白と黒の世界は夢を見る   作:haru970

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何とか次話投稿、お待たせしました!

仕事がががががががが


第21話 嘘は言っていない…一応

 ___________

 

 ??? 視点

 ___________

 

「────うああああああああああああああああああ!!!」

 

 視界を埋め尽くす刀達が一護の眼前まで来ると、彼は無駄だと思いながらも『斬月』を盾にしながら瞼をギュッと閉じ、飛んで来る己の死(痛み)に身構える。

 

 刀達の刀身が次々と地面に突き刺さり、暴風にも似た風が周りの響きと共に連打する。

 

 それが続く事数秒。 

 

 一護にとっては数分とも感じられる出来事が突然止まった。

 

「……………………………………………………………………………………?」

 

 恐る恐る目を開け────

 

「────てい♪」

 

 バシィン!

 

 ────ようとした一護の頭に(正確にはおでこに)強い衝撃が生じ、彼は目をチカチカと星が散りながらも後ろへとよろける。

 

「……………いっっっっっっってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ?!?!?!?!?!」

 

 彼は(おでこ)を両手で覆いながらデコボコになった地面の上を転がる。

 

「一護、あんたねぇ……………普通、生死を掛けた戦いで目を瞑る?」

 

 腰に両手を当てながら呆れる三月を一護が睨む。

 

「マジで死んだと思ったんだぞ、コラァ?!」

 

「それでも、()()()()事は大事ッスよ黒崎サン」

 

「浦原………」

 

 浦原が顔を半分『経・験』の文字を書かれた扇子で隠しながらカラコロとする下駄で二人に近づく。

 

「黒崎サン、彼女(三月)が今使った技………どう思いましたか?」

 

「どう、って…………」

 

 浦原の持っていた扇子が「パシン」と閉じられ、彼の真剣な表情を見て一護は息を呑む。

 

「彼女の使った技は突然の事ですが……………ハッキリと言います。 ソウル・ソサエティの死神達、()()ほぼ全ての隊長格が全員あれ()()のような事を平然と行えます…………何も大技はあなただけの特権では無いのですよ、黒崎サン?」

 

 一護は周りを見る。

 

 岩々などがポツポツと痩せやつれた木々と共にあった地下の訓練場は空のペンキと以外は平らで殺風景な景色だったのが、今は地面が至る所で衝突によって形成された小さなクレーターで埋め尽くされていた。

 

 それはさながら()()()()()()()へと変わった。

 

「ただし三月サンとは違い、彼らは確実に侵入者である貴方を殺しにかかってきます。 手加減や寸止め無しで」

 

 浦原、一護、三月の三人が居る場所を中心に丁度()()1()()()()()程の場所は無傷だった。

 

「………………さて、続けてください」

 

「は?」

 

「一護……………私の技を少し考えてみて、口に出してくれる? ()()それで良いから」

 

「……………………」

 

 一護は出来る限り思い出しながら考える。

 彼もさっきの浦原と三月の態度で察したからだ。

 

 これはルキアを取り戻す為に、これからソウル・ソサエティに乗り込む『演習』。

 そしてこれは『戦いの最中に初見の相手の能力をどう見抜くか』の場と機会を()()()()作ってくれたのだ。

 

「………………………なぁ、さっきの『れいけん』っつー技は石田の奴と同じなんだな?」

 

「うん、そうだよ?」

 

「(つう事は、『霊子の剣』………ってところか)」

 

 だがさっき三月が放った技の刀達は宙を舞い、一護を攻撃した()()()()()()()()()

 

「(つまりさっきの刀と『霊子の剣』────もうこの際『霊剣』で良いや────は別モノ)」

 

 しかも刀は気付いた頃には突然三月の手の中にあり、次に気付けば()()()()頭上から────

 

「────まさか、()()()()()?」

 

「おお~」

 

 三月がパチパチと拍手をする。

 

「(へぇ、黒崎サンも若いと思いましたが……案外順応していますね、結構結構)」

 

 実はこれ、数年手加減が()()()()()()()()()チエと手合わせしていたから一護の頭が回っていた部分もある。

 

 なにせ、何が起こったのか一護が説明出来るまで延々と同じ技や動作でチエにコテンパンにされるのだから。

 

「まぁ、な。 最初の二、三本から急に60や70本が雨の様に降ってくる間の時間はそう無かった。 つまり、あの最初の襲ってきた刀は『時間稼ぎ』ってところか?」

 

