白と黒の世界は夢を見る   作:haru970

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アネット:次話です…………………………何ですか? それ以外に何か期待をお持ちでも? 知りません。

???:いやいやいやいや。 流石にそれはダメでしょアネット? もっとこう、『少々短いですがキリの良いところの次話です! 楽しんで頂ければ幸いです♡』とか言わないと────

アネット:────分かりました上姉様♡ 次回はそうしますね!!!♡♡♡

???:ぐお?! きょ、胸部装甲がっ?! ち、窒息死するっ!


第142話 額に死生と書かれた女

 ___________

 

 ■崎一□ 視点

 ___________

 

「寝言は寝てから言えよ。 というか翻訳家なんか辞めてその余り溢れる妄想力を別方向に転換して生かせろよ。 小説家か作家だ、たぶん儲けられるぜ?」

 

 横になったコンは鼻をほじくりながらぶっきらぼうに、上記の言葉を無慈悲に言い放つ。

 

やっぱテメェに話した俺がバカだった

 

「いやお前、その話に無理がありまくりだろうが?」

 

 この場合、『コンに何を求めていた?』とは言わぬが吉だろう。

 そしてコンの態度に、青筋をこめかみに浮かべる一護を見て彼は焦りだした。

 

「いや、冷静に自分が言ったことを考えろよ一護?! お前が言ったことのほんの一部が本当のことでただの夢じゃないと仮定してどれだけ今まで以上のトンデモ波乱ありまくりの人生送ってんだよ?!」

 

「そこまで違うのか?」

 

 「当たり前だ! というかテメェの知っている(コン)が羨ましすぎるぞ?! 何だよ『マイさん(特盛)ギュウ(ハグ)~』挨拶って?! クインシーの野郎共も生きているって、まるっきり()()()じゃねぇか?! 名前が同じ『黒崎一護』だとしてももう別人レベルじゃねぇか?!」

 

う゛……そう言えば、その通りかもだけどよ……じゃ、じゃあ! お前の知っている、『こっちの俺』の────!」

『────黒崎君? 入るね?』

 

「「どぅわぁ?!」」

 

 次第に言い合いへとズレていく一護と紺の会話がドアの外から織姫入ってきて強制的に中断させられる。

 

 入ってきた彼女の顔は複雑で、どう内心を表現すれば良いのか分からないようなモノだった。

 

「今の……話って……」

 

「いn────()()……」

 

 勿論のことだが、コンと一護は気まずかった。

 

 「うわぁ……一番居たくねぇ空気……」

 

 何せ内容を信じていていなかったとしても、突拍子もないことを先ほど一護はコンに暴露していた。

 

「………………」

 

 そしてほぼ勢い任せとはいえ先ほどの『別人の肯定』もあってか、一護はどう声をかければいいのか分からなかった。

 

 織姫が涙を目尻に浮かばせていれば、尚更のこと。

 自分の知っている『井上織姫』とは違うといっても、女子である。

 

「そっか………………だから昔の黒崎君のままで、霊圧も何時もとは()()違ったんだ……()()()()()ね!」

 

「え?」

 

 だが意外なことに織姫から出たのは感謝の言葉だった。

 

「だって……黒崎君の話が本当なら、今目の前にいる黒崎君を知っている私はお兄ちゃん(井上昊)にまた会えたんだよね? 良かった!」

 

 彼女が浮かべていた涙は嬉しさからだったようで、ポロポロとでる粒を織姫は袖で拭いていた。

 

「お前……怒っていないのか?」

 

「だって私……最後にお兄ちゃんを見たのって虚になった時なんだよ? 黒崎君の話では流魂街で再開したっていうけど……茶渡君と一緒に時間が空いていれば、今でも探しているユウイチ君のお母さんと同じで……まだ、探せていないから……」

 

 今度は一護が『探している』と聞き、複雑な気持ちになった。

 

『今でも探している』。

 つまりは一護が知っている2002年からの十年と少しの間、目の前の織姫はずっと『井上昊を探しているが未だに見つけられていない』という事になる。

 そして会話から察して恐らくだが、茶渡も流魂街で約束したユウイチも母親も探せていない。

 

