかにだけ揺らいだ。
それはごく小さな変化で、近くで見ていた雨竜でも『目に何か入った時の瞬き』程度の認証だった。
「それこそ『
まるで『話は終わりだ』とでも言いたい、取り付く島もない素っ気ない態度のまま竜弦は総合病院の裏口を潜った。
「まったく、誰の入れ知恵か。」
だが裏口を潜る寸前、小声で愚痴る竜弦の言葉は確かに聞こえていた。
「(やっぱり、『黒崎』って言葉に反応した? それとも『渡辺』か? 何とか目を盗んで家系図を閲覧できないだろうか……僕の考えていることが正しければ、もしかすると……………)…………………いやいやいやいやいやいや無い無い無い無い無い無い無い無い無い。 百歩譲っても『黒崎』じゃなくて、『渡辺』のほうだろ。」
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一護、『渡辺』チエ 視点
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「すみませーん!」
一護(+チエ)が来ていたのは外に『ただいまバイト募集中!』と看板が出ていた事務所内。
彼の声を聞いて事務所の奥から活発でかなりのナイスバディなスタイルをした女性が顔を出して元気よく愛想のよい挨拶をする。
「ヘイ毎度! 安い、早い、安心のうなぎ屋です! ……ってガキかよ。」
だが学生の二人を見た瞬間、その顔は一瞬で曇った。
「あー、アンタらの要件は何だい? 依頼かい? 猫か犬探しかい?」
「えっと……俺ら外の看板見て────」
「────『あるばいと募集中』の看板を見たのだ。」
「……チッ。」
息の合った二人のどこかが気にくわなかったのか、女性は小さな舌打ちをする。
「………まぁいいや。 あたしの名は『うなぎ
一護は『これからどうするか』を考えた末に彼自身が行き着いたのは『とにかく何かをする』と言う、ある意味『
「『うなぎ屋』が名字で店名かよ。」
「『特上三人前』など聞かれないか?」
「しょっちゅうだよ。」
「「なら店の名前変えたほうが良いぞ。」」
「代々続いた名前を変えろってか?! 却下だね!」
一護とチエの正論染みた突っ込みに育美は興奮しながら逆ギレ気味になりそうなのに気付いたのか、咳払いをする。
「コホン……んで? バイト募集見て、ここに来たってことは働きたいってことだよな? 見たところ学生だけどいいのか? ヤワな奴や、チャラい出来心はごめんだからな。 何でも屋って言うと結構体力を使う仕事が多いからな。」
「……一応『面接』ってことでいいんだよな? 俺は『黒崎一護』だ。 空座高校2年だ。」
「私は────」
『────ママー?』
「やっべ。」
事務所のさらに奥から若い少年の声がすると、育美がギョッとして今までの怠惰が嘘のように高速で動き、身だしなみを整えた。
どこぞのスーパーな、もしくはバイクに騎乗する男顔負けの変身である。
「ふわぁ~。」
「あらぁ~
「ブフ。」
奥のドアが開いて小学生ほどの少年が出てきたところで育美は『あざとく優しい母親』へと転じた事に一護が噴き出しそうになる。
「『
育美の息子────『うなぎ屋
「お姉さん、誰? 依頼に来たの?」
「『渡辺チエ』だ。 『ばいと募集』と書いてあったので来たのだ。」
「ふぅ~ん?」
「
「だって面倒くさいんだもん。」
チエが立ち上がり、あくびを出す
「うなぎ屋さんの言うとおりだぞ。 もし彼女が仕事で床に落ちた備品や部品などでお前の素足が傷つけば彼女は悲しむぞ?」
「う、うなぎ屋
「────うわ、姉ちゃんって胸デカいね!」
「「ファ?!」」
「……うなぎ屋さんほどではないと思うが。」
「だな! ママは世界で一番の美人なんだぞ!」
「
育美が信号のように表情をコロコロ変わらせる姿に一護はなんとか笑うことを頬の内側を噛む痛みで乗り越えようとしていた。
「お前の言うとおりだな。 もしや寝起きか
「か、
「はぁ~い。 じゃな、ママに
「ああ。」
馨が事務所の奥へと戻ると、育美はチエに見て高らかに一言だけいう。
「採用。」
「………………………………………………………………………………………?」
「は、はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?!」
チエが?マークを出しながら頭を傾げ、一護が納得のいかない声を出すと育美は気まずそうに頬を掻く。
「いや、まぁ……今のは半分冗談で、半分本気だ。 うちの息子って
「……なるほど?」
「チエお前、ぜってぇ分かってねぇだろ?」
「良く分かったな一護。」
「何年お前と付き合ってると思うんだよ?」
「10年と少しだが?」
「いつにも増して真面目すぎる……」
一護とチエのやり取りに、横を見ながら嫌そうな顔を育美は浮かべた。
「ケッ、リア充かよ。」
「『りあじゅう』? なんだそれは?」
「ぬあ?! ち、ちげぇよ! 俺とこいつは────?!」
「────あー、ハイハイ。 お熱いこった。」
「どこがだ?」
「話をややこしくするな!」
「冬なのに熱いことが気にならんのか一護は?」
「「そっちの意味じゃねぇぇぇぇ!」」
「??????????????」
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『渡辺』三月 視点
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高校二年生になってから早数か月、一護は何でも屋のバイトに励んでいる。
意外だったのはチエも何でも屋をし始めたぐらいかな?
