白と黒の世界は夢を見る   作:haru970

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次話です! 楽しんでいただければ幸いです!

12/4/21 3:35
マイナーな誤字修正いたしました。


第114話 Strawberry In the Rain 2

 ___________

 

 ??? 視点

 ___________

 

 ガキン!

 ギィン!

 ガチッ!

 

 ザァーザァーと降る雨の中で、金属同士がぶつかる音が鳴り響く。

 

 降り続く雨の所為でピッタリと体に服が張り付く中で、チエの斬りかかりとそれを受け止める月島との攻防の均衡は月島の手によって崩される。

 

「(なるほど、()()()したままここに来たのか。 なら僕たちでも、やりようはある。)」

 

 彼はわざと力を抜き、バランスを崩されて前方に倒れそうになるチエの胴体に蹴りを入れる。

 

 ドッ!

 

「ッ。」

 

 ガチャ。

 

 この蹴りに後ろへと後ずさり、チエはもう一つの手で持っていた刀を一護の近くに置いてから構えをもう一度とる。

 

「……?」

 

 呆然としていた一護はこの音に反応し、見上げるとチエは彼を横目で静かに見ていた。

 

「……チエ? ど、どうして? もしかして、お前は月島の────?」

 

 「────な、クナ。」

 

「……………………………………………え?」

 

 ギィン!

 

 ガガガガ!

 

 チエはチカチカと『完現光(ブリンガーライト)』を足元に発生させながら高速移動してきた月島、そして銀城の二人からの攻撃を器用に受け止めた。

 

「なんだぁ? テメェ、()()な?」

 

「銀城。 このまま一気に────」

 

 パリッ。

 

「────うお?!」

「こいつ、まさか『完現術(フルブリング)』を?!」

 

 チエの足元に『完現光(ブリンガーライト)』が生じ、彼女は銀城と月島たちを一振りで押し返せる距離から攻撃をしてその場から二人を強引に引き離した。

 

「お前……どうして────?」

 

「────コ…が、ナ…くナ。」

 

 それを最後に、チエは銀城と月島の両方に突進していくのを一護は見ながらさっきの言葉を思い返す。

 

『子が泣くな。』

 

 それはどことなく、昔から何かと自分を撫でる彼女の内心に聞こえた。

 

「(まさか……いや、やっぱり……アイツは…アイツは────!)」

 

 ザクッ。

 

「────え?」

 

 場違いにも考えこむ一護は己の体を、青白い刀のようなものが深く貫くのを見てハッととしながら後ろを見ると、背後には長らく姿を見なかった一心と浦原が居た。

 

「親父……浦原さん……アンタたちまで……『そう』なのかよ?!」

 

 ドゴン!

 

「もっとよく見ろこのたわけが!」

 

「……? ?? ???

 

「久しぶりに様子を見に来たと思えば、メソメソと子供のように泣きおって!」

 

 突然背中を蹴飛ばされた一護は来た衝撃と聞こえてきた声もあってか、目を白黒させながら?マークを出す。

 

 そこで一護を見たのは────

 

「────ルキア?」

 

 小柄な外見で、黒髪と紫色の目が特徴的で、腕を組んでなぜかドヤ顔をした朽木ルキアだった。

 

「なんだ一護? 少し見ぬ間にボケたか、(よわい)16のクセに? ほかに言うことは無いのか?」

 

 そこでルキアは『フフン!』と、腕に巻いていた『十三』と書かれた副官章をこれ見よがしに腕を多少ゆすった。

 

「………………………………………………………………………………………………………………………………………………………髪、切ったか? 『イメチェン』って────?」

 

 ドシッ!

 

「────違うわこのたわけぇぇぇぇぇ!」

 

 こめかみに青筋を浮かばせて一護の顔をルキアが蹴ると同時に竜巻のような風が一護を包み込む。

 

 ズシャァァァァ!

 

 チエは久しぶりの戦闘からなのか、病み上がりだったのか月島と銀城に押されていたらしく、踏ん張りが効かない雨の中で地面を滑る。

 

「な、バカな?!」

 

 だがその近くで起こった竜巻に二人の気が逸れた。

 

「この感じ……死神か?!」

 

 二人が見た先には、死神の死覇装に身を包んだ一護がいた。

 

 彼自身自分を物珍しく見ながら、近くで隠れていたコンが『久しぶりに体を得たぁぁぁぁぁぁ!!!』とガッツポーズを取ったことに驚きのままルキアをもう一度見る。

 

「これは……けど、どうやって────?」

 

「────そこはアタシが説明しましょうか、黒崎さん?」

 

「え────」

 

「────それは何と! 『死神の力』を楽に譲渡可能にする『霊圧ラクラク譲渡機(じょうとき)』っス!」

 

ダッサ?! ネーミングセンスが三月以上にダッサ?!

