お気に入り登録、誠にありがとうございます! すごく励みになります!
かなりの急展開などで内心ハラハラですが、楽しんでいただければ幸いです!
___________
??? 視点
___________
ボォン!
「ギャアアアア!!!」
左手と姿形を変えたペルニダの『小指』が爆破されたことで彼の叫びが辺りに響く。
バシャア!
「やれやれ、麻酔してから検体を取ればいいものを」
「そういう君こそ保護薬液を用意しているじゃないカ────何ッ?!」
バキバキバキバキバキ!
「マユリサン!」
蒲原から保護薬液を浴びてもバタバタと暴れる『小指』の近くまで移動したマユリに、小指から赤黒い『神経』が伸びては彼の左手に密着した瞬間、支配された神経が筋肉に働きかけ始めて骨と肉が異様な方向へと曲がっていく。
これをマユリは誰の目にも捉えられないほど動く右手で、左腕をバラバラに分解した後にもう一度組みなおす。
「舐めるなよペルニダ! さすがの君の能力も神経、血管、筋肉の配置を一から組み変えた対象にはどうにも出来ないだろう?!」
「(……今の一瞬で自分の体をただの力技で作り変えるなんて、流石は涅サンだ。 ボクが言っても彼にしたら皮肉にしか聞こえるかもしれないけど)」
ボギボギボギボギボギボギ!
分断された『小指』はすぐさま別のペルニダと成る間、ペルニダは自らの人差し指と中指を親指と薬指でもぎ取る。
「あー、そう来ましたか」
「
「ならそのまま捕獲しちゃいましょう♪ 一部とはいえ、『
みるみると増えたペルニダが霊子の弓を構えてそれらを射る。
「貴殿らは忘れている。 余は滅却師である」
「「ッ」」
「! 地面じゃ二人とも!」
いきなり喋り方を変えたペルニダに蒲原とマユリが違和感を覚えている時、先ほどの地面へと射られた矢から神経らしき線が周りに伸び出ていたことを夜一が叫ぶと同時に二人は飛び上がり、足元には霊子の足場が出来ていた。
「ソれハ……」
「
「今の説明、訂正したまエ浦原喜助。 『
「それもそうっスね」
自分と同じく
「ここを離れるぞ、浮竹!」
彼女はいまだに調子が戻ってこない浮竹に肩を貸し、さらに距離を取りながら
その場に広がるつつある、薄い霧状の何かも彼女が目を凝らせば見えなくもなかった。
「(まったく、無茶を本番でやりおる)」
先ほどのアイコンタクトと一瞬で、浦原とマユリは敵の神経経由の攻撃を逆手に取るという大胆な作戦に出ていた。
「(やはりナ。 認めたくはないが、悪知恵は昔から利くのが蒲原喜助。 私のいま散布しているほぼ同等の超高濃度の麻酔薬)」
「(知っていますよマユリサン。 これぐらいならばボクたちにも少々きついでしょうが、ペルニダの矢は無力化できます)」
「「「「「ム. 矢ガ……なんダ、コれハ?」」」」」
「「(ここ
ペルニダたちが自分の矢に違和感を覚えたその時、浦原とマユリが杭のようなモノを懐から出してはペルニダの矢にそれらを打ち込むと、霊子そのものが変質していく。
「(『
「(文字通り、『神経の伝達を凝固させる』モノ。
「「(────
ボキ!
これらを見た最後のペルニダは自らの
「こんなモノで、やられる
再び流暢に喋りだすペルニダが動きを止めた浦原とマユリに弓を残った指で構えだす。
「『死ぬ』? もちろんそれはどんな生物であればいずれ訪れる終末だヨ」
「でも今ここで死ぬのはあなたです、ペルニダ」
ドッ!
ペルニダが立っている地面近くから小さな衝撃を感じて不意に底を見ると先ほどの浦原とマユリが持っていた杭を本体に打ち込んでいた夜一がいた。
「まさか喜助に『もしもの時』に渡されたこれをここで使う羽目になるとは、人生何が起きるか分からんのぉ?」
「キ────!」
音もなく、本体が瞬く間に凝固されてペルニダの声は強制的に途切れる。
「これで────」
「────標本の出来上がりっス」
二人が見上げたのは石像のように微動だにしないペルニダたち。
「さテ────」
ボコ!
