白と黒の世界は夢を見る   作:haru970

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お待たせ致しました、次話です。

いつもお読み頂き誠にありがとうございます、楽しんでいただければ幸いです。


第184話 3 World Festivity 2

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『三世界共同文化祭』、(元)瀞霊廷side 視点

 ___________

 

女性死神協会 緊急会議』。

 

 そう書かれていた黒板の前にある教卓のすぐ後ろに伊勢七緒は立っていた。

 

 その姿は『ザ・委員長』である。

 

 彼女の前には線を引かれて消されていたとはいえ女性死神協会のメンバーたち、乱菊、砕蜂、ネム、勇音、清音、やちるは勿論の事、その上にローズ、リサ、(ましろ)、鉄左衛門の姿もあった。

 

「それでは、これより人間たちに私たち護廷の認識を広めるイベントの出し物を各隊が考案したものを提出してもらいます!」

 

「えぇぇぇぇぇ、各隊でやるの~?」

 

「そうです! 明らかに『めんどくせー』という顔をしないでください矢動丸さんに乱菊さん! 私だって何でこんなまとめ役ポジションになっているのか未だに分からないですから!」

 

「それって七緒が普ッッッッ通~に『委員長』属性が盛られているからなんとちゃうの?」

 

 「矢動丸さんも『属性あるある』じゃないですか?!」

 

「リサリサは無理があるよ~。」

マシェロ()の言うとおりだよセブン(七緒)君。」

「……“ジュワ”?」

 

 元仮面の軍勢がほぼ即答で不貞を示し、ネムの頭上に浮かんだイメージはとあるタイムリミットのない光の戦士像だった。

 

 パン、パン、パン!

 

「では皆さん手分けして各隊の出店アイデアを聞いてきてください!」

 

 七緒が手と手を合わせ、脱線しそうな皆の意識を現在へと引き留める。

 

「のちに護廷十三隊全体を回った後、ここに再度集合です! ではひとまず解散です!」

 

 そして恐らく護廷設立以来、初となる『外交に向けての友好会』が用意されることとなる。

 

 それでは、各隊の様子を見ていこう。

 

『心を広くしてくれ』、としか前もって追記しよう。

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

 一番隊:

 

「うむ! ではワシが直々に点てた抹茶を────!」

「────未成年にはノンアルコール物、成人には甘酒なんてのはどうじゃ?」

 

 山本元柳斎の言葉を()()()が無理やり遮る。

 

 老人は以前よりもさらによぼよぼした様子で、ミイラ男にでもなったように包帯を体中に巻いていた。

 

「右之助……お主、そもそも一番隊ではないじゃろう?」

 

 一か月前のあの騒動より少し前に起こった、今では『瀞霊廷絶対防衛戦線』と呼ばれている戦いの後、右之助と卯の花の二人は返り血まみれにしてはスッキリした、清々しいまでの笑顔でひょっこりと皆の前に姿を現した。

 

 というのも、右之助は気を失って卯の花の肩に担がれていたが。

 

「細かいことを気にするな山坊! 酒は歳関係なく、誰にでも受けが良い! 抹茶なんぞ、特にお前が点てた物ならば通の奴しか受けんぞ?!」 ←かなりの偏見あり&下戸に対しての無自覚宣戦布告

 

「皆がお主のような者じゃないと何故わからん、この頭でっかちの死にぞこないが!」 ←正論

 

「なんじゃと?!」

 

 このことに七緒はうんうんと頷きながら、ただ持っていたノートに記入していく。

 

 余談だが彼女の嫌いなものの一つは『苦い緑色の飲み物(抹茶)』であるのが大いに関係していた。

 

 ……かも知れない。

 

「では一番隊はこれで行きます(飲み物類)という事で!」

 

 そのまま七緒は回れ右をし、一番隊の建物を後にしようとする。

 

 ドカ! バキっ! ボカン!

 

 激しく続く打撃音を後にしようと、彼女はツカツカと早足で歩く。

 

「あの、七緒さん?! 『あれ』を放置するんですか?!」

 

 付き添いの清音が『あれ』を指さしで指摘する。

 

 殴り合いを始める山本元柳斎たちを。

 

「ええ、それが? いつもの事らしいですし。」

 

「え、えええええええええええええええ?」

 

「ですよね、雀部副隊長────?」

「────うむ。 だがお酒の────」

「────ええ、期待していますよ────?」

「────ですから予算が────」

「────では撤収です清音さん。」

 

 なおそれを最後に今まで割と静かにしていた雀部の胃がキリキリと痛み出したそうな。

 

 彼にとって、それは日常茶飯事なのだがこの日の境から胃薬の量が増えたのだった。

 

『一番隊、ノンアルコールと甘酒類。』

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

 二番隊:

 

「う~~~~む。」

 

 砕蜂は悩んでいた。

 

「隊長~、いつまで悩んですか? いい加減決めないと前に進めねぇっすよ────?」

 

 ────ヒュ────!

