白と黒の世界は夢を見る   作:haru970

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Middle Childhood - 『尸魂界篇』
第18話 レッスン、初め!


 ___________

 

 チエ、三月 視点

 ___________

 

 浦原商店の前に来た相手にほぼ反射的に挨拶をし始めるジン太とウルルが見たのはニコニコしていたチエと三月だった。

 

「おう、らっしゃ────ってまた姉貴達か」

 

「あ、えと。 お、おかえ────い、いらっしゃい」

 

 肌のツヤツヤした三月とチエが店番中のジン太とウルルに挨拶をされる。

 

「ん~、もうここまでくると『ただいま』でもいいんじゃないかな? もう一つの家族的な?」

 

「こんちゃーす」 ←棒読み

 

 チエへ三月がバッと顔を向け、掛けていた眼鏡がずり落ちそうになる。

 

「あ、あんたまだそのネタ引っ張るの?」

 

「「こんちゃーす」」

 

「しかもしっかりウルル&ジン太に行き渡っているし?!」

 

「なあ、ミーの姉貴。 何が起こってるんだ?」

 

「て、店長達…凄いピリピリしているの」

 

「そうか」

 

 チエがウルルとジン太の頭を撫でて、三月がウルル達の横に座る。

 

「うん、()()()()()()ソウル・ソサエティ絡みだと思う」

 

「それは何となく分かるんだがな~?」

 

「も、もしかして私達を────?」

 

「────分からない。 だから大人たちはそれを調べているんじゃないかな?」

 

「それにもしそうだとして、お前たちに危害を加えるような事があれば誰であろうと────

 

 

 

 

 ────斬る」

 

「「おお~~~~~」」

 

 チエの本気(マジ)な顔に目をキラキラと光らせるウルルとジン太を見て、三月は内心和む。

 

「(う~ん、チエがこれほどまで影響受けるなんて…ちょっと予想外かな? この二人(ウルルとジン太)もだけど。) 私も、二人に何かをしようって言う奴らが居るならあなた達を助けるわよ? 全力で。 マイも勿論、同じ意見の筈」

 

「お、そいつぁ心強ぇぇ!」

 

「う、うん。 安心する、よ」

 

「………………あああ、もう~~~!!! 二人とも可愛すぎ~~~~♡♡♡♡♡♡♡♡♡」

 

「うわ?! ミーの姉貴がまた壊れたぁぁぁぁぁ?!」

 

「えへへへへ~♡」

 

 ジン太とウルルを抱きしめ、頬をグリグリする三月だった。

 

「あら~、皆元気そうで何よりね~」

 

「「マイさん!」」

 

 テッサイに家事を教えることがマイの日課になりつつある中、ウルルとジン太の『母』的存在になって来たマイを二人は大歓迎していた。

 

 

 

 

 

 

 その夜、ルキアの私物は渡辺家から無くなり、一護の部屋に下手な絵と共に置手紙が一通置いてあった。

 

 そこには短く文章が書かれていた。

 

世話になった。 すまぬ

 

 その夜を最後に、『朽木ルキア』と言う人物は空座町から姿と共に多くの人の記憶から消え去った。

 

 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …

 

 夏休み前の終業式後、チエはピリピリしながらも三月と一緒に浦原商店へと向かっていた。

 

「おやおや? お二人さんがバイトのシフトも入っていないのに夏休みに来るなんて、もしかしてアタシが恋しかったとか?」

 

「「それはない」」

 

「あ、お姉ちゃん達だー!」

 

「お! ほんとだ」

 

 浦原がチエと三月の即答にガックリと項垂れて、ウルルが嬉しがりながら三月に抱き着いて来て、ジン太がチエにドロップキックをお見舞いしようとするが空中で両足を掴まれてしまう。

 

「ぐわぁぁぁぁぁ! 惜しい!」

 

「そうだな。 だがまだまだ攻撃の気配を早く出しすぎだ」

 

「お主達も無事だったか」

 

「あ、夜一さんお久~」

 

