白と黒の世界は夢を見る   作:haru970

132 / 193
遅くなって申し訳ありません。 
短くて急展開ですが次話投稿です、楽しんでいただければ幸いです。

1/12/22 9:15
気になったところを誤字修正しました (コンと→コント)


第130話 交差するThen and Now

 ___________

 

 現世組 視点

 ___________

 

「お待ちしておりましたよ、お三方。」

 

 コンをあとに駆け付けてきた聖兵(ゾルダート)と嫌々ながらも承諾するキャンディスに預け、一護たちに浦原商店の前で立っていた浦原が挨拶をする。

 

「要件を言え、喜助。 瀞霊廷は────?」

 

「────人的被害はあったものの、()()よりかなり少ない。 ですが由々しきことは藍染がどうにかして霊王宮に向かったことですね。」

 

 ここで夜一は顎に手を添え、自分なりの考えをまとめ始めたのか小声で独り言をする。

 

「到達するためには72枚の障壁をどうにか解除、または無効化しても霊気を遮断する瀞霊壁(せいれいへき)が守っておる……如何に霊力がバケモノじみた藍染でも────」

 

「────それが困ったことに彼、()()()()()()があるんスよ。」

 

「………………………………………ふにゃ?」

 

「「(……………………聞かなかったことにしよう。)」」

 

 浦原の言葉に夜一は普段見せないような顔で意味不明な声を出し、一護たちは聞かぬふりをしたのを察したのかせき払いをしてから口を再度開ける。

 

「コホン……なるほど、それはマズいの。」

 

「ええ……マズいですね。」

 

 そしてその場にいた()()()()()()()()()()が夜一の言ったことを復唱する。

 

「「「…………………………………………………………………………………」」」

 

「なぜお前たちがここにいるのだ?」

 

「「「(相も変わらずド直球。)」」」

 

 気まずい空気で静かになる中、チエが思っていた疑問を投げたことに一護、浦原、夜一が同じことを思った。

 

 というのも、コンを保護した者たちを引き連れていたのはハッシュヴァルト組でそこでコンは渋々ついて居ていくことを了承した。

 

 余談だがミニーニャに釣られたことは内緒の事みたいである。

 

「なぜと仰られましても、『陛下が行くというのなら』では駄目でしょうか?」

 

「だそうだ。」

 

「そうですか。 では────」

 

「「((────それで良いのか浦原さん(喜助)?))」」

 

 

 

 

 ___________

 

 尸魂界組 視点

 ___________

 

 山本元柳斎率いる者たちが歩いた後にはいまだに徹底抗戦を続ける『Kaiserreich(カイザァリッヒ)』の遺体。

 

 彼らが向かった先は意外にも西流魂街。

 

「む、遅かったか。」

 

 山本元柳斎が一目だけ開けながらそう言ったのはボロボロになった志波家の敷地。

 

「しかも盛大に壊されちゃっていますねぇ、総隊長サン♪」

 

 そして巨大な煙突と思われる発射台()()()()()

 その前にからからと笑う浦原と、彼の後ろでげっそりした一護とハッシュヴァルトに肩を貸すチエ&夜一。

 

 彼らがここに来たのは以前通った浦原特製の『穿界門・改(仮)』。

 以前のモノをさらに改良しつつ禁術である『転移』を基にした『転移装置』の応用で一気に断界内の距離を詰めた上にある程度の出口の移動ができるようになった*1

 

 ただその道のりは険しく、安全固定具(ベルト)なし何某ランドにある巨大ジェットコースター片道切符(命がけ)のモノだったが。

 

 その出口が志波家で、重症で身動きが取れなかった海燕、岩鷲、空鶴は夜一によって呼ばれた四番隊の救護班に医療院へとすでに運ばれた後に山本元柳斎たちがたどり着いていた。

 

「ええ、確かに()()()壊れていますね……というわけで────!」

 

 ピッカァァァァ。

 

「────その先は私から聞かせようではないカ、浦原喜助。

 

 *特別通訳*『その先は私から聞かせようではないか、浦原喜助。』

 

 ほとんど見ること自体が苦痛になるほどの光源を逆行に光っているマユリが依然浦原が使った『転移装置』と似た宙の歪みの中から姿を現した。*2

 

「「「「「…………………………………………………」」」」」

 

 その場にいたほとんどの者たちは顔を自然としかめるか、呆れるような顔をした。

 

みぎゃああああああああ?! 目が?! 目がァァァァ?!?!