 彼の知っている織姫と昊は無事に再開して、彼の知る限り文通のやり取りは少なくともしていた。

 さっきの『黒崎真咲が死んでいる』だけでも、今の彼が置かれている世界の歴史と自分の知っている歴史が如何に噛み合わないか実感を持たせていたというのに今度は身近な人の小さな願いも未だに未達成だったのがさらにそれを実感させた。

 

「い……井、上……」

 

 気が付けば、一護は口を開けていた。

 特にいうべき言葉を見つけたわけでも、考えもなかった。

 その証拠に、この世界での彼の呼び方から何時もの呼び慣れている名前で呼んでいたほど。

 

 ギィィィアァァァァァァァァァァ?!』

 

 その時、窓の外からかすかにだが叫びが聞こえてきた。

 

「ん?」

「え?」

 

「この声……もしかして? もしかすると?」

 

 なんでやぁぁぁぁ?!』

 

「……ハハ! やっぱ()()()だ!」

 

「ッ……」

 

 自分の知っている一護のように、無邪気に笑う彼を観た織姫は少しだけチクリと胸が痛んだ。

 

「知っているの、黒崎君?」

 

「おう。 ()()知っている。 ()からな?」

 

 一護は立ち上がって、窓を開けながらポケットに入れておいたモノを出す。

 

「(相変わらず、大人になっても『俺』はこいつを大事にしてたんだな?)」

 

 彼が手に持っていたのはその日起きたベッドの横にあった台の上にあった、塗料が少しかすみ始めたドクロの描かれた『代行証』だった。

 

 

 ___________

 

 異界の根源星 視点

 ___________

 

「いひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!」

 

 すっかり太陽が落ち始めた空座町の道を、異形のバケモノが四つん這いで移動しながら嬉しそうに笑いながら小柄な少女を追いかけていた。

 

 そんな誰もが見れば注目を引く姿の彼を、会社のサラリーマンや学生たちは気にもせずただ帰り路を歩いていた。

 

ギィィィアァァァァァァァァァァ?!」

 

 余談だが『少女にしては全く似つかわしくない叫びだった』、とだけ付け足しておこう。

 

「な・ん・で?! 現世駐在任務の死神が出てこないのよ~~~~~?! 『()()()()()でしょうがぁ~~~~~?!」

 

「幼女の魂魄ぅぅぅぅぅぅ!」

 

 「『幼女ちゃうわいこのドアホ────ぎゃ?!」

 

 思わずツッコミを入れた少女は振り向いた際に足がもつれそうになり、必死にバランスを取り戻して短い脚での全力疾走へと戻る。

 

「あああ、もう! 『見た目』とか『制限』とか『修正力』なんか気にしていられないわ! トゥ!」

 

 最後の掛け声で何を思ったのか、少女は走る体勢からそのままで宙を飛ぶ勢いをつけた体勢をする。

 

 ベシャ。

 

「グェェェェェェ」

 

 勿論()()()考えて飛ぶことはなく、少女はそのまま地面に前のめり顔面スライドする。

 

「霊力からの魔力への変換の効率、未だに悪すぎぃぃぃ?!

 

「ふひゃひゃひゃひゃひゃひゃ! 観念しおったかぁぁぁぁぁ?!」

 

 ついに追いついた(異形の化け物)が少女目掛けて大きく地面を蹴って、大きな両手で彼女を掴むモーションに入る。

 

「ぎゃあああああ?! こ、この身も心も()()()()()に捧げるのぉぉぉぉぉ! あ。 今は『肉体』がないんだっけ」 ←何を言うんですかお嬢さん?

 

 ザンッ!

 

「ギエェェェェェェ?!」

 

 少女に襲い掛かろうとした虚が顔の仮面ごと背後から真っ二つに斬られては、断末魔のような叫びをあげては消えていく。

 

「………………………………あれ?」

 

 ギュッと目をつぶりながら自分の体を抱きしめていた少女が虚の断末魔に片目を開けると────

 

 ゴンッ!

