相変わらずの急展開などですが、楽しんでいただければ幸いです。
後余談ですが最近リアルでの出来事が大変かもしれませんが、皆で頑張りましょう…………………………
2/25/2022 1:30
あまりの疲れに眠れなかったので隠密鬼道→隠密機動の誤字修正しました。
『絞殺。』
『刺殺。』
『射殺。』
『銃殺。』
『薬殺。』
『毒殺。』
『圧殺。』
『殴殺。』
『撲殺。』
『斬殺。』
『轢殺。』
などなどなど。
『母上』と呼ばれていた■■■■は様々な『業』を直に経験した。
否、
異変が起き始めたのは『母上』が『子』達の声に答えなくなった時、突如として各星で異常が多発していった。
一つの星では『生と死の境界線が崩壊し、死者が姿を変えて蘇って生者を襲う』といった無限ループが出来ていた。
もう一つでは主にあらゆる技術や法則の基礎となっていた資源だったモノが消失など。
これらのような異常が全ての星に同時に起こり、『子』達は今まで通り直接関与が出来ずに混乱したものの、後にできる対処を施し、やっと『母上』が言ったのはたった一つの言葉。
『かなしい』、と。
___________
吉良イヅル、雀部長次郎 視点
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「ふん!」
バリバリバリバリバリバリバリバリバリ!
雀部が『厳霊丸』から放った電撃がマネキンのようなのっぺりとした一体に包まれて痙攣する。
「せい!」
ドン!
吉良の力んだ声と共に彼の『侘助』がのっぺりしたマネキンらしきモノに直撃して、それが地面へとひれ伏す。
ザクッ!
「いや~、味方でよかったぜ」
上記の二人を見ながら地面に倒れていたマネキンっぽいモノたちをカリンが手に持っている槍で一体一体、丁重に胸を貫いていく。
「確かに~。 『
リカと言えば隠密機動たちとマネキン(仮名)たちから保護(という名を借りた『捕獲』)をしていた。
「(とはいえ、さっきの『アレ』は異常でした……まさか『
マネキン(仮名)たちにリカは先ほど先制攻撃を与えたところ、これと言って大した効果は見えず、ただ自分たちの存在を明かしただけに終わった。
その流れで雀部と吉良、そしてカリンはリカと隠密機動たちにミラ・ローズ、アパッチ、スンスンの
案の定、『厳霊丸』と『侘助』の能力や、カリンの槍などの物理的な効果があったことでマネキン(仮名)たちは各個撃破されていった。
というのもマネキン(仮名)たちは彼ら彼女らの到着に戸惑った、あるいは三人の前で動揺しているかのようにおぼつかない反撃を繰り出していた。
「は~い、注目~」
リカが袖の中に入れたままの手を、どこか汗を出しながら息切れをしていたミラ・ローズ、アパッチ、スンスンへと振り返る。
「ん……だよ……ちび助? 礼は、言わねぇぞ?」
「うーん……やはり『のっち』に似ていますねぇ~?」
「しゃべり方が……なんかあのクソおかっぱに似ている」
「…………少女であるだけ違和感が半端無いですが」
やがて三人の破面たちは息を整えつつも、いつもの覇気のようなものは無く、隠密機動へと警戒や敵意すら感じられなかったことに雀部と吉良にカリンは不思議に思った。
「…………貴様たちはいつかの、『
「雀部副隊長、こいつらは確か松本副隊長と相対していた三人です」
雀部は視線を破面たちから外さず、吉良の肯定するような言葉にうなずく。
「なるほど、記憶違いではなかったか────」
「────あなたたち、もしかしてですがグリムジョー……またはネリエルか
「「「(????)」」」
スンスンの言ったことに雀部、吉良、カリンの三人は?マークを内心に留めた。
「事情と言うのは、さっきの『アレ』がらみのことと『虚圏の変化』についてでしょうか?」
「ちょっ?! リカ?!」
「ここで無意味な意地を張っても時間の無駄ですし、何よりこの三人は『私たちから逃げよう』とか『