「♪~」
でも良きかな良きかな~。 関心、関心~ってね。
今回は某探偵モノの『もう一度の出会い』を鼻歌で歌いながら。
ちなみに今回はドイツ風なモノじゃなくて普通に肉じゃがの予定です。*1
やっぱり
経験通りね……………私が言うのも違和感アリアリだけど。
さてと、これで3年生モノが整ったかな?
『黒崎一護が何でも屋のうなぎ屋のバイトを始めた』。
……………チーちゃんもバイトだけど。
少し遅れたけど『有沢竜貴が師範代理』。
……………パワーアップしてだけど。
『井上織姫がパン屋でバイト』。
……………パンをおすそ分けしてきて大変食費代助かっているけど(主に菓子パン類で)。
『
………………………………………なぜかアネットが書記だけど。
そしてアパートの管理人の調子もよくなったから、じきにマイも前みたいに浦原商店と黒崎クリニックの
これならばフォローも────
ゴキン。
────帰り道すがら手にぶら下げた買い物の袋を確認したその時だった。
「あぇ、これ、か、たな?」
胸のほうを見ると、刀が生えるかのように突き出ていたきえる みんな が
「へぇー。 君、やっぱり
この刀、口癖、まさか
いやだいやだいやだ
わたし
おれ
ぼく
きえちゃう
いやだいやだいやだ
きえちゃう きえちゃう きえちゃう みんな きえちゃう
みんな が きえ
ドサ。
お に い ち ゃ ん
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??? 視点
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三月の体が膝をつく頃には、彼女の目は死んでいた。
目はどこともなく見ていないように焦点が合わず、表情ものっぺりとしていた。
身体が崩れ落ちた際に彼女の持っていた買い物袋の中身がばら撒けたが彼女も近くの月島も気を一瞬でもそちらに移さなかった。
否。
三月はそれどころか膝を地面につけたままボーっと、まるで
「奴の言った通り、か────ッ。」
「あと少しでも体を動けば、アンタを躊躇なく撃つ。」
月島がわずかに身動ぎすると、彼の背後から霊子の弓矢を構えた雨竜が固い口調で警告を出したことに口を閉じる。
「質問だけに答えろ。 アンタは何者で、
「……ふ。」
「っ。 何がおかしい!」
「遅かったな。」
「なんだt────?!」
月島のあおるような口調と言葉に雨竜の言葉が遮られる。
ザン。
「────ぐ?! (しまった、こいつ……一人じゃなかったのか?!)」
自分の胸を後ろから貫く両手剣を薄くなっていく意識で見ながらそう思い、すでに体を襲う喪失感と脱力感に体が動かないとしても、意識を手放しそうなのを必死に彼は強固な意地で抗った。
少しでも情報を得るために。
「ああ、君に言ったわけじゃないよ『石田雨竜』くん。」
「ったく、何ヘマこいてんだよ月島?」
何も見えずとも、まどろむ意識の中で聞こえてくる声に全神経を集中しながら雨竜は考えを張った。
「(『月島』? 敵の名前……それに霊子の変動を感知できなかった。)」
「あーあ。 こっちはともかく、
「(この気配、人間か? いや、話を聞く限り彼らの標的は渡辺さんだったのか? それよりも普通の人間が気配を察知されずに、僕を刺すなんてできっこない。 どういう仕組みだ?)」
「それに、僕の『
「いいんだよ。
「(『アイツ』? 誰だ。 誰の事だ? 協力者なのはわかるが……クソ、もうそろそろ意識が……)」
「でも驚いたよ。 この子、『
「あ? 何の悪い冗談だよ……『頭の痛い奴』ってか?」
「(『神様』? どういう……ことだ……………………)」
「それに、
「……気味が悪いなますます……で? 記憶は使えそうか?」
「いや。 情報が
「おう、さっさと斬れよ。 これで俺とお前は『かつて裏切られた敵同士』だ。」
「(何が一体……………………どう………………………………)」
雨竜の意識はそこでついに途絶えた。
………
……
…
ほぼ同時刻ごろ、一護はその日のバイトなどを終えて自室で寝ころんでいた。
手に取っていたのは死神代行として渡された代行証。
藍染を相手に『無月』を使った反動で、自分が気を失ったドタバタで返し損ねた瀞霊廷の備品だが、死神の力を失ってからは視覚防壁や虚の警報などの機能がカットされた状態で、今では変な形をした木の板になり下がった物。
今となっては一護が死神だった唯一の『物理的な証』で、何気にずっとカバンの中にしまっていた。
そしてその日、彼はバイトの帰り道で川に捨てようと思ったのだが……
何故か捨てきれずにずっと持っていた。
「……未練なんて、俺らしくもねぇや。 ん?」
丁度その時、彼は外から救急車用のサイレンを聞いて思わず反射神経のように部屋の窓を開けて身を乗り出したところで動きを止めた。
