白と黒の世界は夢を見る   作:haru970

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作者:お待たせしました! 少し長めです!

チエ:キリが良いところまで書いただけだろ?

作者:グハァ?! ド直球?!


第25話 バイキンマ〇とスネー〇とロラ〇登場。の巻き

 ___________

 

 阿散井恋次 視点

 ___________

 

「うりゃぁぁぁぁぁぁ!」

 

 大きな雄叫びと共に恋次は斬魄刀を模擬した木刀を仮想相手に振るう。

 

 場所は第六番隊舎……………での本来は、()()()()()()()の庭。

 

 護廷十三番隊の隊舎にはそれぞれ敷地内に平隊員の宿舎や事務所の他に、隊長が住み込める、個人用の平屋の戸建てが分け与えられる。

 

 だが白哉は屋敷暮らし&通いなので使用の権利者は次に偉い副隊長である恋次になる。

 そして流魂街出身である彼はこれを譲り受けるのを断った。

 

「スゲェ嬉しいけど、オレはそんなタマじゃねえから他の奴らにくれてやれ」

 

 そこで次々と席持ちの死神達にオファーが下ったが、先の恋次の言葉で「良し、貰った!」と誰も言えずに結局は訓練場と化した。

 

 場所は(ほぼ)恋次専用と成っていたが。

 

「せい! ハァ!」

 

 十一番隊に居た頃の癖なのか、彼はよくここ(訓練場)で仮想相手を脳内で描きながら素振りなどをしていた。

 

 そして今の恋次は先日見た一護を相手に思い出しながら動いていた。

 一瞬とはいえ、正規の死神ではない彼相手が自分(恋次)を凌駕したなど────

 

「(────ルキアの()()()()、初めて見たぜ)」

 

 実はルキアを白哉と共にソウル・ソサエティに連れ戻す際に一護は『原作』と違い、初っ端からかなり善戦していた。

 

 と言うのも斬術では敵わないと悟った瞬間、一護は()()をメインに戦い始め、恋次の『蛇尾丸(始解)』とはすこぶる相性が悪かった。

 

 恋次の『蛇尾丸(始解)』はいわゆる幅広の蛇腹剣で、刀身を伸ばす事が出来る。

 普通なら本能で突然追って来る蛇腹剣のリーチから逃れようとするが、一護は怯むどころか恋次の懐に入り込み、彼の腹にキツイ一発を食らわせた。

 

 その時の朽木兄妹の顔は(義兄妹とは言え)、全く同じように目が点となっていた。

 余談ではあるがその場にいた雨竜も目が点になり、彼の眼鏡はずり落ちそうだった。

 

 そこから恋次は一護より圧倒的戦闘経験で彼を追い込むが、一護の実力が突然飛躍的に上昇してまたも苦戦しそうなところで白哉が『原作』と同じように一護の鎖結と魄睡を貫き、戦いは終わった。

 

 そして先日、ルキアに『()()()()()』の事を伝えると、彼女は「あの戯けめ!」と怒りながらも、()()()()()()()()()

 

「うらぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 恋次はモヤモヤし始めた胸の中の気持ちごと斬るかのような勢いで素振りを再開する。

 

「あの何時も強気で気丈で何処か人をおちょくるのが楽しむルキアが人前で泣くほどの者なのか?」と思い始めた恋次は────

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────心底悔しかった。

 

「おりゃぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 バキキキキッ!

 

「あ」

 

 恋次の全力のスイングに強化された木刀が軋んで砕き始める。

 

「…………………チッ!」

 

 彼は手で握っていた壊れた木刀を見て舌打ちをしながら壊れた木刀をごみ箱に入れて、新しい木刀を手に取ると、後ろから声が掛けられる。

 

「荒れていますね~、副隊長~」

 

「あぁ?」

 

 恋次は初めて聞く()()の声に振り向く。

 

 基本、ここ(訓練場)は六番隊なら誰でも使用できる事になっているので出入りも自由であった。

 

 それが末端(新人)の死神であっても。

 

「おめぇ、新入りか?」

 

 恋次は目の前の、ルキアと殆んど大差が無い、死神の死装束を纏った()()()()に聞く。

 何せパッと見ても()()()()()

 

「はーい、そうでーす」

 

 何処か眠そうな、ダルそうな声と表情と、昼寝から起きて間もないのかハネッ毛が目立つ少女はトテトテと恋次へと走────

 

 コテン。 

 バタン!