 

「────どわぁぁぁぁ?!」

 

 大前田が間一髪で砕蜂の投げたクナイを避ける。

 

「黙れ。 その油臭い口を閉じろ。 息をするな。 死ね。 死んで大気に浄化されろ。」

 

「(え、ええええええええ? そりゃねぇよ……)」

 

「う~~~~~~む……」

 

 砕蜂の前には猫型のぬいぐるみと、猫型の型抜きが置かれていた。

 

 勿論両方とも砕蜂お手製もの。

 

「……夜一様ならば、どちらを好むのだろうか?」

 

「え。」

 

 砕蜂の言ったことに大前田は呆気に取られた。

 

 何せ彼女が何となく猫ものが好きだというのは薄々感じていたのだが、まさか朝から今までずうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっと悩んでいたのがまさか『出し物』に対してではなく、『夜一ならばどんな出し物を喜ぶのか』だったからだ。

 

「大体、夜一様ってもう二番隊と関係ないって宣言したんじゃ────?!」

 

 ────ヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュ────!

 

「────あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?!」

 

 尚、ハチの巣になることを全力で拒んだ大前田の所為で二番隊の隊長室が投げられたクナイにより穴だらけになった。

 

 大前田が自腹でこれの修理代を払わされることとなるのは数時間後である。

 

「やはり形だけとはいえ、夜一様を食すなど言語道断だ!」

 

 よって出し物はぬいぐるみになったとか。

 

「だから大前田。 すぐにS、M、L、XL、等身大サイズを取り敢えず千個ほどずつ製造しろ。」

 

 「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?!」

 

 がんばれ大前田。

 

 胃薬なら一番隊が貯蓄しているぞ。

 

 理不尽な上司に振り回される同志もいるぞ。

 

『二番隊、様々なサイズのネコ型ぬいぐるみ(黒猫限定)。』

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

 三番隊:

 

「出し物ねぇ~……んー、イヅルはなんかええ考えある~?」

 

「そう、ですね……」

 

「なんで貴方が普通にいるのよ、ギン。」

 

「「え? ダメ?」」

 

「…………………………なんでまるで私がおかしい奴みたいな目を向けるのよ?」

 

「いや~、困った乱菊ってやっぱりかわええもんやな~♪」

 

「……………………………………それで? 何か考えあるの?」

 

「う~~~ん、すぐに出せるかつ量産するものとなると………………やはり食べ物類ですかね?」

 

「せやな……せや! キツネ饅頭とかどや?」

 

「「ブフッ?!」」

 

「んでボクたちがキツネのお面かぶって配ったりとか────」

 

 ────バタン!

 

「あーらら、逃げてもうた。」

 

「うん、そりゃ逃げるよシルバー(ギン)君。」

 

 ローズは吉良と乱菊がとうとう笑いを堪えなくなる寸前に、建物内から逃げ出しながらケタケタと爆笑する様子を苦笑いしながら見送ったそうな。

 

「それはそうと、僕のマスクはエレガントに仕上がるように頼んでおくか。」

 

「せやったらボク、腕のええ職人さん知ってるで!」

 

 以外にも三番隊の空気は今日も明るく、後にローズと市丸が天然のコントを披露していくこととなるのは、別の話である。

 

『三番隊、キツネ型饅頭。』

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

 四番隊:

 

「隊長、この企画をどう思います?」

 

「勇音、次期隊長は貴方なのですからこういうことも決める練習をしておきなさい。」

 

「う。」

 

 四番隊では勇音が髪を下した卯ノ花に案を持ち掛けたが見事に玉砕した。

 

「で、でも私にとって隊長はやはり隊長ですし……」

 

 チラチラと卯ノ花の顔を伺うも、勇音に向けられるのはただただニコニコとした卯ノ花の仮面のような笑顔だった。

 

 卯ノ花はほかの護廷たちのものと合流し、事情の説明を受けた後に隊長の座を辞任した。

 

 本人曰く、『血を見ると無性に人を斬りたくなるので♪』とのこと。

 

