白と黒の世界は夢を見る   作:haru970

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お待たせしました、風邪気味でなかなか進まなかったので短いですが次話です。

楽しんでいただければ幸いです。

そして現在と過去のアンケートともどもご協力誠にありがとうございます。 

過去の回答にも目を通しておりますので参考にしております。

12/22/21 8:25
誤字修正いたしました。


Middle Adulthood - 『■■□□戦■篇』
第121話 The Tide Rises


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 ??? 視点

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 さて。

 三月とチエが瀞霊廷に急行している今、時と視点をほんの少しだけ一時的に戻そうと思う。

 

 それはちょうど、日番谷冬獅郎が上記の行動に出させた衝撃的な報告を浦原喜助が山本元柳斎重國にしていた場だった。

 

 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …

 

「お待たせしました総隊長。 結果はやはり、涅サンと同じでした。」

 

 通信モニター越しの山本元柳斎が一息入れ、浦原の真剣な顔見てから言葉を続けた。

 

『……それは…いや、お主の顔を見れば真か……』

 

「この事実かもしれない情報を踏まえ、総隊長は如何なさいますか?」

 

『………………このところ目まぐるしいほどに腕が上がるとともに精神が成長しておる日番谷隊長を送る。 他の者を送っては要らぬ印象を与えるかもしれぬ。

 その間、段階的にこちらで技術局が調べた情報とお主の立てた仮説を前もって隊長たちにも公開する。

 そして、お主も()()()の時に備えよ。』

 

 浦原の眉がピクリとここで反応する。

 

『お主は昔から二手、三手以上に物事を考えて策を練るのが上手と四楓院夜一がよく言っておった。 今は違うかの?』

 

 浦原は気まずくなったのか反笑いを浮かべ、押さえるように帽子のツバが彼の眼を覆う。

 

「……ま、僕はただ()()()()()()()()ですからね。 『備えあれば患いなし』と世論は言いますが、僕は『千の備えの中、一つ使えれば上等』と思っています。」

 

『そうか……では“現世”での事と滅却師の監視、異常があれば逐一報告をせよ。』

 

「ええ、承りました。」

 

 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …

 

 日番谷冬獅郎は総隊長に呼び出され、任された大役は『藍染惣右介が書いた書類に乗っていた単語を、渡辺姉妹に伝えること。 そしてもし瀞霊廷に来たいと申せれば尸魂界まで護送せよ』だった。

 

 彼は不服ながらもこの任を遂行する次いでとして、何かと自分と会わないように立ち回った元上司(一心)に積年の恨みを晴らした後に伝えるべきことを伝えた後はさっさと戻って以前よりさらに仕事をサボるようになった乱菊の業務を、何かと十番隊舎の隊長室に来る雛森と共にしようと思っていた。

 

 何せ『BLEACH(ブリーチ)』という、日番谷にとっては意味不明な単語を聞いた彼女の顔色は一瞬で色が変わったのを『どこか交通信号みたいだな』と思ったほど、小さいほうの渡辺(三月)の反応が予想外だった上に山本元柳斎の『もしも』で言った『瀞霊廷に来たい』という頼みをほぼ即時にお願いしたことで、日番谷の興味がさらに湧いた。

 

 

 

 ___________

 

 三月 視点

 ___________

 

空振り氷輪丸(日番谷)』と一緒に尸魂界へ移動している今でも、はっきりと覚えている。

 

 彼の『藍染の部屋から出てきた書類に乗っていた』と言われている単語に、私の思考が初めて完全に止まったことを。

 

前の世界(Fate/Zero)』でも、『さらに前の世界(Fate stay/night)』でもそんなことは無かった。

 

『BLEACH』。

 

()()()()』を示す言葉が、よりにもよって『藍染惣右介』という掴み処のない野心家の彼の書物から出てきたことに考えが一瞬止まり、体内で流れていた血が一気に全て冷水に変わったように凍えるような冷たさで体が満たされ、震えだすのを必死に意識して止めた。

 

「…………………ッ。」

 

 っと、いけないいけない。

 思わずこけそうになったよ。

 

