白と黒の世界は夢を見る   作:haru970

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お待たせしました、少し短いですが勢いで書いた次話です。

楽しんでいただければ幸いです。

12/15/21 7:50
マイナーな誤字修正いたしました


第118話 Bloodlines

 ___________

 

 ??? 視点

 ___________

 

「ブワッハッハッハッハッハッハ!」

 

「夜一サン、ホンッと愉快ッスね?」

 

 場所は浦原商店。

 

 そこではケラケラと先ほどの出来事を思い出してはいまだに口を大きくあけて笑う夜一を浦原が少し引きながら見ていた。

 

「いやいやいや、お主も隠れながら笑いを必死に殺しておったではないか?」

 

「まぁ……ある意味、昔の白哉さんが垣間見られましたからね。」

 

 浦原が思い浮かべたのは町外れで起きた義兄妹が互いに思っていたことの暴露。

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

「「?????????????」」

 

 時は先ほどまで『ザ・カンチガイ』が行き過ぎてかみ合わない思惑に戸惑いながら互いを見ていた朽木兄妹。

 

「……義兄様が手を繋ぎたかったのでは?」

 

「???? なにを言う? それこそルキアだろう?」

 

「「……え?」」

 

 その場が二人から発された?マークに埋め尽くされ、何個かが近くの一護の顔に当たっては弾かれる。

 

「えーと、お前らは何の話をしてるんだ?」

 

「一護、お主が恋ごとに初々しいのは知っていたが鈍感とは……それはもちろん、恋仲である義兄様のことを思っての────」

 

「────ゑ?」

 

 普段、冷静沈着で動じない白哉の目が点になり、気の抜けた声を出したことにルキアでさえも思わず驚いて口を慎んだ。

 

「………………な、何を言っているのだお前は?」

 

「へ?! あ、いえ、その、ですから………ゴニョニョ。」

 

「ブホォ?!」

 

 ルキアが最後に気まずく小声を出すと夜一が吹き出した。

 

「白哉坊にも二度目の春が訪れるとはのぅ! ハッハッハッハ!」

 

「?????????????????」

 

 心底ワケの分からない顔&思考がフリーズしつつの白哉の背中を、バシバシと夜一が叩く。

 

「……………………………………………………………………………………………………………ついに耄碌した、か。 『瞬神』も歳には敵わなかったか。」

 

「皆まで言わずとも良い! しかしまさか懺罪宮(せんざいきゅう)の橋で一目惚れし、小座敷でまさか()()()()()()とはのぉ?!」

 

「よ、夜一殿ぉぉぉぉぉぉぉぉ?!」

 

「…………………………………………………………………………………………………?!」

 

 白哉が考え込み、記憶を漁りながら上記のキーワードたちを結び付け、メタ的な電球が光ってはギョッとしてはルキアの方を見てかつてないほど動揺しながら冷や汗を流していた。

 

「ち、違う! あれは断じてお前が見たようなものではない! 私は緋真以外の女性を愛することは無い! 断じて!

 

おおぉぉぉぉぉ?!

 

 両肩をがっしりと白哉に掴まれ、顔を迫られたルキアが驚愕しいつもの調子ではない義兄に対して仰け反った。

 

 「それに奴を慕っているのはルキアの方であろう?!」

 

 「…………………………………ゑ?」

 

 今度はルキアの目が点になる。

 

 顔文字で表すと『( ゜.゜)』である。

 

「でなければあれほど奴のことを自慢気に話したりするものでも当世で言う『でーと』とやらにも出かけるために隊長代理の際に五番隊舎に毎日通うことも奴と同棲することは無────」

 

「────ゑ────???????????」

 

 狂人のようにグルグル回る瞳孔に、延々と喋り出す+早口というある種の異常事態(見たことの無い白哉)に、ルキアと彼を知っている周りの者たちの目も点になる。

 

 その間にも白哉の演説(?)は続き、()()()()()にルキアは反応する。

 

「────それにお前が同性愛者と言えども()もう気にしていない。 緋真もきっと内心では俺のように戸惑うかもしれないがニッコリとした笑みを────」

 

 「────んな?!」

 

「同性愛者?!」

 

 ルキアはショックになり、今度は()()()『同性愛者』の単語にジゼルが目を光らせた。

 

「ルキア……お前……通りで女子に人気が────」

 

 ゴチン!

