あと少々のグロ描写がございます、ご了承ください。
いつもお読み頂きありがとうございます。
楽しんでいただければ幸いです。
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??? 視点
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「こっちや!」
「ちょこまかと逃げ足だけは速いわね?!」
「そらおおきに!」
「やっぱり関西ですね。 煽り方が上手いです。」
「関西もへったくれも関係ないわアネットォ!」
「せい!」
先ほどからツキミとアネットはヒット&アウェイを繰り返す中、カリンが牽制の為に横から槍を振るう。
ガシッ!
「うお?! 放しやがれ!」
だがまるで目が頭の後ろにもあるかのように『三号』は槍を躱し、カリンの腕を掴む。
「
ブチブチブチブチブチ!
「ギ────ゴフ!?」
肉と腱が千切れる生々しい音と今までに見たことのない、青白く変わったカリンの顔色を浮かべる頭に蹴りが入れられ叫びが中断される。
「え、ちょ、待って────グェ。」
ドムッ!
「(アカン、こいつ『
「(『相打ち』に持って行けるかどうかも怪しいですね。)」
ツキミとアネットは反対側の左肩から先を失くしたカリンがリカと衝突し、二人が飛ばされるのを無視するかのようにそのまま『三号』へと攻撃を続ける。
「さぁ、ゆっくりと時間をかけて四肢をもいであげる────ッ!」
ゴッ!
『三号』は上記の二人へと開き直るとカリンと選手交代するかのように、鉄筋入りコンクリートをハンマーのように両手で握った誰かがフルスイングで『三号』の体を殴る。
『三号』はそのままの勢いで吹き飛ばされ、近くのがれきの中へと突っ込んでいく。
「これで終いやったらどれだけ楽か。」
「それは
「せやな。」
新たに表れたのはマイを数年若くしたような女性────
「────私としてはちいs────
「スッゴイ複雑な気分。」
ドゴォン!!!
ゴキゴキゴキゴキゴキ。
「アッハッハッハ! いいわ、いいわ、いいわぁぁぁぁぁ!!!」
瓦礫の中から未だに笑みを仮面の様に浮かべた『三号』は異質な方向へ曲がった首を両手で戻しては瓦礫を飛ばし、彼女と対峙するためにツキミとアネットは機動力を活かしたトリッキーな戦法を続ける。
明らかな時間稼ぎだったのは一護にも伝わり、ダメ押しの様に三月(青年)が彼をちらりと横目で見たので彼はハッとする。
「(見入っている場合じゃねぇ!) おいチエ!」
一護が視線を腕の中で寝息をするチエの方へ向けると意識が遠くなるような、あるいは何かに引き込まれていくような感覚に陥る。
「(クッ……なんだ、これは?)」
だが彼は
「チエ、起きてくれ!」
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■■ 視点
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「【窓】。」
ベッドから立ち上がり、寝間着から着替えながら窓を開ける
外には境界線まで広がる畑で、中でも黄金色でそよ風に揺れる麦が海の波の様だった。
ゴゴゴゴゴゴゴ……
外の景色に魅入られた途端、屋敷が静かに横へと数秒間だけ揺れる。
「何、今の? 『今の揺れ』、『報道』。」
そう誰にとも向けていない疑問をしながら
『────先ほどの小さな揺れに関しましては“龍脈に使う魔法の力を見誤ってしまった”との報告と謝罪の皆が皇国の魔法師団から────』
「(────ああ。 なんだ。)」
そう思いながら服を着替え終え、一階へと出てくると────
「────あ! お母さん、おはよう!」
そこにはテーブルに座り、足をブラブラさせる愛しい娘がニコニコしながら朝食を食べていた姿があった。
「ああ、ごめんね今日遅く起きて。 朝ごはん作るの大変だったでしょ?」
「ううん、全然! お母さんもお父さんと夜遅くまで話していたんでしょ?」
「……ウン、ソウダネ。」
■■は一瞬だけ硬直してからコーヒーを淹れながら上記の言葉を棒読みでいう。
「アハハ! 銅像みたいだ!」
まさか自分の娘が言った、『弟か妹が欲しい!』の願いをかなえるために夜遅くまで起きていたと■■は言えなかった。
