白と黒の世界は夢を見る   作:haru970

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第13話 レテロゲームと改造魂魄、そしてMIB。 の巻き

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 三月、チエ 視点

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 魂の抜けた一護の体を隠して、三月は空を見上げては隣で目を閉じて座禅をするチエに対して溜息を出した。

 

「(やる事が無い!)」

 

 最初の一時間ほどチエと何気ない話をしていたが、ほぼ毎日の夜にしているような会話なので話題はすぐに尽きた。

 

「………練習しよ」

 

 そこから三月はテッサイから習っていた鬼道の一つ、正に『曲光』を使って姿を隠してから()()()()()()鬼道を使って()()()()()

 

 その姿が見える第三者が居れば、懐かしきゲームを思い出すだろう。

『ギ〇ラガ』や『パックマ〇』に『ミサイルコマ〇ド』などを鬼道で再現をしていた場面を見れば。

 

「ほう、かなり良い『曲光』じゃのぉ」

 

「ぎゃあああああああ?!」

 

 突然横からくる声に三月がびっくりしてボス・ギャラ〇にプレイヤー機が撃墜される。

 

「まったく見た目に釣り合わぬ声じゃ」

 

「『夜一に言われたくない』、と三月なら言うだろう」

 

 チエが目を閉じたままそう言う。

 

「そうよ! 夜一さんに言われたくないわよ!」

 

 三月が声の方を見ると欠伸を出していた黒猫がいた。

 

「余程夢中になっておったのだな、()()()()()

 

「…………え? 見えていたの? 『曲光』かけているのに?」

 

「見える訳なかろう。 じゃが『曲光』の霊圧がダダ漏れで、お主の悔しがる独り言と変な『ぴこぴこ』音が聞こえてきたからの。 想像はつくわい。 器用に鬼道をそのように使っているとはさっきまで信じられなかったがな」

 

「(ピ、ピコピコって表現……歳臭────)────ㇶ」

 

 夜一の目が一瞬にして「キッ」と細くなり、三月を睨む。

 

「それで、夜一殿は何故ここに?」

 

「ん? 何、あのルキアという娘と一護が気になっての? ちょっと()()()()()()()()()()()じゃ」

 

「私達のアパートからここまでわざわざ来るほどのモノか?」

 

「ちょ、チーちゃん────?!」

 

 チエの何気ない、夜一に対しての「尾行バレていますよ?」宣言に三月がアタフタする。

 

「────何じゃ、やはりワシがお前達の事に気付いておったのも知っておったか」

 

「確信はついさっきだが、な」

 

「……………え? もしかして、私達の事に気付いていたの?」

 

 三月が恐る恐る夜一の方を向く。

 

「喜助にもこれは言ったが、真に監視に気付いておる者と気付いていない者は雰囲気がいささか違うのじゃ。 これは長年のワシの経験という奴じゃな。 だから気落ちする事はないぞ?」

 

 からからと夜一が笑い、三月は苦笑いをする。

 

 そして丁度終業のチャイムが鳴ってから数分後、校舎からゾロゾロと生徒達が出てきてチエ達の前を通る。

 

 だが誰も見向きもしなかった。

 

 かたや姿を隠す『曲光』に包まれたチエ達と、()()()黒猫が一匹。

 

 彼ら彼女らが過ぎ去って、誰もいなくなったタイミングでチエが口を開ける。

 

「………………そろそろ仕事を終えた二人が帰ってくるぞ」

 

「本当にお主は不思議じゃの…ワシも今し方気付いたと言うのに

 

()()()()()だからな」

 

「そうか。 じゃあ、ワシは先に帰るとするかの。 今夜は唐揚げの気分じゃ」

 

「はいはい、カリカリ感が強めの方が好きだったっけ?」

 

「いやどちらかと言うと味の付くタレを────コホン! そ、それじゃあの」

 

「夜一殿は、一護達に挨拶はしないのか?」

 

 チエの言葉に夜一は一瞬動きを止める。

 

 黒猫の姿でとはいえ、一護は浦原商店の皆に面識があった。

 と言っても駄菓子屋の客としてだが。

 

「いずれは正体を明かさなければならぬやも知れん。 じゃが今はその時ではない」

 

 それを最後に夜一は学校の塀をヒョイッと飛び越えて姿を消す。

 

「(ハイ、これで全裸の夜一に出くわして慌てる一護イベントほぼ確定ッと)」

 