 

 一人(三月)は純粋に、脳を直に襲ってくる痛みで顔を覆いながら転ぶ勢いで悶え、その間に光源が少し……ほんの少しだけ下がった。

 

 ような気がした。

 

全く騒ぐことしか能のなイ……偉大な者は自然と輝いて見える者なのだヨ!

 

 *特別通訳*『全く騒ぐことしか能のない……偉大な者は自然と輝いて見える者なのだよ!』

 

「「「「「…………………………………………………」」」」」

 

イダイよおおおぉぉぉぉぉぉぉ……」

 

「…ええそうですねマユリさん。 それで首尾は如何なものでしょうか?」

 

「「「「「(色々とスルーした?!)」」」」」

 

 間を置いてから話を続ける浦原にびっくりしたことにマユリは気付かずただ浦原を見下ろした。

 

「ふン。 言われなくても渡された物を既に私なりの改良を施しタ。」

 

「さすがマユリさん!」

 

 そう言いながらマユリのいる空間へ入る浦原を他の者たちが互いを見て後を追うと────

 

「────ナニコレ。」

 

 三月が驚愕していた。

 

「志波家にあった砲台だな。」

 

 そしてチエが見たままの物をその通りに言う。

 

「これはアタシがしゅm────『何か』の為に作っていた砲台を基に────」

 

「「「「「(今『趣味』って言いそうだったな。)」」」」」

 

「────(マユリ)が浦原喜助に代わって改良を重ねた代物だヨ。 これならばたとえ雲の先にある霊王宮といえども辿り着くのは容易! 名付けて、『天元突破レールガン(電磁砲)』だヨ!

 

 高らかにキラキラしたマユリの言ったことに、その場の誰もがさまざな反応をした。

 

「「「「「(意外と普通なネーミングだ。)」」」」」

「(うーん、ボクならば『彼方への電磁砲』と名付けていましたね。)」

「(なんちゅうギリギリのネーミング……)」

 

「「(三月よりはマシだな。)」」

 

 上記から殆どの者、浦原、三月、そして最後にチエと一護である。

 

「ちなみにコレは一発打ち上げれば崩壊するヨ。」

 

 「「一発芸か?!」」

 

 マユリの言葉に一護と三月が同時にツッコミを入れる。

 

「いやまぁ、そこは勘弁してほしいっス。 志波家の砲台は先祖代々、秘伝の技術を使った建造物。 こっちはコピー程度の試作っスから……ではでは霊王宮力の御一考皆さん、砲台の中に入ってください♪」

 

「ん? じゃが喜助、霊王宮には72枚の────?」

 

「────それは大丈夫じゃ。 実はというと、霊王宮を守っておる障壁は何かが通過すると、約6000秒ほど閉じられぬ欠点がある。」

 

 夜一の疑問を、かなりの機密事項である言葉で山本元柳斎が遮る。

 

「いいのか、重国?」

 

「なーに。 閉じられぬことを知っても、そもそも通ることが出来るのは『王鍵』を持つものか、藍染のように『()()()()()()で押し通す』の二択だけじゃ。」

 

「なるほど。」

 

 チエは砲台の中で、山本元柳斎に後ろからハグされるかのように立っていた。

 

「お前相変わらず小さいな。」

 「『成長中』だよ一護!」

「だってホントの事じゃ────」

 「────せめて『小柄』て言って!」

「それでもお前ブチ切れるじゃん……」

「ジャンプするわよ?」

「すいませんした。」

 

 三月と一護も同じように立っていた。

 というか砲台の中は色々と満員電車のようにギュウギュウ詰めだったので彼女が飛び上がれば確実に頭突きを一護にお見舞いすることになるほど。

 

 明らかに定員オーバー寸前ギリギリ状態。

 

「では皆さん、打ち上げますよぉ~?」

 

 砲台の()にいる浦原が呑気に声をかけ、()()()()ではマユリが最終的なチェックをしているのかコンピューターのキーボードを素早く打っていた。

 

「って、アンタは乗らないのかよ?!」

 

「じゃあ一護さんは抱っこする気あります? 明らかに定員オーバーになりますケド?」

 