「あとは『意識を逸らす』って意味も有ったかな?」

 

 反応の薄い、三月の答えに一護が半笑いする。

 

「不正解かよ」

 

「合っているよ?」

 

「その顔は俺が『不正解』の答えを出した時する奴じゃねえか」

 

「じゃあさ、刀が増える前に()()()()()()()()?」

 

「何って、そりゃあ────」

 

 そこでハッと(一護)は気が付く。

 あまりにも突然の事だったので、完璧に意識の外に出ていた事に。

 

「(って、そこだけじゃねえだろうが?! 馬鹿か俺は?! どうやって刀が突然現れて、何で()()()()()?!)」

 

 また考え込む一護を見ては三月がクスリと思わず笑った。

 

「(ほんと、世話の掛かる『弟』………ううん、『孫』みたいね)」

 

 浦原はと言うとずっとこの様子の彼女を見ていた。

 

「(末恐ろしい。 さっきのは『卍解』にも引けを取らない技の筈なのにこうもたやすくボクの前に晒した上に、黒崎サンに()()()()()()()()()()()()()()()()()()()…………恐らくは────)」

 

「────ギブする?」

 

「もうちょっと待ってくれ!」

 

「技の名前くらい聞いてもバチは当たらないわよ?」

 

「いや、それは良い。 確か『てんきあめ』…………だったよな?」

 

「おお~。 一護にさらに5ポイント追加。 他は? 他は~?」

 

 何処となくウキウキする三月は見た目相応な空気を出していた。

 

 だが結局一護は後悔しながらギブアップを宣言した。

 

「…………すまん、分からねえ!」

 

「では『店長』の解析、お願いします!」

 

「う~ん、そこでアタシに振りますか。 そうですね………黒崎サンは必死に刀を弾いていたので気付いていないみたいなので…………まず、微小ですが刀から三月サンの霊圧が感じ取れましたので、恐らくは遠隔操作系の能力を使ったのでしょう」

 

「うんうん」

 

「そして次にその刀達を巧みに操っている間に恐らくは『()()』と共に詠唱を開始。 そして徐々に()()が上昇すると共に刀の()が実体化を次々にしました」

 

「うんうん♪」

 

「最後に、黒崎サンの張りつめた意識…………つまりは緊張感に()()()逃げ道を作り、誘導し、その隙を突いた……………と言った所でしょうかね?」

 

「はい、合格です『店長』! 浦原選手に70点!」

 

「え? 70点だけッスか? 90は行くかと思ったのですが………………厳しくないですか?」

 

「フフン、今ので90点いっちゃったらこれからどうすんのよ? まだまだ有りますですよ?」

 

 三月が伊達眼鏡をクイッと、まるで教師の様に直す。

 

「それもそうッスね! はっはっは!」

 

「と言う訳で、後でマイの写真集を────」

 

「────いえ、そんなモノより夜一さんのを────」

 

 一護は意気投合し始める二人(三月と浦原)を唖然とした表情で見る。

 

 確かに浦原は第三者として先の出来事を見ていた。

 だが先程の説明を戦いの中で出来るような人物とも、『斬月』を手に入れる前に折れていた斬魄刀の解説などで理解していた。

 

 そして自分(一護)のレベルにワザと合わせたであろう三月も惜しみなく()()に自分に付き合ってくれている。

 

「…………強く…ならねえとな、俺」

 

「そだね~、でないと()()の事護れないもんね~?」

 

「あぁ、だから少し待ってくれ。 直ぐにお前達全員を護れるくらい強くなって見せてやるよ」

 

「はひゃ?!」

 

 一護をからかうつもりで放った言葉に彼の真面目な顔と答えが返ってきた事に思わず変な声を三月が出す。

 

「おやおや、スミに置けませんねぇ黒崎()()

 

「次にリサがブツを置くデッド・ドロップ場所は外の軽トラックのガスタンク────ムギュ」

 

 浦原は瞬歩を使って三月の口を閉ざす。

 

「ささ! ウォームアップ(準備運動)はこれくらいにして、次は僕と戦ってもらいます!」

 

 必死になりながら冷や汗をダラダラと流す浦原の手を剥がしてから一護に注意の言葉を三月が掛ける。

 

「ああ、一護。 これから私、チエを呼びに行くから戻るまで死なないでね♡」

 