「(ニコニコニコニコニコニコニコニコニコニコ。)」

 

 勇音はただ笑顔を自分に向ける卯ノ花に何とも言えない圧力を感じ、

 

「…………………………栄養満点のおかゆ?」

 

 それは彼女が『背が伸びたくない!』と思い、普段から口にしていたものだった。

 

『四番隊、おかゆ(栄養満点の具入り)。』

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

 五番隊:

 

「あ? 五番隊はクッキーや。 クッキーを出すつもりや。」

 

「………………………………意外と普通ですね、平子隊長?」

 

 七緒は純粋に感心したような眼で平子を見る。

 

「こういうもん、適当でええねん。 あとは()()を入れればええ。」

 

「流石関西ですね。」

 

 「せやからちゃう(違う)っつーてるやんか?!」

 

「そう言えば雛森さんは?」

 

 平子はバツが悪そうな顔をしてそっぽを向く。

 

「あ、あー………………なんや体調悪いから寝込んどる。」

 

「???????????????」

 

 平子がさらに気まずい顔をするが七緒はただ?マークを出しながらも記入していく。

 

『五番隊、クッキー(?)。』

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

 六番隊:

 

「六番隊はたい焼きとやらを出す。」

 

 白哉はどこか気まずそうな恋次と、彼の眉毛に似せた刺青を入れた理吉を前にそう高らかにネムたちに宣言する。

 

「………………………………」

 

「なんだ?」

 

「いえ、朽木隊長にしては庶民的なものだと思っていました。」

 

「そして、これがそのたい焼きの型抜きの絵だ。」

 

 ネムが白夜から受け取った紙にはよくわからない生物(?)が描かれていた。

 

「…………………………………………………………………………………………ナニコレ。」

 

 いや、そもそも生物なのかどうか分からない怪しさ満点のモノを前にネムの語彙力は等しく低下した。

 マユリの元で()()()()()を見た彼女も、それほどのショックを受けていた。

 

「私が描いた、『わかめ大使』だが?」

 

「……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………」

 

 ネムの視線はどこか平常運転ながらもどや顔(?)の白夜、そっぽを向く恋次と理吉に移し、また紙へと戻す。

 

「……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………さようですか。」

 

 ネムはただ静かにその髪を折りたたんでからその場を去った。

 

『六番隊、オリジナル生物キャラ“わかめ大使”型のたい焼き。』

 

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

 七番隊:

 

「隊長! 何卒! 知恵を! ワシでは漢らしさをうまく表現できませんッッ!!!」

 

 鉄左衛門が狛村に渡した紙には、デフォルメされた狛村犬が書かれたマーク(シンボル)

 

 それを出し物にする予定である、肉系(男飯)の物に焼印としてつけるのが鉄左衛門のアイデアだった。

 

 だがどれだけ自分の中では漢の中の漢である狛村を漢らしく描こうにも、必ずデフォルメで(可愛く)描いてしまう。

 

『漢らしく!』と気合を入れれば入れる程に、デフォルメで(可愛く)描いてしまう。

 

「フム…………………………この絵の横に、『ワフン!』と書かれた『せりふばぶる』とやらを入れてみては? それにしても、この犬はどこで見かけたのだ鉄左衛門?」

 

「……………………………………………………………………近所で見かけました。」 ←嘘は言っていない

 

 更に絵を『デフォルメで(可愛く)描いてしまった隊長です』とは言えない鉄左衛門の背中を嫌な汗がダラダラとふきだしては流れていく。

 

「そうか………………ではワシが名付けよう! 犬太郎とな!」

 

「た、隊長ぉぉぉぉぉ~~~~~~……」

 

 鉄左衛門のサングラスの裏から涙が出たそうな。

 

 狛村はきっと感動の涙と受け取ったのだろうが、実際は…………………………言わぬが吉とだけここに記入しよう。

 

『七番隊、オリジナルキャラ“犬太郎”焼き入り()飯。』

 

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

 八番隊:

 

「んー、二重箱式の丼に上がちらし寿司。 下が飲み物なんてのは?」

 

「…………………………………………」

 

「ん? どうしたの七緒ちゃんにリサちゃん?」

 

「意外と普通な提案が来たので……」

 

「てっきり『写真集』でも出るかと思ったわ。」

 

「ンフフフ。 二人ともわかっていないねぇ~? こういうのはちゃんと真剣にしないとモテ────」

 

 ────そこで京楽は口を閉ざす。

 

 空気とともに急転化した冷た~~~~い視線を七緒とリサの二人から浴びながら。

 