「へぶ」

 

 ────りだした瞬間、何もない所で盛大に足を引っかけ、こけて顔面を地面に打つ。

 

「オ、オイ? 大丈夫か?」

 

 少女がムクリと何も無かった様に立ち上がり、土を払い落としてから恋次へと小走りに走る。

 

「それよりですねー────」

 

「────スルーするなよ────」

 

「────副隊長にお一つ聞きたいのですがぁ────」

 

「────無視するな────」

 

「────あの『旅禍』達、朽木隊長の妹さんを助けようとしているみたいですねー?」

 

「テメェ、誰だ?」

 

 恋次が霊圧と殺気を同時に放つ。

 

「おおー、良い反応ですねー。 木刀、僕も握────?」

 

「────らせるかよ!」

 

 恋次が今の状態で瞬発的に可能な全力の踏み込みと一太刀を少女に振るう。

 

 普段なら様子見でもするのだがストレスと心の心境とで気が荒れていた恋次に彼女の言った事のタイミングと内容が不味かった。

 

 

 だが少女は身構える事や表情を変えずに、体を僅か動かしてギリギリの所で躱す。

 

「ッ?!」

 

「せっかちですねー。 まぁ、ボク()彼女を助けたい一員なんですけど」

 

「……………詳しく話せ」

 

 気が付くと、恋次自身が驚くほど頭がかつてない程クリアになりながら表情がイラついたモノから真剣な顔へと変わって行くのを感じた。

 

 普通ならこの見た事の無い隊員の素性を問いただす所だが、()()()()()()()()()()()()()()()と判断していた。

 

 何せ相手は()()()()()()()()()()()()()()()()なのだから。

 

 これに少女も意外だったらしく、感心したような息を出す。

 

「ほぅ。 んー…………『詳しい』とは行きませんが────」

 

 ちなみに少女の内心を覗き込める者がいれば、以下の様に見えているだろう。

 

「(アブナイ危ないあぶない死ぬかと思ったこいつ本当に副隊長なの今のが普通の一太刀のスピードとパワーなのさっき頭打った時で体がフラつかなかったら脳天凹んでたんですけど────)」

 

 ___________

 

 リカ 視点

 ___________

 

 結局少女は────死神装束を纏ったリカは────は詳しい事は何も言わず、ただルキアを助ける為に旅禍の者達がソウル・ソサエティに乗り込んで、()()()()()()()と恋次に説明していた。

 

 ちなみに心の中のテンパりも落ち着いていた。

 

「へぇ……………で?」

 

「ん?」

 

「俺に何をして欲しいんだ?」

 

「え?」

 

 恋次が腕を組みながらリカを見る。

 

「俺にそんな事を言う為にわざわざここまで忍び込んだ訳じゃねえ筈だ。言ってみな」

 

「(意外ですね。 旅禍である僕を捕まえようとせずに()()()事を捉えるとは────)────やはり()()()ですね

 

「あ? 何か言ったか?」

 

「いえ、何も。 僕が伝えるべき事はそれだけでしたので。 後はこの事を()()()()()に伝えてくれれば問題ないです」

 

 そう言い残し、踵を返そうとするリカに恋次が眉毛を片方上げながら聞く。

 

「『()()()()()?』」

 

「あ、()()()の事です。 ではでは────」

 

 それを最後にリカは踵を返して、(またも何も無い所でこけてから)(訓練場)を後にする。

 恋次は内心驚きながらも笑みを浮かべ、出かける用意をし始めるのを、姿と霊圧を消したリカが見ていた。

 

「(良し、計画通り。恐らくこれで彼は『ルーちゃん』のあだ名についてルキアに面会を申し込む筈。 そして今の間に────)」

 

 リカは屋根伝いで六番隊の宿舎から近い、()()()の隊舎へと向かった。

 

 ツキミによると、藍染は丁度今隊首会に向かっていて、五番隊隊舎では五番隊副隊長が一人だった。

 

「(居ました、()()()()()())」

 

 リカが見下ろす宿舎では戸締りのチェックなどを小柄な体であっちこっちへと忙しく周り、黒い髪はシニヨンで纏め、茶色の瞳と太めの眉をした少女がいた。

 

 そして左腕には『五』と書かれた副官章を巻いていた。

 

 彼女の名は『雛森桃(ひなもりもも)』。

 雛森はその昔、まだ死神見習いだった時期に同期だった恋次達と共に五番隊隊長の藍染と当時副隊長であった市丸ギンに、巨大虚の襲撃から命を救われた────

 

 

 

 

 

 