 黒猫状態の夜一が店の奥から姿を現す。

 

「うむ、今度は『こんちゃーす』とは違うのかえ?」

 

「うん。 今度は『お久しぶり』の略」

 

「まったく、当世も変な語を流行らせおってからに」

 

「夜一殿はこれからお出かけか?」

 

 夜一がチエの横を通る。

 

「あの茶渡と織姫とかいう二人に少し話をつけに、な」

 

「そうか。 時間があれば私達も手伝おうか?」

 

「まあ………まずはあ奴らの返答次第じゃ」

 

 夜一はそのまま歩道へと出ると、浦原が広げた扇子の奥から真剣な顔を向ける。

 

「それでお二人さんは()()()()なのですか?」

 

 それは彼からすれば当然の質問だった。

 

 何せ丁度ソウル・ソサエティから()()()の死神が二人空座町に出現した日にチエ、三月、マイの三人は()()にも浦原商店へ寝泊まった。

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 或いは()()()()()()()()()()

 

「勿論、私達は()()()()味方よ?」

 

「そして昨日は()()として当然の事をしただけだ」

 

「へぇー? ………………お?」

 

 浦原が顔を傾けてチエ達の後ろを見る。

 

 そこには一護が歩いて来ていた。

 

「……………来てやったぜ、浦原さん」

 

「お早い到着ですね黒崎サン」

 

「ウジウジしても何も始まらねえ。 それにここにチエ達がいるって事は────」

 

「────ルキアの事なら忘れていないぞ」

 

 チエの返答に一護がホッとする。

 

「井上がアイツの事を覚えていたから『もしかして』と思っていたが…………と言うか意外と冷静なんだな二人とも?」

 

冷静………ですって?」

 

 三月がウルルを抱きしめるのをやめて一護の方へと振り向く。

 

「ハ、まさか。 冷静を通り越してルキアにキッッッッッッッッッッッツイハリセンの一撃を食らわせないと気が済まないわ♪」

 

 口だけ笑っていた三月の様子に一護の顔が引きついた。

 

「それじゃ、地下へ参りましょうか!」

 

 浦原がパチンと広げていた扇子を閉じて立ち上がる。

 

「♪~」

 

 三月が()()()に歌っていたのには理由があった。

 それはルキアの置手紙だった。

 

『原作』通り、彼女(ルキア)は一護の部屋に「自分は訳があって出ていく、探すな」が書かれていた。

 

 だが一護の部屋とは少し違い、手紙を書くうちに文章の()()が酷くなっていった。

 

 まるで()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 それだけならば、書くのが辛くなったと断言は出来なかっただろう。

 

 ただし、()()()()()()()()()()()の話だが。

 

「♪~(絶対にキツイハリセンの一発を食らわせちゃる!!!)」

 

 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …

 

 一護はルキアをソウル・ソサエティに連れ戻しに来た死神の一人、朽木白哉に魄睡(はくすい)鎖結(さけつ)を再生する為に浦原商店へと来た。

 

魄睡(はくすい)』は霊力の発生源で、別の世界(Fate)風で言うところの魔力生成をする魔力炉心。

 

 そして鎖結(さけつ)は『魄睡(はくすい)』のブースターの役割を補っている(またも別の世界(Fate)風で言う『魔術刻印』か、魔力を備蓄した遠坂凛の宝石魔術と言ったところか?)

 

「あ、あの…よろしくお願いします」

 

 頭を下げて二人分のグローブとヘッドギアをウルルが持ってくる。

 

「ではレッスン1. 彼女を倒しちゃってください♪」

 

「って、あんな子供殴れるかぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「えと、ちゃんと着けてくださいね────

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────でないと死にますから」

 

 一護が返事をするよりも早く、ウルルの姿がブレて、爆音と共に丁度一護が居たところが爆発して砂埃が舞う。

 

「…………………そろそろか────」

 

「────ぬわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 一護は煙の中から飛び出て、ウルルへと向かい、彼女をスルーした。

 