 

 安直なネーミングに一護がツッコむ。

 

「………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………そ、そんなにヒドイっスか?」

 

 一護のツッコみにカラカラと先ほどまで笑っていた浦原の顔がピタリと固まり、汗をダラダラと流しながら尋ねかえす。

 

「「ああ。」」

 

 そしてかなりのショックである様子の浦原に、一護とルキアが即答すると彼の笑みがさらにひきつった。

 

「……チ、退くぞ月sh────」

 

 「────ってさせるか! 『月牙天衝』!」

 

完現術(フルブリング)』でその場を離脱しようとした宙を飛んだ銀城と月島に一護が以前より威力の増した『月牙天衝』を放ち、二人は姿を消した。

 

「やったか?」

 

「あれ位でやられるような奴らじゃねぇよ。」

 

「だろうな。 勘は鈍っていないようだな。」

 

 ルキアがウンウンとうなずいている間、一護は自分の手を見る。

 

「……これは……」

 

 一護が感じたのはルキアが力を譲渡したときに似た感じだったが、前回と違って様々な人たちの霊圧が混ざっていた。

 

「(ルキアだけじゃない。 恋次、剣八、白哉、冬獅郎、一角、平子、乱菊さん、卯ノ花さん、花太郎、浦原さん、夜一さん、親父、市丸に総隊長のジイさんまで────)」

 

 それは、今まで彼が関わりのあった死神たちの霊圧。

 

「(────それに、これは────?)」

 

「────ふむ、今やっと我々に気付きましたか。」

 

 否、『死神』だけではなく、()()()も入っていた。

 

「アンタたちか!」

 

 一心たちの後ろに現れたのは元『星十字騎士団(シュテルンリッター)』。

 

「ロバのオッサンに、ポテトに、ディズニーじゃねぇか?!」

 

「「ガクッ。」」

 

「「「「「ブフ。」」」」」

 

 未だに名前をちゃんと覚えられていないロバートとハッシュヴァルトが思わずこけそうになり、他の者たちの何人かが吹き出すか笑いをこらえていた。

 

『ディズニー』こと『バンビエッタ』は体中に生傷が絶えないチエの看病役を、ジゼルと取り合っていた。

 

 他意は無い。

 

「ちょっとジジ、私にさせなさい!」

「え? やだよ。 バンビちゃんの目線が陛下の胸にいってるのが丸わかりだもんね。」

「そういうあなたはさっきから興奮しまくりじゃないの?!」

「だって様子がいつもみたいにギラギラしていないんだもん。」

「……………陛下はどっちがいいの?!」

「……………………………………………………????」

 

 ……他意は無いと思いたい。

 

 ズアァァァァァァァ!

 

 お腹に来る低い響きとともに、『穿界門(せんかいもん)』が開いて恋次、白哉、日番谷、剣八、そして一角が姿を現せた。

 

「恋次!」

「よ、一護! 久しぶりだな!」

 

「剣八!」

「あ? んだよ?」

 

「ビー玉頭の一角!」

 (ちげ)ぇっつーの! スキンヘッドだっつーの! いい加減に呼び名変えろっつーの!」

 

 一護を訂正するハゲスキンヘッド。

 

「それに白哉に冬獅郎!」

「「隊長だ。/! ……チッ。」」

 

 そしてツッコミがハモッた二人は舌打ちをする。

 またもハモリながら。

 

「……あれ? そっちのロバとポテトたちはともかく────」

「「────ロバート(ハッシュヴァルト)です────」」

「────『人間への力の譲渡』は重罪じゃなかったのか────?」

「「────無視しないでください。」」

 

「『総隊長命令』を経由した『恩返し』だとよ。 仕方ねぇじゃねぇか?」

 

「……そっか。 それじゃあ仕方ねぇな! 喜んで受け取るぜ!」

 

 その間、ルキアがジゼルとバンビエッタの居た場所……と言うよりチエのいるところに移動していた。

 

「オイお前たち! いつまでチエ殿をこのままにしておくつもりだ? さっさと軟膏を────!」

 

 ヒュッ!