 私は力が抜き始めた足を意識して足取りを戻し、眉毛を片方だけ上げてこちらをうかがう『空振り氷輪丸(日番谷)』の眼を見て確認をする。

 

「すみません日番谷隊長、本当に瀞霊廷へこのまま行ってもいいですか?」

 

「これで何度目だ? いいに決まっているだろ? でなきゃ、地獄蝶を二匹も用意していねぇよ。」

 

「……そうよね、ごめん。 ありがとう。」

 

「おう。」

 

 どこかふて腐れ気味の『日番谷冬獅郎』に、本心からの言葉を伝えながら愛想笑い(営業スマイル)をすると彼はそっぽを向く。

 

 う~ん、この『癖』は思わず炸裂するから()()別の投影(トレース)をする必要があるかな?

 

 でもあれって思っていたよりかなり()()するからデメリットが大きいけど……

 使()()()()よりはマシだからしょうがない、か。

 

 でも、本来では死神だけが使うのを許可された地獄蝶が『日番谷冬獅郎』の一匹分だけじゃないとなると……帰り道は『同行者』を想定していたということ?

 

 ……うん。

 やっぱり投影(トレース)したこの『癖』()どうにかならないかしら?

 目前からの逃避はやめようと思い、気力で。

 今は『藍染がBLEACHを知っていた』ことに考えを専念しよう。

 

 そう来ると様々な想定が浮かぶわね。

 

『いつから?』、『何を根拠に?』、『第三者の入れ知恵?』、そして『知っている』と仮定するならば『()()知っている?』。

 

 一応それとなく聞いてみるか。

 

「日番谷隊長。 その書類とは何時書かれたものかもう判別しておりますか?」

 

「いや、俺は何も聞いちゃいねぇ。 俺も総隊長に言われてこの情報を共有しているだけだからな。」

 

 日番谷のそっけなく、短い即答をもとに色々の仮説を立て始める。

 

「(なるほど……ならタイミングとしては『崩玉を手に入れた後』っぽいわね。 

 でなければもっと上手く立ち回わったり、もっと早く行動を起こしていたはず、最悪……『朽ち木ルキア』と『黒崎一護』と接触して『崩玉入りの義骸』を手にした直後とか、『尸魂界から逃げた浦原』の居場所を瀞霊廷に漏らし、二組が衝突しているどさくさに紛れて浦原商店から崩玉を盗んだり────)」

 

「────着いたぜ。」

 

 考え事は穿界門(せんかいもん)に着いたことを知らせた日番谷の言葉で一旦その部分に関しての並列思考に一時停止(ポーズ)をかけた。

 

 もし直接聞けるのならそれが一番なんだけど……

 

 山じいちゃんと頭でっかち共(四十六室)が面会の『OK』を出すのはちょっと想像できない。

 

 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …

 

「ええぞい。」

 

 ああ、やっぱりそうなるわねぇ~。

 

 「って、ええんかい?!」《xbig》

 

「おお、お主はやっぱりツッコミ役じゃな。」

 

 アカン。

 めっさ右之助ジジイの愉快そうに笑う顔にチョップを食らわせたいわ。

 

 こらえろ!

 こらえるんだ!

 

 深呼吸イッチニ。

 

「実はの? ワシら護廷も藍染に訪ねたいことがあるんじゃよ。」

 

「(『訪ねたいこと』、ね。 恐らくだけど『BLEACH』に関してのことね……慎重にならないといけないわ)」

 

 そう思いながら、これからどうするべきか考えを張り巡らせた。

 

 

 ___________

 

 ??? 視点

 ___________

 

 山本元柳斎が立ち上がり、近くにいた雀部に地下へ行くことを伝える際に隊長室を少しの間だけ任せることを言ってから、一番隊舎の奥へと歩き出す。

 

「やぁ、山じいに三月ちゃん。 今から真央地下(しんおうちか)なら付き合うよ。」

 

 そこまで距離を歩いていないうちに京楽が二人に挨拶をする。

 

「京楽……お主()()抜け出しおったな。」

 

