活動報告でも載せましたが他作品を読まなくても『ばかんすを気ままに』を楽しめるよう書いたつもりですが、流石に前作や前々作やそれらがベースにされている原作を読んでいない方たちに序盤で説明も何もないままだと敷居の高い作品という声を頂き、心に響いたので第0.5話 『ネタバレ含む資料編』投稿してみました。
前書きが長々となってしまいましたが、これで少しでも『ばかんすを気ままに』をより楽しんで頂ければ幸いです。
余談ですが久しぶりに曲を聴きながら書き上げました。
『MS IGLOO』の『ユメワダチ』、やっぱりいいですねぇ~ (*´ω`*)
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チエ 視点
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ギィィィン!
耳鳴りをさせる勢いのつんざく音が鼓膜を襲う。
ガァァン!
ガリガリガリガリガリガリ!
刀と刀がせめぎ合うと、鍛冶でナマクラを打った時のような火花が周りに撒き散らされる。
何故だ?
何故、押し切れん?
それに身体の動きにも違和感がある。
何をされたのだ、私は?
「不思議そうね? 確かに貴方はまごうことなき強者よ?
でも……
「ッ」
胸のざわつきが顔に出たのか、『三号』の顔がニヤリとしたのを見て、刀を受け流してから胴体目掛けて切っ先を突き出す。
「どこかで察していたんじゃないかしら?」
『祈りを捧げた』だと?
私がか?
もしそうだとしても、私は一体
突き出した切っ先は相手を捉えることなく空振りに終わるが『三号』は自分の髪の毛を抜いてそれらが糸状の小鳥になって光弾を撃ち出す。
カッ! カ、カカカン!
「(そんなことよりも今だ。 これは、魔術か? いや、魔術の術式を霊力に変えた別物か)」
それらをチエは刀で払い落としていき、数が増えて払い落とせなかったものを避けながら横へと移動する。
ヒュッ!
カァァン!
「ッ」
ボッ! ボッ!
その際に他より少々大きな光弾を払い落とそうとして、チエの刀が弾かれて第二、第三の光源が彼女の右腕と肩を抉る。
「グッ! (今のは────)」
「────『霊丸』、って呼んでいたかしら? 使いやすくて助かるわぁ~。
右腕と肩の開いた傷口から血が流れ出るが、チエは伴う痛みと共にそれらを無視する。
「(やはり、『三号』なのか? ならば
「────考え事? 余裕ね」
ヒュン!
気付けば耳元で
「アッハハハ! 私はこっちよ!」
だが一瞬だけ遅れたことにより彼女の軌跡は何も捉えず、『三号』は笑いながら水の中から湧き出てくる無数の歩く死人たちの背後へと隠れる。
「(逃がさん!)」
そう考えながらチエは一層強く、刀を握る手に力を入れる。
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黒崎一護 視点
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『ここからは、私一人で十分だ』。
そう言った馴染みの背中を、俺は立ち尽くしたまま見送ることしかできなかった。
動きたくとも、さっきまで軽かった足に鉛でもくっつけられたかのように重くなっていた。
『ガッカリしていない』、と言えばウソになるが……
それ以上に理解が追い付かなかった。
今までもアイツは……チエは突拍子もない行動に出ることはあったが、さっきのように突っぱねることなど無かった。
それに、メロン……じゃなくて雛森って言ったっけ?
元とはいえ、彼女も部下だった筈だ。
そんな彼女を使った後に、切り捨てるかのようなことも初めてだった。
らしくなかったな、全然。
「あの野郎……
そういえばここに冬獅郎もいたんだな?
「日番谷だ。 何度言ったら分かるんだ黒崎?」
「あれ? 俺、声に出していた?」
「目を見りゃ分かる。」
「それに、さっきの『また』ってどういうことだ?」
日番谷が怪訝な面持ちで俺を見る。
「アイツ、お前に言っていなかったのか?」
「だから何のことだよ?」
「……アイツ……マジで『独り』で抱え込んだのか……よし、お前に話してもいいだろう。 アンタ達にもだ」
冬獅郎がブツブツと何かいい、そこから俺と『仮面の軍勢』たちに日番谷が話したのはチエが隊長代理をし始めた直後。
その内容はまぁ、一言でいうと『無茶苦茶』。
何せ五番隊を急に初日で招集し、煽いだだけでなく挑発して席官を素手でぶっ飛ばしたらしい。
しかもそれが一部だけで、根底から隊としてのやり方を一掃して変えていった。
いや、アイツ……マジで何やってんだ?