 

 「────あ(いた)ぁぁぁぁぁ?!」

 

 彼女の(ひたい)を刀の柄尻が重い響きと共に衝突し、綺麗に『死生』という文字がクッキリと見える。

 

「あれ? 痛そうにするのは何時もの事だけど、魂葬(こんそう)しても消えないのは初めてだなぁ~?」

 

 少女の前には死神装束を着た黒崎一勇(かずい)が、不思議そうに自分の斬魄刀を見ていた。

 

「いたたたた……な、何────?」

「────えい!」

 

 ゴンッ!

 

 一勇はまたも魂葬(こんそう)をさらに力を込めて試みる。

 

 (いた)ぁぁぁぁぁ?!」

 

 だが少女は消えず、ただ痛がる様子を一勇は面白がっていたのかさらに刀の柄尻で彼女の額につける。

 

「えい♪ えい♪えい♪

 

 ゴッ!ゴッ!ゴッ!

 

「あ! ちょ?! 待って?! 痛い! 痛い言うてんねんこのガキャァァァァァァァァァァ!!!

 

「うわぁ?!」

 

 少女の反撃を予期していなかったのか、両手を掴まれた一勇は簡単にマウントを取られ、特に抵抗する様子もなかった一勇は馬乗りをした彼女に押し倒される。

 

「ぬっふっふー! さっきは大変楽しそうにしていたわよねぇ~? ん?

 

 本来なら少女のヒキつく笑みと共に、青筋が浮かんでいる筈の所には代わりにあったのは無数の『死生』の文字。

 

「おお~。 お姉ちゃん、魂魄なのに力強いね! 胸に鎖ついていないけどもしかして新種の『(プラス)』?」

 

「???????????????」

 

 ここでようやく少女は一勇の姿に気付いたのか、今まで見る余裕がなかったのか彼の顔と髪の毛の色を見た瞬間、困惑したような表情になりながら無数の?マークを出す。

 

 彼の容姿をよく見る為か、疑惑の目をしながら顔を近づかせる。

 

「若い頃の一護? でも顔は井上さん?」

 

「あ! 父ちゃんと母ちゃんの古い知り合い? もしかして死神? 破面?」

 

 『お~い!』

 

「んえ?」

 

 少女は声の下方面を見ると、ちょうどその場に()()()一護を抱えた織姫(と彼女の頭に乗っていたコン)が降り立った。

 

「やっぱ三月────………………………………おい。 お前って()()()()()()か? 水色(年上好き)と反対の?」

 

 「へ?」

 

 嬉しそうな一護の顔は、一気にジト目へと変わる。

 

「ええええええっと………………」

 

 織姫は困った顔をしながら目を泳げさせた。

 

「んんんんん?」

 

 更に?マークを出した少女は間を置いて、この状況を客観的に思い返す。

 

『少女が少年(一勇)の両手を掴んだまま馬乗りを顔を近づかせていた』という状況を。

 

「…………………………………………………………………………………………」

 

 次第に気まずい気持ちと連動しているかのように、汗が大きな粒となって少女の頭からダラダラと流れて彼女は次のことを反射的に叫んだ。

 

 ちゃうねん?!

 

「いや、お前はそう言うけどよ? はたから見たら三月がその子を押し倒している風にしか見えないぞ?」

 

 ちゃぐ(ちがう)!」

 

「最近の子供の成長は早いなぁ~? かな?」

 

 「だから違うってば!」

 

「う~~~~ん、あと十年したらスゲェ美人になる予感────」

 

 「────大きなお世話よコン! 口パク人形に魔改造してやろかぁぁぁぁ?!」

 

「あはははははは!」

 

 相変わらず見た目に反して大きな肺活量で金髪の少女(三月)は叫び、一勇は愉快そうに笑った。




一勇:あはははははは! お姉ちゃん信号みたいに変な色~!

???:危うし命タシケテ私。 只今予期せぬライブで超ピンチ

アネット:スーハー、スーハー、スーハー! あああ! やはり上姉様はいいです!♡ ←既に周りが見えていないライダー

俺、黒崎一護は────

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