白と黒の世界は夢を見る   作:haru970

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勢いで書きました!

後、投稿ペース少し落ちるかも知れません、申し訳ないです…………


第22話 いざ、初めての尸魂界へ! え? もう来た事ある?

 ___________

 

 ??? 視点

 ___________

 

 時は空座町の夜中。

 場所は浦原商店の前。

 そこには目を見開いた一護が居た。

 

 彼の前には私服姿の織姫とチャド、滅却師装束の雨竜、()()()()のチエ、三月は(彼女にしては珍しく)青いジーンズとシャツの上から赤い外套&(伊達)眼鏡、そして背中に巨大な登山用バックパック。

 

 最後に────

 

「────小僧は案外飲み込みの悪い奴じゃのぅ。 この知り合い達はお前が死神の力を取り戻すべく修業を積んでいる間、この者達もまた修業を積んでおったのだ。 四の五の言わずに感謝の言葉を────」

 

 「────猫が喋ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?!」

 

 ────織姫に抱かれた黒猫(夜一)が一護に語り掛けていた。

 

「猫じゃないよ。 夜一さんだよ黒崎君?」

 

「そうだぞ一護。 何を驚く必要がある?」

 

 織姫とチエが平然と一護に答える。

 

「どうした茶渡?」

 

「渡辺……………『黒の渡辺』も死神だったんだなと思っただけだ」

 

 チャドが死神の装束に身を纏ったチエを見ながらコメントをする。

 

「待て。 『黒の渡辺』とはどういう事だ?」

 

「あ、もしかして私とチーちゃんが被るからサドッツ(茶渡)なりのあだ名?」

 

 バックパックを背負った三月がチャドに尋ねる。

 

「駄目か?」

 

「チエで良い」

 

「私もミーちゃんで良いよ♪」

 

「分かった、チエにミーちゃん」

 

「そ、そんなに軽く喋る猫の事をスルーするとは…………もしかして、僕と黒崎のリアクションが一般的ではないのか?

 

「俺が、石田と一緒…………だと?」

 

「黒崎も何故そこでショックを受ける?!」

 

「はいはーい! 皆サン、お店の奥まで来て下さいねー!」

 

 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …

 

 場がまた変わり、浦原商店の地下にびっくりしているチャド、織姫、そして雨竜のリアクションを楽しんでいる浦原に一護が訊く。

 

「あんたも来るのか?」

 

「少々事情がありまして♪ と言う訳で皆サン再び注目ぅぅぅぅ!」

 

 浦原が指を鳴らすと大量の結合符で覆われた四本の柱が飛び出した。

 

「これにびっくりしていて結構結構。 製作者としてこれ以上ないご褒美です♪ ではではこの『穿界門(せんかいもん)』を()()()()()()()()()()()()()()()説明します」

 

穿界門(せんかいもん)』。

 現世とソウル・ソサエティを繋ぐ門で、くぐった先は断界(だんかい)という通路(世界の狭間)へと通じている。

 

「────そしてここを本来、安全に通る事が出来るのは『地獄蝶』を持つ死神です」

 

 そこで浦原が一護達に説明をしている間、抱えた夜一をモフモフしながら三月はアレコレと考え、情報を整理する。

 

 尚夜一は渡されたマタタビに只今夢中であった。

 

「(情報(漫画)によれば、こっち(旅禍)側に回ってくれるのは確か………八番隊、四番隊、六番隊の恋次、十番隊の『当たらない氷輪丸』と副隊長、十一番隊、そして十三番隊………………………でも────)」

 

 ────()()()()

 

 これだけの隊長格や死神達が居ても、藍染率いる反逆組+完全催眠能力の前には赤子同然の様に同士討ちを始めていた(筈)。

 

 五番隊隊長(惣右介藍染)の『完全催眠』。

 斬魄刀の能力解放の瞬間を一度でも見た相手の五感と霊感等を支配し、対象を誤認させる事が出来る()()

 

「(もっとも、私に『完全催眠』は()()()()()し、対策も()()()()。 だけどこれはあくまで『能力』。 つまり────)」

 

 ────()()()()()()

 

 そんな未知数の相手を安全に、どう対処すれば良いのか?