 

「「────ああああああああ?!」」

 

 次の瞬間、白哉が瞬歩を使ってチエとルキアをバンビエッタとジゼルから引き離していた。

 

「ルキア、こ奴を頼む。」

 

「は、はい!」

 

「あとこの包帯も使え。」

 

 このやり取りを見た一護を含む(ほとんど)の男性死神たちが目を丸くしていた。

 

「ハァ~、メンドクセェ~。」

 

 日番谷だけは頭を抱えそうなため息を出したことにより、その所為で注目を浴びた。

 

「な、なぁ日番谷隊長……白哉隊長に限っては『無い』と思いたいが…あれってもしかして────?」

「(────ん? 何だこいつら?)」

 

 何せ白哉は『自分が無駄と思っている行動をしない』と言うような堅物。

 そんな彼が行動をとったことに意味が必ずあると踏んで先ほどの白哉の行動について、何か知っていそうな日番谷に説明を求めるような目を向けていた。

 

「……なんだお前ら? あれは『()()()()()()()()()()()』に決まっているだろうが?」

 

 「「「「なにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ?!」」」」

 

 日番谷は内心ほくそ笑みながら、誤解を招くような言い方をワザとした。

 

 これが原因で彼は後に地獄を見る事となるのだが……それは別の時に話すとしよう。

 

 ちなみに当の本人たちである、白夜とルキアの内心を描写すると以下のようとなる。

 

「(ふむ。 やはりルキアがあのように私以外で他人を心配する姿は初めて見るな……『同性愛者』と言う異端でも、ルキアが幸せであれば私同様に緋真(ひさな)は喜んでいただろう……同じく、複雑な内心になっていたとしても。)」

 

「(さすが義兄さまだ! 貴族ゆえに、直接の行動に出ることなく気遣いの根回しをするとは!)」

 

 未だに猛烈な誤解(勘違い)をこじらせた義兄妹である。

 

 ゴオォォォォォォォォォ!!!

 

 少し離れたところで、緑色の霊圧の柱が立ち上がるのを一護は見た。

 

「あれは────」

 

「────お前に霊圧を戻した理由は恩を返すだけじゃねぇ。 もう一つの理由が『アレ』の()()だ。 お前の前より昔に現れ、死神を数人殺害してから姿を消した『初代死神代行』の銀城空吾だ。」

 

 

 

 ___________

 

 茶渡、織姫 視点

 ___________

 

 

 場は地面を走っていた織姫と茶渡の二人に集中する。

 

 二人は混乱しながらも、()()()()であるはずの一護と月島の戦いを止めようと移動していた。

 

 二人は先ほど一護の泣き声を聞いてから居ても立っても居られなかった。

 

 織姫からすれば月島は兄である昊が他界した後に自分の世話を見てくれた人だけでなく、初めて尸魂界に着いた際に()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 茶渡からすれば、暴れん坊だった自分が()()()()()()()()を作るだけでなく、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 だが二人の胸は()()()苦しかった。

 

 ()()()()()()()()()のがどうにも腑に落ちないというよりは、『何かを見落としている』と言った────

 

 ドッ!

 ドサッ。

 ポス。

 

「────保護、完了です。」

 

 混乱がピークに達する前に、アネットと浦原が織姫と茶渡の意識を刈り取って体を抱き上げる。

 

 ドサッ。

 

「あらら、先を越されちゃいましたねぇ~。」

 

 浦原は茶渡を受け止めず、そのまま体を地面に落ちていくのを見越しながらアネットを見てヘラヘラと笑う。

 

「貴方は行かなくていいのですか? 仮にも弟子だったでしょう?」

 

「いやいやいや、アタシはどちらかと言うと彼を『利用しよう』とした者っスよ♪」

 

「その割には殆どメリットのないところに気をかけますね?」

 

 アネットの言葉に、浦原はバツが悪そうな苦笑い…………ではなく、口しか笑っていない笑みをひらいた扇子の向こう側に浮かべた。

 

「…………『()()()()()()()()()』。 っと、言葉を返しますよ?」

 

 扇子には『外・堀』と文字が書いてあった。

 

 

 

 

 ___________

 

 ??? 視点

 ___________

 

