楽しんで頂ければ幸いです。
3/13/2022 7:00
誤字修正いたしました。
『介入』は様々な形で表れる。
それが直接的なモノで形あるもの、または自然に紛れた『
その都度に莫大な力を
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黒崎一護 視点
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ザクッ、ザクッ、ザクッ。
時折、乾いた空気が微弱な風によって俺のさらされた目の付近を通って蒸れた顔に当たり、瞬きをしてから目の前で静かに歩くチエの背中姿を見る。
『頭を上着で覆い、出来るだけ肌の露出を避けろ』。
俺が色々と聞きたがっても、チエにそう言われたきりから会話は無い。
未だに後を歩いているが、あれからどれほどの時間が経ったのか分からない。
「(しっかし変な気温だな)」
夕焼けのような空を見上げ────
「────は?」
思わず声を出してしまった。
月の形が歪? ……いや、それよりも────
「────なんだよ、こりゃ?!」
「あまり喋るな、一護」
驚愕している俺をたしなめるように昔からの馴染が平然とした口調で話しかけるがそれでも、言わない訳にはいかない。
「け、けどよ────!」
「────大気に、更に搾り取られるぞ」
俺はもう一度空を見上げる。
空に浮かんでいた、歪で欠けた様々なサイズの
…………………
………………
……………
…………
………
……
…
砂漠の中にある砂丘を登りながら、ぼーっとする頭で夕焼けの空に浮かんでいたリング状な何かに覆われていた一つの星を見上げる。
「(あの形って……土星だよな?)」
時々チエは立ち止まって歩き出すのを繰り返し、やがて一護は聞こえてくる音にわずかな変化があったことに気が付く。
「(なんだ、これ?)」
最初は空耳と彼の脳が処理していたのか、『背景音』から確固たる『音』と認識した瞬間に耳鳴りが鳴り始める。
「(?)」
やがて彼が砂丘を登り、頂上で見たのは今までどこをどう見ても続く砂漠ではなく砂に埋もれたオブジェたち。
それらは砂に埋もれても尚、明らかに人工物であることを主張するようにところどころ砂の中から老化した塔のような建物が見えた。
二人はそのまま歩いて近づいていくと、その建物たちでもひと際小さな一つにチエが蹴りを入れる。
バキィン!
ゴォン!
「良し。 入るぞ────」
「────いやお前、なにいきなりヤクザキックを躊躇なくかますんだよ?!」
「??? ドアがあったからだが?」
一護は?マークを頭上に浮かべるチエを見て、『あ、何気にこのやり取りも久しぶりだなぁ~』と懐かしみながらも塔らしきオブジェの中へと入る。
「……なんかヒンヤリとするな」
外部とは裏腹に、塔の内部はかなり原形を保っていただけでなく、パッと見て老化もさほど激しくはなかった。
壁に書かれた
「『20Fl Balcony』? ……えーっと? 『二十階のバルコニー』か?」
「良く分かったな一護?」
珍しくチエが感心したことに一護がそっぽを向ける。
「いや、その……英語の発音とかとなると、ムキになってキーキーうるさい奴が近くに居てな?」
二人の頭上に、眼鏡越しにドヤ顔と
「………………………………ああ、『アレ』か」
数秒間ほどの沈黙の末にチエが閃いたように、手をポンと打つ。
「(三月を『アレ』呼ばわりって……まぁ、あいつの場合それで良いか)」
『(良くないわよ!)』
「んあ?」
「どうした一護?」
「いや、その…………空耳だと思う」
「そうか」
原作での一護は一度、藍染離反騒動直後にリハビリをかねて試合をしていた一角に対し、『俺は国語が一番得意なんだよ!』と啖呵を切っていた*1。
そして案の定、原作よりはやや劣るが彼は成績も良かったこともあってか(あまり)得意ではない言語にもチャレンジはしていた。
チャレンジはしたのだが……発音が悪い、または中途半端なモノだと普段はおとなしくしている三月が鬼教官のように態度が変わっては『発音などをネイティブレベルに正すまで説教する』ということが多発していた。
特に英語。
これは彼女自身、どこぞの世界線で『弟子ゼロ号』と呼ばれた人物の元になった、生活力ゼロで姉のような
その話は今、別に置こう。