「お、おう?」

 

「いやいやいや、それほどでも~」

 

 あっけらかんと笑う浦原を三月が指差す。

 

「この人、本気で一護の事を殺そうとすると思うから。 チーちゃんよりマシかも知れないけど…………………………気を抜くと死ぬわよ?」

 

「ま、彼には先に『奥が知れない敵と戦う厳しさ』に慣れてもらった方が早く強くなれますからねぇ」

 

 悠々と本人のいる前でどれほど酷い目に合うかもしれない事を喋る 教官達を前に、一護の顔が引きつく。

 

「お、お手柔らかに────」

 

「────申し訳ありませんが、只今当店にそのような品は置いてありませんッス♪」

 

 浦原が笑みを浮かべながら杖を斬魄刀へと形を変えさせる。

 

「じゃ、30分間粘ってね一護♪」

 

「え? 一時間じゃないんッスか? アタシ結構ストr────じゃなくて『教える事』があるのですが────」

 

「────じゃあ45分で」

 

「ハイ分かりました」

 

「…………………きゅ、休憩は?」

 

「「勿論実戦にはそんなモノはナシですので♪」」

 

 またも気が合う二人(浦原&三月)

 

 

 尚、きっかり45分後に地下へと戻って来た三月は一護同様疲れた顔をしていた。

 

「あれ? お早いお帰りで♪」

 

 一護は体中から汗を流し、荒い息遣いをする自分と疲れている様子が重なる三月を見ながら口を開けた。

 

「そ、そっちは…………どうしたんだ?」

 

「ああ。 うん。 ちょっとね」

 

「何かあったのか?」

 

 チエを三月がジト目で見る。

 

『あんたの所為でしょうが?!』

『どういう事だ?』

『あんた、あの二人に有る事無い事伝えたじゃん?!』

()()()()()()()()()?』

 

 これに三月は頭を抱える。

 そして浦原と一護からすれば突然の頭痛で顔をしかめるような動作だった。

 

 簡潔に説明すれば、チエが織姫とチャドに前回伝えた事は────

 

 ────家の事情があり幼少に家族達はバラバラに引き裂かれ、当時に経験した大火災や悲劇によって三月は『解離性障害』に会い記憶等を全て失い、書類と遺体確認の手違いなどから別の家に孤児となったもう一人の子供と共に引き取られ、これが後に()()となる。

 

 そんな()()()()()()()()(義兄)が必死に『人間(ヒト)』として生きていこうとする姿を見て、三月は彼の為になろうと必死になり、やがて二人は惹かれあい始める。

 

 (義兄)何もかも(全て)失った(忘れてしまった)彼女(義妹)の為に。

 

 彼女(義妹)は壊れかけた(義兄)の為に。

 

 だがこの思いが通じ合ったかどうかのタイミングの矢先で三月はまたも実家の事情で(義兄)を護る為に()()()()()()()()()()()()()()()()。 そして『石田雨竜』の声が義兄と()()()だった。

 

 その所為か織姫は────

 

「────三月ちゃんはこの頃悩み事とか無い? 泣きたい時とか話し相手が欲しいなら胸を何時でも貸すから連絡してね────?」

 

 ────という勢いで迫り、両手で三月の手をギュッと掴みながら涙目になり、チャドは────

 

「────………………何時でも話したい時は()()()話して来てくれ────」

 

 ────と普段から言葉数が少ないチャドが自分から『話して来て良い』と言って来た。

 

「??????????

 

 三月はただ?マークを出して、

「ど、どういう事なのこれぇ?」

 と最後に二人(織姫とチャド)に会ってからの豹変ぶりに困惑しながらチエを見ると案の定、彼女は────

 

()()()()()()()()()()()?』

 『アンタ何やってんのよぉぉぉ?!』

 

 そこから三月はガミガミとチエに説教(愚痴)を(念話で)零していたが、チエは無反応だった。

 

 逆にチエは一護の具合などを聞き返して、彼が「自分は強くなる」と言った事に「ほぅ」と感心した。

 

 …………様な気がした。

 

 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …

 

 時はルキア奪還(救出)に向かう十日ほど前で、この時期に毎年開かれる夏祭りに一護達は出かけていた。

 

 ちなみに一護は無事に浦原との訓練を終え、見たところ『原作』より幾分か実力がマシになったのも良好だった。

 