「「────ッ?!」」
マユリが浦原に振り向きながらしゃべると、異様な音がペルニダたちから発する。
ボゴ! ボゴゴゴゴゴゴ!
二人が見ていると、さっきの音はペルニダたちが急に膨らんでいくのが原因だった。
「なんだ、これは────?」
「────ぐぎががががが?!
ボゴォン!
空気を入れすぎた風船のようにペルニダが破裂し、肉片が生々しい音と共にその場一帯に散らばっていく。
「「……………………」」
さっきまでの騒動が嘘のように、沈黙が訪れて浦原、マユリ、夜一たちはただ茫然と生きをしながらマユリを見る。
「なんだネ? ここにもう用はなイ────」
ドシャ。
マユリが歩こうとして、いつの間にかボロボロにされた足で歩みを踏み外して前のめりに倒れそうになる。
「────チ。 神経の残骸にやられたカ」
マユリはこれらを斬魄刀で切り落とし、懐から出した注射器を股に打つと新しい足が生えていく。
「うーん、タコの様っスね」
「私の『
「とりあえず、ここにもう用はないので他の者たちとの合流か霊王宮へ移動しましょう」
「浮竹、どうじゃ調子は?」
「ありがとう……さっきからだいぶん楽になったよ」
そう言いながら、マユリ達の後を追う前に浦原がもう一度さっきまでペルニダがいた場所を見る。
「(マユリさんは『神経の残骸』と言いましたが……ボクが見た限り
今度こそ、浦原はマユリ達の後を追う。
今の出来事にどこか引っかかる違和感を押し込んで。
…………
………
……
…
一方その頃、リジェたちと相対していた隊長たちは初解のみとはいえ京楽、ローズ、平子、白哉と言った護廷十三隊の中でもそれぞれの違う理由での強者たちを前に追い詰められていった。
最初はニャンゾルの持つ『
本来、彼女の扱う
流石は夜一様
ただ、さすがの彼女もこの速度で初解攻撃を実戦で繰り出したのは初めてでかなり消耗した彼女はかく乱要員として動いてリジェの隙を誘い、『逆撫』を使った平子に彼の正面から攻撃した京楽の『花天狂骨』がリジェの胸を貫いた。
「残念だね」
「ッ」
まったく手ごたえを感じなかった京楽が距離を取り時と彼の『花天狂骨』がズルリとリジェの体から抜ける。
「僕は両目を開いている間、『
「あ、そ。 じゃあ
「そうも行かない。 君たちは
カッ。
グッ。
「「「「「(体が?!)」」」」」
リジェの体が光に包まれる瞬間、各々の隊長たちが動こうとしてまるでその場に釘付けにされた感覚とともに、金縛りにあったように見動きが取れないことに戸惑った。
光が収まり、背後に四体の光る翼を生やしたどこぞの使徒を思わすかのように変形したリジェが姿を現す。
「『
カッ。
変形したリジェが翼を広げるとまたも周りに光が生じ、京楽たちの体がその瞬間何かに貫かれる。
「こ、こりゃ……ちょいとマズイね!」
「光自体が奴の武器だと?!」
「め、滅茶苦茶や!」
「光そのものが武器になるとは……僕でも敵ながら流石の言いようしかないよ!」
京楽、砕蜂、平子、ローズたちは傷を負いながらも四方に散って物陰の中に身を潜める。
「……まいったね~。 なまじ力を持っているからこんな傷でも『すごく痛い』で片づけられちゃうんだよねぇ~」
京楽は空に向かって黒い鬼道を撃つと、『花天狂骨』を地面に突き刺す構えをとる。
「巻き込んだらゴメンよ皆、でもこういう時こそ卍解ってモノの使いどころじゃあないのかな? ……卍解、『
京楽が卍解を使いながら『花天狂骨』を地面に突き刺すと景色が一気に薄暗い空間へと豹変するにつれて寒気が全員を襲う。
キュゴ!