いきなり饒舌になったリカにカリンは呆気に取られ、吉良はため息を静かに出す雀部を横目で見て、それが合図だったかのようにリカは破面たちをもう一度見る。
「ちなみにボク達は瀞霊廷ごと虚圏に転移されています」
「「「はい?」」」
今度はアパッチ、ミラ・ローズ、スンスンたちがポカンとしたような声を出す。
「アレです、アレ。 土地ごとの『
「……………………チ。 ああそうだよ、虚圏だよここは……
リカの問いにアパッチが舌打ちをして渋々とした感じで答える。
「『一応』? それはどういうことだ、破面?」
「雀部副隊長、彼女の名前は『アパッチ』だと聞いています」
「あ゛?! なんでお前がオレの名前を知ってるんだ根暗野郎?!」
「それは今の情報交換に必要かい? (まさか無理やり付き合わされた
「ではゴリラたちを無視して話を続けましょう」
「ゴリラだと?! そりゃミラ・ローズじゃねぇか?!」
「ちょっと待て! アタシは何もしていないぞアパッチ!」
急にガミガミと言い争い始める二人をスンスンは無視して、彼女は自分たちの事情を簡単に説明する前に、先ほどの『十刃や十刃落ちに事情を聴いてやって来たのか?』の意味を知ることとなる。
「雀部副隊長。 先ほどの異形たちが大勢、こちらに向かっています!」
隠密機動の一人が突然近くに現れ、慌てようが報告の内容を物語っていた。
「ここまでたどり着く時間は?」
「……見た感じではそう遠く距離は開いていません」
「……だそうだ。 先に『アレ』を説明しろ。 あれらは感覚で言えばお前たち破面に近い────」
「────あれらがアタシらなんかと同じなもんか!」
雀部が破面とさっきのマネキン(仮名)を比べ始めるとミラ・ローズが抗議の言葉を上げて雀部は内心、読みが当たったことにほくそ笑む。
「(やはりな。 藍染戦でも思ったが、日番谷隊長の報告によれば彼の相対した十刃は『統制』と奴なりの『秩序』を重んじていた。 であれば、従属官たちもある程度それに影響される)」
「あんなモノ、『
「ッ! 雀部副隊長!」
ドッ!
突然何を思ったのか、雀部の近くにいた隠密機動の一人が彼にタックルのようなものをかます。
「な────?!」
────ドドドドォン!
バシャア!
最初の隊員が動くと同時にほかの隠密機動たちは何かに築いたかのように動いた。
だがそれがあらかじめ予測されていたようにそれぞれの動く速度以上で飛来してきた霊子の矢によって串刺しにされ、血が砂漠の砂に付着していく。
「おや?
上記の言葉言いながら、まるで羽のような身軽さを感じさせる足取りで一人の男性が砂を踏んで雀部たちに近づく。
頭上に光輪と猛禽類のような巨大な翼に、右手には軍刀サーベルの形をした青白い刃。
明らかに義手のような精密機械らしき左手。
そして背後には先ほどのマネキンらしきモノたちが静かに立っていた。
その姿はまるで、『機械技術を追加した天使』が『人型の人形』を引き連れているようだった。
「『キルゲ・オピー』か!」
「来やがったか、メガネザル!」
「せっかく貴方たちの主が無い力を振り絞り、それに免じて
「貴様! 『ハリベル様に免じてアタシたちを逃がした』だと?!」
アパッチたち破面が新たに表れた男に対して敵意をむき出しにしている間、雀部たちは各々の持ち始めた疑問について考えた。
「(この男……服装からして滅却師のようだが、
「(『何も感じない』上に、大気中にあるのは霊子ではないのにそれらしい兵装をしている……どういう理屈だ?)」
「(うっわ。 おかっぱにサングラスにシャッターのような形の目なんて……どれだけ悪趣味だ? それに単独でオレ達のいるところに殴り込むとは、よほどの自信がありそうだな……)」
「(何です? この胸のモヤモヤと、肌がざわめく感じは?)」
上記から雀部、吉良、カリン、リカの思惑である。
「ハァ。 もういいです。 あとは死神たちを殺し、貴方たちから再度
貴方たち『弱者』でも『
ゾボァァァァァァァァ!