 

 それは────

 

「────さて、問題は『時間』です。 我々が『穿界門』を開いてソウル・ソサエティへと繋いでいられる時間は、もって()()!」

 

 浦原の真剣な声のトーンに三月は現在へと意識を引き戻された。

 

「4、4分だぁ?! 間に合うのかよ?!」

 

「普通なら無理ッス」

 

「「「「?!」」」」

 

 一護達が息を呑むのを見て、浦原はウキウキする心を無理矢理胸奥に深く沈ませた。

 

「この4分を過ぎればあなた達は現世とソウル・ソサエティの狭間で永久に閉じ込められる事となります!(本当はもっと長く開ける事が出来るんですけどネ~)」

 

 ()()()()()()()()()()()()()()

 これは()()()()()

 だが開けていられるのは4()()ではなくその倍の8分。

 

 これは万が一の事を考えてその半分の時間を浦原は皆に伝えていた。

 

「(それに、()()()()()()()()()()()()())」

 

 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …

 

 前へ。

 ひたすらに前へ。

 前進あるのみ。

 文字通り必死に前へと進まなければ()()()()()()()

 

 なのに────

 

 「────走れ、走れ、走れぇぇぇぇ!」

 

 「遅いぞ、この戯け共!」

 

 怒って怒鳴る夜一を先頭に続いてチエを横に一護達は必死に走っていた。

 

 殿を務めていた(足幅が一番短い)三月は────

 

「────うぎゃああああああああ?! キタキタキタキタキタキタァァァァァァァ?!」

 

 全然いつもの彼女らしくない叫び声を出して、追ってくる()()()()()()から逃げていた。

 

「この馬鹿者! その荷物を捨てろ!」

 

「死活問題に関わるから無理ッ!」

 

「ほ、本当に壁が迫って────って何だあれは?!」

 

 三月の前を走っていた雨竜が目を見開く。

 

「煙の列車────うわぁぁぁぁぁぁ?!」

 

「うひゃあ?!」

 

 ペースの落ち始めた雨竜と三月(&彼女のバックパックごと)をチャドが肩に担いで走る。

 

「お、おろしてくれ茶渡くん!」

 

「あ、ありがと」

 

「ん」

 

「あれは拘流(こうりゅう)()()()、『拘突(こうとつ)』じゃ! 今日出るとは間の悪い────うにゃ?!」

 

「しっかり摑まっていろ」

 

 夜一をチエがすくい上げて自分の頭に乗せる。

 

「「おわぁ?!/きゃ?!」」

 

 次に彼女は一護と織姫を肩に担ぐ。

 

「お前達も摑まっておけ────」

 

「────チャドに()()! しっかり口を閉じていて、舌を噛むわよ!」

 

「何をするつもりじゃおn────ッ?!」

 

 夜一が後ろを見てギョッとする。

 チャドに担がれた三月は手を銃の形にして、人差し指の先に巨大な青い球を宿らせていた。

 

「(何じゃあれは?! 霊子の塊のようじゃが、大きさと密度が桁外れじゃ!)」

 

「渡辺s────?!」

 

 「『霊丸(れいがん)』!!!」

 

「「おわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」

 

 急な加速と共に足が地面から離れるチャドと雨竜が叫ぶ。

 

「「ぎゃああああああ!/きゃああああああ!」」

 

 上記の男性二人と同じく加速する一護と織姫が叫ぶ。

 

「ヌググググググッ!!!」

 

 そして夜一が(猫の)歯を食いしばる。

 

 その勢いのまま六人と一匹(七人?)は出口の門から()()()()()()()()

 

「「ぬ、これは落ちるな。/あ、これは落ちるわね」」

 

 チエと三月が状況を見て平然として態度で言う事がトリガーのように一護達が一斉に叫ぶ。

 

「「「「「あああああああああああ?!?!」」」」」

 

 そのまま皆が自由落下していき、いずれ墜落しては盛大な土煙が舞い上がる。

 

「うむ。皆無事に生きているな」

 

 服と顔、そして頭が土塗れになったチエがムクリと起き上がって何時ものペースで確認を取る。

 

「「「無事じゃねえよ!/ないわい!/じゃないぞ!」」」

 

 そしてすぐに苛立ったツッコミを入れる一護、夜一に雨竜。

 

「お、重い」

 

「ちょっと! 失礼ね、サドッツ?!」

 

「違う。リュックが」

 

「あ、ごめん」

 

 チャドの上からそそくさとリュックと共に退く三月。

 

「まあ……………結果的に生きておるから良かったわい」

 

「渡辺さん、最後のあれは何だったんですか? 何か凄い霊子の塊のようだったけど」

 

 雨竜がボロボロになっていた滅却師マントを持って来た予備に着替えながら三月に訊く。

 