噂程度に聞いてはいたし、チエも何となく話して来たから予想してけど……
今なら三月の気持ちがほんの少しだけ分かるような気がする。
「なんつー強行や……アホかアイツ?」
平子も呆れているようだ。
「まぁ、最後まで聞けよ。 俺、アイツにそれとなく言ったんだよ『やり方が無茶苦茶だ』*1ってな?」
冬獅郎がチラッと俺のほうを見てから話を続けた。
「アイツ、なんて返して来たか知っているか? 『半端な強さなど無いに等しい』だとさ。」
「それにしても過激だ。 嫌われるぞ。」
ローズの言葉に内心では同意しているかのように冬獅郎は肩と手を『お手上げ』と示す。
「ま、その通りだけどよ? アイツ、こうも言ったんだぜ────?」
『このままじゃ死人が出る。 もし五番隊の奴らがこれで私を“悪”と見なし、強くなるのなら私は進んで“悪”と言う肩書きを背おう。 隊長代理だからな。』
皆が無言になったことで辺りの静けさより引き立った。
それぞれが複雑な心境だったんだろう。
それもそうだ、俺だってそうなんだから。
けど……それじゃあ
今思えば、点々とした小さな出来事が、俺の中で繋がっていく。
昔からアイツの突拍子もない行動が『ワザと嫌われる』ことを前提にすれば、全部が分かるような気がした。
でもそれじゃあ……アイツはまるで────
「────だぁぁぁぁぁ! 何しとんねん、あのクソハゲェェ!」
急にひよ里が自分の頭を掻きむしりながら叫び、一気に奇怪なものを見るような視線を集めたが彼女はそれを一向に気にせず叫び続けた。
「昔からなんべんも『根詰めたらあかんで』*2ってしたくもない心配から言うてんのに、何アイツ勝手に自ら根つめとんねん! いっぺんシバけへんと気が済まんわ!
なぁぁぁにが『一人でええ』や?!
なぁぁぁにが『外に居とけ』や!
一匹狼を気取ってからにかっこつけやがって生意気やねん!」
鼓膜が破れそうな怨霊と見た目に反して大きい肺活量で叫び続けるひよ里は俺らを全員の顔を見渡す。
「そう思いへんかお前らぁぁ?! なぁ?!」
「…………しゃ-ないなぁー。」
面倒臭そうに先に頭を掻きながらぼそりと声を出したのは平子だった。
「ん? 行くのん、ヒラコン?」
「誰がヒラコンやねん、アホマシロ。 今のひよ里、ほっといたら自分一人でも行く気満々やろ?」
「当たり前やクソハゲ真子!」
「ま、せやろなぁ~。 んでそれ知っといて『はいそうですか後は任せた』で結局帰ってこうへんかったら自分が凹むからな」
「く、クソハゲ真j────?」
「────それってチエのことだよな?」
「当たり前や拳西、他に誰がおんねん」
ヒュッ!
バシィン!!!
