白と黒の世界は夢を見る   作:haru970

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お待たせ致しました、次話です。

以前申し上げました通りにアンケ-トを出しております。
お手数おかけ致しますが投票にご協力の程、何卒よろしくお願い申し上げます。 m(_ _)m

リクエストのメッセージ等、誠にありがとうございます。

そしていつもお読み頂き誠にありがとうございます。

楽しんでいただければ幸いです。


第190話 Realization

 ___________

 

 チエ 視点

 ___________

 

 チエの発言で三月が顔を覆ってから五分後に彼女はため息交じりに口を開ける。

 

「ハァ~……………………それって、いつから?」

 

「“いつから”と問われば、“気が付いたらそうなっていた”としか答えるしかない。」

 

「………………じゃあ以前と変わったことは何かある?」

 

「(“以前と変わったこと”、だと?) そうだな……あの『ぶんかさい』の後、私は『覚えている』のだ。」

 

「はぇ? それって……記入したりとかしなくても?」

 

「ああ。 今でも考えれば『思い出す』ことが出来るのだ。」

 

「じゃ、じゃあ今まで書いていた日記とかは?」

 

「今まで書いていた物なら片っ端から読み返している。 声をかけられて気付けば時間が既に経っている場合があるのだ。」

 

「へ、へぇ~……」

 

「“以前と変わったこと”といえばそれだけだ。」

 

「えっと……その中に書かれたことって、どんなこと?」

 

「??? 読んでいないのか?」

 

「他人の日記を勝手に読む勇気なんてないわよ!」

 

「書かれていたことと言えば、大まかにその日の出来事や出会った人物に対しての追記だぞ?」

 

「…………………………………………それって『黒崎一護』も入っているのよね?」

 

「というか彼に関しての記入が一番多いな、次には有沢だが…………………………どうした三月? 眩暈か?」

 

 チエの発言でまたも三月が顔を覆った。

 

「ねぇ……貴方がさっき言った“圧迫感”ってどんなものなの?」

 

「“どんなもの”? “圧迫感”は“圧迫感”だぞ────?」

「────じゃなくてそれを言語化するのなら何て言うの?」

 

「……………………………………………………………………………………」

 

 チエが腕を組み、頬杖をつく。

 

「……………………………………………………………………………………わからん。 ただの圧迫感として感じ、さほど気にしていなかったからな。」

 

「じゃあさ? 次は気にしてみて、言ってくれるかな?」

 

「わかった。」

 

 

 

 ___________

 

 ??? 視点

 ___________

 

 その日の学校が終わり、通学路を一護が珍しく茶渡だけと歩いていた。

 

「なんか変だ。」

 

「急になんだ、一護? そりゃ、井上と石田とミーちゃん(三月)とお前の妹は手芸部活動があるし、夏梨は日直がある日だ。」

 

「んで、ここにチエがいないのがな。」

 

「……ああ、確かに変だな。」

 

「それも“変”っちゃ、変なんだけどよ……な~んかソワソワしているみたいなんだよな~。」

 

「そう……なのか?」

 

「ああ。」

 

 茶渡の頭上に浮かぶのはいつもと変わらないポーカーフェイスのチエがキャピキャピとしたバンビーズなどにあれよあれよと引っ張られていく(振り回される)様子。

 

「なぁチャド、さっき夏梨のことを名前で呼ばなかったか?」

 

「う……よ、呼んだが────?」

「────道の真ん中で立ったままどうかしたのか?」

 

「「のわぁ?!」」

 

 背後から急に茶渡の声を遮った声が気配も音もなく近づいたチエに二人はドキッとする(茶渡は同時にホッと胸をなでおろしたが)。

 

 二人の様子にチエが?マークを出し、一護が先に回復する。

 

「ああいや、ちょっと話していただけだ……チエはどうしたんだ?」

 

「“どう”、とは?」

 

「あいつらだよ。 ええっと……チワワ(バンビエッタ)(ミニーニャ)ハムスター(リルトット)に夏のキッチンの冷蔵庫裏で見る『アレ(○ゴ)』に()()絡まれている。」

 

「(一護もとうとうあいつらをあだ名で呼び始めたか。)」

 