キルゲの頭上にある光輪から急に己が強引に引き付けられる、吸引力にも似た力がその場を襲う。
「ぐ……あああああああ?!」
「砂が?!」
「くッ!」
「……砂だけでなく、隠密機動たちの体もが吸い込まれていく?!」
吸引力に地面の砂、さっきの攻撃で息途絶えそうな者たち、そして雀部たちからまでもがそれぞれ光の因子が血の代わりに流出していき、キルゲの頭上にある光輪へと吸い込まれる度に彼の肉体が徐々に大きくなっていく。
「『
キルゲの横からほかの皆と同じように、皮膚の露出している顔と腕から光の因子が吸い込まれていくカリンが紅い槍を突く。
「────『刺し穿て! “
ザクッ!
「ッ」
カリンの槍は突然キルゲの背後に現れたマネキンに刺さる。
「志願、誠にありがとうござい
カリンの背中にゾクリと寒気が走ってはすぐに彼から距離を取り、リカがコソコソと近くでこの急展開に戸惑っていた雀部に小声で話しかける。
「今から『
「危機に
キルゲの義手が上がると今まで距離を取っていたマネキンたちが一気に弱体化していくカリンたちに襲い────
「────『厳霊丸』!」
バリバリバリバリバリバリバリ!
刀身から広範囲に雷を雀部が放出し、リカはトテトテと短い足で必死に走っていた。
「
「アパッチと同じ意見なのは癪だけど同感!」
「ゴリラ二人は黙ってその脳ミソまで無駄に大きい筋肉をせいぜい有効活用してください!」
雀部の初撃が引き金だったように、彼らとマネキンたちとの攻防は先ほどと同じように………………………………ならなかった。
「(こ奴らの動き────!)」
「(────さっきのと全然違う!)」
「うらぁ! (こいつら……『学習』している?! まるで
さっきのぎこちない動きが嘘だったかのように、マネキンたちの動きは過激だった。
「ヌ、グゥゥゥゥ?!」
「雀部副隊長!」
雀部が初撃を放ったのが関係しているのか、マネキンたちの大部分は彼を束で襲い、『厳霊丸』の特性を理解しているかのように互いが感電しないように距離を開けていた。
バリ! バリバリバリバリ!
さっきの電気が放電するような音とは違い、今度は布が力ずくで破れていく音が聞こえてくる。
「「「「「きゃははハハハハハ!」」」」」
次に聞こえてきたのは、ケタケタとした笑い声だった。
「(こいつら、
カリンたちが見たのはマネキンたちの頭部の、人間で言えばちょうど『口』にあたる部分に穴が開き、そこから笑い声は来ていた。
雀部、吉良、そしてカリンたちが内心驚きながらも応戦していく後ろでは、リカは危ない足取りのまま杖を引きずり、時には攻撃の余波や戦闘から距離取るようにピョンピョン飛びながら光の玉を撃ち込んでいく。
「どこへ行くのです?」
「ギクリ」
そんな彼女の背後に静観していたキルゲが声をかけては彼女の肩が跳ねる。
「ふむ……前陛下と相対していた少女に似ていたと思い、警戒していましたが貴方は違うようですね?」
「あー、まぁー、そのー、違わないこともないのですがー」
しどろもどろに答えて動かないリカの頬を汗が伝う。
「ではあなたもサンプルとして────」
「────無償のおさわりはノーサンキューです!」
リカが杖を地面に打ち込むと、彼女を中心に地面が光りだす。
「お前ら、この上から引け!」
カリンの言葉に雀部と吉良はすぐさま飛び、アパッチとミラ・ローズはカリンとスンスンに引っ張られる。
「
「逃がしませんよ! あなただけでも────!」
