白と黒の世界は夢を見る   作:haru970

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お待たせしました、短くて申し訳ないですが次話です。

いつも読んでくださり、誠にありがとうございます。

若干『天の刃』作品関連の設定などが出てきます。

今後の展開に多大な影響を与えるアンケートを出しました。
期間は数話ほどと予定しております。 おそらく来週の月曜日まで程。

お手数おかけ致しますが投票にご協力の程、何卒よろしくお願い申し上げます。 m(_ _)m


第143話 Dreams & Reality

 


 

 

 昔々、遥か太古のさらに昔に『宇宙』が存在する前の、そこには『光』も『闇』もなかった。

 

 そこに『在った』のは言語化できない何か。

 これを仮に■■■■と定義付けよう。

 

 ■■■■がある時に『寒い』と感じ取れば暗闇の中に火の玉が出来、『暗い』と感じれば火の玉の数はさらに増大していった。

 

 やがて『暗闇』の中に、『火の玉』と『不発に終わった玉』が近くの者の周りを回転し、時には衝突していった。

 

 長い、とてつもなく長い時が過ぎ去り、不発に終わった玉に様々な『念』が生まれ、後に生まれるモノたちの頂点(あるいは別の視点)に立ち、君臨し、統率していった。

 

 俗に言う『高次元』と『低次元』という『枠』のついた『存在』……という『概念』がこの世に発祥し(生まれ)た瞬間である。

 

 


 

 

 ___________

 

 黒崎一護、異界の根源星 視点

 ___________

 

「取り合えず、誤解は解けたかしら?」

 

 先ほどまであっけらかんと笑う一勇を横に、織姫と一護は心配をする遊子や夏梨(ついでに一心)に過労気味だった一護の状態が一休みしたことで好転したのを伝えてから彼ら彼女らは今現在織姫たちが住んでいるアパートらしきリビングに場所を変えていた。

 

 そして先ほどちょうど三月に似た少女の力強い、熱のこもった()()がちょうど終わった。

 

「おう、分かった」

 

「ホッ。 よかった」

 

「お前が政治家に向いているってことがな?」

 

 ヒュ!

 バシィン!

 

 一護のぶっきらぼうな返事に少女が安心したのも束の間、続けた言葉にどこからか宙の歪みからハリセンを出して彼の頭を叩いた。

 

全然聞いてないじゃん────へにゃ~~~~~~~」

 

 勢い良く立ち上がって急に動いた反動か、彼女は貧血になったような勢いでテーブルに前のめり気味に倒れながら、気の抜けた声を出す。

 

 ゴッ。

 

「アカン……現状維持でもキツイのに、金ぴかの『王の財宝(ゲートオブバビロン)』の『限定表現』とはいえ無断使用で今にも消えそう……」

 

「お姉ちゃん、変な力使うね?」

 

 隣でケラケラと笑う一勇は今にでも魂が抜けそうで覇気が全く感じられない三月似の少女の背中を、バシバシと無邪気に叩く。

 

「小っちゃい一護の見た目に反して井上さんの奔放な一面は反則……しかも念願の『お姉ちゃん』呼びをされても『嬉しくなる気力』も出ないし……」

 

 織姫がちらりと横で難しそうな顔をしていた一護に視線を送る。

 

「いや、俺もさっきの……えーっと、『金ぴか』も『ゲートなんちゃら』にも聞き覚えがないぞ?」

 

 が、彼は首を横に振って自分も彼女の言っていることが分からないと示す。

 

「と言うか俺の知っている三月はこんなに小さくねぇしテンションも低くねぇ」

 

「『小さい』って……呼ぶな~」←そこ不定します?

 

 一護が指摘したようによく見ると、隣でニコニコ笑っている一勇と今の彼女は殆ど大差が無いか、あるいは若干一回り一勇より小さい程に縮んだかのように見える。

 

 以前の彼女が『ギリギリ中学生(?)』だとすると、今は『学校のカバン(ランドセル)と帽子をつければ見分けが付かない』レベルほど。

 

「仕方ないよ~、私を結成している霊核……『魂』はアンタたちとは別の世界の産物なんだし~」

 

「「「え?」」」

 

 三月(幼)の言葉に一護、織姫、そして一護の影に潜んでいたコンでさえも呆気に取られた声を出す。

 

「……やっぱ、違う世界云々は本当なのか?」

 

「もうこの際だからぶっちゃけるけど~、と言うか結構やばい状態だから~」

 

 回復した一護の確認するような声に眠たそうな、または怠い態度の三月(幼)が答える。

 

「実は私ってば~…………………………長くなるけど、良い~?」

 

 三月(幼)が上目遣いで自分にジト目を返す一護を見あげ、彼は彼女のこの動作を知っているがゆえに次の言葉を口から出す。

 

「三行以内で」

 

「ヒドイ」

 

「お前のその『話が長くなる』は、校長や年寄り爺ちゃん婆ちゃん以上だからな」

 

「……私の霊基、貴方たちで言うところの『肉体』を奪取した『アレ』は()()()()()()()()()()()()()()()

 存在ごとの凍結間際に残った力を振り絞って『“黒崎一護”の人生で一番平和な時期』を前提に『精神』と『魂』を霊核ごと『強制転移』。

 元々残りカスの力を使っちゃったから存在(霊核)外郭(霊基)に引きずられて縮小して今にも消えそうで今ココ~」

 

「…………………………………………………………本当に三行で済ませやがったよコンチクショウめ! やっぱ見た目もテンションは変わっても()()かよ?!」

 