 

「────ぶぇ?!」

 

 そんな訳あるかぁぁぁぁぁぁぁぁ?!」

 

 ルキアが溜まっていたストレスを開放するかのように一護を殴ったところで白哉は頭を抱えながら今まで己がしていた誤解に気付き始めた様子にこっそりと気配と霊圧を消していた浦原が爆笑するのを必死堪えていた。

 

 これが概ね、一通りの出来事である。

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

「う~ん、あんな朽木サン(白哉)を見るのは100年とちょっとぶりッスからねぇ~……」

 

 思い出に浸っていた浦原に夜一が急に真剣な顔をする。

 

「それで? 本当に滅却師たちはこの町を『半独立地域』として治めるの気なのか?」

 

 彼女に反応するかのように、浦原もキリっとした面構えをする。

 

「ええ。 すでにめぼしい場所などに、探知型の結界や地区担当の死神が不在のk状況を想定した巡回ルートなどを練っていますね。」

 

「と言ってもこの時代の重霊地は空座町。 そうやすやすとあの総隊長が同意したとは思えん。」

 

「ええ、ですから当分は僕たちを現世に居させるようですよ?」

 

 浦原がピラピラと懐から出した文を揺らす。

 

「…………………………ああ、なるほど。 じゃから藍染のいない今でも、お主がここにおれるわけじゃ。」

 

「崩玉を埋め込んである藍染惣右介は厳密には死んでいませんし、彼以外に崩玉の詳細などに詳しいのは今のところ僕ですしね。

 『涅サンに任す』ってのも今の尸魂界は改革の真っ最中ですから。 僕が手を出そうとしただけで殺しにかかりますね。」

 

「……しかし、()()()()()()()()さえも作り出すとはのぉ……どれほどの衝撃が起こるのやら。」

 

 かつての尸魂界の見た目が江戸時代を中心にしていたのは藍染が倒されるまで。

 

 今では明治に近づいたのは『マユリのおかげ』と言っても他言ではないのだが、空座町を『半独立地域』として成立させる為に滅却師たちが技術譲歩を交渉のダシにした際、マユリの愉快な笑いが流魂街まで響き渡ったそうな。

 

 その時、響き渡った『ハハハハハハハ、ハヒフヘホォー!』に誰もがびっくりしたのは言うまでもないだろう。

 

「やれやれ……本当に退屈せんわい。」

 

「僕もッス♪」

 

『もういい加減に結婚しろよお前らー! (#゚Д゚)』と言う者は案の定、そこには居なかった。

 

 浦原は腰を上げて、商店の地下へと足を運びだし始めると夜一が口を開ける。

 

「また()()()か?」

 

「ええ。 九割九分『本物』と瀞霊廷が特定しましたが、僕に任されたのは『最後の一分の確認』ですから。」

 

「……そうか。」

 

 それを最後に浦原はお店の奥へと進んだ。

 

 

 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …

 

 その夜、『ザ・カンチガイ』に気付いた朽木兄妹や元星十字騎士団(シュテルンリッター)たちと別れた一護はいつの間にか調子が戻ったチエと空座町の夜道を歩いていた。

 

「「………………………………」」

 

 二人は別に会話を交わすこともなく、手も繋げてもいなく、ただ静かに歩いた。

 

 一護はいろいろ聞きたい衝動を抑え、チエが話すまで待つつもりらしくただ足を動かしていた。

 

「……迷惑をかけたな、一護。」

 

「全然。」

 

「そうか。」

 

 口をやっと開けたチエに一護はただぶっきらぼうに答え、チエもぶっきらぼうに返す。

 

 まるで上記で済むと言うかのように、二人は途中で分かれてそれぞれの住まいへと向かった。

 