「おおっと挑戦者の一護選手、ミニマム級チャンピオンのウルルへと向かったと思いきや素通りしましたー!」

 

「何だそれは、三月?」

 

 チエが見ると、三月が何処から出したのかアナウンサー風のマイクとサングラスを着用していた。

 

「え? 試合のノリを作ってんの」

 

「そうか」

 

「楽しんでますね、三月サン?」

 

「まぁね~♪ (出ないとブチギレたままになるし~)」

 

「おい?! どうやって着けんだよ、これ!?」

 

「「黒崎サン!/一護!」」

 

 全力で走って逃げる一護がヘッドギアを拾って着けるのに苦戦する姿と声に浦原と三月が同時に叫ぶ。

 

 二人は互いを見てほぼ一瞬の沈黙の後、「ニィー」っと静かに笑みを浮かべて一護へと開き直る。

 

「おでこにこうやってくっ付けて、思いっきり叫ぶんス!」

 

「そうそう! 叫ぶ合言葉は『受けてみよ、正義の力! 正義の装甲、ジャスティスハチマキ』────!!」

 

「「────装・着ッッッ!!!」」

 

「そ、そうか! こうやっておでこにくっつけて────って出来るかぁぁぁぁぁ!」

 

 ドゴォン!

 

 ウルルの追撃を間一髪で一護が躱して、彼は例の詠唱を赤くなりながらする。

 

「う、う、『受けてみよ、正義の力! 正義の装甲ジャスティスハチマキ!! 装着ぅぅぅぅぅ!!!』」

 

「プークスクス……ホントにやっちゃったよ、この人ぉ~?」

 

「ねぇ~?」

 

 テメェらぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

「「イェーイ♪」」

 

 浦原と三月がハイタッチを交わす。

 

「ところで浦原、これは何時まで続けるのだ?」

 

「ん~、最初の一撃を躱したところで良かったんスけどね? 面白そうですからもうちょっとだけ────♪」

 

「────て、店長! あれを!」

 

 テッサイが慌てる様子に浦原達が一護達の様子を見る。

 

「何ですかテッサイサン、そんなに慌て………………ん? んんんんんんんんんんッ?!」

 

 その間一護はヘッドギアとグローブを装着して、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()事に浦原の目が見開く。

 

「ア、アレレレレレレレ?!」

 

「え?! な、何よこれ?!」

 

 かなり予想外だったのか浦原と三月が両方珍しく困惑の声を出す。

 前から受けていたチエ達の指導に『原作』より強い筈のウルル。

 

 その彼女相手に、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「ふむ、やはりフットワークが疎かになっているな。 奴の悪い癖だ」

 

「「「「え」」」」

 

 浦原、三月、ジン太、テッサイの四人がチエを見る。

 

「ど、どう言う事っスかチエサン?」

 

「チ、チーちゃん?! あんた、まさか────?!」

 

「────伊達に幼少の頃から『手合わせ』をしている訳ではない」

 

「(えええええぇぇぇぇ? マジかぁぁぁぁぁ?!)」

 

 三月が見上げ、ウルル相手に()()()()()()を見た。

 

『原作』からほど遠い、()()()()()()()()()()()()()を彼はしていて、自身とウルルの身長差がハンデどころかそれを理解して、手と肘は主にガードする為に使い、膝や足の長さを活かしたカウンターキックなどを繰り出していく。

 

「奴に『命の危機』以外の場合は徹底して使用禁止令を守らせていたからな」

 

(非常に)若干得意げに説明するチエを唖然とした顔で三月が見る。

 

「あ、アンタ何やってんの……………………」

 

 そしてカウンターキック等のおかげでノーマークになっていた一護の繰り出した拳のグローブがウルルのヘッドギアを掠って、バランスを崩した彼女を一護は体格差を利用して押さえ込む。

 

「あ、あのツンツン頭…………ウルル相手に………か、勝っちまったよ」

 

 何と、一護がウルルに勝ってしまったのだ。

 

 しかも傷を負わせずに。

 