何が言いたいかと言うと今の一護はある程度ローマ字が読めて、理解できるということ。
「(あまりにも説教を食らってセルフツッコミも聞こえてきたか)」
一護はガシガシと上着で覆っていた頭をガシガシと掻いてできるだけ汗と砂を振り落としながら周りを珍しそうに見ている間、チエはさらに奥へと進んでいく。
「(と、いうことは? 外の砂漠に、ビルの二十階分ほどが埋まっているということか?!)」
ビルの中は暗く、明かりはチエが先ほど力ずくで蹴り開けたドアからの光源だけだった為か、内部がほんのりとした赤いトーンに満ちていた。
外部の乾いた空気とは違いある程度湿気がある所為か、気温が下がってもさほど違いを感じることは無く、二人が進んでいくと次第に一護の目が慣れていって奥に巨大な機械が見えてきた。
「んだこれ? 『制振装置』か?」
「良く知っているな?」
「まぁな」
余談だが『制振装置』とは高層ビルが地震や風から生じる揺れを抑える装置の一つである。
そして今、その巨大な機械が蹴り開けられたドアから入ってくる光を殆ど受けしまい、更に奥へと続く部屋が見えなくなってしまった。
「けどこうも暗くちゃ、奥が見えにくいな────」
「────なら少しだけ明かりを灯すとしようか……フゥ」
チエのため息にも似た息遣いとともに、LEDランプ寄りの少し強めな光が彼女と一護の周りに現れ、より内部の全体が分かるようになった。
「おおお……」
一護は口を開けながら周りを見ると巨大なはずの制振装置の全体が見えることに息を出していた。
「あ」
「どうした一護?」
「本で読んだことあるぞ。 昔の洞窟とか遺跡は長い間、空気が籠っていたせいで有毒になっていたり────」
「────『炭鉱のカナリア』的な奴か。 入口からの空気を、周りに凝縮しておいたから長居はできんが、簡単な調査と物資調達はできる」
「……え?」
一護が唖然としたのは一瞬。
「いやいやいやいやいや。 順応力高すぎるだろ?」
「下の階で何か得るものがあればいいのだが……」
「俺の言葉、無視かよ」
今更である。
…………………
………………
……………
…………
………
……
…
入っていった建物を探索できたのは、数階ほどだけだった。
塔は何かの施設だったのか、オフィスビルのような作りの部屋や仮眠室らしき場所はあったものの、水や食料といった物は無かった。
だが外の乾いた風と夕焼けの日光から身を守りには充分だったので、二人は入ってきた『制振装置』の部屋で腰を下ろしていた。
二人は背中を『制振装置』に預けるような形でお互い、ドアの方向を向いていた。
「………………………………で? そろそろ話してくれるか?」
一護の問いに、チエがチラリと横目で彼のほうを見る。
「何をだ」
「全部」
「『全部』、か……どこから始める?」
「じゃあ取り敢えず、『ここがどこなのか』で」
「……………………恐らく、
ピクリと一護の眉が反応する。
「『死んだ世界』? ……………………あれか? 『ヒャッハー!』の世界か?」
一護の脳内に、モザイクをかけられたモヒカンでトゲトゲの付いた
「『ひゃっはー』?」
「あー…………『胸に北斗七星の傷跡』?」
今度はモザイクのかかった上半身の服を自ら破りながら『ユリアァァァァァァァァァァァ!』と叫ぶ男性が一護の脳内に浮かぶ。
「『胸に北斗七星の傷跡』? 誰だ?」
「なんでもねぇ……てかさっきからな~んかはぐらかされているような気がするんだが?」
「そうだな……その通りだからな」
「あーそうですか────え?」
一護はチエを見ると、心なしか彼女が少し気弱になっているように思えた。
彼の単なる気のせいかも知れないが。
「……ええっと? 今、俺を肯定したのか?」
「なんだ、その信じられない目は?」
「「……………………………………………………………………」」
ジト目同士、互いを見ていると次第にチエが視線を先に外す。
「分からん。 『アレ』が何をしたかったのか、果たしてこれを狙っていたのかが……」
「未だにあいつを『アレ』呼ばわりかよ」
「『アレ』は
「『器』?」
≪これは『崩玉』などという
「……藍染が『聖杯』と呼んでいたアレか?」
「違う」
『器』と聞いて、藍染の言葉を思い出した一護が問うとチエが首を横に振る。
「『願望機』……お前たち風に合わせると、『崩玉』はそれの亜種だな。 『アレ』は元々、今よりもっと大きなモノだったが