 文化祭の後、チエは以前に増して周りから注目されるようになった。

 

 以前も顔も体も整っていたのは周知の事実だったが、文化祭で女子たちによって()()()()手を加えたその容姿が大きなトリガーとなっていた。

 

 更に彼女がBホルダーをしなくなったのも大きい(色々な意味で)。

 

「奴らなら撒いてきた。」

 

「(そして大きいほうの渡辺も平然とそれを受け入れている……)」

 

 更に茶渡が思い浮かべるのは、自分と夏梨が同じようなやり取りをする場面だった。

 

「ま、“撒いてきた”って……まぁいいや!」

 

「(いや、それでいいのか?)」

 

 茶渡は一護のノリが軽いことに疑問を少しは持つが、実は一護はワザとそのように振舞っていた。

 

 というのも、彼からすればチエは余りにも自分を蔑ろに……を通り越し、無関心過ぎるように思えていた。

 

 特に『世界崩壊騒動』で経験したことと、文化祭の夜の後は。

 

 彼が知る限り、おそらくは三月も含めて彼女が人前で『弱音』も『泣く』こともあれが初めてだった。

 

 何せ一護が三月に尋ねたところ────

 

『え? チエちゃんが泣いたり、弱気になる時? ………………………………う~ん、そういうのはちょっと思い浮かばないかな?』

 

 ────そう言いながら彼女は苦笑いを浮かべるのだった。

 

『え?! もしかしてチエちゃんのそういうのをどこかから聞いてきたの?! ……な~んだ、気になっただけか。 え? “なんでそんなに食い気味なんだ”って? だって……チエちゃんは()()()()()だから。』

 

 そんな三月の言葉を思い出したながら、一護は彼女と茶渡が前を歩きながら話すのをボンヤリと見る。

 

 この頃の彼は、皆が持つチエに対しての評価とは少し違う見方をしていた。

 

『関心のない冷めた態度。』

『優秀だが協調性が皆無。』

『頼まれごとを黙々と済ませる一匹狼。』

『表情が薄く、冷たい人柄。』

 

 等々という言葉がチエの周りにいる一般人たちが大体抱いている認識や印象である。

 

『どんな苦境でも一人で立ち向かう。』

『挫けず、怖いもの知らず。』

『強引で、純粋に強くて容赦無しの上に有能。』

 

 これらは死神や滅却師たちなど、彼女の戦い方を見た者たちは評価に付け加えるだろう。

 

 だが一護は知っている。 否、知ってしまった。

 

 強さだけを持ち合わせる者などこの世にいない。

 

 ()()()()()()()()()

 

 彼女の場合は弱さを晒せれる人が居なく、不器用で自分を蔑ろにした強さで誤解されて孤独になっていると一護は彼女のことを思った。

 

 ある意味、彼女とは普通に接した彼だからこそ導き出せた印象で核心に最も近いともいえた。

 

 そんな彼はできるだけ彼女のそばに寄り添い、優しく接することを彼はあの時*1一緒にいた織姫と日番谷と共に決めていた。

 

 日番谷の場合は『他人事とは思えなかった』ということが大きな要因となっていたが。

 

 だが彼は知らない。

 

 その優しさが意外な方向性の変化をもたらすとは。

 

 

 ___________

 

 チエ 視点

 ___________

 

「(なんだ、この胸の感じは?)」

 

 チエは今朝、三月の言われた通りにいつもは受け流す不具合(胸の圧迫感)に意識を向けていた。

 

「(これは……『モヤモヤ』と呼ぶべきなのか?)」

 

 チエがそう思いながら見ていたのは帰りがてらに買い食いをし、他愛のない話をしていた一護と茶渡。

 

 他愛のない話とはこれだけ世界が変わっても何故学校に通うことをしなければいけないことや、卒業後のことなどだった。

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()だった。

 

 いや、()()()()

 

「(そして今度はトゲが食い込むような……『チクチク』と言うのか?)」

 

 一護と茶渡の話を『他愛ない』、『関係ない』と思ってから少し時間が経った頃にチエは歩みを思わず止めてしまう。

 

「ん? どした?」

 

 ドキッ!