「……今更どうしようってんだ、俺は……」
『一護、ちょっと来て!』
「え? おふくろ?」
珍しく声を荒げる真咲に一護が体を起こしたところで慌てていた彼女がノックもせずに部屋のドアを破る勢いのまま入ってきたことに、一護は尋常じゃないことに唖然とした。
が、真咲の次の言葉で彼はさらに呆気に取られることとなる。
「電話が! 三月ちゃんたちが! 病院に運ばれたって!」
「…………………………………………………………………なん……だと?」
…………………
………………
……………
…………
………
……
…
「竜ちゃん、大丈夫なの────?!」
「────落ち着け真咲。 あと、今の俺は石田先生と呼べ。」
場所は空座総合病院内。
さらに詳しくすると手術室の外で、慌てて迫ってくる真咲をなだめようとしていた竜弦が珍しくどこかよそよそしい態度を取っていた。
「あ、黒崎君……」
「井上、チャドたちには連絡行っているか?」
その場には俯いていた織姫が一護に気付いて、問いかけられていた。
「茶渡には繋がらないが、竜貴はこちらに向かっているそうだ。」
チエがいつもの調子で、織姫の代わりに一護に答えていた。
織姫がコクコクと頭をうなずけているところを見れば、おそらく携帯電話で連絡をしたのは彼女だったらしい。
彼らが全員病院に来た理由とは『道で石田が刺されて大量に出血しているところを発見、近くには放心状態の少女が両名入院した』と言う連絡を受けたからだ。
「幸い、三月とやらに外傷は無い。 だが雨竜の怪我が深刻で、今手術を受けている。」
延々と一護に説明する知恵の言葉に、織姫は気まずく唇を噛んだ。
「私がすぐそばで……駆けつれられたなら────」
「────自分を責めるな井上。 もし、お前がその場の近くにいたら巻き添えを食らっていたかも知れねぇだろ?」
「ぁ………………うん。」
「一護の言うとおりだ、井上。 気負いすることはないぞ。」
「………………………………うん。」
そのまま三人は竜貴が息を切らして着くと更なる衝撃が皆を襲う。
「オイお前ら! マイさんも入院しているのなら言えよな?!」
「「「え?!」」」
「なんだと?」
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『渡辺』チエ 視点
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「あらあらぁ~……皆、私の為に来たのかしら~?」
「(どうなっているのだ、いったい?)」
とある病室ではどこか弱弱しくもいつもの口調で返そうとするマイと彼女の心配をする知人たちの後ろで、チエはひどく混乱していた。
これらの一連の出来事は『原作』にないことにもだが、まさか三月たちが一方的に何らかの術に対応できなかったことに混乱していた。
「(少なくとも念話か何かを寄越して来る筈だしな。)」
そう思いながら彼女はアネットを見ると、彼女が何か聞きたいことを察したのか口を開ける。
「一緒にマイ姉さまと商店街を歩いていたら急に苦しみだして、胸を掴みながら倒れたのです。 すぐそこの人が救急車を呼んだらしく、その間も周りを警戒していましたが不審な人や行動をとる者は見当たりませんでした。」
「となると、ミツキ関連か。」
アネットは一瞬、奇怪そうなものを急に聞いたかのように眉毛を上げそうになったが、話を続けた。
「おそらくは……」
「奴の様子ハ?」
「……………………………………………………」
アネットが黙り込み、数秒後に口を再度開ける。
「わかりません。 強いて言うのでしたら『無気力』と呼んでいますね。」
アネットは何か『無気力』と言う単語に対して悪い思い入れがあったのか表情がさらに硬くなり、手を握り締めた。
「ごめんなさいね皆、この頃ず~~~っと動き回っていたものだから少し……疲れていたのかもしれないわぁ~。」
マイは彼女なりに笑いながら心配する周りと、やるせない目をする者たちに気遣いの言葉を投げたが、誰も笑っていなかった。
???:いつからゆったりとした空間が続くと錯覚した?
どのような投稿スタイルが好ましいですか?
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投稿できる日は同じ時間帯
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長く、切りの良い所
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作者が死なない/エタらない程度
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その他(感想欄にて)