「………………………………」
そばにいた一護が黙っている間、チエはそのまま言を並べていく。
「前は自分を『三番』と自己紹介をしていたが……突然ある日、『自分をこれからは三月と呼びなさい!』と言われた時は『ああ、いつもの気まぐれか』と思ったが……霊王宮で見た『アレ』も間違いなく『三番』だった。
もしそうだとすれば……私たちが知っていたのが何なのか問いただそうにも、動力源が抜かれた今、直接聞くことは出来ない」
思いもよらなかった返答と内容を一護は理解をしようとして、感じた引っかかりをそのまま口にする。
「……あー、それで……さっき言った『大きなモノ』とは?」
「……
「……………………………………」
どこから割り込んでいいのか分からない様子だった一護に(これまた疑問形とはいえ)とんでもない返答が返ってきたことで場は黙りこんだ。
「チエ」
「なんだ一護?」
「……お前の冗談は、相変わらず冗談に聞こえないな?」
一護は昔からの付き合いからか、冗談を言うことに慣れていないチエに忠告を兼ねた問いをする。
「(
彼自身、チエの言ったことが上段と思いたいような願いを込めて上記の言葉を言ったらしい。
「私は冗談を言ったつもりはないのだが?」
「………………………………いや、『創造神』って要するに『神様』のことだろ?」
「お前たちからすればそうだな」
「……………………………………………………だって三月だぞ?」
一護が脳内に浮かべたのは見た目に反して大食いかつ目立つことを嫌うが故に目立つわんぱく器用貧乏な帰国子女風でマセた生意気な金髪少女。 ←ここぞと思っての言いたい放題
「そうだな」
「…………………………………………………………………………………………………………」
一護もついに放心したのか、初めてドルドーニと出会った時より更にホゲ~っとした呆れ顔をする。
同じ時期にネルが出した以上のモノと言えば伝わるだろうか?
「顔芸が上手くなったな、一護」
「誰のせいだと思ってんだよ?!」
「誰のだ? けしからん奴だな」
「お前だよ?!」
「ワケがわからん」
「お、おま?! ワケ?! ヌガァ~~~~~~~~~!」
割とシリアスな話題に切り込んだはずの一護は、悪い冗談染みた返答を
夕焼け風の空に、幸いカラスは飛んでいなかった。
ただ時々、風が吹いているのか吹き続いていないのか分からない程度の乾いた空気の流れだけがあった。
…………………
………………
……………
…………
………
……
…
「えーっと? 話をまとめるとだな?」
あれからどのぐらい時間がたったのか分からない後に、自分の問いにチエが返答した情報を一護が声に出してまとめようとした。
「つまり三月は『創造神』……の一部?
である日、彼女の様子が変わったと思えばチエを殆ど無理やりに『バカンス』とやらを体験させる為に色々な場所に連れていかれた?
そしてその場所は他の世界を指していると?」
三行。
たった三行だが、それだけで一護の認識や常識を根本から覆すようなインパクトを持っていた言葉だった。
彼自身がつい最近、経験したのを含めても。
「ああ……どうした一護? 顔を両手で覆って?」
「………………………………………………………………………………………………」
そしてそれを平然と肯定するチエの横に無言で顔を手で隠して声にならない静かな溜息をする一護。
「じゃあその……お前は何なんだ?」
ここで彼女を『長く知っている』と思っていた一護が今にして思えば目の前の彼女がどれほど異常な存在なのかを、身を持って何らかの形で体験した彼がここで口を再度開けた。
「………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………私は……
長い撃沈の末にチエが言った返答は、以前に似た問いをひよ里にされたときと同じだったが、彼女にしては歯切れが悪い上記の言葉が出た。*3
「………………」
まるで彼女の撃沈、あるいは重苦しい空気が感染したかのように黙り込む。
新しい環境。
新しい情報。
新しい認識。
上記を要因たちは決して少なくはない
疲れな抜けないので久しぶりにプレステ2のレッドデッドリデンプション作動してきます。
読者の皆様も体に気をつけてください。