「ん? 腕自体を霊子圧縮発射装置の媒体にして撃っただけだけど?」

 

「……………………………………」

 

 もう何処からどう言葉を続けたら良いのか分からなくなった雨竜であった。

 

「珍しいな、石田が黙り込むなんて」

 

「僕は黒崎くんが羨ましいよ。 頭が単細胞で

 

「んだと?!」

 

 このやり取りを夜一は見ながら考えを練っていた。

 

「(こ奴………あっけらかんとモノを言ったが他の者達は気付いておらんようじゃな。 『腕を媒体に霊子を撃った』と言ったが、あれ程の霊子……………腕が吹っ飛んでもおかしくなかったと言うのに…………………()()()()()()()()()()()()()()()?)」

 

「チエちゃん凄く速くなったね! あれも死神の技なの?」

 

「…『()()』と呼ばれている」

 

 三月が立ち上がるタイミングでチエも立ち上がる。

 二人が自身達についた土などを払い落とし、バックパックを背負い直すと────

 

「────んじゃ、また後で!」

 

「死ぬなよ」

 

「「「「え?」」」」

 

 一護達が素っ頓狂な声を出して、チエ達がその場を離れようとすると────

 

「────お前らはどうするんだ?」

 

 ────一護がそう尋ねる。

 

「別行動。 ちょいと『暗躍』してくる」

 

「何を企んでいるんだ?」

 

「違うってば。 『暗躍』って言ったじゃん」

 

「同じ事じゃないのか? それに、ここは敵地だ。 二人だけで大丈夫なのか?」

 

 これに雨竜も混ざる。

 

「この際じゃから言うが、お主らの中でこの二人は別格。 ()()ワシ等と集団行動するよりは別々に動いた方が敵の注意を分散してくれるじゃろ」

 

「そういう事♪ 私達は静かに『黒子役』をしてくるわ」

 

「気を付けろよ、二人とも」

 

「一護もだ」

 

 それを最後にチエと三月は走り去って、角を曲がると気配が途絶える。

 

 ___________

 

 チエ、三月 視点

 ___________

 

 二人は一護達の視界から出るなり、浦原特製の外套を羽織って、姿を消しながら流魂街を屋根伝いで駆ける。

 

 至る所では死者の魂────『魂魄』がそこら中から気配がした。

 そして皆、先程の墜落音で一時的に建物の中に避難したらしく、墜落場から離れていくと徐々に活気がある街中へと変わっていく。

 

「(ま、無理もないか。 彼らからすれば私達は空から降って来た不審者……っと、まずは────)」

 

 三月がゴソゴソとポケットからインカムを取り出して耳に装着する。

 

『────あー、テステスー。 本日のソウル・ソサエティは晴天なりー』

『何スかそれ?』

『良し、成功。 今どこですか、()()?』

()()()()()()の一つッス』

『オーケーです。 ご武運を』

『礼は帰ってからする主義ですので、アタシは♪』

 

 三月は耳のインカムから来る浦原の声に笑みを浮かべた。

 

 実はと言うと、一護との訓練を交代制にしてから浦原は『穿界門』の制作と改良に全力を入れられる状態だった。

 

 そして『原作』とは違い、ソウル・ソサエティへと()()()()()()()。 

 己の目的を果たす為に。

 

「(目的は()()。 そして一護達とは他に二つのグループが別行動している。 流石の藍染も私達全員を把握して対策を練りながら四十六室やその他諸々の幻覚を維持するのは流石に無理があるでしょ)」

 

「む。 三月、少し寄りたい所があるのだが良いか?」

 

「え? う、うん。 (珍しいわね)」

 

 チエが自分から何かをしたいというのは珍しかったので、三月はその行為を尊重────

 

「ふむ、街並みは変わっていないな。 ()()()()()()()()()()

 

「────ってアンタここ(流魂街)に住んだ事があるの?!」

 

「前に()()()()()()()私はここに放り込まれたのだが?」

 

「ウグッ。 (チーちゃんの本気のジト目威力半端無い!)」

 

「何か弁解はあるか?」

 

「大アリ! あれは私の所為じゃない!」

 

「……………………」

 

 チエ一瞬三月をジッと見て、前を見直す。

 

「な、何よ?」

 

「…………………」

 

「何か言いなさいよ、ねえ?」

 

「…………………」

 

 そしてズゥーンと落ち込んで地味に傷つく彼女(三月)だった。

 

 

 

 チエが向かって降り立ったのは西流魂街にある小屋の場所。

 かつて世話になった所。

 

 だがそこに二人が着くと空き地だった。

 

「えっと……………何も無いわね?」

 

「そうか。 では近くの者に訊こう」

 

「え?」

 

 チエが姿を現して近くの民家の中に入る。

 

「「「わぁ?!」」」

 

「失礼する。 この隣に住んでいた『右之助(うのすけ)』の事を知らぬだろうか?」

 

 バシィン!