 夜一が去ってから更に数分後、死神業を終えた一護とルキアが戻って来た。

 

「あれ? …………………俺の体どこだ?」

 

 一護がキョロキョロと周りを探す。

 

「(……………あれ? 一護って霊圧探知能力無かったっけ? あのひらひらした短冊みたいな奴…………それともそれはもうちょっと後の話だっけ?)」

 

「おいおいおいおい! 冗談じゃねえぞ?!」

 

「私に力が使えれば、霊圧探知で……………そうだ! 一護、奴らの霊圧を探れ!」

 

「ちょっと待てルキア。 俺、昨日の今日で死神になったばかりだぞ? どうするんだよ?」

 

 三月が未だに黙ったままこの二人のコントを見続ける。

 

「ん? だからこう『グッ』として、『バァー!』と出てきて、『こっちだ!』と────」

 

「────良し分かった」

 

「お! 中々やるな、一護!」

 

「ああ。 お前の『説明の仕方が絵を描く程ド下手くそだ』ってな!」

 

「何を騒いでいる二人とも?」

 

「え?! チエ?! ど、どこだ?」

 

「………………まさか、『曲光』か?」

 

「当たり~♪ ハンドベルがあったら『カランカラン』と鳴らしているところだけどね?」

 

 三月が『曲光』を解除すると明らかにホッとする一護だった。

 

「これが先ほど私が言っていた鬼道の一種だ、一護。 死神はこういう術も漸術と共に使って初めて『死神』と見られる」

 

「……………時間がある時、私と手合わせをするか一護?」

 

「い゛?! チ、チエとか?!」

 

 嫌~~~~~~な顔をする一護は自分の体の中へと戻る。

 

「どうした? 不満か?」

 

「そうだぞ一護? 正体はともかく、経験がある者からの誘いだぞ?」

 

「ルキアはチエのなぶり殺s────じゃなくて『特訓』! 『特訓』を知らないからそんなに呑気に言えるんだ!」

 

「何を貴様はそんなに必死になっているのだ?」

 

「う゛」

 

 顔色が青くなり始める一護が何かに気付いたのか、一気に顔色が良くなる。

 

「あ~、ここにいたんですね皆さん~」

 

 そこにマイが皆のカバンを持ちながら校舎から来ていたのだ。

 

「あ、マイさん。 ちわッス!」

 

「はい~、一護君もこんにちは~。 皆も学校サボるのはまあ…………保護者的にNGだけど気持ちは分からなくもないわ~。 あ! そうそう、今夜ね~? 真咲さん達がお好み焼きを振舞ってくれるんですって~」

 

「おふくろが? 良かったなルキア!」

 

「お、おう?」

 

「彼女の料理は旨いからな」

 

「うんうん、凄い参考になるわ!」

 

 その晩、ルキアも黒崎家にチエ達とお邪魔して結局皆の中で一番食べて、「な、なかなかに悪くなかったぞ…………ゲップ」と帰り道中マイに寄りかかるルキアの姿があった。

 

 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …

 

「………………………………………」

 

 明らかに何時もより仏頂面のチエが「負」の空気を発していた。

 

「ご、ごめんって! でもこれらは全て一護が一人かルキアと共に解決しないと行けない出来事なの! 決定事項なの!」

 

 そして隣にいる三月が必死に謝っていた。

 

 ついさっき、クラスメイトの茶渡泰虎(さどやすとら)(通称『チャド』)が学校に持ってきた()()()()()事件が終わった。

 

 その前は虚と化した織姫の兄との戦いで、三月は敢えて手を出さずにいた。

 それどころか、()()()()()事件では一触即発状態を覚悟に三月が決死の覚悟でチエを止めていた。

 

 と言うか()()()()()()()()()()()()から本気(マジ)でシャレにならなかった。

 

 渡辺家のアパートでそんなかつてないほど不機嫌なチエを横に、三月は料理をしていた。

 マイは居間でぬいぐるみとハッチ専用のエプロンを編んでいて、ルキアはゆっくり入浴中。

 

 最初はソワソワピリピリしていたルキアだが時間が経つにつれて肩の力が抜け始めていた。

 これはまあ、渡辺家の毎日を経験すれば仕方のない事かもしれない。

 

 朝起きれば旨い飯、昼も朝餉に負けない弁当(尚ルキアの弁当箱やおかずはウサギモチーフのモノが多かった)、そして夜も美味しい晩御飯。

 その上、チエに頼めば義骸での活動の視野を広げる為の基礎訓練に付き合ってくれるし甘味も食べ放題。

 