「(ええええええぇぇぇ。 こんなのアリなの? ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ぃぃぃぃぃ?)」

 

 そう。 実はと言うとウルル(とジン太)の暴走するのを未然に防ぐ為にも二人(ウルルとジン太)の戦闘の師範&教育係を買って出たのだ(『三月が』だが)。

 

「いよっしゃあぁぁぁ! わりぃな、大丈夫か?」

 

「あ…………大丈夫です」

 

 浦原は目が点になっていた。

 

「……………チエサン? 彼の使っているのは何かの武術ですか?」

 

「そうだ」

 

「にしては流派などが僕にはさっぱりなのですが、何処(いずこ)のか教え貰えませんでしょうか?」

 

「(あ、動転しすぎて本来の口調に戻っている)」

 

「……………………………………私の()()()()()だ」

 

「え」

 

 これには三月がびっくりした。

 

 何せチエは心底()()()()()だからだ。

 これでも()()()()()()()()()の仕方だが。

 

「どんなもんだ、チエ!」

 

 一護が得意げにウルルと戻ってくる。

 

「足の動きが鈍い。 躊躇し過ぎだ。 それに改善すべき点はまだまだ山ほどある」

 

「え、マジかチエ────」

 

 一護の顔がチエの指摘に引きつき始める。

 

「────だが『()()()()()()()()』とだけ言っておこう。『及第点』という奴だ」

 

「ッ?! チ、チエが()()()?!」

 

「何だその言い草は、三月?」

 

 一護は無言で両手を天井へと上げて達成感を噛み締めていた。

 

 閉じた目と口がプルプルと震えていたので、人前でなければ盛大に泣いていただろう。

 

 ちなみにグランドフィッシャー戦後、一護は空手を辞めず、ずっとチエや竜貴と手合わせを続けた。

 その中で「空手だけでは足りない」と思った一護はチエに更なるお願いをしていた。

 

「俺に武術を教えてくれ!」と。

 

 そしてチエは真っ先に条件を出した。

『命の危機が無い限りは他の人前で必ず使用しない事』。

 特訓は実戦式で「技や技術は自分なりに考えて私から盗め」と突き出されていた。

 

 一護はこれ等を了承して最初の数年は数秒間しか持たなかった。

 が、徐々にチエに食い下がって行き、今では()()()持つ事が出来るようになった。

 その努力の影響があったのか、空手()()を使っても、竜貴と良い勝負が出来るどころか、その気になれば思わず()()()()()()ようにまでになり、勿論そんな事になれば竜貴はいじけるかも知れないし、空手の道場や親達が変な期待を寄せて来るかも知れない。

 

 故に一護は『手加減』さえも知らずの内に会得していた。

 

「浦原さん! これで十分か? 俺にこんな子をまだ『殴れ』って言うんなら、次はあんたを殴るぜ!」

 

「……………あ、ああ! 大丈夫ッス! 間違いなく黒崎サンの勝ちですよ! 次のレッスンは今のよりかなりきついッスよ?」

 

「上等だこらぁ!」

 

「では────」

 

 何時の間にか近づいたテッサイが斧を使って、プラス状態の一護の胸から出ていた因果の鎖を断ち切った。

 

「んな?!」

 

「────レッスン2、開始です♪」

 

「(あ、これ絶対さっきのどんでん返しの仕返しも兼ねているな)」

 

 落ち込むウルルを慰めていた三月が『原作』より酷い、地面に突然現れた穴の中への落ち方をする一護を横目で見ながらそう思った。

 




三月:ゲスな貴族にお茶会?!   

弥生(天の刃体):揺れる巨乳と棍棒?!

マルタ(バカンス体):そして仕事から逃げる上司?!

三月/弥生/マルタ:次回、第19話 『ソウル・ソサエティと鬼道の機密事項』! お楽しみに♪

作者:ふがー!

チエ:………………何故作者が縛られて猿轡をされているのだ? それに今のは何だ?

三月/弥生/マルタ:アニメ風の次回予告。

チエ:そうか

作者:んがー! (納得するなー!)
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