アンケートへのご協力、誠にありがとうございます。
楽しんでいただければ幸いです。
あと余談ですが、作品タイトルを変えるとお気にいりやしおりなどの情報がリセットされると聞いたんですが……実際どうなんでしょうね?
上位存在、または高次元の者たちは『母上』のおかげで創られた星々を管理し始めた。
時には指導者、時には導き手、時には観察者として。
彼らは後に『母上』に『生き物』としての
『泥から創る』。
『血肉から創る』。
『集合体として存在する』。
等と言った多種多様な方法があり、一つ一つ自分たちの
『楽しみ』や『娯楽』、『面白さ』の経験に魅入られた『母上』は時間が少し経ち、自らの『子』達に内緒でもう一度、降り立つことを決めた。
現代でこそ俗にいう『ドッキリ』なのだが……
そこで『母上』を待っていたのはとある種と触れ合うこととなる。
他の、自らと同じ種を騙し、利用し、蹴落とし、虐げ、自己中心的で、時には『気に入らないから』というエゴ極まりない理由で『粛清』という大義名分の下で大量虐殺などと、今までの自然界を根底から否定する等々などといった様々な『
『
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■□□■一護、異界の根源星 視点
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【『のこる』? 『もどる』?】
俺は迫られた選択を再度聞かれたような感覚に、二つの分かれ道の交差点に立っているような想像をする。
片方は果てしなく続いていてまっすぐとした上に雲り一つもない、陽光の下に整備が行き届いている平坦な道路。
それは誰もが見てもきっと心地の良い、緩やかとした道のり。
思わず一護は身を乗り出そうとして────
「(────さっきからぐちゃぐちゃと……誰だ、テメェ? )」
一護は身を乗り出そうとして────
「(────だから誰だよ?)」
身を 乗り 出そう と────
「(────俺は『戻る』ぜ?)」
一護は雲行きが怪しく、暗く、『獣の道』と呼んでも他言ではない方を選択した。
「俺は……戻る」
今度は口にして言い放つ。
織姫はニコニコと、三月は納得するような顔を、一勇はきょとんとし、腕組をしていたコンはここで小さな口を開けた。
「なぁ? さっきから気にはしていたんだけどよ? お前らが『2002年から来た』ってんならこの『2013年』からどう『戻る』んだ?」
「う~ん、そのせんべい顔を見ると無性に揉みたくなる~」
「やめろよ?! 綿が出ちまうだろうが?!」
自分をジッと見るコンに対して三月(幼)は手を伸ばすがすごく嫌そうで青ざめた様子のコンはテーブルの上を後ずさる。
「ん~、さっきの質問だけど宛はあるよ~? 一護が戻るのなら更に簡単で安価な手段。 今の『私』が
三月(幼)がテーブルの上に乗せた頭を少しだけ浮かせて一護たちを見る。
「『補う』ことになるってこと~」
「……わからなくもねぇけど、そんな力どこからゲットするんだ?」
「う~ん、調子が良いのならいつも以上にバカ食いして『現状維持』から『行使用』に転換して上乗せするんだけど────」
「────ちょっと待った。 『いつも以上』ってお前、空座町のビュッフェからもう一人の大食いと一緒で出禁食らっただろ?」
「「(『ビュッフェから出禁』?!)」」
コンはデフォルメ化した目の前の少女が食べ物をどこぞの『星の戦士』のように『食べる』のではなく、『吸い込む』状況を想像した。
織姫は最初、『少しだけなら家で賄えるかも?』と思っていただけに『提案する前に
「フーン……でもそれじゃあ、お姉ちゃんはどうするの?」
「「「………………」」」
「フフフのフ~ンだ……そこは化け物染みた一護の霊圧をおすそ分けしてもらって使うのよ~ん」
「「「…………………………………………」」」
さっきより若干長い沈黙が続いた末に一護があっけらかんとした態度で口を開いた。
「ああ、そうか! そうりゃあ盲点だったな! 俺からおすそ分けしてもらうのか~!」
「「はっはっは~」」
ガシッ。
三月(幼)の笑いに一護が合わせてから彼女の頭にアイアンクローをお見舞いする。
「いだいいだいいだいいだいいだいいだいいだいいだいいだいいだいマジ痛い!」
「って、さっきも俺は代行証を使おうとして死神化に失敗したんだぞ?! 生身の俺から霊圧を取る気かよ?!