 ────と言う、襲撃の原因の源である藍染本人の自作自演により、藍染に深く敬愛して()()()()()()()()()()()()()

 

 現に彼女は藍染率いる五番隊を一途に入隊希望を狙い澄まし、一気に副隊長の座まで登り詰めていた。

 

「戸締り良し。 副官章良し。 後は藍染隊長と道すがら話を…………………それでなくても……挨拶だけでも……」

 

 笑顔だった彼女は最近、自分を避けている様な藍染の事を思っては一気に落ち込む。

 

 その彼女の背後にリカが静かに降り立ち────

 

「────? 誰?」

 

 雛森は何かに気付いたかのように後ろを向く。

 

 が、()()()()()()()()()()ので数秒後は自分の気の所為と思い、隊舎を後にする。

 

 自分のシニヨンに()()()()()()が絡んでは自身の黒髪に潜り込むのを全く気が付かずに。

 

『本体、成功です』

『良し、次は────』

 

 何処かウキウキするリカに、同じくウキウキしている三月の返信が聞こえた。

 

 ___________

 

 ツキミ 視点

 ___________

 

 場は変わり、護廷十三番隊がほとんど勢揃いで立っている部屋に市丸ギンが最後に入ってきて、他愛ない様子で隊長たちが喋り出す。

 

 そこには勿論十一番隊の剣八もいて、市丸ギンが「自分だけ旅禍とやりあいながらも見逃した」といちゃもんを付けていた。

 

「あら? 死んでへんかってんねや。 いやあ、てっきり死んだ思うててんけどな? ………僕の勘も鈍ったかな?」

 

 そこに『十二』と書かれている隊長の羽織をした、面妖な黒い化粧と仮面をした異相の男が口を開けた。

 

「ククク…猿芝居はやめたまえヨ」

 

「(これで『ハァヒフヘホー!』とか『俺様、天才!』って今言うたら、百パーの確率で思わず爆笑する自信めっちゃあるわ)」

 

 十二番隊隊長の『(くろつち)マユリ』の声に対してツキミが声に出さずにツッコミ、秘かに隊首会(たいしゅかい)が行われている部屋の様子を屋根近くの出格子窓から伺っていた。

 

 もしその様子が見える者が居たのなら、どこぞのエセ英語を喋る者が「Oh!ニンジャガール!」とでも叫んでいただろう。

 

「我々隊長クラスの者が、相手の魄道(はくどう)の有無など察知出来ない筈は無いダロ?」

 

「(黒いアンテナ付いた帽子でセリフ言うてくれへんかな~? ………無理やろな~…………………………………………………………多分)」

 

「ハァ…始まったよ。 馬鹿オヤジ共の馬鹿喧嘩が」

 

『十』と書かれた白い隊長羽織をした白髪の少年が溜息交じりに愚痴を零す。

 

日番谷冬獅郎(ひつがやとうしろう)』。 

 別名『当たらない氷輪丸』(三月命名)。

 史上最年少で隊長に就任し、神童と呼ばれる『天才児』。

 

 そして背丈が十一番隊副隊長のやちるの次に低身長(チビ)

 

「(ん? ちょい待ち。 今の声どっかで聞いた様な…………………う~ん? 何処やろ?)」

 

 隊長同士の口論がヒートアップする隊首会の部屋の中で一つのお腹に響く音で止まる。

 

 ドンッ。

 

 総隊長の杖が地面に力強く、突かれたのだ。

 

 総隊長の山本元柳斎からはその地位に相応しい、威厳たっぷりな重苦しい空気を言い争っていた剣八とマユリ、そして市丸達に対して放ち、即座に黙らせていた。

 

「…………………三番隊隊長市丸ギンよ。 此度の失態に対し、申し開きはあるか?」

 

 この様子の山本元柳斎に、一人の男は静かに内心畏怖と尊敬を同時に感じていた。

 

 その男は『第八番隊隊長』で名は『京楽春水(きょうらくしゅんすい)』。

 

 またの名を『京楽次郎総蔵佐春水(きょうらくじろうさくらのすけしゅんすい)』と言った、大層なフルネームを持つ上級貴族の次男。

 

 そして上級貴族の京楽家の次男でありながら、かなり()()()な見た目を好んでいた。

 護廷十三番隊隊長の羽織の上に更に女物の着物を羽織り、女物の長い帯を袴の帯として使っては足袋を履かない、等々。

 

 まだまだ例は出るが、それは後の話で追記するとしよう。

 

