白と黒の世界は夢を見る   作:haru970

153 / 193
大変お待たせいたしました、相変わらず慌ただしいリアル中に次話投稿です。

楽しんで頂ければ幸いです。


第151話 Drifting Bleached Sands

『介入』は様々な現れ方をした。

 

 時には自然の災害や祝福。

 人為的傲慢からの災厄や閃きからの革新。

 

 等々など。

 

 時代や世界が変わっても、基本的に大局での『介入』は続いた。

 

 だが……

 

 もしこの『介入』が意図的に引き起こされることが判明されば、

 

 

 

 欲物たちはこの新たな解明をどう扱う?

 

 

 

 


 

 

 ___________

 

 虚圏援軍要請組 視点

 ___________

 

 場所はだだっ広い、虚圏の砂漠の中。

 月光にて照らされる砂の上には戦いの後らしき痕跡があった。

 

 折られた刀や破片に破けた衣類、そして未だに地面に吸い取られていない血痕。

 

「虚の匂いじゃないね……」

 

「死神か?」

 

「それ以外になんだと思うのです?」

 

 その中をミラ・ローズ、アパッチ、スンスン、そしてずるずるとフロートボートを引きずるリカが歩きながら見渡していた。

 

「フムフム……ちょっと()()しますね」

 

「「「え」」」

 

 リカがそう言うと否や、彼女はトテトテと近くの血痕を指で付着した砂ごと摘まんで口の中に含んだ。

 

「モゴモゴモゴモゴ」

 

「うわ?! こいつ本当に口の中に入れやがった?!」

 

「血はともかく、砂もかよ?!」

 

「……」

 

 スンスンだけは複雑な気分だった。

 

 説明しよう! (Start富〇さんボイス。)

 ヘビは舌を出すことで大気中の匂いの元となる粒子を付着させて、口の中にある『ヤコブソン器官』でその匂いを嗅ぐという仕組みを持っているのだ! (End富〇さんボイス。)

 

「……プッ! ふ~む……なんとなく『解析』できました」

 

「解析? 何をだ?」

 

 リカが袖の中から珍しく手を出して左右に両手を振る。

 

「ここで起きたことです。 

 まずこの砂の上にある足跡からして数はおよそ数百人で荷物はそこそこ重そうなのを持っていましたね。

 主に成人男性と老人に女性で、足取りからして全く長旅や戦闘に慣れていないのが過半数以上に方向はボクたちのように瀞霊廷から遠ざかっています。

 時期はボクたちがここに到着する少し前で、血痕や衣類からして()()に襲われたのは明白。

 となれば恐らく瀞霊廷から逃げ出した愚か者たちでしょう」

 

「「「………………………………………………」」」

 

 3獣神(トレス・ベスティア)の三人はポカンとしたような視線をリカへと向ける。

 

「……お前、なんでそこで『破面』って断言できるんだ?」

 

「ん? ああ、それは味ですね。 死神と破面の斬魄刀って、見た目は同じですけど根本的に違う性質を持っています。 死神のは使用者の魂を写し取っていき変形していきますが、破面は本来の力を凝縮したものですし」

 

 リカはそう言いながら、再びフロートボートに戻って風を起こして砂の上を移動し始める。

 

行き先は~♪ 破面たちの~~♪ 秘密基地へヨー~♪」

 

「「「(音痴と言うオチかよ?!)」」」

 

 リカに内心でツッコミながらミラ・ローズ、アパッチ、スンスンの三人が後を追って急いでスピードが上がっていくフロートボートに乗り込む。

 

「(これさえなければ良いのだけれど……)」

「(うるさいですキャス子さん)」

 「(ちょっと! せめて『葛木キャス子』と呼びなさいよ!)」

「(リア充)」

「(オ~ッホッホッホッホッホッホッホ!)」

 

 時はちょうど、カリンが今起こっていることに責任を感じてその重圧に耐えかねて泣き出していた時であった。

 

 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …

 

 

ラァ~♪ ラララァ~♪ ~♪ルルラァ~♪」

 

 あれから数時間後、ず~~~~~っと下手くそな 音痴なリカの歌をミラ・ローズは耳を手で塞ぎ、アパッチは歯ぎしりをして耳朶からかき消し、スンスンは瞑想しているかのようにただ目を閉じていた。

 

 ズサァァァァァ!

 

「「どわぁ?!」」

 

 急にフロートボートが急停止してミラ・ローズとアパッチの二人はそのはずみで飛び降りた。

 

 ドサッ!