 

「アンタ何やってんのよ?!」

 

 後ろから同じく姿を現した三月がハリセンでチエの頭を叩く。

 

 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …

 

 多少の行き違いがあったが、チエが(無理矢理)訪問した民家の中の家族は死神装束の彼女がその昔、ここの流魂街地区担当だった事を三月が言うと中年男性が元気よく答えてくれた。

 

「ああ! 死神さんは右之助爺さんの知り合いだったのか!」

 

「そうだ。 ちなみに奴の酒飲み癖は治ったか?」

 

「そ、そんなに昔の事を────」

 

「────はい、お茶をどうぞ死神()

 

 中年男性の妻らしき女性がお盆に人数分のお茶を持ってくる。

 

「ごめんなさいね? 突然入って来た上にお茶まで────って死神『様』?」

 

 三月が?マークを飛ばす。

 これは『原作』の中で、インコに宿っていたシバタユウイチと再会を果たした茶渡の描写では『死神は基本、流魂街に無関心』と言う印象が強く残っていたからだった。

 

「ええ、死神様達のおかげで私達は死後でも再会出来たのですから」

 

 民家の家族の奥方がニコニコと嬉しそうに中年男性と子供を互いに見る。

 

「………………………え?」

 

流魂街(るこんがい)』。

 瀞霊廷をぐるりと取り囲む下町、いわゆる『貧民街』である。

 死後の魂魄は基本、流魂街に辿り着いては1から80まである地区のどれかに()()()()()現れて、生前の知り合いや親族、恋人の魂と一緒に居られるのは基本運次第。

 

『原作』の中でもシバタユウイチは自分の母を独自に探し日々を送る描写と、彼の涙ぐむ姿が強く三月に残っていた。

 

「えと…………失礼を承知で聞きますが、あなた達は────?」

 

「オイラ達、正真正銘の家族なんだ!」

 

 子供がニカッと笑う。

 

「ああ、俺は昭和18(1943)年に戦死した。 女房と子供は昭和20(1945)年で空爆に会ってな?」

 

「そうか、辛い事を聞いて済まない」

 

 チエが頭を下げると民家の者達がギョッとする。

 

「あ、頭を上げてくだせぇ!」

 

「そうですよ! 死神様達が居なければ、私達は未だにバラバラに離れているかも知れなかったのですから!」

 

「????????」

 

 三月が更に?マークを出し、詳しい事を聞く。

 

 死神達は担当地区の流魂街の巡回中、新しい魂魄達をなるべく生前の知り合いや家族に引き会わせる話などを聞いて、彼女は唖然とする。

 

 やり方や熱意やそれをやる気はピンからキリまであり、隊や隊員個人によってはそれぞれらしいが。

 

「私達が会った死神様達は良い方達で、こうやって私は死後もう一度巡り合えましたの」

 

「それは良かったな。 それで、右之助の事だが────」

 

「────ああ、昔の担当の死神さんなら知らないか。 右之助爺さんは今瀞霊廷で住んでいるんだ」

 

「今でもちょくちょく流魂街に来ては怪我の治療などをしに来るけど、もうお年頃だしねぇ」

 

「でもオイラ前に見た事あるぜ? お忍びで近くの酒屋さんに来ているの」

 

「そうか、感謝する」

 

「ええ、お茶美味しかったわ」

 

 チエと三月が立ちあがって民家を出ると中から家族三人が声をかける。

 

「右之助爺さんに会ったら宜しくな!」

 

 三月はこの新しい情報に困惑し、チエと一緒に走りながらその場を後にする。




作者:いよいよか

市丸ギン:ほんま長かったわ。 僕、待ちくたびれたで

作者:……………………ああ、そう言えばお前の初登場シーン間近か

市丸ギン:おいちょっと待てや。 何やその薄い反応?

作者:さて、じわじわと、コツコツと次話を書きましょうかね~

市丸ギン:おい、こっち向けや。 目を逸らすなや
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