 そんな京楽は総隊長からでも一目置かれる様な人物であると同時に総隊長に対してタメ口や、『山じい』とあだ名を付けられる数少ない人が、畏怖と尊敬を山本元柳斎に感じるのは無理もなかった。

 

 以前記入したように、山本元柳斎は『オフ』ではかなり気さくで『もの凄く愉快なお爺ちゃん』*1である反面、『仕事』となるとこれ以上ない程の冷静で的確、そしてシビアな結果主義者と化す。

 

 余談ではあるが京楽自身ともう一人の、この場に居ない隊長も少なからずこの二面性をしっかりと引き継いでいた。

 

 そして市丸ギンはそんな彼に対して────

 

「ボクの凡ミスですわ。 弁明なんて、ありませんよ」

 

 ────シレッと答えを返す。

 隊長の何名かが「こいつ、ふざけているのか?」という態度を露わにする。

 

 ただし山本元柳斎は他の隊長とは違い、動じるどころか静かに片目だけを開けて市丸の顔を無言で窺う。

 

「市丸、少し良いかい? 君に────」

 

 藍染の言葉を遮るかのように木の叩く音が響く。

 

『────緊急警報! 緊急警報!瀞霊廷内に 侵入者あり! 各隊────』

 

 ツキミが空を見ると、そこには大きな()()()()()()()()()()()()()が瀞霊廷へと向かっているのを見た。

 

 

 ___________

 

 カリン 視点

 ___________

 

「来たぜ」

 

 洞窟の壁に座りながら寄りかかっていたカリンが目を開けて、小休憩中(カップ麺を食べている途中)の浦原にそう言う。

 

「ズズズ……………ううれすは(もうですか)? ゴックン……プハッ! やれやれ、それじゃあアタシはもうひとっ走りして来ますよ」

 

「おう、またな」

 

 浦原が洞窟から外に出て、カリンが長~い溜息を出す。

 

「………オレも早く暴れてぇなぁ………」

 

 実はと言うと浦原は先程隠れ家のある洞窟に帰って来てカップ麺が出来上がったばかり。

 そして上記の様に()()()()()()()と並行で更に動く事となる。

 

 カリンは簡単に自分が『マイと似たような存在』と告げ、彼女が隠れ家に居たのは()()()の為と伝えていた。

 

 有り体に言うと、伝令神機の代わりになった()()()()()()()である。

 

 当初、隠れ家に突然居た彼女を警戒していた浦原と夜一にカリンは「自分は浦原達に協力するように仰せつかっていて、『力』も貸す事も出来る」と伝えた。

 

 最初こそ警戒していたが、『念話』の便利さを知ってからは浦原と夜一が設置した多重結界内であれば敵対はしないと言う交渉の元で二人は暗躍を続けた。

 そして何故一護達が瀞霊廷に来てもいないのに夜一が既に居たかと言うと、浦原の『実験』が成功したからである。

 

 それは長年、テッサイと共に研究していた禁術の『転移』の疑似的応用化だった。

 

 媒体となるオブジェを、浦原は一護達の後から来ていた時に西流魂街の古い隠れ家に設置し、先にチエ達と共に兕丹坊(じだんぼう)に持ち上げられた白道門(はくとうもん)で瀞霊廷内へと侵入。*2

 

 そして一護達と一時的に別行動をした夜一はオブジェを使い、穿界門(せんかいもん)を開き、断界(だんかい)へと入り込むと同時に穿界門の出口を展開、対となるオブジェが展開して断界を出る。

 

この世界(BLEACH)』での『どこで〇ドア』(仮)的な物の出来上がりである。

 

 と言っても試作段階なので難点も山ほどあるのだが実用化出来る所まで()()()()()()()が頑張った結果だった。

 

 余談ではあるが、実は浦原が一護を手合わせ(と言う名のなぶり殺し)中に、鬼道を教えていたテッサイを通じて三月がかなり助言をしたのだが。

 

 しかもそれが「『キメラ〇翼』みたいな『転移道具』が使えばなー」と彼女の独り言を聞いたテッサイ(200㎝)三月(140㎝)に詳しい事を聞く為に迫ったからである。

 

 それはもう、もの凄い無表情な形相のドアップ迫力マシマシ顔で。

 

 そこから浦原が禁術の『転移』をそのまま再現するのではなく、『使い捨ての対となる媒体と断界を中点として使う』と言った、完璧に違う方向での研究や実験などを現世で(血反吐を吐くほど)試験運用し、(拘突(こうとつ)から逃げながら)断界内部を調査してやっと出来た。

 