 一護の『完現術(フルブリング)』を銀城が吸収し、他の『XCUTION』のメンバーたちが受け取ると雪緒のさらに力がバージョンアップされた『画面外の侵入者(デジタル・ラジアル・インヴェイダーズ)』で亜空間をゲーム機の外まで能力を表現できることにより、彼らの後を追った一護や死神たちに滅却師たちをそれぞれの固有空間に閉じ込めた。

 

 それは、MMORPG感覚で言えば『一つのサーバー内に分けられたインスタンス』。

 

 昔のRPG風に言うと『イベント』や『ボス部屋』に小分けされた状態だった。

 

 ここからさらに第三者が目撃したなら、空座町のはずれにある森の中で『黒い箱』が突然できた不思議な景色を見ていただろう。

 

「チッ。 やっぱ物足りねぇ。」

 

「ねぇねぇねぇねぇ! この死体貰っていい?」

 

「好きにしろ。」

 

 そしてさらにその箱の中から剣八の姿と、一刀両断された『沓澤(くつざわ)ギリコ』の死体をキラキラと嬉しそうに目を光らせるジゼルが出てきた。

 

沓澤(くつざわ)ギリコ』の能力は『タイム・テルズ・ノー・ライズ』。

 生物無生物問わず、『契約』によって戦闘能力の付加等や様々な制約を対象に設けるといったモノが『己自身の肉体』にも適用できるようになっていた。

 

 これによって『契約』を通した策略的な戦闘から直接的なモノにも応じられる幅広い戦術などを取れるようになり、先ほど彼は『在り得た未来の可能性』から『己を極限まで鍛えぬいた体』を『前借り』していた。

 

 だが愚かにも彼はそれを『更木剣八(脳筋のバケモノ)』と『ジゼル(死体好きの変態)』に対し使い、文字通り瞬殺されていた。

 

 合掌。

 

「ンフフフフ~♡」

 

「ねぇねぇ! G(ジィ)ちゃんは今度は何するの?!」

 

 剣八の背中から再(?)登場し髪型をおろしたショートに変えたやちるがピョンと飛び出てG(ジゼル)ちゃんの傍へと駆けつけた。

 

 なおこの二人、意外と気が合うのか十一番隊の顧問にジゼルが着任したほぼ直後に良くつるんでいた。

 

 剣八は以前よりさらに良く笑うやちるにどこか思ったようで、『カッタりー』とボヤキながらも静かに近くの期に背中を預けて腰を下ろし、うたた寝をし始めた。

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

 ドドォン!

 

「空飛ぶなんて卑怯だぞこらぁぁぁぁぁぁ! 勝負しろテメェらぁぁぁぁぁ!!!」

 

 モヒカン頭をし、いかにも『チンピラ感』をだす高校生の『獅子河原(ししがわら)萌笑(もえ)』、通称『スシがわら』(織姫命名)、が空中に足場を作成して自分を見下ろす一角とハッシュヴァルトに叫んでいた。

 

 彼の後ろには倒れた数々の大木に対し、一角は思考を巡らせていた。

 

「(妙だ。 あのガキのパンチは大した事ない筈が、次々と気を折るとはどういうことだ? 舞台を用意したのがアイツの仲間だから有利なのか?)」

 

「む。」

 

 パリッ!

 

 スシがわら獅子河原の足元に『完現光(ブリンガーライト)』が発生し、ハッシュヴァルトは避けて一角の背後に獅子河原が回り、己の『完現術(フルブリング)』を一角の肩に叩き付ける。

 

 ボコッ! ミチミチミチミチミチミチミチ!

 

「お、おおおおおおおおりゃぁぁぁぁぁぁぁ!

 

「なるほど。 『脳まで筋肉』。 略して『脳筋』ですか。」

 

 ゴリッ。

 

「テメェも自分だけさっさと逃げんじゃねぇよ?! 一言いいやがれ!」

 

「ですから言いましたよ? 『む』って。」

 

「……」

 

 一角の肩から不穏な音と痛みが生じ彼はすぐに距離をとり、力を入れて脱臼した肩を無理やり戻し、自分だけ助かったハッシュヴァルトに叫び、彼のどこ吹く風のような返しにジト目を送る。

 

「んな?! 筋肉で肩を戻しただと?!」

 

 逆に獅子河原はこの二人のやり取りより、一角の成した荒療治に注目していた。

 

「あぁ? ビビってんのかこら? (チッ。 (けん)が半分やられちまっていやがる。)」

 

「だ、誰が?!」

 

「ここはあなたに任せても?」

 

「おう。」

 

 びっくりする獅子河原に一角がメンチを切るかのような顔と共に煽ると、獅子河原がまたもメリケンサックを付けた拳を繰り出し、ハッシュヴァルトは距離をとった。

 

 「なめんなよスキンヘッド野郎! テメェをぶっ倒した後はロン毛だぁぁぁぁぁぁ!」

 

 「こいやぁぁぁぁぁ!!!」

 

 ドッ! ゴスッ! バキ! ゴッ!