 そして一護の鍛錬に他の人が付き合っていたその分、浦原はせっせと作業を進められたのも吉報だった。

 

「三月達、遅いな」

 

 両親に「渡辺家を案内して」と言われた一護がキョロキョロと見渡す。

 

「一兄はせっかち過ぎ」

 

 一護の(双子の)妹の夏梨が呆れたように兄を見る。

 

「そうだよお兄ちゃん!! 女の子は男子と違って時間かかるんだから!」

 

 もう一人の(双子の)妹の遊子が続く。

 

「………ま、そりゃそうか。 お前達も準備に時間かかったもんな」

 

 実を言うと双子達も『原作』より少し浴衣の着方に気を付けていた。

 

「そ、そりゃあ………………」

 

 ただ意外な事に夏梨がモジモジとして一護から顔を逸らす。

 

「ん? どうした夏梨? トイレか?」

 

「いっぺん死ね! 一兄はデリカシー無さ過ぎ! チエ姉ちゃんに嫌われるよ?!」

 

「何でそこでチエの名が出てくる────」

 

『『────お待たせ~!』』

 

「あ! こっちこっち!」

 

 遊子が手をぶんぶんと近づいてくる渡辺家に振り返す。

 

「遅いぞお前r────」

 

 渡辺家の声に振り向く一護が固まる。

 

「────ちょっとね~」

 

「────ごめん、ごめん! ちょっとおめかしに手間取っちゃって!」

 

「……………」

 

「あー! やっぱり凄~い!!」

 

「「えっへん!」」

 

 マイと三月が(同時に)得意げに胸を張る姿は『親子』と言うより『姉妹』だった。

 

 それに対してチエは────

 

「────髪を下すのと化粧をするのに何か意味があるのか?」

 

「「………………………」」

 

 夏梨と遊子…………と言うか黒崎家はこの数年共に祭り事等に一緒に出て来ているので彼女達の浴衣姿は何も初めてでは無い。

 

 無いのだが────

 

「────どうした、三人ともハトが豆鉄砲に撃たれたような顔をして?」

 

 ────今回のチエは()()…………と言うかかなり着飾っていた。

 

 以前の中性的な顔はうまい具合の化粧と、何時もきつく束ねている後ろ髪が解かれて下ろされた長髪の髪型で『和風美人』、または『大和撫子』の文字が似合うような麗しい見た目と変化していた。

 

 何時も動きやすい服()装ばかりしているだけに、今とのギャップ感が半端なかった。

 

「す、すげぇ………敵いっこねぇや……」

 

「皆の髪、サラサラで綺麗~!!!」

 

 余談だが今回のマイと三月の二人はおそろいのストレートのサイドテールだった(いつもは団子等の髪の上げたスタイル)。

 

「………………」

 

「それで~、真咲さん達は~?」

 

「あ、ああ。 おふくろ達ならこっちだ」

 

 マイの声にやっと反応し、未だに直視しない一護がズカズカと先に進む。

 

「? 一護はどこか調子が悪いのか?」

 

「お兄ちゃん、きっと照れてるんだよ」

 

「照れている??????」

 

 遊子が真咲に似たニコニコ顔で答える。

 が、チエはまだ困惑していた。

 

「あー! 三月ちゃん達だ! こっちこっちー!」

 

 織姫の元気いっぱいの声が良く通り、黒崎両親が確保したスペースでピョンピョンと飛び跳ねながら両手をブンブンと振る。

 

 勿論この動きに合わせて織姫の胸部装甲(お胸)が揺れている姿を凝視する周囲の男子達を睨み(殺意)の利かせたガンを飛ばす。

 

「わぁ! 三人とも綺麗~!」

 

「な? スゲェ奴らだろ?」

 

「あら~、初めましてかしら~? 渡辺マイと言います~」

 

「井上織姫です!」

 

 マイと織姫が挨拶を交わしている間、チエは竜貴の腕に巻かれたギプスに注目する。

 

「折ったのか?」

 

「ん? まぁねぇ。 決勝戦前に車に轢かれてさ。 おかげでインハイは準優勝止まりだったよ」

 

「(腕折って準優勝ってどれだけ…)」

 

 三月が再度、「竜貴は普通の人間なのにバケモノじみているなー」と思った所で彼女が声をかける。

 

「さっき聞いたんだけど…………織姫って夏休みはずっと忙しんだって?」

 

「へ? そうなんだ?」

 