「ん? この山みたいな調理器具は……」
■■が見たのは明らかに後片付けを面倒臭がった
ギクッ。
「な、な、な、何のことかなぁ~?」
そしてギクリとしながらそっぽを向く■■の娘。
これで■■は察した。
「
「あい、ごめんなさい……」
そこで■■の娘────イチネはシュンと畏まりながら唇を尖らせた。
そんなイチネを見た■■はムスッとした顔を崩し、イチネの肩に手を置いてから微笑む。
「そこまで落ち込むことはないわ。 ただ、『ごめん』で済まないモノがあるからそう言っただけ。 それが────」
「「────『義務』。」」
■■と声がハモリ、イチネは目をここで合わせた。
「いっつもお母さんが言うことだもん。 でも誕生日プレ────あ。」
イチネは言いかけていたことを両手で口を覆って遮り、■■は目を細める。
「ふぅ~ん? その続きを言ってもいいわよ? 今年は何をお父さんと企んでいるのかしら?」
イチネは口を覆ったままフルフルと首を横に振るい、母親に似た長い髪の毛をなびかせる。
「今日の朝、お父さんはいつもより上品な服を着たわね? 明らかに仕事行きじゃないわ。 それに今の季節にしては温かいほどの厚着だったし……」
■■は自分が言い続ける度にイチネの顔と背中に汗がダラダラと流れていくのを見て、内心ホッコリするのだった。
「ね、ねぇお母さん?! は、早くしないと『トビウサギ』が取れなくなっちゃうよ?!」
「あら、本当ね。 じゃあさっさと食べて出ましょうね? 『サプライズプレゼント』の場所に♪」
…………
………
……
…
「(ニコニコニコニコニコニコニコニコ。)」
「ううう~~~~~~。 お母さんのイジワル……」
「よ、よぉ! こんなところで二人に会うなんて奇遇だな!」
□□がぎこちない、明らかな大根役者のように振舞うがぐったりと項垂れるイチネを見ると道中に母親の■■が何をしたか察したかのような気まずい顔をする。
「あ。 あー……もしかしてバレた?」
「うん……」
「まぁ……勘がいいからな────」
ゴゴゴゴゴゴゴ……
『チエ、起きてくれ!』
イチネと■■が喋っている間、辺りはまたも地震のようにゆっくりと揺れて■■は襲ってくる頭痛に瞼を閉じて痛みが引いていくのを静かに待つ。
「ん? どうした?」
「……いいえ、なんでもないわ。」
■■はただ笑顔を浮かべてから夫と娘の二人と一緒に大きな高層ビルの中へと歩き出す。
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??? 視点
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ドォ!
「グハァ?!」
ほんの一瞬だけ速度を見誤ったアネットは顔を『三号』に掴まれてそのまま地面に叩きつけられる。
「(アネット!)」
三月はよろけながら周りを見ると原型を保ったミニバンに目を付けて走り出す。
「まぁだ分からないのかな? 私が恐れていたのは彼女だけ。 彼女のいない貴方たちはもう死んでいる────」
「(────ぎゃああああああああ、それを言われる相手となるのは精神的にキッツイ! 『痛覚遮断』及び『怪力』常時発動!)」
三月はコンクリートが剥がれて曲がった鉄筋を投げ捨てると、近くで横に倒されたミニバンを掴んではメリメリと前後に無理やり半分に引き裂き始めた。
アネットは鎖のついた杭状の短剣を投げては新たに出現させ、周りに鎖の網を展開し、ツキミもこれを使って更に『三号』のかく乱を試みる。
「(『筋力B』でも……硬い!)」
「(やはり今の状態ではダメですか。)」
だが攻撃へと転じる際に感じた手ごたえで、二人は自分たちが純粋に決定打にかけていることを悟った。
「どっせぇぇぇぇぇい!!!」
ドゴッ!
そこへ先ほど半分に引き千切ったミニバンをボクサーグローブの様に装着した三月が『三号』を横から殴る。
「もう一発!」
ドゴッ!
『三号』が近くの建物に打ち付けられ、砂煙がまだ収まらないうちに三月が追撃する。
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァァァァァァ!!!」
ドゴッ!ドゴッ!ドゴッ!ドゴッ!ドゴッ!ドゴッ!ドゴッ!ドゴッ!ドゴッ!ドゴッ!ドゴッ!ドゴッ!ドゴッ!ドゴッ!ドゴッ!