 ちなみに上記に記入したように荒削りの試作段階なので色々と難点はある。

 例えば通るモノの想定にオブジェに込める霊力と印、そしてオブジェ自体の大きさが変動する。

 一度使えば穿界門を通過した時点で媒体が崩れるので基本的に()()()()が通れる。

 高確率で拘突と出会う(浦原本人が立証済み)。

 対となるオブジェが傷を、または破壊された場合に残ったオブジェを使えば断界に入る事は出来るが、理論的に出口が無い。 又は出口がランダムの座標になってしまう(流石のコレは浦原でも試すのを戸惑ったので確証は無い)。

 

 等々。

 

 カリンは洞窟の中から外で四方に散らばる流星の様な光を見ていた。

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛、早く終わんねぇかなー」

 

 ___________

 

 斑目一角 視点

 ___________

 

「うりゃあ!」

 

「はぁぁぁぁぁ!!」

 

 金属と金属がぶつかり合う音が辺りに響く。

 だが一角の耳朶には自分の脈の打つ心臓の音しか入っていなかった。

 

「(こいつ、強ぇぇ!)」

 

 このスキンヘッドで三白眼の強面の男の名は『斑目一角(まだらめいっかく)』。 十一番隊の三席で、()()()に強い。

 

 そんな彼はよく一緒につるむ五席の『綾瀬川弓親(あやせがわゆみちか)』と共に旅禍らしき流星が墜落した地点へ辿り着くと一護ともう一人の男を相方で分けて、相手をしていた。

 

 そんな一角が一護と少し小競り合いをしただけで、彼が『かなり出来る』と判断し、師が誰なのか問うと一角の度肝を抜くかのような名が出た。

 

「あ? 数日間程教わっただけだから『師』と呼べるかどうかは分かんねえけど、一応『浦原喜助』────」

 

 一護が何処か嬉しそうになりながら言葉を続けていたが、そんな彼の様子は一角の眼中には無かった。

 

『浦原喜助』。

 長年死神をしていた一角はその名だけは知っていた。

 護廷十三隊の十二番隊の『元隊長』であると同時に『技術開発局』の創設者にして『初代局長』。

 

 そんな人物が一護の『師』と聞いた瞬間、一角は()()を出すのに躊躇しなくなった。

 

 そして『原作』通り、初解で一護のに傷を負わせるも、急激に彼が一角を押し始める。

 

 それは『原作』よりも速い展開で、『()()()()』を出すかどうか一角を迷わせる程だった。

 

 その迷っている間に一角は倒され、地面で動けない状態で先の戦いを思い出しながらボーッと空を見ていた。

 

「流石は…………『浦原喜助』の弟子か………」

 

「あ? お前、さっきの俺の言った事聞いてなかったのかよ?」

 

「聞いていたさ。 たった数日間の師だったんだろ? それでも納得がいくぜ」

 

「やっぱり聞いていなかったじゃねえか、このビー玉頭」

 

 「ビー玉頭言うな! 『スキンヘッド』だテメェ! 間違えんな!」

 

「浦原さんは数日間だけ俺の相手をしたから、俺は師とは呼んでいねえよ。 師と呼ぶ奴なら『アイツ』しかいねえからな」

 

「『アイツ』だぁ? 誰だよ、そりゃあ?」

 

 一角が?マークを出しながら、一護の顔に視線を移す。

 

 太陽の光をバックに一護の誇らしい、実に良い笑顔が一角に向けられる。

 

「小せえ頃からの馴染みの、『渡辺チエ』だよ。 後はまあ、強いて言うのなら『渡辺姉妹』の二人か?」

 

 そこは『戦士』ではなく、ただの『少年』の姿があった。

 

()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …

 

 そして一角は次に気が付くと、四番隊の綜合救護詰所で目を覚ました。

 

「……………俺は……ん?」

 

 横から四番隊の死装束を着た金髪少女がトテトテと、サングラスを付けてヨタヨタと杖に寄りかかる老人と共に近付く。

 

「はーい、点滴の交換時間でーす!」

 

「ホッホ。 『班目一角』だったね、君は?」

 

「こ、これは右之助さん?! ま、まさかわざわざ俺に────ッ?!」

 

「わわわ! 駄目ですよ急に動いちゃ?!」

 

 驚く一角がス割上がろうとして痛みに顔をしかめ、金髪お団子の看護婦が点滴を交換する前に一角を寝付かせる。

 

「随分、派手にやられたの? しかもワシの血止め薬を全て使うとは………」

 