 平然とシラを三月が切る。

 

「あんた達はどうなの?」

 

「少し込み入った事情があって、な」

 

「………大丈夫なの?」

 

 竜貴の声のトーンが何時ものあっけらかんとは違うモノへと変わり、困ったように二人(チエと三月)を互いに見る。

 

「……………」

 

「何が?」

 

「アタシは織姫が心配なのは勿論の事だけど………あんた達も心配なんだよ」

 

「「…………………」」

 

「昔からの付き合いなのに、()()になって初めて色々聞いた様な気がするし…………こう…………何て言うのかな? 『()()()()()()()()()()()()()』感じがするんだ。 しかもそれは嫌味とかじゃなくて純粋な善意から」

 

「(へぇー、『有沢竜貴』って脳筋じゃなかったんだ)」

 

「だからさ…………()()()()()()居なくなったら、アタシどんな事になろうとも一発殴るまで止まらないからね?」

 

「………そっか。 ありがとうタッちゃん♪」

 

 三月が笑顔に戻り、竜貴は明るさを取り戻そうと笑みを返した。

 

 三月はそれから周りを見渡す。

 

 マイと楽しそうに話す黒崎家の親(一心と真咲)()()()()()

 

 ジン太が彼にしては珍しく余所余所しい言動で(ウルルを中間に入れつつも)遊子と話す姿とこの事に苦笑いを浮かべながら楽しむウルル。

 

 夏梨とチャドの二人が屋台から買った食物を食べながら少ない言葉数で隣通しに座って話す姿。

 

 織姫は無表情のチエと慌てる一護の腕を掴んで二人を巻き込みながら祭りのアレコレを話す。

 

「………(うん、()()()()()。これで────)────きゃ?!」

 

 三月の眼鏡が突然顔から取られると同時に髪の毛を束ねていた紐も解かれ、彼女の腰まで届く金色の長い髪が姿を現す。

 

「────よっしゃあ!」

 

「────やりぃ!」

 

 一心と竜貴の声に三月が見ると、二人はハイタッチを交わしていた。

 

 一心の手には紐が握られ、竜貴は(伊達)眼鏡を自らの顔にかけていた。

 

「きゅ、急に何するのよ二人とも?!」

 

「「「「「「………………………………………………」」」」」」

 

 周りの知人達がポカンとした目で三月を見ていた。

 それは初となる彼女の素顔と、おめかしをしたチエの二人を互いに見ていた視線だった。

 

「何だ? 皆して私達を────」

 

「「「お人形さんみたいー!」」」

 

 ウルル、遊子、そして織姫が同時に純粋な感想を出す。

 

「…………………凄いな」

 

「だろうな。 あれで目立ちたくないんだとさ」

 

「んなの無理だっつーの」

 

 チャドと夏梨とジン太が自身の感想を続けて────

 

「こりゃあ、凄いッスねー」

 

 ────浦原が愉快そうにカラカラと笑うような感じで場を見ていた。

 

「う、うぅぅぅぅぅ────うぶ?!」

 

 三月が頭を抱え────

 

「小っちゃくて可愛い~ね~♡」

 

 ────る前に織姫が抱きしめ、息が出来なくなった三月がバタバタと手をバタつかせ、逃げようとする。 が、織姫の装甲(マシュマロ胸)に彼女の手が弾力によって押し返され、徐々に三月の肌色が酸欠から更に青白くなっていく。

 

「ね? 私の言った通りでしょ一護? …………………………一護?」

 

 ドヤ顔の竜貴が固まった一護の方を見る。

 

「………………こいつ、立ったまま気絶しているぞ?」

 

え゛

 

「ブハッ! 今度こそ『普通で地味』に居られると思ったのに~!」

 

「「「「いやいや、それ無理だから」」」」

 

 危うく窒息しそうな状況から復活した、涙目になる三月と彼女にツッコミを入れる他の皆だった。

 

 そんなハチャメチャなゴタゴタとした出来事で夜は過ぎ去って行ったのだった。

 




マルタ(バカンス体):『普通』は難しかったよ作者ラッシュ

作者:目を瞑るなー!

三月:え? な、何何何何?

リカ(天の刃体):そもそも『普通』の定義があやふやですので、返って目立つのがオチです

クルミ(天の刃体):面倒臭いですね

ライダー(天の刃体):切ないですね

作者:Oh…………この部屋のあられとお茶が…………
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