「う~は~は~は~は~は~」

 

 三月(幼)は器用にテンション低めのまま高笑い(?)を出す。

 

  「……なぁ? 俺の気のせいかもしれねぇけどよ? なーんか今、結構不穏な言葉がチラホラと出てこなかったか?」

 

 コンが聞き間違いの確認をするかのように、一護や織姫を見る。

 

 と言うのも『霊基』、『霊核』の聞きなれない単語などは別において『創造神』、『存在ごとの凍結』、『“黒崎一護”の人生で一番平和な時期』、そして『精神と魂の強制転移』。

 

「さっきも言ったけど時間が無いから続けるよ~?」

 

 

 

『霊核』。

 簡潔に説明すれば『BLEACH』でおける魂魄なのだが『魄睡(はくすい)』と『鎖結(さけつ)』などを含めた器官も備えている『生身の魂の状態』に近い。

 

『霊基』。

 神話や伝説の中で為した功績が信仰を生みだした高位の存在が『実体を持っていた』とされ、『神代(しんだい)』と呼ばれる時代が実在したとある世界で様々な存在が『記憶』として星に刻まれ、それらが肉体を生後に再び得るときの『器』の名称。

 

『転移』。

 本来なら物質が一つの場所から移動することを示すが、ここでの『転移』とは世界の物が別の世界の移動を意味している。

 

 

 

「ここまではわかった~?」

 

 上記のことを描いた三月(幼)は絵で説明の補助をする為のスケッチを一護たちに見せていた。

 

「……それってアニメか何かの絵か? ドラク〇にしては見覚えが無いんだが……」

 

『転移』の例としてスケッチに描かれたラフは跳ねまくった髪に、ファンタジー物にありがちな剣と鎧を装備した少年。

 

「え~? 『ワタル』だよ~? んじゃあ~、次これ~」

 

 次のパネルにはまたも少年の絵。

 だが今回はメカの要素を取り込んだのか何かのロボットを操縦している最中だった。

 

「流石に『ラムネ&4〇』は知っているでしょう~?」

 

「……………………………………………………………………ああそうだな」

 

『元ネタが古い』と言いそうだった一護は話を続けさえるための言葉を何とか棒読みだけは避けて放つ。

 

「んで~、何とか一護だけでも藍染と『アレ』の手から逃がそうとして無理をした今の私は『肉体』のない『精神』と『魂』なの~」

 

「『なの~』って……大丈夫なのかよ?」

 

「このままだと()()()()でいずれ消えちゃう」

 

 一護の脳裏に浮かんだのは霊王宮にて藍染が彼女の体から抉り取った『聖杯』と呼ばれていた『()()()()()()()』。

 

「ふぅ~ん……『魔力』って、よく浅野お兄ちゃんがゲームで『MPが足りねぇ! ベ〇イミがぁ! ダンジョンボスがぁ!』って叫んでいる奴?」

 

「「………………………………多分? (浅野って、この時代でもゲーム好きなんだ……)」」

 

 無邪気な一勇の言葉に一護と三月(幼)がまだ見ていない、『2013年の浅野』をイメージしてハモる。

 

「ん? 『霊力』じゃなくて、『魔力』?」

 

「お~、さすが井上さん……黒崎夫人? そこに気付くとはねぇ~。 うん。 『()』はもともと『魔力』を基準にした世界から来ているからね~。 

 例で例えるのなら普通の車を無理やりディーゼルで動かそうとするような?」

 

「「「「??????????????????」」」」

 

 運転をしていない(あるいはその記憶がない)一護たちがイマイチ良く分からない例えに頭をかしげるが、これに気付かず三月(幼)は話を続けた。

 

「だから私は今まで『霊力』を『魔力』に変換していたんだけど~……例えるなら降る小雨をザルで受け取ってかき集めて家の中でグツグツと沸かしている鍋にお水を補給する感じ~?」

 

「「「そっちのほうが分かる」」」

 

「でも今の私はそのザルも無い状態なの~。 あと存在自体が特例中の特例だから更に事情がかさばるけど。

 

「(ん?)」

 

「それで、黒崎君と……三月ちゃん? はどうするの?」

 

 三月(幼)が最後に小声かつ早口で何か言ったのに違和感を持つが織姫の声によってその引っ掛かりが遮られる。

 

「どうするもこうするも一護次第。 貴方は、どうしたい~?」

 

「え?」

 

 ここでテンション低めの三月(幼)がジッと一護を見る。

 

「一応、その意思がなかったとはいえ貴方をこんなことに巻き込んでしまった。

 本来は私たちなどと、関わりがある筈のない貴方には選択肢がある。

 一つは『このままこの世界に順応して生きる』こと」

 

「……お前は?」

 

「んで、私はどっちにしろこっちを選択するつもりだけど元いた世界……つまりは『2002年の時に遡り戻る』。 ()()()()()()()()()()

 …………………………だから貴方がそうしたいのなら、()()()()()()()()()()()()()

 

 一護は息をするのも忘れ、急に言われた選択とやらにごくりと唾を思わず飲み込んだ。

 

『自分の知らない一途を既に辿り、平和な夢に浸る(未来に残る)』か、『自分の知っている面倒ごとに戻るか』。

 

 人間、誰もが現実逃避やデイドリームでこのようなことができればと思った選択に彼は直面していた。




作者:…… ←指摘されてタイトル変えようかどうか&もし変えるとしたら何に変えようか考え中

藍染:懲りずに書くんだね? いいさ、それも一興だ
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