白と黒の世界は夢を見る   作:haru970

127 / 193
お待たせしました、遅れました&短めですが次話です。

楽しんで頂けると幸いです。

後書きにてちょっとしたお知らせがございますので、読んでいただけるようお願いします。


第125話 Sorrowful Soldiers

 ___________

 

 現世組 視点

 ___________

 

「……ん?」

 

 チエが何かに気付いたとほぼ同時に夜一もピクリと片眉毛が反応し、二人が立ち上がる。

 

「え? な、なんだ二人とも?」

 

 ズズゥゥゥゥン……

 パラパラパラパラ。

 

 上からくる低い音に続き、地下訓練場の天井から()()()()()()()()()()

 

「……地震────」

 

「「────なワケ無かろう!」」

 

「言ってみただけだよ! 真に受けるな!」

 

 夜一とチエの二人は一護の言葉にツッコミ、一護も二人のようにその場から急いで地上へと出る。

 

 そこでは思わず、三人が戸惑うような景色が待ち構えていた。

 

「せりゃああああああ────!」

 

 ガッ!

 

「────ぬお?!」

 

 ジン太は持ち前の怪力と金棒の『無敵鉄棍』を思いっきり振るうも、攻撃がそらされることや避けられることもなく正面から受け止められていた。

 

「当たらなくても、牽制ぐらいには────!」

 

 ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!

 

「────弾かれた?!」

 

 そこにウルルは肩に乗せたマシンガンポッド状の『千連魄殺大砲』を乱射するも、今度は()()()それらが払い落とされる。

 

「これは────」

 

「何で…何でここにお前がいるんだよ────?!」

 

 普段は理解、そして順応が高い夜一でさえも動きを止めていたのは上記の出来事……ではなく、それらを中心にした人物で一護も思わず口を開けていた。

 

 ジン太、そしてウルルが攻撃をしていたのは黒髪に真っ白な肌をした痩身を持った人物。

 

 涙を流しているような緑色の線状の仮面紋の上にある緑の目が動くが、それ以外に感情を一切感じさせない顔が視線と共に一護たちへと向けられた。

 

「────お前、死んだはずじゃなかったのかよ?!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ()()()()()?!」

 

『帰刃』する前の()()()()()が浦原商店の前に立っていた。

 

 ブン!

 

「おわ?!」

 

 ジン太は持っていた金棒ごと、体を一護たちに投げられるところから事態は急激に変わる。

 

「おわっと!」

 

 一護は投げられたジン太を受け止めている間、夜一とチエが瞬時にウルキオラの左右方面から攻撃を繰り出していた。

 

 夜一は前回ヤミー(破面)たちとの教訓から、高濃度に圧縮した鬼道を両肩と背に纏う独自の技術である『瞬閧(しゅんこう)』を発動していた。

 

『白打を使った現在での最高術』と言っても過言ではないそれは、斬魄刀を使うより拳を使ったほうが強い彼女の持つ能力で全力に近かい拳をウルキオラの顔面目掛けて振るっていた。

 

 チエは刀を既に抜刀しており、それを夜一とは違う方向に斬撃をウルキオラの肩辺りを狙っていた。

 

「(『参ノ型・竜虎陣(りゅうこじん)』!)」

 

 ガガッ!

 

「「?!」」

「ッ」

 

「あ、ありえねぇ!」

 

 一護と夜一の目が見開き、ジン太は驚愕の声を出す。

 

 夜一の拳、そしてチエの刀の攻撃までもが先ほどのジン太のように()()()受け止められていた。

 

「◆◆」

 

 カッ!

 

 ウルキオラの口が初めて動き、何かを言ったのか聞き取れない言葉を口すると両手から出た虚閃がまだ攻撃で空中にいた夜一とチエの二人を包む。

 

「チエ! 夜一さん!」

 

「チーの姉貴!」 

「チーお姉ちゃん!」

 

 一護は夜一とチエの両方の名を叫び、ジン太、そして距離と位置を変えたウルルがチエの名を叫んだ。

 

「う~む、なんかお主に負けたような気がするのじゃが?」

 

「気のせいだろう。 それにさっきの攻撃で、夜一殿がたいして傷つかないことを知っているのだろう。」

 