一護は自分の体を親指で指しながら叫んだ。
先ほど三月(幼)が虚に襲われていた時、彼は死神化した一勇を追うため代行証を使おうとした。
だが彼の魂魄が肉体から離れようとした瞬間、まるで魂が直接引き裂かれるような酷い激痛が彼を襲って死神化を断念した。
ゆえに彼は恥ずかしながらも(そしてプライドをグッと飲み込みながらも)、織姫に抱えられて三月(幼)と一勇の場所へと移動していた。*1
「簡単簡単……ここで問いその
「??? 死神化する道具────あ」
一護はハッとして代行証を取り出し、
『XCUTION』という、社会からあぶれた者たちの組織の
≪いいか、一護? 代行証は『首輪』なんだよ。 『監視』と『
「(…………まさか、アイツの言っていたことがこんな風に返ってくるとはな…………)」
かつて一護が利用されていたことを逆手に取ろうとし、彼を『瀞霊廷』側から『
「(銀城…………)」
「と、いうわけで~? それ
「「「「え?」」」」
三月(幼)は突然さっきまでの気ダルさが嘘だったかのようにぴょんと椅子から降りる。
「『戻る』のが、貴方の『願い』なら────」
三月(幼)が何を思ったのか、外国の言葉をしゃべりながら自らの髪を抜く。
「────それに
フォン。
そして彼女の詠唱らしきもので、抜かれた髪の毛は床に落ちる前に糸状の巨大な剣へと変わりその場に浮いた。
「
ここで一護はふと、とあることを思った。
『このまま代行証を壊したら、こっちの“
パキン!
「ま────ッ」
一護が何かを言い出す前に糸状の剣が代行証を割る音がすると同時に、彼女の足元に何かの陣のような模様が浮かび上がって一護は短く息を呑む。
彼女の見た目が一瞬霞んだと彼が思ったころには、成人化白と金色をモチーフにしたような、肩とお腹(&へそ)を出したミニスカ風ドレスっぽい何かを身に纏っていた。
冷静に第三者の視点から見れば際どい服装の上に今の彼女でも一護たちが知っている姿でもどこからどう見ても110番案件なのだが、その場にいた誰もが神々しいまでに優しい光を放つ彼女に思考が、あるいは語り掛ける本能で停止しかけていた。
『
上記の一言がぽつりと思わず零れそうになるほどのワンシーンで、感激に浸っている皆を横に三月(幼)は一護でさえも見たことない、優しい微笑みを浮かべながら特に誰にも向けていない言葉を続けた。
「『開きなさい、 天の
彼女の胸の中から部屋を満たす光の元だと思われる何かがするりと出てくる。
「『幾億の小さな灯り。 望みを持つ、輝きたちよ。 どうか、無垢なる願いを聞き入れて……“
ドクン。
「ウッ?!」
一護は自分の胸の鼓動が一瞬、ひと際大きく唸りのを耳朶で聞きながら体が火照るのを感じ、胸に手を当てるとそこには見慣れた死神装束があった。
「……本当に、昔の黒崎君だ」
気を失い、椅子からずり落ちそうだった一護の体を支える織姫が懐かしそうな視線をしに画化した一護へと向ける。
彼女の腕の中の一護は『大人』に反し、今死神の姿である彼は少年の名残を残しつつ青年への成長過程のものだった。
「『私』が出来るのは貴方本来の『肉体』がある場所に送り返すこと……そこからは貴方の度量よ、『黒崎一護』」
ここで一護は自分から三月(幼)へと視線を移すと、彼女の体が透けていたことに気付く。
否。 『透けていた』のではなく、『透けていっていた』と表現するのが正しい。
「……三月……お前、消え────?」
「────一護。 貴方が
「────え?」
一護は今までどんなジェットコースターや遊園地のアトラクションでも感じたことのない浮遊感の上に、体の筋肉や内臓などが動き回るような感覚の中で目の前は意識とともに暗くなっていった。
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??? 視点
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「本当に、良かったんですか?」
「何だネ? 私の判断に何か問題を感じているのかネ?」
「まぁ……隊長の
「百も承知の上での『
「……………………………………………………………………………………」
「君の『ナニソレ胡散臭い』と癪に障りながらも鬱陶しいまでに訴える表情筋に免じていうが、私もまさか何重にも施されている結界や防御機能をいとも容易く