『原作』の暮らしと比べれば、何不自由ない環境どころか、贅沢三味だった。

 特に『原作』では黒崎家の居候の立場どころか、狭い一護のクローゼットに隠れての生活の事を考えれば。

 

 尚、ルキアはマイの事を三月同様『虚や死神が視えて、ある程度戦える人間』と言った認識で、主にチエが戦闘を担当……………

 

 と思っているらしい。

 

 そんなルキアが次の日に限って、「少し用事がある」と下手な嘘をついて別行動を取った。

 

 現世に他に知り合いや義骸にいる彼女が用事があるとは思えなかったが、誰も気に留めていず、普通に学校へ登校していた。

 

「インコが好きなのか?」

 

「だって可愛いじゃん」

 

「そうだな」

 

 三月はそのような事を思い返している間、チャドと他愛ない受け答えをしながら、喋る事が少なくなったインコを撫でていた。

 

「今日、朽木さん遅いね~。 三月ちゃんは何か知っている?」

 

「…………………ウン。 ソウダネー。シラナイヨー。(だから何で毎回私に絡むの?)」

 

 何故か近くに来た織姫に三月が棒読みで返事する。

 三月の気のせいかもしれないが、織姫は同じクラスになって竜貴と仲良くなって間もない頃、何故か事あるごとに三月にアプローチをかけていた。

 

「あれ? 朽木さんって渡辺さん達と住んでいるんじゃないの?」 

 

「彼女の家の人達の居る所と、私達の家を行き来しているだけよ」

 

「複雑なんだね」

 

「まあね~」

 

 もう一人のクラスメイトの水色に三月が答えると、織姫の目が一瞬泳いだ気が三月には気がしたが、断固として目を合わせたくなかった。

 

 以前のイジメの事もあるし、何より自分(三月)()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 考え込まない様に、三月は別の事で頭を整理する。

 

「(さて、織姫の事件も、チャドの事件も終わって、ルキアが遅刻してくるとなると……………………次は……………え~~~~っと…………改造魂魄のコン騒動だっけ? となると今回は浦原商店と直接関わる事になるか)」

 

 ルキアに引きずられて教室を出る一護を目で追っていた織姫とチャドを三月は見ていた。

 

「(今日の店番に私とチーちゃんは店番しないように動かないと………………それに────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────チャドがこのインコに入っていた魂のユウイチ君にソウル・ソサエティの流魂街で会えていた。 という事は織姫のお兄ちゃんにも会える筈…………今度こそ………今度こそ、彼女達を合わせる。 ()()()()()()()()()()()()())」

 

 インコに甘噛みされる三月はそう考えるのであった。

 

 そして相変わらずクラスメイトである浅野啓吾(あさのけいご)のアプローチをあしらって、織姫に寄りすぎて竜貴に撃沈された本匠千鶴(ほんしょうちづる)は次にチエへと寄る。

 

 二人(啓吾と千鶴)とも今更だが小島水色(こじまみずいろ)と共に良く三月とチエに話をしてくる(と言っても主にチエ相手で、三月はおまけ程度だが)。

 

 だがルキアが加わった際に三月にももっと頻繁に声がかかるようになった。

 恐らくは彼女(三月)経由でルキアと仲良くなりたいのだろう。

 

 そしてその時、()()()()()一護の声が聞こえてきた。

 

「ここ、1年3組で合っているよな?」

 

 クラスの教室に悲鳴が行き渡り、チエは思わず()()を取り出すところを三月がインコの入った檻をチャドに渡しながら御した。

 

「あ、あ、あ、あんた?! 今ど、ど、どうやって上がって来たのよ?!」

 

 竜貴の叫びにすぐ答えずに一護(の体を使っている改造魂魄)が窓の外から教室の中へと入ってくる。

 

「よっと…『どうやって』? え? 今、見てたろ? 跳び上がって来たんだよ」

 

 自分に注目しているクラスにウキウキしていたのか一護(の体を使っている改造魂魄)が無邪気に笑う。

 

「なぁ、すげえか? ビックリしたか? なあ♪」

 

 ザワザワとする中、改造魂魄がクラスを見渡してから特盛女子(織姫)へとロックオンして手の甲に口付けをするところだった。

 

「(一護か? いや違う…………これは別の魂か?)」

 