 だが案の定、二人は攻撃を少しは食らったのか多数の火傷のような傷以外目立った外傷はなく、距離を取っていた。

 

「はて、どうしたものかのぉ~。」

 

 夜一の口調はいつも一護や三月たちをからかうようなモノだが、さっきの『瞬閧』を乗せた攻撃を防御されたことで瞬時に『敵の駆逐』の為に思考を張り巡らせていた。

 

「(ぬ?)」

 

 夜一はジワリと痛み出した手に目をそらすと、そこは赤く滲んでいた。

 

「(変じゃの。 前回の『外皮霊圧硬度(がいひれいあつこうど)』を配慮したのに()()()()()()()()が来る……どういうことじゃ?)」

 

「破道の三十二、『黄火閃(おうかせん)』!」

 

 チエが突然、前に黄色の霊圧を放つ。

 それに反応するかのようにウルキオラは一直線にチエはと走りながら自分へ放たれた鬼道をまたも素手で逸らしながら斬魄刀を抜く。

 

 ガァン

 ギギギギギギギ

 

「『炎の閃光よ、集え────!』」

 

 金属がぶつかり合う音が鳴り、今度は擦れる音が響いたと周りの物が思った矢先にチエは口を開けていた。

 

「『────光よ! 敵を射て!』」

 

 チエがいつの間にか刀から離した手から放たれた白い光線がウルキオラの胴体を()()した。

 

「ッ?! ふん!」

 

 何かに気付いたのか、チエの眉毛がピクリと反応し、彼女は無理やりウルキオラを蹴り飛ばす。

 

「……なんじゃ、あれは?」

 

「黒い……()?」

 

 夜一と一護たちが見たのはウルキオラのお腹にできた穴からは血の類の液体ではなく、ドロドロしたジェル状の()()

 

「「ウッ?!」」

 

 方便上『泥』とソレを一護は呼んだが、見ただけで明らかに『異質な物』と本能全てが訴えるかのように酷い吐き気、眩暈、頭痛が彼と夜一を襲った。

 

 ジン太やウルルに関しては白目をむき、痙攣しながらぐったりと気を失った。

 

「◆◆◆◆」

 

 またも聞き取れない言語でウルキオラが喋ると、開いた口からドプリと更に『泥』がボタボタとこぼれだし、それらが凄まじい熱気を発しているのか、彼の足元のから広がっていく泥沼は蜃気楼のように空気がユラユラと歪んでいた。

 

 「『ガルヴァノブラスト』!」

 

 バリバリバリバリバリバリ

 

 上から突然、小型の雷のような攻撃がウルキオラを含めた『泥』に直撃バチバチと辺りに放電した後に見える泥沼は先ほどより縮んでいた。

 

 その場に、六枚の霊子で出来た稲妻が翼のように背中から生やしたキャンディスが降り立ちながら、動きが極端に鈍くなったウルキオラと泥を見ながら舌打ちをする。

 

「チ、やっぱ『滅却師完聖体(クインシー・フォルシュテンディッヒ)』しても一発で仕留められねぇか────」

 

 彼女は片手を上げ、そこからはさっきとは比べ物にならないサイズの雷が纏う。

 

 バチバチバチバチバチバチバチ

 

「────ならこいつぁどうだ?! 電滅刑(エレクトロキューション)』!!!

 

 バン

 

 これを見たジャンプ好きならば『どこの“ヤハハハ”と笑う神だ?!』と言うだけで通じるような巨大な雷がその場に落ちる。

 

 その余波で静電気がその場一帯に留まり髪の毛や服などがハネあげ、電柱や電線から火花が散るか耐えられずに千切れていく、または発火した。

 

「っしゃ! ()()あがり!」

 

 ウルキオラと黒い泥がかつて『そこにあった』という証明は黒く焦げた地面を置いてなかったことにキャンディスが満足そうにガッツポーズをする。

 余談だがさっきの腕を大きく振りかぶった時も、このガッツポーズの動作でもかなり露出度が高い服装の中で彼女の胸も揺れ、ポロリとこぼれそうだったのは言うまでもない。

 

 だが彼女の言葉に何か引っかかったのか、以外にも夜一が先に問を掛けた。

 