「…………………………それでは下の層に一番隊の飲み物を入れましょう。」

 

「お? 即採用かい?」

 

「せやな。 んで七緒の名義で提出しよう。」

「ええそうですね。」

 

「え?! 僕は?! 僕の名前は?!」

 

 二人のツリ目眼鏡は彼を無視したそうな。

 

『八番隊、二重箱ちらし寿司(一番隊の飲み物付きコラボ)。』

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

 九番隊:

 

「どうだ!」

 

 檜佐木が誇りに満ちた笑顔で作ったオムレツチャーハンを(ましろ)たちの前に出す。

 

「「「いただきまーす!」」」

 

「ちょっと待てお前ら! これは出し物の参考品だ!」

 

「え~~~~!!! これ絶対に後でケンちゃんが後で独り占めする気でしょ~?!」

 

「アホか白?! するわけないだろが?! ……それはそうと、これをどうやって九番隊と分かりやすくするかだな。」

 

「……そこは『69』と書いた旗を入れればいいのでは?」

 

 拳西と檜佐木があまりにも的中かつ直球な発言をした東仙を見る。

 

「「それだぁぁぁぁ!」」

 

 そしてお子様ランチ九番隊のオムレツチャーハンが出来上がる。

 

『九番隊、オムレツチャーハン(『69』旗付き)。』

 

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

 十番隊:

 

「隊長の『氷輪丸』で出した氷を、その場でかき氷にしましょうよ!」

 

「おい。」

 

「あ、それとも氷像とかも良いかも! 隊長の斬術披露にもなるし、一石二鳥よ!」

 

おい。

 

 日番谷が凄く不服そうな目で乱菊を見続けるが、ここで乱菊のもっともな指摘が返ってくる。

 

「じゃあ、隊長はなんかあります? 出し物にするアイデアとか?」

 

「……涼しい休憩所の提供とか?」

 

「えええええええ?! それって隊長が昼寝したいだけじゃないですか~! それにやっぱり氷以外に芸が無いじゃん!」

 

「芸……だと?」

 

「あ。 だからあの子、隊長のことを『当たらない氷輪丸』なんて呼んだのかな?」

 

 「ちょっと待てなんだそれは?! 初耳だぞおい?! 誰だそれを言ったのは?!」

 

 他に案がなかったために、十番隊の出し物はかき氷(氷輪丸産)となった。

 

 「おいぃぃぃぃぃぃ?!」

 

 余談だが『当たらない氷輪丸』とうっかり(?)口を滑らしたのは面倒くさそうな表情と眼鏡をした少女だとか。

 

『十番隊、かき氷(氷輪丸産)。』

 

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

 十一番隊:

 

「ケンちゃんの頭をしたマネキンにね?! みたらし団子をこうブスっと刺すのー!」

 

「それは、ちょっと…………」

 

 乗り気ではない一角がそう口を挟む。

 

「アハハ! それだけじゃダメだと思うよ!」

 

「じゃあグレグレは~?」

 

「う~ん、串を斬魄刀に模したり……とか?」

 

「あ、なんか面白そう!」

 

「(ホッ。 俺の頭に刺すとかになるかと思ったぜ。)」

 

 なぜか胸を撫で下ろす一角。

 

「後はそこの人の頭にぶっ刺して実際に血を流させて────」

 「────やらねぇよ! 人の頭を何だと思ってんだこのクソガキがぁぁぁ?!」

 

 十一番隊の出し物は『グレグレ』ことグレミィが提案したことで、斬魄刀を模した串を皿木の頭風のマネキンに刺したたみたらし団子となった。

 

『十一番隊、マネキン頭に刺したみたらし団子(斬魄刀風の串付き)。』

 

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

 十二番隊:

 

 「我が隊は毒キャンディーを出すヨ。」

 

「流石です、マユリ様。」

 

 マユリの顔をドアップに迫られてもなお、怖じ気ないネムは彼の言葉をただ肯定する。

 

 いつもの光景と言えばそれまでだが。

 

「飴はリンゴ味の毒を採用するヨ!」

 

「流石です、マユリ様。」

 

「更に飴の中にあるリンゴ味のラムネ板にも毒を含むことで追撃するヨ!」

 

「流石です、マユリ様。」

 

「これで留めと言わんばかりに、棒にはリンゴ味の毒でトドメだヨ!」

 

「流石です、マユリ様!」

 

「フハハハハハ!!!」

 

 この様子を阿近や鵯州を含めた技術開発局(十二番隊)が内心で『ちゃんと食べれるようにしよう』と思った矢先に、部外者(護廷ではない者)の声が聞こえた。

 

『チッチッチ。 甘いですねぇ~。 サッカリンより甘々です。』

 

「んな?! この声は────?!」

 

 ────プシュ~!