「ようやく動いたと思ったら君だったか」
京楽の『影鬼』のように、光を媒体に京楽の前にリジェが表れた。
「ハハ、ずいぶんと速い到着だね……この世界を君はどう思う?」
「……これが君の能力か? 世界が少しやや暗くなったこれが?」
「そ」
「……君の能力は『子供の遊びを現実にする』と聞いている」
「うん。 それはある意味あっているけど、今は
ドドド!
その時、リジェの体に京楽の受けたケガがそのまま移されたかのように表れる。
「な?! この僕に『傷』だと?!」
「『一段目、“
ボボボボボ!
「ゴハァ?!」
リジェの体中に黒い斑点のような模様が広がり、彼が吐血する。
「これは僕に傷を合わせたことによって癒えぬ病が襲う」
「ぬおおおおおおお!」
リジェは痛みに抗いながら、京楽へと迫る。
「『三段目、
次の瞬間、リジェと京楽は深い水の中にいるような景色の中で霊圧が急激に吸われていく。
「覚悟を決めた者たちは、相手と自分の霊圧がなくなるまで水中に浸り続ける」
「グッ! (水面が、遠のく!)」
リジェがどれだけ上へと移動しても、その分沈んでいく速度が加速していった。
「おいおい。 そんなに頑張りなさんな、時期に勝負はつく……と言いたいところだけど、最後で君を殺すとしよう。 『
京楽の指から糸が出たとリジェが思えば、それが自分の首に巻き付いていたことに築くと同時にその糸がリジェの喉笛を切り裂いた。
「っとと」
京楽は卍解を解くと、彼はよろけながら膝をつく。
「うーん、久しぶりに卍解を使ったけど……やっぱキッツイね、これ」
ゴゴゴゴゴゴゴ!
「おいおいおい……首を落とされてまだ動くって冗談はよしてくれよ」
京楽が見たのは、首無しになったリジェの体が痙攣しながらさらに異形なものへと変わる場面。
「たかが……死神のぉぉぉぉ! 分際でぇぇぇぇぇ! 神に近い僕を殺せると思うなぁぁぁぁ!」
「よっこらっせ! っと……まいったね、本当に────」
ピカァ!
「────うわっと?! なんだい、この光の柱は?!」
京楽は急にリジェ全体を覆うほどの光が天高くまで続く柱が彼を包み込んだことによって反射的に距離を取りながら困惑した。
「な?! こ、これは……
「(
「そ、そんな?!
ゾゾゾゾ!
ガラァン!
リジェが話し終える前に、白骨体として京楽の前に倒れて骨がバラバラになっていく。
「……『ユーハバッハ』、ね。 (確か山じいが昔戦った滅却師の頭領だったっけ?)」
…………
………
……
…
「ハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」
「ハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」
高らかに笑いながら、イノシシのように無茶苦茶な突進してくる更木、宙を舞う刀たちの間を飛翔したりそれらを飛ばしたりなどしてありとあらゆる方向からくる三つの攻撃たちをさっきまで浮かべていた薄笑いがなくなったグレミィがひょうひょうと躱したり、壁を正に無から出現させて防いでいた。
【対象への干渉不可能】
「(やっぱりだ。 さっきから何度か試しているけど、この子の物に対して僕の『夢想家』が
彼は自分の能力で干渉ができないことで先ほど更木に『戦いが楽しい』と言われた時からのもやもやがさらに大きくなっていったことに、ここで初めて感じながらそれを意識していた。
「(『楽しい』なんて、考えたこともなかったな)」
次に彼ら立っている場ごとがひび割れていく中、更木は笑いながらがれきからがれきを飛び移り、
「(でも……今だけは確実にこいつらを叩きのめしたい!) ハハハハハハハハハハ!」
ズラァ!
ドドドドドドドドドドド!