「死ねぇぇぇぇぇぇ!!!」
三月は全く意図せずどこぞの漫画主人公の様に叫びながらただひたすら殴り、その度に
その様子と必死さが一護に伝えていたのは今、誰が優勢だったのか。
そしてそれは決して彼女側ではない。
「チエ! 帰ってきてくれ!」
これを見た一護はチエの体をもう一度揺すって呼び掛ける。
「このままじゃ、ヤバいんだ!」
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■■ 視点
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■■と□□、そしてイチネが入っていったビルと周りの街並みは明らかに現代より進んだ技術を用いて建造され、それを見たイチネは目を光らせていた。
「うわぁ! すごぉ~い! 本当にお母さんこんなところから引っ越したの?」
「イチネもそう思うだろ? 俺もいまだに信じられねぇよ。」
イチネと□□が■■を見ると彼女は苦笑いする。
「別に……本当は私の両親関連の職業だったし、どっちかというと名誉的な────」
────ゴゴゴゴゴゴゴ……
またも景色が揺れて■■は歩みを止めて回るをキョロキョロと見る。
だが彼女以外に揺れを感じた様子はなかった。
「今の揺れ────」
「────ああ。 今のは地震研究所が何週間も前に予測していたぜ?」
「あ……そう、なんだ。」
■■はそう言い、□□のイチネと一緒にビル内のエレベーターに乗る。
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??? 視点
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ガシッ!
「グッ?!」
「アッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!!」
ゴッ!ゴッ!
ゴッ!
ゴッ!
ゴッ!
ゴッ!
ゴッ!
ゴッ!
「グッ?! ガッ?! アギッ?!」
三月の勢いの乗っていたタコ殴りも突然顔を掴まれたことで強制的に中断され、彼女は『三号』によって近くにあった建物に何度も叩きつけられ傷を負っていく。
さっきまで彼女と戦っていたカリンやリカは明らかに戦闘続行が不可能に近い状態で、アネットにツキミも気丈に振舞っていたが限界も近かった。
それに対し、『三号』は余裕の表れか笑い、傷もさほど負っていないように見えた。
「最初は貴方たちで、次は世界……う~ん、このセリフ言ってみたかったのよねぇ~」
満身創痍の三月を『三号』が首を締めあげながらそう高らかに宣言する。
「(マズイ。 あいつらも限界がきている! どうすれば……どうすればいいんだ?!)」
一護は視線を三月たちに戻すと『三号』がただただ、いたぶる為の攻撃を続けていた。
「(このままじゃ……このままじゃ……皆が……)」
一護は焦り、ついに一か八かの賭けに出る。
「……
それは彼がいつか、月光が照らす夜空の下で聞いた名前だった*1。
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■■ 視点
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「あ、お爺ちゃん!」
「おおお、イチネ!」
イチネは白髪が目立ち始める■■の父親とハグを交わす。
「それに□□くんも。」
「えっと……ご無沙汰しています────」
「────そう硬くなるな!」
「い、いや。 ですが……その……」
「俺はもう隠居した身だ、それに娘を泣かせてはいないし君も頑張って────」
『────ティネ。』
ゴゴゴゴゴゴゴ……
どこからともなく始まる頭痛とともに聞こえてくる声が今までよりクリアに聞こえてきた■■は痛みに瞼を閉じて顔をしかめると同時になんとも言えない、モヤモヤとした心持になる。
次に彼女が目を開けると、■■は不思議そうに周りを見る。
「………………………………」
そのモヤモヤとした気持ちは長らく彼女が持っていたもので、上手く言語にできなかったモノ。
「どうした、■■?」
「あ。 お父、さん……」
「頭、痛いのか?」
「その……
「お母さんみたいにか? お前も知っているだろう? 昔、お母さんもそう
「…………………………………………そう、だね。」
ティ■がはにかむと□□、イチネ、そしてティ■の父親が話に戻る。
この団欒を彼女は見ながら独り言を零す。
「………………………………
タイトルを今更変えるのは不愉快ですか?
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はい
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いいえ
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変えたら不具合アリですぞ
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