「抱っこされる気は毛頭無い。」

 

「大丈夫だ。 遊子や夏梨ならいざ知らず、お前なら抱っこする気が沸き上がらないからな。」

 

「んな?! ぬわにを~?」

「んだよ?」

 

「こんな時でも仲がいいな。」

 

「「どこが?!」」

 

「(変だな、思ったことを言っただけなのだが……)」

 

「というわけで行ってらしゃーい♪」

 

「え、ちょ、待って────」

 

 

 

 ___________

 

 ??? 視点

 ___________

 

 場所は霊王宮へと続く、ちょうど藍染たちが歩いた場所と思われる木の橋。

 

 ヒュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル!

 

 ドゴォォォォォォォン!

 

 何かが落下する音と衝突音と共に黒く、大きな鉛玉のようなものがその場へと落ちる。

 

 撒きあがった煙がまだ漂う中、鉛玉が内側からひび割れる。

 

 というか蹴られたのか、足が見えたと思えば中から真っ青になっていた一護と三月が中から同時に駆け出しては木の橋を全身で堪能するかのように大の字でうつぶせになる。

 

 「「地面だぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」

 

「大げさだぞ二人とも。」

 

「チーちゃんいつも通り過ぎ!」

「そうだぞ! 今の逆フリーフォール気分は凄かったぞ!」

 

「こういう時は妙に息が合うな。」

 

「「茶化すな!」」

 

 一護、三月(ツッコミと)、チエ(天然真面目ボケ)のコントが続く間に鉛玉の中から次々とほかの死神たちが出てくる。

 

「あいつら、中ええな。」

「『青春』って奴だねぇ~。」

「初々しいの────」

 

「────よう。」

 

「「「「「ッ?!」」」」」

 

 夜一の言葉を遮った、()()()()()()()()に誰もが前を見る。

 

 そこには、紅い髪のモヒカン青年が立っていた。

 

「おいテメェ、()()()()そこにいた?」

 

 前に出た拳西の声に、青年は興味なさそうに答える。

 

「『何時から』って……()()ずっとここにいたぜ?」

 

「……バズビーか。 何でここにいる?」

 

 ここで以外にも、口数が少なかったハッシュヴァルトが自ら口を開けて問いを投げていた。

 

()()ならこの先だ。 行きたきゃ行けよ。」

 

 ハッシュヴァルトに『バズビー』と呼ばれた青年は、後ろに続く橋の先にある宮殿を指しながらそういうと、面白そうなものを見るかのように京楽が口を開ける。

 

「ふ~ん? えらく潔いね? ()()()は何だい、若いの?」

 

「話が早くて済むぜ……この先に進んで良いのは『ハッシュヴァルト以外』だ。 そいつだけは()()だ。」

 

 何人かがハッシュヴァルトを横目で見ると、彼は何かを思ったのか瞼を一瞬閉じてから横に歩き出す。

 

「いいでしょう、他の者たちは先に行ってください。」

 

 バズビーも横の端に移動すると死神たちは一気に前進する。

 

「おい、ポテト……大丈夫か?」

 

「ええ、私に構わず行ってください。」

 

 早速一護を訂正するのも諦めた様子で、彼に上記の言葉を返す。

 

「……何かの因縁か?」

 

「そのようなモノです、陛下。」

 

「そうか。」

 

 そっけないようなやり取りを知恵とハッシュヴァルトが交わす。

 

「ハッシュヴァルトさん……」

 

「先ほど言ったように私は大丈夫です姫様────」

 

「────()()敵同士でも、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()から。」

 

「……え?」

 

 最後に三月が過ぎ通る間に言った言葉がハッシュヴァルトに引っかかったのか、彼はわずかに目を見開いた。

 

「『姫様』、ねぇ? テメェ、女に尻尾振るのかよ?」

 

 その場に残されたハッシュヴァルトに、再び橋の中央に歩き出すバズビーが挑発的な言葉にハッシュヴァルトはただ静かに大剣と盾を構える。

 

「んじゃ、やろうぜ! ()()()()!」

 

 バズビーが人差し指を、三月が『霊丸』を使用するときの構えと似たものをする。

 

「『バーナーフィンガー1』!」

*1
22話より

*2
70話より




_(X3 」∠ )_ ←*注*作者
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。