若干頬を赤らませながら自分の耳を疑うような顔するひよ里の言葉を拳西が割り込んで平子が即当するとさっきよりさらに巨大な青筋をこめかみに浮かばせたひよ里はすかさず回転をつけたスリッパ蹴りを平子の後頭部にお見舞いする。
「ぐほぉあ?! 何してんねんこのボケェ?! 今星が散ったで?!」
「うるっさいわクソバカハゲ真子! お前に一瞬でも期待したウチがアホやったわ! ……なんやねんその目はぁぁぁぁ?!」
「「「「イイエ、ナンデモ」」」」
ギャラリーにいた他の『仮面の軍勢』や俺と冬獅郎含む
「ホッホ。 やっぱり師匠はどこまで行っても師匠じゃよ」
「やはり、総隊長殿の話したような方でしたね。」
「って総隊長の爺さんに狛村さん?!」
「うーん、一匹狼か~。 ボク、嫌いやないね♪」
「市丸まで?!」
「やはり陛下と呼ぶにタフですね。 良いことです。」
「ロバのおっさんたち?!」
「ブハーハッハッハッハッハッハッハ! ろ、ロバのおっさん!」
「グ、グリムジョーたちまで?」
さっき俺が『皆』と思ったのはやっぱり見間違いじゃなく、瀞霊廷の皆や破面に滅却師たちもいつの間にか穿界門をくぐってここに来ていた。
「うーん……やっぱり僕たちって、先生みたいにジッとしていられない
「それだけ似た者
京楽さんの見ていた先では、マイさんを除いた三月たちもいた。
「まぁ、ボク達にしたらそもそも『身内の恥』みたいなものですから~。」
「ここでも
「じゃあ
「……いや?」
ゴチン!
「イデェ?!」
「なに一瞬迷っていたんだこの戯けが?!」
「して、黒崎一護。 お主はどうするつもりじゃ?」
総隊長の爺さんが片目を開けながら俺を見る。
「え? どうするって……そりゃあ────」
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チエ 視点
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チエは自分を襲う攻撃を時には躱し、時には受け流していた。
「(まだだ、まだ────)」
────ドンドンドンドォン!
チエの耳が次に聞こえてきたのは銃声に似た発砲音と、『弾丸』と思われるそれらが自分の体の数か所へと当たってえぐる感覚。
「グァ?! (あれは────)」
「────どう? 彼そっくりでしょう? そっくりも何も、『彼自身』なんだけれど♪」
『三号』が満足そうに横目で見ていたのは二丁の拳銃を構えた
かつて私に対して闘争心を露わにし全力で抗い、今の私が『宿敵』と呼べた数少ないもの。
そんな彼が傀儡されていることが、私には我慢ならなかった。
「ッ! 貴様────!」
────ドスッ!
「ガッ?!」
これを見たチエは珍しくも声を荒げるが、今度は腹に光で出来た槍が突き刺さって言葉が遮られる。
「流石に
チエは左手で刀を口に咥えてから、突き刺さった槍を掴む。
「グ……フンッ!!!」
咥えた塚ごと歯を噛み砕くように力んでからチエは槍を無理やり体から抜き出すと同時に、彼女の口からくぐもった声と血が口橋から出て顎を伝う。
「さぁ、どうするの? 諦める? 勝ち目はほぼないわよ?」
刀を左手で再度掴むと『三号』が口を開ける。
「貴方の勝機はいくらかしらねぇ? 千に一つ? 万? それとも億?」
「だが零ではない。 それは貴様も認めているだろう?」
「ッ」
『三号』の笑みに、奥歯を噛みしめるような力が顔に入っていく。
「貴方に何が分かる? それにその右腕、ほとんどもう使い物にならないんじゃない? ボロ雑巾のようね。」
「それがどうした、『古き神々の一部』よ? なぜ知り尻込む? 露骨な時間稼ぎなどみっともないぞ?」
「ならば来なさい! 一度で死なないのなら何度でも殺してみてあげましょう!」
『三号』が狂気の笑みを浮かべ、チエは彼女の前に立っていたなみなみと居る歩く死人や死んだ筈の破面たちの群れへと飛び込む。
…………………
………………
……………
…………
………
……
…
ザシュッ!
チエの一振りで相手の腕が宙を舞う。
「(前へ!)」
ザパァ!!!