 チエがそう思っている間に隣の三月がゴソゴソと手に持っていた携帯電話のカメラレンズを向けていた。

 

「初めまして、美しいお嬢さん。 僕にお名前を教えて下さいな…………チュ」

 

 隣で三月は携帯電話の『ろくが』をしていたが、チエにとっては些細な事だった。

 それは周りで黄色い声を上げる女子たちの事も同じ。

 

「「「「「キャー!♡」」」」」

 

「い、い、い、い、い、一護ぉぉぉぉぉ?! あ、あ、あ、あ、あ、あんた自分が何してるか、分かってんのかぁぁぁぁ?!」

 

 赤くなりながら竜貴が一護(の体を使っている改造魂魄)を羽交い締めにするが、彼は器用に竜貴の方へと顔を向けた。

 

「お前も近くで見ると可愛いなぁ」

 

「へ?」

 

「チュ」

 

 一護(の体を使っている改造魂魄)が竜貴の頬にキスをして、本日二つ目の叫びがクラス中から上がった。

 

 「「「「「ギャアァァァァァァァァァァ?!」」」」」

 

 今度は『恐怖で』だが。

 

 だがそれとはお構いなしに三月は『ろくが』を続けていた。

 

 そして────

 

 「────ブチコロス!!!」

 

 修羅と化した竜貴が怒りの形相で近くの机を一護(の体を使っている改造魂魄)目掛けて次から次へと投げ、中にあった教科書や文房具が教室の中を飛び散っていく。

 

「「「「ヒィィィィィィ?!」」」」

 

 今の竜貴に恐がる女子達(そして男子達数人)が悲鳴を上げる間、一人が竜貴の肩に手を置く。

 

「冷静になれ、竜貴」

 

 それは()()、いや『勇気ある者』の行動だった!

 

 「ア゛ア゛ア゛ア゛?!」

 

 人を射殺せるようなガンを飛ばす竜貴にチエは怯まず言葉を続ける。

 

「そのように闇雲に机を投げるな。 まずは狙いを定めて、相手の避ける方向に波状攻撃を────」

 

「────ちょ?! チーちゃん待って! 事態を更にややこしくしないで?!」

 

 これには流石に三月がチエを呼び止め、丁度その時に教室のドアが勢いよく開く。

 

「そこまでだ!」

 

「ゲッ、ヤッベェ────」

 

 ルキアを見た一護(の体を使っている改造魂魄)は回れ右をするかのように窓の方へと逃げる。

 

 そこに現れた死神姿の一護が捕えようとするが、横をするりと抜けて窓から一護(の体を使っている改造魂魄)が飛び降りる。

 

「ぬわぁ?! 待てやこらぁ! 誰の体だと思ってんだぁぁぁぁ?!」

 

 ルキアが二階から無事に飛び降りた一護(の体を使っている改造魂魄)を見て、ようやく確信がついたらしい。

 

「間違いない。 奴は………改造魂魄(モッドソウル)だ!」

 

 すぐさま入って来たように出ていくルキアと自分の体を追う一護。

 

『チーちゃん! 君に決めた!』

『了解』

 

 チエが先ほどの改造魂魄の様に開いている窓から飛び降りて、勢いを無くさずに地面を転がるように着地してから走り去っていく(現代でいうパルクール並みの動き)。

 

 その間、三月はサングラスを着用してからペン状の記換神機(きかんしんき)を取り出す。

 

「(あとは黒いスーツさえあれば完璧なんだけど…………まあ、いっか。) は~い! 皆さん注目~~~~~!!!」

 

 そう三月が叫んで、クラスが彼女の方を見るとまばゆい光がペンから発されて、皆がチカチカとする目を瞬きさせる。

 

記換神機(きかんしんき)』。

 霊力を持たない、あるいは低い、人間から先ほどの出来事を記憶から消し去って、違う記憶を差し込む道具────

 

 

 

 

 

 

 ────を三月が完璧に()()()『メ〇・イン・ブラ〇ク』風に魔改造した。

 

『チーちゃん、こっちはあと少しで済むわ。 場所と方角を教えて?』

『分かった、方角は────』




作者:今考えたらギャ〇ガとかってもう40年前の代物なんですね…………ハァ~

チエ:たった40年ではないか

作者:まあ…………ウン、これ以上はよそう

ライダー(バカンス体):邪魔するぞ! ってなんだなんだー? ロンドン並みに辛気臭くなっとるではないか?!

作者:うっわ~、面倒臭いのが来た~
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