 

『ジャックポット・ナックル』。 『確率を操作し、可能性の中で能力者に有利な結果をもたらす』というある種の『因果律操作』が彼の能力(フルブリング)

 

 そんな彼と一角はどつき(殴り)あいをし始めた。

 

「ブッ! 拳でやりあうってか?! 上等だオラァ!」

 

 舌を切ったのか、獅子河原が口の中から千恵雄吐き出して満面の笑みを浮かべた一角が殴り合う。

 

 それから数分後、獅子河原は一角に様々なケガを負わせた。

 骨折に脱臼や内臓出血、等々。

 

 だが次第に満身創痍の一角ではなく、獅子河原が内心で焦りだした。

 

「(手応えが……()()()()()?!)」

 

 次第に己の打撃から通じて『当たり』と似た歓喜が、徐々にだが()()なっていったことに。

 

 上記でも記入したように『ジャックポット・ナックル』は『確率を操作する』能力。

 

 かなり使い勝手の良い能力だが『確率を操作する』ということは、ほとんどな場合が『幸運』ということを意味する。

 つまりほんの一部だけだが『不運』が混じっているダイスを何度も行動を起こす都度に振るっているようなモノ。

 

 何某TRPG風に言うと『2から20はアタリの目だが、1はハズレ』。

 

 そんな能力を、獅子河原はこんなように連発したことが無かったことが今度はそれは裏目に出始めた。

 

 ガッ!

 

「え。」

 

 獅子河原の動きが鈍った瞬間、急に一角が彼の頭を掴んだ。

 

「フッ!」

 

 ゴリッ!!!

 

 「ゴァ?!」

 

 一角の頭突きが見事に獅子河原に脳震盪レベルの打撃を与え、彼は音もなく地面へと平伏した。

 

「へ! お前の運も強かったが、俺は護廷で一番ツイている男だ!」

 

「誰に言っているのですか? 彼、気絶していますよ? 威張るのなら髪だけにしてください。」

 

「おし。 テメェはここでシメる。

 

 なお一角もさっきのやり取りで無事なわけがなく、ハッシュヴァルトに見事なカウンターを食らっては獅子河原のように沈黙化する。

 

 その景色は『不良二人の喧嘩で、漁夫の利を使った言葉が少ない陰険なインテリの介入後』というテロップが出てもおかしくはなかった。

 

「失礼ですね。 陰険ではなく『物静か』と言ってください。」

 

 ソウデスカー。

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

「くッ! この! おのれ!」

 

 別の場所と思わしき部屋ではルキアの叫ぶ声が聞こえた。

 

 ババババババババババババババババババババ!!!

 

 彼女の手が宙を素早く切る音と共に。

 

「こんな! こんなもので────!」

 

 ぽわわわ~~~~~~~ん。

 

「────私を篭絡できるとは思うなよぉぉぉ~~~~~~ん♡」

 

 ルキアの両手いっぱいにはぎっしりと、数々の『ポヤ』っとしたユルイぬいぐるみが抱きしめられて彼女は頬ずりをしながらデロデロに表情を緩めていた。

 

「おのれ~~~~い♪ どこに~~~~~~♬ いるのだぁ~~~~~~?♡」

 

「(…………………………………………………………………………………………………………………………………………いくら何でもチョロすぎなんだけど?)」

 

 急にメルヘンチックな言葉遣い(歌?)になりながらルンルン気分にぬいぐるみたちと手を繋いで踊るルキアを、陰に隠れながらこれを見ていたリルカが呆れていたのは言うまでもないだろう。




平子:最後のこれ、なんやねん?

作者:えっと……『オズの魔法使い』的な?

京楽:渋いねぇ~?

作者:そっちに言われたくないよ?!

京楽:だってネタが古いものばかりじゃないか?

作者:バカにして! バカにして!

ウェイバー(バカンス体):僕のセリフ……

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