 右之助が近くの壁に立てかけていた一角の斬魄刀の柄を横目で見る。

 

「スミマセン、貴重な薬を………」

 

 一角にしてはかなり腰の低さには訳があり、彼の血止め薬は右之助の手作りを分けて貰っていた事も要因の一つだった。

 

 右之助は四番隊所属────

 

 

 

 

 

 

 ────ではなく、瀞霊廷では数少ない異例のフリーの医師であり、自ら進んで十一番隊の『専用医者』っぽいポジションに就いていた。

 

 と言うのも、戦闘集団である十一番隊からすれば救護や補給専門の四番隊は『腰抜けで腑抜けの根性無し』の集まり。

 対して四番隊からすれば、十一番隊は『脳筋ゴロツキのチャンバラ集団』の認識だった。

 

 そんな犬猿の仲で誰が進んで互いの隊の面倒を見るのだろうか?

 

 勿論、義務である為四番隊は治療などを行うが世辞にも良い外務ケアをするとは言い難かった。

 そんな中でも右之助はよく薬などを十一番隊に提供していた。

 

「何、薬は人の為にある物。 使わなければ、ただの粘土と大差ないわい────」

 

「────邪魔するヨ、班目三席」

 

 そこに涅マユリと、彼の後ろに『十二』と書いてある副官章をした、寡黙で無表情の黒髪の女性が病室に入って来た。

 

「おや、これは右之助殿ではないカ」

 

「……………」

 

「涅隊長…………何故ここに?」

 

「少し班目三席に訊きたい事があってネ」

 

「病室にまで来るとは、何用かな?」

 

 マユリが一角の近くまで歩いている間、黒髪の女性がジーッと苦笑いをしながら固まった金髪の四番隊員を見ていた。

 

「して、班目三席。 旅禍の事を教えて貰えないだろうカ?」

 

「…………………」

 

「涅隊長。ここは病棟で、彼は怪我人じゃぞ?」

 

「百も承知だヨ、右之助殿。 だがこの騒動の旅禍には『何かある』と私は小耳にはさんでネ」

 

 横目で右之助をマユリは見る。

 

 二人の間にピリピリとした空気が流れ、これを見た一角が口を開ける。

 

「マユリ隊長、俺は知らないんですよ」

 

「何だト? 君は旅禍と直接戦闘しておきながら、何の情報も得られぬままただやられて

 帰ってきた…………そう言いたい訳かネ?」

 

「ついでに言うと俺は敵の顔も見てないし声も聞いていません。 だから貴方にお伝え出来る事は何一つありません」

 

 敬語で喋りながらもマユリをディスる一角の態度と言葉にマユリはこめかみに青筋を上げる。

 

「グッ!!! 君は余程────!」

 

「────あ? 何でここに涅と右之助のジジイが居るんだ?」

 

「更木隊長?」

 

「チッ。 邪魔したヨ、班目三席。 来い、ネム」

 

「ハイ、マユリ様」

 

 更木剣八の声によりマユリは舌打ちをし、興味を失くしたかのように病室を黒髪の女性────『ネム』と共に出る。

 

 そこから一角は更木に一護の事を話し始め、部屋を出ようとした右之助の後を付いて行こうとしたお団子金髪の死神をやちるが呼び止める。

 

「ねぇねぇ! どこかで会った事なーい?」

 

「うぃぇ?! え、えーと? ナイトオモウケドー? オホホホホ」

 

「ふぅーん?」

 

 気まずい笑いを出しながら退出していく二人をやちるがジーッと見ていた。

 

 その後ろでは更木が一護に自分を警戒させる事を言った一角を褒めていた。

 

「じゃあ、俺はそろそろ行くぜ一角────」

 

「────待って下さい、隊長。 あともう一つ、耳に入れておきたい情報があります」

 

「あ?」

 

 一角がニィーッと笑う顔に、更木が困惑した顔をする。

 

「その『黒崎一護』が『師』と呼んでいる者が、瀞霊廷に来ている可能性があります」

 

「へぇー? そいつの名は?」

 

 更木が更に深く、愉快な笑顔をする事に一角の心臓の鼓動は嬉しさで早くなっていた。

 

「『渡辺姉妹』で、一人は『渡辺チエ』と言っていました」

 

*1
19話感想のコミケンさんより、ありがとうございます!

*2
第22話より




余談ですが今までの声優関連ネタは、自分が初めてBLEACHのアニメ見た頃のモノも混ぜています(基本漫画の方しか読んでいなかったので)。
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