「マユリ様って寝るんだ?!」
「……
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黒崎一護 視点
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「………………………………………………………………んあ?」
ヒンヤリとした乾いた空気が吹く感覚と、閉じた瞼の向こう側から入って来る光源に気が付いて俺は目を覚ますと、夕焼けのように真っ赤で雲一つない空を見上げていた。
「気が付いたか、一護」
「チエ────グオォ?!」
急に起き上がったせいか、体中が酷い筋肉痛だったようにズキズキと軋んで体を再び地面に寝かせた。
「……どこだ、ここ? (背中と首の後ろにザラザラするこの感じ……どこかの砂浜……いや、虚圏か?)」
「この辺り一面が砂漠と見ると、虚圏と言いたいところだが……どうだ一護? 霊圧は感じられるか?」
チエが肩をすくませながらそう言うと、一護は『砂漠』と聞いてネルの顔が頭の中に浮かび上がる。
彼は目を閉じて、霊圧探知を試みるが……
「いや……何も周りから感じない」
「そうか……取り敢えず、移動するぞ。 立てるか?」
一護は数回息を吸ったり吐いたりしてから首を縦に振るいながら感じる痛みの中、立ち上がって背中の違和感に気付く。
「いつつつつつ……ん? 刀?」
それは自分の斬魄刀とは別にあった、チエにもらった刀だった。
「どうした?」
「あ、ああ……なんでも。 (変だな……
「それより他の皆や、三月はどうした?」
「あー、ほかの奴らは知らない……お前は見ていないのか?」
「見ていたら、私が聞いていると思うか?」
「だよな……んで、アイツは……」
そこから一護は簡単にチエへ、自分がここで気が付く前の一連の出来事を説明した。
「…………………………………………そう、か」
考え込んだ様子のチエはどこか引っ掛かりを感じたらしい言葉を言い、そのまま歩き出して一護は彼女のあとを追う。
「チエはアイツを見ていないのか?」
「いや、見ていない。 山ほど聞きたいことがあるが、居なければどうにもならん」
「聞きたいことって?」
「……………………『何をしたかったのだ?』、と。 『何故お前がもう一体いる?』、と」
一護の脳裏に浮かんだのは自分が2013年らしき空座町に飛ばされる前に見た女性。
藍染が卍解を使用し、『母上』と呼んだ存在だった*3。
「(そう言えば、アイツ……なんであの時、ああ言ったんだ?)」
そして赤色の夕焼けに近い空を見上げながら一護はチエと再会する直前に三月(幼)の言ったことを思いながら足を動かした。
『一護。 貴方が次にどんな状況に陥るかは分からないわ。 でも……
…………
………
……
…
「「…………………………」」
二人が静かに砂漠の上を歩く度に、ザクザクと彼らの足が砂を踏む音が鳴る。
そこでようやく、一護はチラチラと目の前を歩くチエを見て口を開けた。
「な、なぁ────?」
「────一護が起きたところで話すぞ」
「『話す』って────」
「────何か聞きたいことがあるような視線を送っているのでは?」
「(チエがどこかソワソワしている?)」
「どうなのだ?」
「……じゃあ、そうだな。 浦原さんや藍染の言っていたことに関してだ。 アイツは本当に……十年前、おふくろを見捨てるつもりだったのか?」*4
「………………………………」
チエがわずかに首を回して一護の真剣な顔を横目で見る。
「まず、藍染が霊王宮で言っていたことだが……
≪貴方、『楽しむ』為に色々と動いているんスね?≫
彼の脳裏をよぎったのは浦原の言った言葉。
そしてその問いに対し、完璧に無表情と表情筋が変わった三月の顔だった。
「(分からない……俺は……アイツは……)」
『天の杯』:
現代で『魔法』が失われつつある、とある世界での『第三魔法』の亜種。
『第三魔法』:
物質界において唯一永劫不滅であり、『肉体』という『枷』に縛られた魂を単体で存続できるよう固定化する失われた『魔法』の別名。
『精神体』のまま『魂』のみで『自然界に干渉できる』という、高次元の存在を作る業。
または『魂』そのものを『生き物』にし、存在のあり方を次段階の生命体として確立させる。