 

 デンドンデンドンデンドンデンドン!♪

 

 突然床からドライアイス特有の黙々とした煙が出たと思った者たちの前に、床から少女が腕を組んだ(ガイナ立ち)ポーズを決めながら出てきたのだった!

 

 余談だがネムは更にモクモク感と背景音(BGM)を出すために、うちわを横で片手にもう一つの手にはラジオを持っていた。

 

「────呼ばれて飛び出てハ〜ヒフ〜ヘホ~。」

 

 やる気の無さそうな(平常運転の)様子はあまりにもミスマッチとだけ追記したい。

 

「リックん?!」

 

 出てきたのは他ならぬリカだったことに、技術開発局は複雑な心境になった。

 

 主に『嫌な予感』が増したといえば理解できるだろうか?

 

「マユマユ。 なぜ被験体が────失礼。 群がる羊(被験体)がわざわざ毒キャンディーを口にするまで待たなくてはならないのですか?」

 

「何? どういうことかネ?」

 

「飴のラッピング包装に、肌から吸収される神経毒を塗ればいいじゃないですか?」

 

 そしてその嫌な方の予感は的中した。

 

 「なるほど! その手が残っていたか!」

 

「流石リックンちゃん様です。」

 

 マユリの目がカッと見開き、ネムが彼女を褒める様子を見ていた阿近が横にいた鵯州たちに振り返る。

 

「……………………お前ら。 後で包装は肌が少し痺れるぐらいの神経毒に変えるぞ。」

 

 阿近の言ったことに、マユリたち以外の全員が全力の同意を示す。

 

 なおなぜ彼が完全に毒を包装から抜かないというと、飴自体とは違ってすぐに抜かれたことがマユリたちに伝わってしまうから。

 

『十二番隊、舌がピリピリするガム棒付きリンゴ味キャンディ(毒抜き)。』

 

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

 十三番隊:

 

「う~~~ん……海燕は何か言いたげだね?」

 

「そもそも俺がが何でここにいるかに困惑している。」

 

「またまた~! 海燕副隊長も満更じゃないくせに~!」

「そうだぞ、仲間外れはよくないからな!」

 

「清音、仙太郎……俺ってそもそも『死亡扱い』だよな? もう護廷じゃねぇよ────」

「────そうだ! 海燕の卍解を使って水を霧状にした『休憩所』なんてどうだろう?」

 

「浮竹隊長……」

 

「お、それ良いっすねぇ!」

 

「それだったら十三番隊の隊花をプリントした水筒とかにしましょうよ!」

 

「お前らなぁ………………」

 

 常識人(海燕)は今日も今日とて自由な元(?)隊に振り回されて苦労するのだった。

 

「そんなんじゃ地味だろうが!」

 

「「え?」」

 

 仙太郎と清音が海燕を見る。

 

「水の中に糖分と塩分とかも入れるんだよ! いわゆる『栄養ドリンク』ってな! 十三番隊らしいだろ?!」

 

「「おおおおおおお!」」

 

「それなら俺の知識の見せ所だな!」

 

 訂正。

 海燕も例外なくズレいていたようだ。

 

『十三番隊、栄養ドリンク&スポーツドリンク(隊花プリント入り水筒)。』

 

 


 

 かくして、『三世界共同文化祭』が幕を開けようとした。

 

「ああ、ちなみに僕からのサプライズ企画の提案があるのですが────」

 

 ────それは後で披露するとしようリカ君。

 

 …………………………………………

 え?

『破面sideはどうした』って?

 

 では逆に聞くが、彼らに『何かを出し物にしろ』といったところで返ってくる返答はおのずと分かると思ったのだが?

 

 無論、脳筋戦闘民族に近い彼らとなると────

 

 

 

 

『────虚圏、武道会を開催』と、実にシンプルなものが張り出されていた。

 

 「ハッハッハッハッハー! やっぱ『平和』ってのは性に合わねぇぜ! そう来なくっちゃなぁぁぁぁ?!」




どうでもいい作者余談:

『デウスエクス』、2000年に発売されたものですけどやはり名作はいつプレイし直しても名作ですね。

なお急に温度が熱くなってドロドロに溶けそうですハイ。
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