彼の後ろから無数のありとあらゆる重火器タイプの霊子兵装が背後から表れては雨のように霊子の弾丸を撃ちだす。
更木は己の目や耳などの、必要最低限の弾丸を切り落としながら走り、三月はグレミィのように急に宙に飛び出た刀数十本を使って払い落としていた。
雨のような弾丸をバックドロップに、三人は激しい攻防を続けていた。
ボシュゥゥゥゥゥ!
ドドドドドドドドドォォォォォン!
次に重火器の代わりにミサイルが出現してその場一帯に爆発が起きる。
ドォン!
「ッ」
その一つの爆発はグレミィが予想だにしていなかった出来事らしく、初めて手をポケットから出して顔を爆風から守った。
「おい。 テメェ……今、手ぇ出したよな?」
「アハハハ! ザッキー無茶苦茶すぎ!」
さっきのミサイルは、更木がミサイルの一つを
「そうかぁ?」
「でもさいっっっっこうにテンアゲな顔を皆しているからイイよ!!!」
「そりゃ違ぇねぇ! なぁ?! えぇぇ?!」
「(『イイ顔』? そんなの知らないけど……気分がいいのは、わかる!) ハハハハハ!」
笑う、笑う、笑う。
ここに約三名、知性ある生物のように戦略をその時の流れに合わせ、獣のごとく本能に任せてただただ一つだけの志を抱きながら戦っていた。
『相手を滅する。』
ただその一つが
「「ッ」」
更木と三月は
「そっちも二人だからね」
「こっちも二人で対等に行こうじゃないか」
「分身? ハッ! 隠密鬼道みたいな小細工か?!」
「うわぁ。
「あ?」
パチパチパチ。
「ご名答」
「僕は想像で『命』さえも創り出すことも出来るんだ」
三月の言葉に、更木が反応したことにグレミィ達が拍手しながら説明をする。
「これで僕は二人に増えた」
「つまり想像力も単純に倍さ」
ゴォ!
空に突然、巨大な火の玉が出現しては体中を響かせる重い音がその場を支配する。
「なんだぁ?」
「ちょ、
「そうだよ」
「この場一帯ごと破壊できる」
「「僕たちは生き残るけどね」」
落ちてくる隕石を見て、若干放心気味の三月が口を開けた。
「………………あー、ザッキー? 『アレ』、斬れる?」
「もっと近けりゃぁ、な」
「だよねー。 でもそこまで待ったらアタシたち
グレミィたちは余裕の笑みでニヤニヤしていた。
「ちなみに僕たちを殺せたとしても無駄だよ。
「あの隕石ははるか上空の、宇宙にあったモノを落下させたからね」
『ゴゴゴゴゴゴ』と、迫りくる隕石を見上げた更木は顔が引きついていた三月を見る。
「おいチビ。 なんかねぇか? ……おい」
ボーっとしていた三月に再度声をかけると、眩暈がしたのか彼女はクラリとよろけた後に笑みを浮かべる。
「ッ……あー、これはちょ~っと……
彼女が次にしたのは宙の歪みから、禍々しいほどの赤黒い極光に包まれた剣を一度躊躇してから手に取る。
シュゴォォォォォォ!!!
その瞬間、彼女が持ち出した西洋の両手剣から嵐そのものが顕現したかのように暴風が荒れ狂う。
「ガッ?! ギ、ギギギ! (精神汚染がピークに達する前に!)」
風の発生源である剣を片手から両手で柄を握り、大きく振るう構えをとる。
「(一気に、あれをフンサイすル!)『
嵐のような風の中心にいる彼女は、構えた剣を大きく振るうと『月牙天衝』にどこか
『約束された勝利の剣』、または『エクスカリバー・モルガン』。
とある世界で登場する、かの『アーサー王伝説』の中心人物であるアーサー王が生前所持していた聖剣、『エクスカリバー』。
聖剣の特徴である『人々の願い』を結晶化した際に生まれる『光』を変換し、集束&加速させることで運動量を増大。 “究極の斬撃”として放つのが『約束された勝利の剣』、通称『エクスカリバー』。
だが『エクスカリバー・モルガン』は、主君であるアーサー王が自ら用いる力すべてを自分の思うがままに振るうため、聖剣が放つのは『光を呑む闇』となってしまった。