今度は上半身と下半身を斬ろうとして浅かった傷から血しぶきが出てチエの顔にへばりつく。
「(前へ!)」
が、それでも彼女はひたすらに眼前の敵を切り伏せながら前進する。
息を荒くしながら一振りでできるだけ多くの敵を斬り、怯まずに。
右腕が先ほど指摘されたように、ボロ雑巾のような見た目のまま『痛み』という信号を脳へ送っても。
「(前へ!)」
それはまるで、将棋での前進しか能のない『香車』の駒を思わせるような突進。
「(前へ! 前へ! 前へ!)」
そんな彼女の前にヤミー(?)が物理的に立ちふさがる。
「邪魔! だぁぁぁぁぁぁ!」
チエは今まで通りに刀を振るうが、胴体を完全に通過する前に彼女の腕は掴まれる。
ボキボキボキ!!!
腕を掴んだ手に握力がまし、鈍い音がチエの耳朶に届く。
猛烈な痛みとともに。
「ガ、アアアアアアアア!」
今まで無理に抑え込んでいた痛みが波寄せるかのような感覚にチエは叫んだ。
「うん、『痛覚』もやっと戻ったみたいね。 じゃあバイバイ♪」
『三号』の無慈悲にも似た言葉にスターク(?)やウルキオラ(?)などの破面たちが各々の遠距離武器や投擲武器をチエへと向ける。
「ヌ、グアァァァァァァ!」
チエは哀しみをかき消すような叫びを出す。
「放てぇぇぇぇい!!!」
ゴォォォォォォ!!!
鬼道が。
ヒュヒュヒュヒュヒュヒュン!!!
霊子の矢が。
バンバンバンバンバンバンバンバン!!!
銃弾が。
それぞれが雨あられの様にチエの腕を掴んでいたヤミー(?)や歩く死人や死んだ筈の破面たちを一気に襲い掛かり、『三号』は笑みを顔に残したままさらに後退していく。
チエは歯を噛みしめ、自分の出血か切り倒した敵からの血しぶきからの血かよくわからない液体まみれのまま振り向きざまに叫ぶ。
「貴様らぁぁぁ! 何故来たこの戯け共がぁぁぁぁぁ?!」
それはかつて幼少の頃、彼女が黒崎真咲と一護に放ったイラついた叫びに似ていた。*3
無論、今度の叫びは彼女に追いついたと思われる死神、破面、滅却師たちに向けたモノだが。
「このまま師匠を見送ることはこの重国! 到底出来ん! 例え師匠であれともこれは譲らん!」
「重国!」
「それにテメェにはまだまだ聞きたいことがあるんだよ! 死なれちゃあ困るってんだ!」
「グリムジョー……」
「それに陛下がいなければ困るのは私たちもです。 もし死ぬのならその死を有効活用しないと文字通りの無駄死にになります。」
「ロバ────」
「────ロバートです。」
「そうだぜ! グリムジョーの言ったように、チエにはまだまだ聞きたいことがあるんだ! 『はいそうですか』って帰れるかよ!」
「そうだ! そこの馬鹿の言うとおりだ!」
「い……ちご……ルキア………………」
ここで初めていつもは無表情なチエの顔がムズムズと思わず動いてしまう。
だが明確な表情を作る前に彼女は前へと向く。
「この……戯け共が!」
チエは深呼吸をしながら左腕に力を入れて、緊張した筋肉で腕を無理やりにでも動くことを確認する。
「私は前へと進む! 文字通りの地獄へだ! 貴様らは……勝手にしろ!」
チエが前へと走り出すと、背後の者たちは一斉に動き出した。
「ぐ……」
これを見た『三号』の顔は一瞬だけ苦しむかのように歪むが、すぐに笑みへと戻る。
「そう…………そうなの……いいわ!
水浸しの液体の中から様々な者が浮き出て一護たちを迎え撃つ。
その景色はまるでチエと一護を除いて、まるで鏡合わせのような異質なモノだった。
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??? 視点
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そうだ。
その動機が『憧れ』であれ、
『ライバル心』であれ、
『保身』であれ、
『平穏の為』であれ、
それらは全て、『生命を続ける』という目的の糧に過ぎない。
さぁ、私に見せてくれ!
君たちが『生きている』という証を!
私に示せ!
君たちが『
この勢いのまま次話を書いてきます。
タイトルを今更変えるのは不愉快ですか?
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はい
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いいえ
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変えたら不具合アリですぞ
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