 

 スンスンは態勢をそのまましていた故か、頭から地面に突っ込んだ。

 

「グェ……も、もう着いたのですか?」

 

「う~ん、瞑想していたと思ったら気を失っていただけですか」

 

「違います」

 

「じゃあ眠っていたということでぇ~」

 

 リカはピョンとボートから飛び降りて長袖に入れた手をそのまま両手を上げて膝を地面につける。

 

「と、いうわけで……()()をしに来ました~」

 

 彼女が見下ろしていたのは砂漠の砂に変わりはないが、よく見ればわずかにだけ不自然な表面だった。

 

 それは、()()()()()を思わせるような形。

 

『いつから気付いていた?』

 

 どことなく、周りから聞こえてきた声に澪簿があった3獣神たち。

 

「この声────!」

葬討部隊(エクセキアス)の────?」

「ルドボーンか────!」

 

「よりにもよって『ボーマ』ですか。 やっぱりそうですか。 爆弾専門家ですか」

 

 そしてリカが意味不明(?)なことを口にしている間に、不自然な地面から骸骨を頭にした人型の何かが上がってくる。

 

「誰のことは知らんが、なぜここが分かった?」

 

 この骸骨こそ、ルドボーンの帰刃 (レスレクシオン)能力から生まれた『髑髏兵団(カラベラス)』の一体。

 

「先ほどの戦いでは死神たちが襲われる前、先に『交渉しよう』というのも『解析』できまして。 となれば『秩序』をある程度保つための知能と知恵を持っている破面が相手ですので~。 (『原作』でも処刑対象だったパニーニにも語りかけていたし)」

 

「…………なぜ私が交渉にでも応じるとでも?」

 

「虚圏の『未来』がかかっているからです。 それにボクの交渉相手は破面、元十刃たちや虚の()です」

 

 後にこの『皆』の意味が明らかになるのだが……今は陰が墜ちていく瀞霊廷に戻るとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ___________

 

 瀞霊廷 残存兵組 視点

 ___________

 

 場所は流魂街と虚圏の狭間。

 

 そこでは人工破面の斥候らしい、四足の足で地面や建物の壁を移動する『なにか』と戦う者の姿があった。

 

ギィィィィィィ!!!

 

 糸目の男は久しく持っていない『神槍』をかわしながら人工破面の足を斬り落としていき────

 

 リィィィィィィィン!

 

ギギギギギギ?!

 

 ────隻腕の男が持っていた刀から、普通のモノには聞こえない波長を発してそれを聞いた人工破面たちは足をもつれさせる。

 

「オラァ!」

 

 ザクッ!

 

ギ?!

 

 そしてカリンが紅い槍を動きの鈍った人工破面を突いて、返り血を浴びる前に次の標的を突いていた。

 

「う~ん、最初は『死ね』言われたと思うたけど……案外行けるね?」

 

「それも敵が単調だから言えるのだ、市丸」

 

 カリンは元囚人たちを引き連れて帰還した隠密機動たちから、敵の斥候らしき敵影を聞いて流魂街に出ていた。

 と言うのも、瀞霊廷の守りをより盤石にする為の時間稼ぎ。

 

 そして瀞霊廷を出て最初は自分たちを『危険分子』として隔離した四十六室たちの後を追おうとする者たちが居たが、市丸の『アカンで?』で顔を真っ青にしたそうな。

 

 後余談だが、彼の『それにアイツらが帰ってきたボクらが勢ぞろいで“お帰り♪”言うてるのを想像してみ?』で、皆がまさしく『危険分子』と言うような表情を浮かべてその場にいた死神たちは冷や汗を掻いていたとかなんとか。

 

 これもあってか統率が取れないことを瀞霊廷の副隊長たちは懸念していた元囚人たちによる暴動が起きるどころか、強靭な遊撃隊を手に入れたことに複雑な気持ちを持っていた。

 

 ヒュルルルルルル!

 ボッ!

 

 なにかが自分たちの上空の宙を切って空高く飛んでから電球が破裂したかのような光源を放ちながらゆっくりと地面に落ちていくのを、カリンたちはは一気に撤退していく。

 

「よし、合図だ! 東仙、他の奴らに『撤退』だ!」

 

「ああ」

 

 キィー、キッキッキ、キィー……キィー、キッキッキ、キィー。

 

 東仙が斬魄刀を再び構え、今度は流魂街中にリズミカルな耳鳴りのようなものが繰り返す。

 これを聞いた元囚人たちもカリンたちのように撤退を始め、今度はカリンが何か文字のようなものを宙に指先で書いてから、それを上に投げる。

 

Ings(イングズ)!」

 

 彼女が投げた文字はさっきの信号弾の高度ほど上がらなかったが、数秒後同じように破裂した。

 

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ《shake:1》ゴゴゴゴゴゴゴ

 

 すると今度は地鳴りが響き渡って流魂街のいたるところが燃え始めるだけでなく、地面へと沈んでいく。

 

「いやぁ、志波家の奴も出来るやん」

 

「『せっぱ』と言うやつか」

 

 流魂街を焼き払うだけでなく、なんとか動けるまで復活した空鶴(そして彼女と海燕に叩き起こされた紅の〇ベウス岩鷲)が『石波(せっぱ)』の極大版である『志波式石波法奥義(しばしきせっぱほうおうぎ)連環石波扇(れんかんせっぱせん)』で流魂街の地盤を緩くさせて『泥沼』ならず、『泥砂』の(ほり)で瀞霊廷を囲んだ。

 

「ほな、皆ちゃんとボクに掴まって。 お代金は干し柿作る手伝いで」

 

 要塞化した瀞霊廷の壁を今度は市丸の『神槍』で何人かずつが上り、最後に上がったカリンが燃える流魂街を見る。

 

 

 

 

 白に覆われて(Bleached)尚燃える(and Burning)流魂街を(Drifting Spirit Town)




追伸2:

今更ですが次話も短くなるかもしれません。 

大変申し訳ございません。 ()´д`()
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。