 一護は帰ると、真咲や遊子に夏梨たちを先に家に帰した一審とばったりリビングで会う。

 

「「…………………………………」」

 

 ここでも一護と一心は互いの出方を見るためにか、黙り込んだ。

 

「一護。」

 

 そして先に動いたのは一心だった。

 

「明日だ。 学校をサボれ。」

 

「あ?」

 

「明日、具合がよくなっていれば真咲と一緒に話そうと思う。」

 

「そうかよ……遊子たちが学校に行っている間に話そうって気か?」

 

「ああ。 だからもう寝ていろ。」

 

「言われなくてもそうするよ、親父。」

 

 一護は言葉通り、自室に戻るやいな、コンを無理やり起こして自分の肉体に戻ると今までの急展開で分泌されていたアドレナリンの効果が一気に抜けるかのように深い眠りへと瞬く間に落ちた。

 

 その間、アパートに戻っていたチエは黙々と本棚にあった日記に書き込みを朝までした。

 

 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …

 

「あらおはよう一護。」

 

「おはよう、おふくろ。」

 

「話はお父さんから聞いているかしら?」

 

「ああ。」

 

 次の日、一護はサボることを伝えた知人たちにそれとなく月島のことを聞いたが誰もかれもが彼のことを忘れたかのように返事をしていた。

 

 否。

 

『忘れた』のではなく、『()()()()()()()()()()()』ように振舞っていた。

 

 それはまるですべてが元に戻ったかのようで、一護はホッとした。

 

 ピンポーン♪

 

「あらあら。 一護、玄関に出てくれるかしら? 私はお父さんを起こしてくるわ。」

 

「分かった……っていいのか?」

 

 一護の問いに真咲は一瞬キョトンとしたが、察したかのようにうなずいた。

 

「ええ、彼もいたほうが、話が進むでしょうから。」

 

「『彼』?」

 

 一護は玄関を開けると三月を見た。

 

 厳密には『竜弦に首根っこを持ち上げられて宙ぶらりんをする三月』だが。

 

「誰だアンタ?」

「あの、降ろしてください。」

 

「私は『石田竜弦』。 お前が『黒崎一護』か。」

「私を無視しないでプリーズ。」

 

「あら~、いらっしゃい久しぶりね竜ちゃん!♪ 少し遅かったわね?」

「誰か私のことタシケテ。」

 

 パタパタとスリッパで小走りに来た真咲が竜弦を迎える。

 

「『竜ちゃん』はやめてくれ、黒崎夫人。 それに遅かったのはコイツの所為だ。」

「『コイツ』呼ばわりしないで。 というかそこで私に振らないで。」

 

「んもう! 昔みたいに『マーちゃん』と呼んでもいいのよ?」

 

「ぼ────私たちはもう、子供ではないんだ真咲。」

 

「……う~ん、どうしてこんなに捻くれちゃったのかしら?」

 

「ふわぁ~……おお、早かったな!」

 

そこの寝ぼけた一心にでも聞け。」

 

「んもう、お父さんったらくしで髪の毛ぐらいとかしてから降りてきなさい!」

 

 今まさに起きたところの一心、彼を叱る真咲、そして竜弦の言動を三月は見てとんでもないことを口にした。

 

「……も、もしかしてこれが噂に聞く『NTR(エヌティアール)』?!」

 

 

 全然違いますお嬢様。

 

「「「「『エヌティアール』?」」」」

 

「ナンデモナイデス。」

 

 理解されなくて良かったね、お嬢様。

 

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

 

 竜弦はそのまま家に三月と共に上がった。

 

 一心はまだ顔洗っていたのか一護、三月、真咲、竜弦の四人は黒崎家のダイニングでホッとひと時の休息のように、お茶と菓子を静かに楽しむ。

 

「……して、学校での()()はどんな様子だ?」

 

「「(『()()』?)」」

 

 一護と真咲の周りに?マークが出たのを察知したかのように、三月が答えた。

 

「石田()()なら元気にしているよー(多分)。 今度出かけるときにでも誘ったら?」

 