 

「ッ?!」

 

 気が付けば、急に足を止めたチエの顔を下からのぞき込むような一護を前に彼女の心臓は跳ねた。

 

「大丈────?」

 「────問題ない。」

 

 ドッ。 ドッ。 ドッ。 ドッ。 ドッ。

 

「そ、そうか?」

 

 全く。 問題。 ない。

 

 チエは己のバクバクと耳朶にまで力強く脈打つ心臓を誤魔化すかのように力んだ声で一護に答える。

 

「な、なら良いが。」

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

 その日の夜、チエは三月にどんな場面で自分の感じたことをそのまま伝えていた。

 

「ということが今日、あったのだ…………………………………………なんだ、顔が痛むのか?」

 

 そしてまたも三月は顔を覆う。

 

「なんでさ……なんでさ……なんでやねん。」 ←本作も含めて二度目の“なんでやねん”

 

「なんでやねん!♪」

 

 座りチエの股の上に座り、抱きしめられていたイチネが楽しそうに『なんでやねん』の真似をする。

 

「私が聞きたい。」

 

「冷静になボケツッコミどうもありがとう……チエちゃん? 貴方のそれは故障じゃないし、心当たりがあるわ。」

 

「そうなのか? どういう病名だ。」

 

「それってもしかしてもしかしたらもしかすると………………………………」

 

 三月は汗を出し、指を組んだ向こう側から緊張感のある声で言を続けた。

 

「………………………………(こい)の病の類……じゃないかしら?」

 

「「…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………(こい)?」」

 

 イチネと知恵が同時に頭をコテンと横に傾げながら明らかによく分かっていない表情を浮かべる。

 

 二人の頭上には池の中などでよく見る(?)(こい)が泳ぐ景色がボンヤリと浮かぶ。

 

「鯉が魚料理に使われる場合もあるが、最近では口にしていないぞ?」

 

「え。」

 

「鯉ってどんな味かな~?」

 

「コリコリとした弾力のある触感だった。」

 

「ちょいまち! チエちゃんって鯉を食べたことあるの?!」

 

「ああ。 やちるがたまに立派な鯉を持ってきてな? 調理できると言ったら食べてみたいとせがんだので作ったのだ。」

 

「お母さん、私も食べた~い!」

 

「そのうちな。」

 

(うち)にそんな余裕ないよ?!」

 

『世界の崩壊』が阻止され、海の表面積が少なくなった現在では海の幸は以前とは比べものにならないほど高くなっていた。

 

「大丈夫だ。 やちるに頼めばどこからか持ってくるだろう。」

 

 鯉の出どころは『やちるが持ってくる』で察してください。

 

 「やめなさい。 朽木兄(くちきあに)がまたピリピリしだすわ。」 ←察した人(人?)

 

「なぜそこで白哉が出てくる? 意味が分からん。」

 

「……………………とりあえず、恋の病とはね? 『特定の相手に好意を持っている』ということよ、多分。」

 

「言っている意味が分からんぞ? というかその言い方だとまるでお前がかかったことに聞こえるが?」

 

「あ、いや、その、だから────」

「────だが大まかに分かった。 つまり私の体がつがい候補を欲しているということだな。」

 

 「ドライ過ぎ!」

 

「よし、ならば“善は急げ”だな。」

 

 「そして極端すぎる!」

 

「だってお母さんだもん!」

 

「そうか。」

 

「お前! お前ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ?!」

 

「お母さん。 おばあちゃんが怖い。」

 

「よし、一度殺そう────」

 「────ぬああああああああああああ?! 待ってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ?!」

 

 チエが刀を抜くと三つの顔色は真っ蒼になり、彼女はジリジリと後退しながら叫ぶ。

 

 ガチャ。

 

「今夜はかなり騒がしいね?」

 

 そこで以前した変装をいたく気に入ったのか、ソウスケマックスが部屋のドアを開けてヒョッコリと頭を入れ、彼を見た三月は心からの叫びをする。

 

 「マックスさん! 助けて!」

 

 ソウスケマックスは部屋の状況を見る。

 