「……あー。 お主、確か滅却師の一人だな? さっきお主は『一体』と言わなかったか?」

 

「あ? ……あー、そういうテメェは『黒猫』? だろ? おう、他の奴らや聖兵(ソルダート)共が応戦しているぜ────────って何だよロバート?!」

 

 キャンディスは急に顔しかめながら右の耳に取り付けていた通信機のようなものに手をかざしながら怒鳴る。

 

「あ?! 今陛下のところだよ! ……あのうさん臭い死神の駄菓子屋だ! ……あ゛?! 住所ならリルに聞け!」

 

 怒鳴り間に、キャンディスの背中に生えていた霊子の翼を一護たちは思わずジッと見ていた。

 

「……もしかして霊子を外部に留めた形か?」

 

「ん? あ。 そういえば陛下に見せるのは初めてだったな?」

 

 チエの言葉にキャンディスはさっきのイラついた顔から物珍しく『霊子の翼』を見る者たちの視線に気付いてはニヤニヤしながらドヤ顔を浮かべた。

 

「こいつは……まぁ言うなれば()()()()()()()()さ。」

 

 一護の脳裏に浮かぶのは、かつてルキア奪還から帰ってきた際に力を失った雨竜の姿。

 雨竜はそういう素振りを見せなかったが、霊圧の有り無しと、虚が出現した時の反応を見れば一目瞭然。

 このことを不思議に思い、浦原に聞いた一護は『滅却師最終形態(クインシーレットシュティール)』のことを知り、自分が雨竜を巻き込んだことで滅却師としての能力を失ったことに多少ながらも負い目を少し前までは感じていた。

 

 だが直接脳へと響く鉄裁(てっさい)の声で一護は思いに長く浸ることなく考え事が中断される。

 

『夜一殿、渡辺殿、黒崎一護殿、および現世駐在任務の死神たちへ! 私の名は握菱(つかびし)鉄裁! 私の冤罪を知っている、知っていない方たちもどうか私の言葉に耳を貸してくだされ!

 今現在、現世にて多数の破面が()()出現している模様! 各地区に滅却師の方たちが駆け付けますのでどうかその時まで身を守ってください! 彼らは我々死神よりはるかに優れた探知と戦闘能力をお持ちです! 連携、または共闘するようにお願いします! 最後に、敵の破面から出る泥には決して触れ────!』

『────テッちゃん────!』

 『──── “円閘扇(えんこうせん)”!』

 

 そこで鉄裁(てっさい)からの伝信は切れた。

 

「今のは、マイさん? 何が……いったい────?」

 

「────呆けるな、一護。 死神としてやることは一つだ。」

 

「ワシはジン太とウルルを地下に避難させて、ここ(浦原商店)の防御設備を起動してから後を追おう。」

 

「私たちを案内してくれ、キャンディス。」

 

「おう。 その為に、()の速いオレがここに来たんだらな。」

 

 夜一がいまだに気を失っている子供二人を抱え、キャンディスはチエに向かってニヤニヤしていた。




今年もお世話になりました!
はい、もう少しで元旦ですね。

年末間近で、ほとんどの知人たちは休みに対して基本的に自分の仕事場は休みでは無く逆に繁忙期です。

しかも本来の仕事の量の上に、一昨日の夜頃に突然前触れもなく『来年から上司変わるからワークスタイルも変わるからヨロ~☆』の軽いノリの知らせが来て、仕事場はいつもの繁忙期でてんやわんやなのに更に忙しくなる予定です。

ですので投稿の文字数が短かったり、少し遅れたりするかもしれません、等々。

ご期待に添えるか分かりませんが、努力をする所存です。

なかなか書けない時などは今までの感想などを読み、勝手ながら励み成分にしております。

追伸:
上記の軽~い知らせを見たとき、リアルで放心してから『ハァー?! なんやそれぇー?!』となってしまいました。

リモートワークの日で良かったよホントに。 いまだにテンションや頭の中がぐちゃぐちゃで……(汗汗汗

どのような投稿スタイルが好ましいですか?

  • 投稿できる日は同じ時間帯
  • 短くても毎日投稿(時間に多少バラ付き可)
  • 長く、切りの良い所
  • 作者が死なない/エタらない程度
  • その他(感想欄にて)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。