「────
リカに手を伸ばしたキルゲの義手を始め、光で出来た縄のようなものが彼の体を拘束していく。
「「「「「ギィィィィィィィィィィィ?!」」」」」
「『
周りを見れば、マネキンたちも同じように拘束されていって耳をつんざくような音を出す。
「当たり前よ! こちとら伊達に『魔女』なんてやっていないわよ?! 舐めないでよこのおかっぱ!」
そのまま拘束されたキルゲと『人工破面』と呼ばれたマネキンたちはズブズブと沈んでいく。
「霊力に頼らない術など、即座に行使できるはずが────!」
「────舐めないでよこのおかっぱ! 力の変換なんて
そのままキルゲたちと人工破面と呼ばれた者たちが沈んでいき、次第に地面の浮かんでいた陣が輝きを失うと同時にリカは倒れる。
「あ~~~~~。 宗一郎さまが居ない場所に呼ばれたと思えば今度は『大魔術を連続で行使してくれ』なんて無茶ぶり……はぁ~~~~~、億劫になるわ~~……よく『以前に設置した転移陣を再利用する』なんて咄嗟に思いついたわね、この子?」
「ヌ……う……」
「雀部副隊長?! ケガを────?!」
「────私は良い……」
「で、ですが!」
気ダルそうにリカ(?)がため息を出すと、彼女と違って雀部はくぐもった声を出して吉良が駆け寄る。
「んで? これってどういうことかしら?」
「あとでリカにでも聞け」
「ああそう……ところで、『アッチ』から少し嫌な感じがするのだけれど誰か見てくれるかしら?」
リカ(?)が上半身だけ起き上がれて指差したのは彼女たちのグループをぐるっと囲んだ砂丘でもひときわ大きい一つの方角。
「んあ? どれどれ……」
カリンがザクザクと砂丘の頂上を目指して歩き、吉良は持ってきた四番隊の携帯救護サックを開けて応急処置をし始める。
「ん~~~~?」
カリンが頂上まで登り、目を細めて遠くにある『何か』を見ようとする。
「…………なんだ、あれ? いやまさか……おい!
カリンが吉良、アパッチ、ミラ・ローズ、スンスンたちに声をかけ、彼ら彼女らが砂丘の頂上に着くまでその場から動かなった。
「どうしたんです? というか、何急に僕を本名で呼ぶんですかカリンさん?」
「お前には『アレ』がどう見える?」
近寄った吉良を、カリンが真剣な顔でとある方角を指す。
「…………クソ、ここまで広がっているのか」
「マズいな。 ハリベル様の言った通り、十刃や十刃落ちたちと合流せねば」
「(何なんだ一体?)」
アパッチとミラ・ローズの言葉を横で聞いた吉良は双眼鏡を出して、それでカリンたちの視線を見ると固まった。
「え? なんだあれ……
吉良が見えていたのは波のようにゆらゆらと蜃気楼のように揺れ動く
虚圏の白い砂漠の上で動くそれは地平線と少しだけピントが合わないような────
「────ま、まさか?!」
「ああ、吉良のその反応で悪い予想が当たったか……」
吉良たちが見ていた景色は一面を埋め尽くすほどの、異常な数の人工破面が軍隊のように地を踏んでいく場面だった。
『オキュペテー』と『アラクネ』。
とある女性の扱う、魔術の詠唱を日本語に略した発音。
本来なら何行にも渡ってしなくてはいけない詠唱をたった一言に収める彼女はまごうことなき『稀代の大魔術師』に部類されるほどの天才で、ギリシャ世界において東の果てと言われたかつてコルキス国が健在だったころの姫君。
運命を神々に弄ばれて悲運な最期を迎えたと言われ、後に『裏切りの魔女』と呼ばれることとなる。