 真っ青な顔色をした三月。

 彼女にしがみついて顔をうずめるイチネ。

 刀を抜いてどうやら怒っている様子のチエ。

 

 そして彼が現状協の仮定を考えるまでの時間は一秒足らずだった。

 

「どう見ても君が悪いよ。」

 

 そうソウスケマックスがニコニコとした愛想笑いで三月に宣言する。

 

 「なんでさ?! なんでそげなこつなっとう?!」

 

 ついに滅茶苦茶な日本語になってしまった三月だった。

 

 尚、その日は何とかチエの理不尽な行動(怒り?)を諫めることに成功はした。

 

「(後日、それとなく他の者たちに聞いてみるか。)」

 

 そう思いながらチエは布団の中で瞼を閉じる。

 

 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …

 

 チエはとある中華料理屋さんにいた。

 

「というわけでひよ理さんたちは、“こいのやまい”とやらがどういうものか知っているか?」

 

「何が“というわけで”か全くわからんねんけど?! ……って、さん付けはもうええ言うてるやろが?! 密着してまうやないかぁぁぁぁぁ?!

 

 ひよ里さんが叫んでからヤケクソ気味に奢ってもらったと思われるチャーハンをガツガツとかきこむ。

 

「『恋の病』……まさかアンタからその言葉を聞くとは思えへんかったわ……………………けど案がない事でも無いで?」

 

 チエは比較的に暇そうな時間の空いている者たちを呼んでいた。

 

「リサはどう思うのだ?」

 

「あれやあれ。」

 

「『あれ』?」

 

「押し倒して〇〇〇〇して既成事実を作ればええねん。 せやったらどんな男でも責任取るしかないやろ。」

 

 リサの言ったことは原作で、竜貴が織姫をからかう為の“アドバイス(意訳)”そのものだった*2

 

 「ブフゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ?!」

 

 リサの言ったことにひよ里が盛大にご飯粒を向かい側に座っていた平子へと吹き出す。

 

「うわ?! 汚いやないかひよ里このドアホ!」

 

 「うっさいわハゲ! てか隊にいとかんでええんかいな?!」

 

「こいつの所為で隊長義務が殆んど流れ動作になってんねん。 んで? お前が『恋の病』なんて単語を出すいうことはなんや? あのちっこい方(三月)が誰かに惚れたんか?」

 

「いや、おそらくは私だが?」

 

「「「…………………………………………………………………………なんやて?」」」

 

「正確には『分からない』。 だからこうして聞いている。」

 

「あ、あ、あ、あ、あ、あ、相手は誰や?!」

 

「ひよ里。 どうどうどう。」

 

 「ウチは馬やないわ、このボケェ!」

 

 バカッ!

 

「グェ。」

 

 その時、急に天井のタイルが外れては平子の頭に直撃して空いた穴から触覚が『ニョキ』っと出てくる。

 

 「「どぅわぁぁぁぁぁぁ?!」」

 

 これらを見てひよ里とリサは思い出したくもないイメージを連想してしまったそうな。

 

「話は聞かせてもらったよ!」

 

「ジゼルか。」

 

「やだなぁ~、『ジジ』で良いって言っているのに~。 あ、ちなみに他の皆もいるよ!」

 

「『恋の病』なんてただ事じゃねぇからな。」

 

「そうねぇ~。 ちょっと興味あるかも~。」

 

「オレはねぇけど……てか今日は予約が入っているって言っただろうが?!」

 

「ドタキャンしろよ、それぐらい。」

 

 滅却師五人衆が加わったことに更にその場はカオスと化したのは言うまでもない。

 

 が、得られるモノはあったようでチエはすぐに行動へと移っていた。

*1
179話より

*2
原作BLEACHの3話より




三月:あ、危なかった……

ソウスケ:大変そうだね?

三月:誰の所為でよ?!

ソウスケ:自業自得(意味深)なんじゃないかな?

作者: _(X3」∠)_ ←湿気と気温で気力がダウン気味

ソウスケ:これはほっといても良いのかね?

三月:まぁ……私たちがどうこう出来るわけでもないし?

ソウスケ:ある意味『母上』より質が悪いね

一勇:だよねぇ~!

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