「えっと……なんか顔が凄いことになっているけど?」

 

 三月が言ったことは何も不思議なことではない。

 

 京楽の顔は少々やつれているように見えた。

 

「アッハッハッハ! そうなんだよねぇ~……リサちゃんってば七緒ちゃんの人気(真面目)っぷりに感化されたのか、二人とも張り合うようになってさぁ~? ()()()()困ったことになっているんだよねぇ~? いやもうホントにどうしたモノか……

 

 

 余談だが上記で彼が言っ(呟い)たように、リサ(元副隊長)七緒(現副隊長)の徹底&生真面目な仕事ぶりで隊のほとんどの業務を一人で任されていることを知り、実際に彼女に京楽が依存していたことを知る。

 リサは『馴染みに手を貸す』という体で気密性の低い業務の何割かを受け取ったのだが、どうしても後れを取ることとなる。

 

「あら。 矢動丸副隊長、大丈夫ですか? ゆっくりと休んでいいのですよ? リハビリなどをご希望ならばちょうど六番隊の敷地に立派な訓練場がありますよ?」

 

 それだけならばまだしも、どこか苦戦するリサに上記のどこか七緒のトゲトゲしい物言いにイラっと来た彼女は気持ちを新たにした。

 

「ウチを馬鹿にすると早え度胸や小娘がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!! やぁぁぁぁぁってやるでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

 このこと自体、護廷としてならば良いことかも知れない……のだが、肝心の隊長でサボり魔の京楽にとっては寝耳に水。

 

「というワケでとっとと出かけるで京楽!」

 

 七緒の効率的な『業務作業』と競うかのように、リサは体を使った作業に力を入れ始めた。

 

「えええぇぇぇぇぇぇ? 急に真面目ぶってどうしちゃったの? 冗談はヨシコさん────」

 

 《x》ドッ!《/x》

 

「────ドハァ?! い、痛いじゃないのリサちゃん?!」

 

「つべこべ言わへん! とっとと広い場所いくで?!」

 

「ん~、日向ぼっこするなら敷くものと酒が欲しいなぁ~……なぁんて?」

 

「おう、心配しとかんとき。 もう手配しておる。」

 

 この場を見た隊士たちは思わず『尻に敷かれる恋人以上、夫婦未満』を連想したそうな。

 

 

「あれ? 君がここにいるのは意外だな、京楽?」

 

「ああ、浮竹かい……君の副隊長、ルキアちゃんと僕のリサちゃんか七緒ちゃんのどちらかと変えてくんないかな? このままじゃ僕の体が持たないよ。」

 

「それはある意味『自業自得』だよ、京楽……」

 

「まったくじゃ。 鍛錬をおそろかにしおって。」

 

「ガクッ。」

 

 こちらも余談なのだが海燕が瀞霊廷に戻り、検査を受けて『異常なし』のお墨付きをもらい、十三番隊にサプライズとして彼がルキアに付き添うと彼を覚えている隊士たちは驚愕……を通り越して即気絶する者たちが出た。

 

 海燕亡き後、副隊長業務などを引き継いだ三席の小椿仙太郎(こつばきせんたろう)と四席の『虎徹清音(こてつきよね)』が死んだはずの本人が戻ってきたと知った瞬間、猛烈なタックル染みたハグをかましながら号泣した。

 

 海燕からエキトプラズム的な魂魄が抜け出そうとするのを強引に戻したルキアはこのまま浮竹に『サプライズをしよう!』と息巻いていたのだが……肝心の浮竹はもうすでに白哉から聞いており、『逆サプライズ』を用意していた。

 

「よ。 浮竹隊長。」

 

「やぁ海燕、おかえり!」

 

「「「「へ。」」」」

 

 しめしめと内心で笑っていた浮竹以外の者たちに、浮竹は平然と言葉を返してことに浮竹はニコニコしながら副官章を渡す。

 

「…………………へーいルキア! イェーイ!」

 

「い、イェーイ?」

 