「………………奴がこちらに誘いを持ってくれば行ってやることもやぶさかではない。」

 

「うっわ、どれだけ捻くれているの『オレンジ卿』?!」

 

「オレンジ???????? どういうことだ????」

 

 突然の『オレンジ卿』呼ばわりに今度は竜弦が?マークを出す。

 

「あ、いやこっちの話。 それで私をここに拉致した理由って何ですか?」

 

「『拉致』? 『連れてきた』の言い間違いだろう?」

 

「病み上がりの私を無理やり病室から連れ出したことのどこが『拉致じゃない』っていうの?!」

 

「君は退院したがっていたではないか。」

 

「……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………あーね(ああ、そうね)。」

 

 無言の(プレッシャー)を出した竜弦に、三月はジト目でお茶と菓子を再度頬張り始めた。

 

「??? なんで石田の親父(オヤジ)がここに?」

 

「ああ、それは『どこまで』もう話したのかちょっと気になって────」

 

「────まだなんも話していないっていんなら、丁度いいかもしれねぇ。」

 

 一護の問いに竜弦が答えにならない答えをし、洗顔し終わった様子の一心が言葉を付け足した。

 

 ピンポーン♪

 

「あら、今日は来客が多いわねぇ?」

 

「噂をすればなんとやらだ。 多分大きいほうの渡辺だろう。」

 

「『ちっさい』呼ぶな!」

 

「いや誰も言ってねぇし。」

 

 三月の言葉に一護がツッコんだところで、同じく学校をサボった様子のチエが入って────

 

「むほほほぉ~、が・ん・ぷ・く♪」

 あ・な・た?

「ヒッ?!」

 

「親父、最低だよ。」

「そこだけ『死〇若丸』って……」

 

 ────Bホルダー&さらし無しのチエにニマニマした一心が真咲に注意され、一護と三月からは非難する目を向けられた。

 

 

 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …

 

「さて。 『話』ってのは他でもない、『俺たち』に関してだ。」

 

 いつものふざけた様子の一心からは想像しにくい、真面目な表情だった。

 

 左頬に立派な紅葉(ビンタの後)が無ければ決まっていただろう。

 

「一護、俺が『死神』ってのはもう想像が────ん? なんだ?」

 

 ここで三月が手を上げる。

 

「えっと、『私たちもここにいていいのかなぁ~』なんて思っていたりするんですけど?」

 

「まぁ……お前たち二人はこっち側の情報に長けているし付き合いも長いからな。 隊長代理に滅却師モドキだし。」

 

「え? 一心さん、チーちゃんのこと知っていたの?」

 

「おう。 この間会った。」

 

「(うそーん。)」

 

「で、話を戻すが俺は『死神』……そして真咲は『()()()』だ。」

 

 一心の言葉に一護は固まった。

 

 チエと竜弦ははただ静かにお茶を飲んだ。

 

「ブホ?!」

 

 三月はこのカミングアウトに飲んでいたお茶を思わず吹き出した。

 

 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …

 

 場は休業中の『浦原商店』へと移る。

 

 表には猫の姿で日向ぼっこを楽しむ夜一。

 ウルルとジン太は今日も調子の悪いマイのところへテッサイと共に見舞いに行っていた。

 

 その中でも浦原は地下の訓練場より、さらに奥にあった研究室に籠っていた。

 

 中でも、一つの容器の前に明らかに寝不足の彼は立っていた。

 その容器は本来、崩玉を封印するモノだったが、さらに己の斬魄刀の『紅姫』の結界を張った中には昨夜、夜一に見せた文とは別のをクマが目立つ目で見ていた。

 

「さぁてと……どうしたもんッスかねぇ?」

 

 浦原は半笑いを浮かべ、困ったように頬を掻きながらその文の差出人欄を見る。

 

「全く……質の悪い冗談ッス……冗談であって欲しかったッスよ。」

 

 そこにあったのは文を出したと思われる人物の名と、その筆跡。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

藍染惣右介』、と。

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