 変なテンションでハイタッチをしてくる海燕にルキアもハイタッチを返すために手を挙げると、海燕がそのまま副官章を彼女の手に無理やり握らせた。

 

「というワケでパス。」

 

「……………………………《xbig》ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ?!」

 

 ポツンと目が点になったルキアの叫びは瀞霊廷中に響き、六番隊舎から白哉が飛んでくるほどだった。

 

「(へぇー。 なんか色々と忙しかったんだなぁ~。)」 ←原因のお前が言うな

 

 そんな話を聞いた三月は、のほほんとしながら『原因のお前が言うな』テロップを払いながら歩き続けると次第にほかの隊長たちの何人かが待っていたかのように所々で合流し始めた。

 

「(こうなると遠足みたいね。)」

 

 上記で記入した山本元柳斎、日番谷、浮竹、京楽のほかに狛村、砕蜂などもいた。

 

 構成のメンバーがメンバーだけに、『遠足』はかなり不釣り合いなグループとここで一言入れておきたい。

 

 

 ___________

 

 三月 視点

 ___________

 

 すでに四十六室の許可があったのか、部外者であるはずの三月だけでなくほかの隊長たちもすんなりと一番隊舎の地下にある『真央地下大監獄(しんおうちかだいかんごく)』への入場許可が看守たちから降りていた。

 

 最下層にある『無間』へと長い階段を下りていく間に、三月の胸からくる脈はどんどんと強く、早くなっていく。

 

 ドッ。 ドッ。 ドッ。 ドッ。 ドッ。 ドッ。

 

 最初こそ彼女はこれを『緊張感から』と処理していたが、次第に強くなっていき彼女の耳朶に直接響くまでなっていた。

 

「(これは『緊張感』()()じゃないわ。 この胸から徐々に体が冷たくなっていく感覚……これは……『不安』?)」

 

 ドッ! ドッ! ドッ! ドッ! ドッ!

 

 次第に冷たい感覚は体中を巡り、それとは違う吐き気が遅いはじめ、三月の息遣いは次第に浅くなり、額から出た汗が頬や首へと伝っていく。

 

「……三月ちゃん、大丈夫かい? 寒いのかい? 顔色、かなり悪いよ?」

 

 それを横目でチラッと見て声をかけた京楽に、彼女は少し無理をして笑顔を向けた。

 

「ええ。 ()()()冷え性持ちですので、こういった暗い地下へ通じる洞窟の中は()()苦手ですので。」

 

「……ふーん。」

 

 そのまま階段を下りて、『無間』へ近づく度に釣れて体中の髪の毛がゾワゾワするような感じも付け足される。

 

「(なになになになになになになになに? なんなの、『コレ』? こんなの、初めて……()()()()????)」

 

「ここじゃ。」

 

 彼女はこの感覚を、どこかで体験したような違和感に落ちては思い出そうとした瞬間に山本元柳斎の声によってその考えが遮られる。

 

 三月が顔を上げると、大きくて頑丈そうなドアからわずかに()()()()が漂ってくる。

 

 そう、それはまるで()()を水で薄めたような────

 

「(────ん? 待って。 これって?! この匂いって────?)」

 

 三月が考え込んでいる間に山本元柳斎は様々な南京錠のようなものが埋め込まれていたドアのカギを解除していて、すでに錆び始めた金属同士がこすれる音と共にドアが開き始めていた。

 

 そしてドアが開けば開くほどに、先ほどの甘ったるい匂いが急激に強くなっていく。

 

「────待って! この()()()! これは『()()』なんかじゃないわ! 早くドアを閉めて────!」

 

「────『匂い』、だと?」

 

 三月の叫びに、近くの誰かがまるで彼女の言った匂いに気付いていない言葉が漏らされるとほぼ同時に、わずかに開いたドアからドバっとドス黒い()のようなものがその場一帯を飲み込むように広がった。

 

 同時に、尸魂界全体に小さな地震が発生した。




ギルガメッシュ(バカンス体):なんだ、我が来てみれば誰もおらんではないか?!

ギルガメッシュ(天の刃体):そう荒れるな我よ。 まずは酒などどうだ?

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